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【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

幸せ色のメロンパン

2011-12-16 17:21:07 | 趣味の器(壺)~その他












「・・・ この ドーナッツ は美味しいわ。
それにこんな途方もない時間に物を食べると
いうのは何か愉快な無軌道な感じがしない?」
               【「エミリーはのぼる」 第10章】




   起床時は何もない空。
  冬日和が続きます。
  今日も暖かい朝。

   そう言えば、寒くなるのは
  今夕からだと言っていましたっけ。

   そして私は、今日も
  やはり気になる薔薇の元へ。

   ちょっとだけ綻んだように
  感じるのは気のせい・・?

   そんな戸外でも観察も、ちっとも
  苦にならない日溜りの温もりです。

   それにしても随分、
  背丈を伸ばしたこと!

   それは空に向かって凛と咲く、
  “孤高の薔薇” の
  イメージに他なりません。

   こんな暖かさでしたら、
  外でお茶だって出来る・・。

   ~なんて思っていましたら・・。
  そんな気持ちを打ち砕くような雨! 

   今の季節、外は止した方が良いという事なのでしょう。
  尤も、すぐに上がりましたけれど。今現在も晴れています。









【後ろは 「メイソンズ」 のキャニスター】

   




   さて、なぜか昔からメロンパンが大好きな私。
  淡~い檸檬(レモン)色、いいえ、
  クリーム色のメロンパンは、ほっこり温かくて幸せ色。

   そんな私の目に留まった、注文書の中の一つの小さな記事。
  私の加入している生協では東日本大震災に、
  こちらのメロンパンを送ったそうです。

   この楕円形の形をした物は唯一、コープ神戸だけなのだとか。
  そこには被災地の方にも、かなり好評だった旨が記されていました。

   あろう事か、全く見逃していた私。早速注文し、届いた物がこれです。
  巷によくあるメロンパンの味ではありません。
  ちょっと蒸しパン風の素朴な味。中に白餡(あん)が入っています。

   あら、あら・・こんな時間にメロンパンなんて。
  最近、あっさり誘惑に負けてしまう自分自身が情けないです。








侘びと寂(さ)び、素肌の美

2011-11-26 16:08:56 | 趣味の器(壺)~その他

【信楽焼(しがらきやき)】





・・・そのうちに 小春日和 の日光の魔術に浸った
1週間が続き、寒さが身に沁みる夕べには
母は炉格子ろごうしの焚きつけにマッチをり、
スーザンは夕食に焼き馬鈴薯ばれいしょを添えた。
そのような晩には大きな暖炉が
一家の中心となり、夕食後その周りに
集まる時が1日のうちで最も楽しい時であった。
                 【「炉辺荘のアン」 第29章】


   写真のように今日も
  快晴の空になりました。

   今(15時現在)は、
  全く何もありません。秋晴れ。
  淡い水色の空が広がっています。

   それにしても昨夜から
  今朝にかけて、冷えたこと!

   逆に日中は暖かくなりました。
  所謂(いわゆる)小春日和ですね。





 


   さて、今日の写真。今日は私の大好きな壺を。
  これまで好きだと申しながら、珈琲カップに比べ、
  こちらのブログには、ほとんど登場しませんでしたね。

   強いて挙げるなら・・お茶タイムの背景として小さな花瓶が少々並ぶ程度。
  しかしながら、この壺だけは大小様々な物が我家に溢れ返っています。

   大きな物はテーブルや鉢置き台に、傘立てに。
  特に壺のテーブルは、内に外に大活躍。
  そんな中で、今日は 「信楽焼」 を取り上げます。

   「信楽焼」 は 「日本六古窯」 の一つとして有名です。
  【他に瀬戸、常滑(とこなめ)、越前、丹波、備前焼】
  その歴史は古く、始まりは今から1200年以上も前の聖武天皇の時代とか。

