【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

二度目のランデヴー

2011-01-23 17:17:57 | 心の宝石箱


   昨日より3度近く気温の
  高い朝を迎えました。

   今日も冬日和。
  晴天が続きます。
  
   寒さの方も昨日辺りから
  やっと平年並みの気温に。
  
   さて、今日は早速本題に
  入る事に致しましょう。
  
   今日のタイトルでもある、
  「二度目のランデヴー」 は、
  【先日】 から引き続き、
  三浦綾子の小説を。

   今回は、タイトルに惹かれた、
  『残像』 を読了。
  
   この物語の舞台は1970年代。
  所謂、昭和の時代ですね。

   札幌に住む中学校長一家。
  気弱で世間体を気にする父親と何事にも感動しない母親。そして冷酷な兄。

   冷たい隙間風が吹く家庭。渦巻く愛憎、そして崩壊・・。
  それらの心理的な葛藤など、見事に描いています。

   奇しくも先日読了した 『裁きの家』 では大学生の息子が母殺しを計画。
  今回は、父親の子殺し・・? に発展します。
  尤も、どちらにも最後に大どんでん返しがありますが・・。

   勿論、この本も何十年振りかで手にした本です。
  ほとんどは “忘却の彼方” 状態ですが、
  淡く記憶の根底に眠っていた部分もありますから、それを突如思い出してみたり・・。

   ただ前回は私自身、この家の美しい一人娘、弘子の目線で読んでいたと思うのです。
  でもあれから年を重ねた今は、父親の気持ちや、
  さり気なく描かれた昭和の時代の風景描写にもハッとさせられます。

   ところで、自宅の蔵書には誰しも特別な思い出がありますね。
  そう言えばひと昔前は蔵書印なんて押して、ご満悦だった輩(やから)も。

   今回、それら昔の本を引っ張り出してみて、ちょっとした時空の旅に出た気分です。
  勿論、小説ですから書き込みなんてしていません。
  ただ挟(はさ)んであった青色インクのレシートに、その時代の香りを嗅いでみたり。



   上の本は今日出て来ました。
  でも必死になって探している、
  『天北原野(上下)』 と
  『細川ガラシャ夫人』 はまだ。

   そうそう、去年の夏、
  実家から持ち帰り、
  その後、失っていた本、
  『わが愛を星に祈りて』 も
  出て来ました。

   1965年12月10日 第150刷 と
  あります。定価340円。初版が同年の9月20日。
  
   この事からも、この本が信じられないような大ベストセラー本だという事が分かりますね。
  (因みに 『赤毛のアン』 は、昭和29年7月28日 発行、平成4年3月20日 101刷)

(略)・・ぶらぶら歩いて行くと、しまい忘れたのか、
国旗を出している家があった。
真っ白な地に鮮やかな赤い日の丸は、
いかにも真新しく見える。
「建国の日か」 呟いて栄介は薄笑いを浮かべた。(中略)



(略)・・55歳という年齢は、まだ老いたという年ではない。
20年の歳月は、洋吉にとっては必ずしも長くはなかった。
むしろ短い気がする。
洋吉は20年前の日を、ついこの間のように
鮮やかに思い出す事が出来る。
「人は誰でも長く生きたいと願う。
だが老人になる事を人は願わない」

西欧の誰かの言葉を思いながら、
洋吉はなるほどその通りだと苦笑した。
                       三浦綾子作 「残像」 より
   


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