「同潤会代官山アパートメント」 三上 延 著
題名を見た途端惹かれて買った本です。
青山同潤会アパートは
小学校時代のお友達が数人いらして
子供の頃には
良く遊びに行ったものです。
又
青山から引っ越したのが
東横線沿線でしたので
この代官山という土地も
私ににとっては関係深い所でありました
この話は略関東大震災の頃から始まります
茅ヶ崎で育った八重子がこの本の主人公。
八重子の妹愛子と結婚するはずだった竹井
結婚を間近に迎えたある日
あの
関東大震災に見舞われてしまったのです
愛子を震災で失った竹井と
どこか似かよった姉の八重子
そして
愛子をこよなく愛していた
この二人が
夫婦になったのでした
結婚して竹井が探して来た住処は
当時はまだ珍しい
コンクリート作りの同潤会アパートでした
大きな地震にも負けない
そんな住まいを竹井はさがしていたのです
二人の間には恵子という娘が生まれ
恵子も浩太と進という二人の男の子に恵まれ
この二人の生活に話が移ってゆく
そして
浩太の娘
八重子のひ孫である千夏まで
4代にわたっての
代官山同潤会アパートは
時代の波を乗り越え
時代の波に影響され
時代に寄って
様々な姿を変えて
移ろってゆく
最後には
この同潤会アパートは解体され
高層マンションという
新しい波の中に身を置くことになるのです
最初のプロローグ1995年
から始まって
10節に分かれるこの物語
みんなのおうち1997年でストーリーは閉じられます
最後は1927にもどりエピローグ
半分は私個人の歴史と重なる
思い出深い1冊でした