   商売繁盛で有名な狸の置物と、茶色とグリーンのイメージが一般的ですが、
  (扇形のお皿がそうですね) それこそ種々雑多。

   扇形のお皿は昨日、コロッケを載せていたもの。
  大小の丸い壺は、ご覧の通りのグレー系。金箔が施してあります。

   壺の形は、こんな風に丸い物、長方形、ずんぐりむっくり、歪(いびつ)な物と様々。
  それらを眺めていると不思議に心が落ち着きます。
  作り手の心と土の息吹(いぶき)のようなものも感じられて。

   同時に買い求めた時の思い出も浮かんで来たり。
  私にとっては、なくてはならない物の一つになっています。 

ラグジュアリーなひと時

2011-11-22 18:23:58 | 趣味の器(壺)~その他

【庭から採って来た 「金魚草」 を硝子の靴に】




その年は冬の到来が遅く、
季節は大変暖かだった。
地面には雪もなく、ジョー・レイモンドのボートが
青岬の砂浜に打ち上げられてからひと月ほどして、
庭をぶらぶら歩いていたサイラは
もつれ合った葉の陰に数輪の パンジー
咲いているのを見つけた。
                   【「アンをめぐる人々」 10.】



   雲一つない快晴となりました。
  こんな空は本当に久し振り。

   こんな時、右を向いても
  左を向いても前も、後ろも・・
  青 ― 青 ― 青という常套句が
  つい出て来ます。

   そんな空のせいか朝は
  随分、冷えましたが、
  これでも暖かいくらいでしょう。
  日中は日光のお陰でぽかぽかです。

   そんな日溜りに未だに
  咲いている金魚草。

   この金魚草、『アンの世界』
  では勿論、A・クリスティーの
  ミス・マープル物にもよく登場します。

   例の 硫黄色の金魚草
  記憶に新しい所ですね。
  それにしても・・。

   「日本のアンの世界」、北海道にさえ、早くも雪が降りましたのに、
  あの 『アンの世界』 にも冬の訪れの遅い年があった・・。

   今のこの気候は、確かに異常気象でしょうが、
  そう思う事によって僅かばかり慰められてもいます。




   さて、今日の写真。ここで訂正とお詫びがあります。
  【15日付】 のブログに1輪挿しの花瓶が純銀と記しましたが、
  間違っていました。正しくは97%の“錫(すず)”。

   あれから暇があれば、スプーンを探しているのですが、出て来ません。
  代わりに出て来たのが 「セルウィン・ピューター」 のワイングラス。
  すっかり忘れていた代物です。確かシンガポールで求めた物。

   箱の上に97%、TINと書いてあるではありませんか・・。
  TINとは “錫”。道理で光沢がなかったと。
  
   ~なんて、言い訳をしても始まりませんね。
  奇しくも1輪挿しと同じメーカー。龍の絵に見覚えがあります。

   ところで、この錫のカップで頂くワインは、
  より味がまろやかになり、すこぶる美味との事。
  そして花は、より長持ちする効果があるのだとか。

   今日は、久し振りに 「アースライトキャンドル」 も取り出した事ですし、
  折角ですので、このワイングラスで頂くことに。
  
   お味は・・? う~ん、ちょっと分かりません。
  これからは、しまい込まないでせっせと使う事に致しましょう。

土の器に “ほっ!”

2011-11-19 16:28:16 | 趣味の器(壺)~その他

【緋襷(ひだすき)色の 「備前焼」】





私はどんな天気も皆好きである。
雨の日 も好きだ ―― 風のおばさんが
えぞ松のこずえだけをそっとそよがす
穏やかな煙るような雨の日が好きだ。
又、荒れて嵐がかった、
雨が滝のように降る日も好きである。
雨で閉じ込められるのもいい ――
雨がざあざあ屋根にぶつかり窓ガラスを叩き、
軒からほとばしり落ちる一方、
風のおばさんが森や庭で気の狂った
魔法使いのおばあさんのような金切り声を
張り上げるのを聞いているのは楽しい。
               【「エミリーはのぼる」 第2章】
 







