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日々、小さな楽しみを見つけて・・・

本 塞王の楯

2022-03-31 | 

「塞王の楯」 今村翔吾 著

直木賞を取られた500頁余の

かなり分厚い本です。

白内障で目が見えにくくなっている婆には

ちょっと重くて読みずらい本でした。

ストーリーが面白くて

読み進みの良い本となりました

 

戦国時代

守りを堅くする石垣職人の飛田匡介

攻めを強くする銃職人の国友彦九郎

 

乗谷城が陥落し

一人戦火の中から逃れていた時

飛田源斎に拾われます

源斎は匡介の産まれ持った才能が

穴太衆、石垣職人である源斎の後継ぎとなるであろうという勘を感じます

そして匡介は源斎の仕事を見て学ぶうちに才能がめきめきと現れ

頭として飛田の大事な存在となります

一方

穴太衆で働く玲次も非常に鋭い勘と優れた技能の持ち主で

匡介は石積みとして

怜次は荷方として

お互い最高のパートナーとなります

 

攻めの方の鉄砲職人国友三落

こちらは後継者彦九郎が頭角を現し

匡介のライバルとして常に対峙します

 

匡介は

「絶対に破られない石垣が戦をなくす」

と信じ

彦九郎は

「どんな城をも落とす砲の恐怖で戦をなくす」

と信じています

お互いに泰平の世を望んでいるわけですが

皮肉にも

双方実際には戦の手助けをしていることとなります

 

その後匡介は

京極高次の大津城を守るため

その石垣作りに携わります

一方彦九郎は大津城を攻める石田三成に雇われて

素晴らしい銃を作って対峙します

 

京極高次の妻

初の侍女真帆と匡介は互いに惹かれ合う様になりますが

匡介は戦を終えて

京極家が新しい国で礎を築いたその時まで待って欲しいと真帆に告げます

 

京極高次は世間から蛍大名と言われ

戦については全く解さない様な人物でしたが

常に相手を思い

分け隔てのない

人を大事にする大名でしたので

人心を掴むことに長けていました。

匡介は京極家の為に働くことに誇りを感じていたのでした。

 

この本は戦国武将が主人公でなく

その下支えをする職人の話で

私は石垣職人というものを

殆ど知りませんでした

文章の中で

その技術や知恵にびっくりすると共に頭の下がる思いがしました

同じ戦でも現代とこの頃とでは

人間同士の熱い思いや

お互いを尊重する態度、礼の様なものが見えて

昔の戦の方が現代より好ましく感じられました

勿論戦には惨い所は多々ありますし

なければそれに越したことはないのですが。

 

 

 

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