   
   昨日、夜半から降り出した雨は、朝になって勢いを増して来ました。
  普通の雨では、ほとんど音のしない我家。
  雨音が聞こえるのは、かなりの雨ではないでしょうか。

   暖かい雨。昨日より4度も高い朝となりました。
  今の気温は、丁度20度。(居間)

   それにしても又々、週末の雨。
  上記の エミリー ではありませんが、雨も楽しまなくてはね。

   尤も午後3時現在、雨はほとんど降っていませんが・・。
  写真は、200m足らずの低い山に霧がかかっている所です。
  見る見る間に迫って来て。(東側の窓から)






   さて昨日に続き、
  “ほっ!” シリーズ? 第2弾。

   美しい艶の磁器もいいけれど、
  ざっくりした肌触りの、
  土物の器もいいですね。

   今日は 「備前焼」 の器で。
  と言っても焦げ茶色のそれではなく、
  緋襷色の、「もう一つの備前焼」
  と言った処でしょうか・・。

   私自身はどちらかと言えば、
  渋い焦げ茶色の方が好きですけれど。
  こちらの備前は、全て頂き物です。

   長持ちしているセージは今日は、
  麦酒(ビール)用の器に変えました。

   余談ですが、こんな土物の器には
  「麦酒」 と漢字にした方が合いますね。

   このコップで飲む麦酒は美味しいそう
  ですが、主人はこれでは飲みませんので、花瓶に。

   蝋燭立ては今日も、ぐい呑みで。
  そうそう、和菓子もいいけれど、
  日本茶に漬物といった、こんな素朴なお茶請けも大好きです。   

ときめいて銀

2011-11-15 17:06:06 | 趣味の器(壺)~その他



【銀メッキ : 葡萄柄のワイングラスに薔薇柄のトレイ】





・・・それに 銀製品もあった!
茶道具一揃い、フォーク、スプーン ――
柄の端が使徒の像になっているスプーン ――
塩入など。「銀製品 は磨かなくちゃならないわ」
ジェーンは有頂天になった。
この優雅な華奢な皿類をみんな磨いたり
洗ったりするのはどんなに面白いだろう!
月を磨く事などこれとは比べ物にならない位だ。
                 【「丘の家のジェーン」 18.】







   

   こんな朝焼けの空で明けました。
  少々、ヒンヤリ感じた朝でしたが、起床時の居間の気温は17度。

   これでもこの時期の気温としては、まだ高い方でしょう。
  先程、庭に出てみましたら家の中より暖かい位でしたから。
  尤も今晩辺りから寒気が入って来るなんて言っていましたけれど。





【純銀 : 匙、ワイングラス ・ ピックセットは銀メッキ】


【純銀ですが、すっかり黒く・・】



   さて、今日の写真。
  使う程に味わいが増すと
  言われている銀製品。

   これら銀のカトラリーや
  小物があるだけで、
  テーブルに格調が生まれる
  気がします。

   上記のジェーンのように、
  セットで持っている訳では
  ありませんが、
  私も何点か持っています。

   スプーン、ワイングラス、
  一輪挿し、トレイ等など・・。

   ただ、スプーンだけは
  これまで出番がありませんでしたし、
  どこかにしまい忘れてしまって。

   かなり探したのですが見つかりません。
  匙(さじ)は見つかりましたが・・。
  (4枚目写真)

   改めて今、こうして眺めますと
  純銀製は桐の箱、
  銀メッキは紙の箱に入っていますね。
  (中には布が張ってあり、それなりに豪華ですが)

   銀製品は使い込み、磨き上げるからこそ、その人なりの光沢が出るとか。
  銅もそうですが、古くなり手入れをしませんと黒ずみますものね。

   こちらのトレイ(5枚目写真)、使い込む事は出来ても
  磨き上げないものですから、黒っぽくなっています。

   でも、それがアンティーク感を醸し出す・・
  ~なんて言っている無精な私は、どう仕様もありませんね。
  
   そうそう、一輪挿しには膨らんだばかりの薔薇を。
  そして裏庭に落ちていた秋は、柿の葉っぱです。
  これも銀のバスケットに入れて。 




温もりの恋しくなる季節

2011-11-11 16:10:16 | 趣味の器(壺)~その他






何週間もフォア・ウィンズの海岸を
赤く燃やしていた華やかな彩りは薄れ、
晩秋の柔らかな灰青色の丘に溶け込んだ。
何日も原や海辺は霧雨に煙り、
物悲しい海風に身を震わせた ――
                 【「アンの夢の家」 第14章】




   雨の週末となりました。
  ごく弱い雨が降ったりやんだり。

   この雨は冷たい雨との事でしたが、
  起床時には意外にも暖かく
  感じたものです。

   そう言えば昨夜も。
  厚い雲に覆われていたからでしょうね。

   ただ庭の紅葉(もみじ)、
  真っ赤に紅葉する前に昨夜からの雨と
  風で、その葉っぱを散らしています。
  お隣も同様。

   はからずも上記の
  『アンの世界』 のように。

   いいえ、『アンの世界』 は、
  何週間もの間、
  赤く燃やしたのですものね。

   赤く燃やさないまま散るなんて・・
  紅葉も残念でしょうね。
  このまま出来るだけ長く留まってくれる事を祈るのみです。






   

   さて、今日の写真。
  先日に続き又々、叔母からの貰い物です。第2弾と言った処でしょうか。

   今日の天気のような日は、ふと温もりが恋しくなりますものね。
  そんな時、ヒンヤリ感のある陶器より、肌に優しい木の器は最適です。

   以前、貰ったものは 【会津塗り】 のお碗でしたが、
  今回は 「蘭彫」 のもの。

   我家の漆器の数も大分増えて来ましたが、
  このように素材を生かし、木の肌合いを直(じか)に感じられる器は初めて。

   何でも 「拭き漆」 が施されているのだそうですね。
  素朴で気に入っています。

   ところで英語では磁器の事を 「チャイナ」
  漆器の事を 「ジャパン」 と呼ばれますが、
  奇しくもアジアの二つの国の名が器に付けられているなんて。

   ヨーロッパにもたらされた漆器は王侯貴族を魅了し、
  かのマリー・アントワネットも熱心なコレクターだったとか。

   その漆器、9000年前の縄文遺跡からも発掘されているそうです。
  日本が漆器の発祥地かも知れませんね。

   それ程輝かしい歴史のある漆器。
  「お目にかかるのはお正月だけ」 というお宅も多いのではないでしょうか。
  気軽に普段使いしたいものですね。

瑠璃色の雅(みやび)

2011-11-05 17:01:17 | 趣味の器(壺)~その他

【光線の加減でいかようにも・・】






「・・・でも、あたし、あんたに は好きでないわ。
いいえ、やきもちから言うんじゃないのよ。
はあんたに似合わないの。
あまりにエキゾチックで ――
あまりに熱帯的で ―― あまりに嬌満きょうまんですもの。
とにかく、髪に挿してはいけないわ」
「いいわ、やめましょう。
実は自分でも は好きでないの。
あたしに関わりがないように思えるのよ・・・」
                  【「アンの愛情」 第26章】



   一旦は、写真のように
  日の出を見た今朝でしたが・・。

   今日は、ごく弱い雨降りに
  なっています。

   何だかここ最近、土日にお天気が
  崩れる事が多くなっていますね。

   気温もここ数日、
  大層暖かい毎日でしたが、
  この雨を境に本来の気温に戻るとか。
  今はまだ暖かいですが・・。
  



【こちらは 【以前】 、貰ったお皿】


   さて、今日の写真。私の大好きな瑠璃色のお皿です。「香蘭社」 製。
  (光線の加減で黒っぽく見えますが、あくまでも瑠璃色です)
  
   そのお皿のタイトルも、「蘭の香」。(冒頭の写真)
  まさに社名を地で行くようなお皿ですね。

   私も上記の アン 同様、蘭は特別好きと言うのではありません。
  でも香蘭社製のものは別。薔薇でなくったって蘭でもカーネーションでも OK。

   それにしても大きな口を叩きますこと、頂き物で。
  実は、私の持ち物で香蘭社製のものは、全て叔母からのお下がり。
  今回、又々、貰って来たという訳です。
  
   そのお皿。微妙な光線の加減で花の色も、いかようにも変わります。
  その光沢は、ともすれば漆器のようにも見え・・。
  
   そしてこのお皿を眺める度に、
  これも瑠璃光寺の五重塔に思いを馳せ・・。
  「瑠璃光寺」・・何て素敵な名前のお寺なのでしょう。

   ところで折角ですので、香蘭社の事を少々。
  何と創業は元禄時代だそうですね。(元禄2年)

   明治11年、パリ万博名誉金牌(ぱい)受賞。
  明治29年には宮内庁御用達(ごようたし)等など・・
  国内は言うに及ばず、世界各国の博覧会で数々の輝かしい歴史があります。

   そうそう今日のお皿のような瑠璃色。
  古代エジプトで珍重されたラピスラズリに似た瑠璃釉(うわぐすり)製品は、
  「香蘭社調」 とも言われる独特の色のようです。  

歴史の囁き

2011-11-04 17:38:38 | 趣味の器(壺)~その他








キングスポートは英領植民地時代にまで遡る
古雅な町 であり、それを包む雰囲気は、
立派な老婦人が、若い頃の流行と同じ
デザインの衣装をまとっているさまを思わせた。
そちらこちら近代化した所もあるが、
心底しんそこは今なおそこなわれていない。
珍しい遺跡に富み、過去の多くの伝説が
後光のようにロマンティックな光を投げている。
                  【「アンの愛情」 第4章】


   こちらは今日も日本晴れ。雲一つ、ありません。
  気温も同じく暖かい! “今、何月・・?” 状態は、今日も健在です。
  
   最高気温は、何と25度なのですから。
  この処、この状態がもう何日も続いています。







   さて、私は未だに
  山口の余韻に浸っています。

   今日の引用文は、内外の差こそあれ、
  先日の山口の光景のようです。
  それにしても古雅な町って素敵。

   おまけに、ひょっこり入った、
  レストランの食事の美味しかったこと!
  
   こんな時、何だか得した気分。
  訳もなく嬉しくなってしまいますね。

   時間が大幅に外れているにも
  関わらず、店内は、ほぼ満席。

   帰りにはお店のケーキを
  お土産にするお客さんの姿も。
  耳にする会話も、たおやかです。

   今日のお茶タイムには、
  その余韻を感じるにはお誂え向きの
  「御堀堂の外郎」 がありますもの。

   となれば、今日は 「和」 が
  いいですね。勿論、お茶は日本茶。
  
   そして器は同じ山口の 「萩焼」で。
  ただ、急須は銅製です。
  
   そうそう、久し振りに帯をテーブルセンターに。
  今日は、一気に江戸時代にでもタイムスリップした気分です。

スプーン1本の洗練

2011-10-20 19:56:16 | 趣味の器(壺)~その他



【「輪島塗」 のスプーン】



「台所へ行って、銀のスプーン を磨きましょうよ。
別にたいして頭を使わなくても出来る仕事だから、
丁度いいわ・・・だって、今夜ばかりは
頭を使って考え事なんて出来ないんですもの。
そうすれば時間も経つし」
                   【「アンの青春」 第28章】


   こちらは今日も秋晴れとなりました。
  昨日の朝の鱗雲、どうやら1日ずれこんだようで、
  お天気の崩れは明日からのようです。

   尤も、こんな外れは大歓迎ですけれど。
  おまけに今日は、昨日以上の暖かさになりました。
  それは暖かいを通り越して、夏日です。







   さて、ずらりと並んだスプーン。
  ご覧のように今日は、陶器と輪島塗のスプーンです。

   陶器の物は素朴で尚且つ、1本、1本の表情が面白くて、
  これまで折に触れ、買い求めて来たものです。
  勿論、無くしたもの、割ってしまったものは数知れませんが・・。
  
   そして 「輪島塗」 のスプーン。 【前回】 の 「根来塗」 に次いで2回目。
  最近、その良さに目覚めたばかりです。
  
   何より耳に不快な摩擦音がありません。
  尤も金属製のそれとは違って、陶器の触れ合う音は時に情緒も感じますが・・。
  
   陶器製も作った人の温もりを感じますが、
  漆塗りのものは、それ以上の温もりプラス、包み込むような優しさも。

   ところで、スプーンと言えば、何と言っても銀製ではないでしょうか。
  上記の アン のように銀製品は、せっせと磨かなければなりませんね。
  
   でも、磨きさえすればどんなに古い物だって、その光沢は永遠のもの。
  却って、時と人の手を経た事による物語を感じたり。

   これら銀製のスプーンなどのカトラリーや、
  小物があるだけで、テーブルに格調が生まれます。
  それこそ、ミス・マープル 言うところの 「ヴィクトリア調」 ですね。

   何だか話が逸(そ)れてしまいました。
  布の 「絹」 と、カトラリーや小物の 「銀」 は、
  私にとって永遠の憧れかも知れません。 

歩いて探していい感じ

2011-09-25 16:27:16 | 趣味の器(壺)~その他






主張や執着という、どぎつさを取り去ってしまった
もので、こういう色はまれに天然の色に見る。
例えば残照の雲間にふと現れて
次の瞬間には消えるかも知れない である。
                【司馬遼太郎作 「街道を行く」】


   意外にも朝の庭には雨粒がキラリ。
  どうやら夜のうちに雨が降ったようです。

   道理で昨夜は一昨日のような寒さを感じませんでしたっけ。
  でも、程良い気温。降る雨としては眠っているうちに降り、
  夜明けと共に上がるって、最高の降り方ですものね。

   さて、昨日に引き続き、今日も四天王寺の話題を。
  つい何年か前までは・・いいえ、5年前にも既に閑散という風に記していますから、
  かれこれ10年前くらいにはなるかも知れません。ここが活気を呈していたのは。
  
   それこそ聖徳太子の命日である毎月21日は、沿道は人で溢れていましたし、
  ましてやお彼岸ともなれば、歩くのにも苦労した程。
  お手洗いも順番待ちで同様です。今は昔。

   以前、馴染みだったお店はまだありましたが、辺りはすっかり様変わり。
  人出が少なくなったからお店も減って行ったのでしょう。
  
   そのお店の方が言われるのには、景気をもろに被っているとも。
  神社、仏閣などは景気の動向にはあまり関係ないようですが、あるのですね。


【「根来(ねごろ)塗りのスプーン】


【土物のカップにくすんだ赤が粋】


   こちらは昨日求めて来た根来塗りのスプーンです。その前に今日の引用文。
  司馬遼太郎の 「街道は行く」 の作品中に、その根来塗りの記述を見つけました。
  まさに “刹那の赤” なのですね。

   その歴史は古く、骨董品好きの間では知る人ぞ知る塗り物なのだそうですね。
  和歌山県の真言宗のお寺、「根来寺」 に由来するとか。

   漆塗りの良さは既に碗等で実感していますが、
  しっとりと柔らかく、口当たりの良さは格別です。おまけに熱を伝えません。

   そして、スプーン。
  今日初めて使わせて頂いたのですが、耳に不快な摩擦音もなく心地良い響き。
  大好きなちょっと暗めの土物の珈琲カップに、この赤がアクセントとなって粋。

   そうそう、赤色に見え隠れする黒色の斑紋。
  これは年月を経た朱塗りの物に表れる特徴だそうです。
  という事は、このスプーン、かなり年代物かも知れません。