テナー2管による録音には、バトルを楽しむことを目的にしたものと、ポリフォニーを楽しむことを目的にしたものの2種類があります。
バトルものは初めて聴く時は、おーなるほど、と楽しめますが、そう何度も聴く気にはなれないというのが実情で、そもそもレコードという形で
残しておく必要があるのかと疑問に思うことがあります。 一方、後者のものはそれなりにグループとしての志向性があるので、うまくいけば
永く聴き続けられるものが出てくるように思います。
後者のタイプで、最近とてもいいCDに出会いました。
Seamus Blake , Chris Cheek / Reeds Ramble ( Criss Cross Criss 1364 CD )
現代の録音に通じた方にはよく知られたこの2人を私は初めて聴きましたが、とても上手い演奏をするのでとにかく感心します。 音鳴りもよく、
グループとしての調和を優先しながらも自分のパートではやりたいことをしっかりやる、という内容が素晴らしい。
1曲目が楽曲としてとてもいい曲で、ドラムスのブラッシュワークが素晴らしく、気持ちよくこのCDの世界に入っていけます。
そして、特筆すべきはこの Jochen Rueckert というドラムスの演奏の上手さ。 6曲目の "Til I Die" でのドラミングの壮絶さには言葉を失います。
これは素晴らしいCDでした。
Criss Crossというレーベルはジャケットデザインが共通で1つ1つの識別が難しく、アルバムの個性や内容が反映されないのでジャケ買いも
できなかったりで、どれを買えばいいのかよくわからないのが難点。 だから、一般リスナーのレビューがもっと発達すればいいのにと思います。
内容のクオリティーは総じて高く現代のブルーノートと呼ぶ人もいるくらいなのに、もったいないなあと思います。
過去に目を転じると、一番有名なのはアル&ズートだろうと思いますが、彼らの良さはどうもレコードではうまく伝わってこないように思います。
理由はよくわかりませんが、少なくともずっと手元に置いて聴こうというものが私には見当たりません。 でも、きっと実際のライヴは良かった
んだろうと思います。 いいレーベルを見つけられるかどうかはミュージシャンにとっては重要なことです。
次点は、この人たちでしょうか。
Tubby Hayes And "The Jazz Couriers" Featuring Ronnie Scott ( Tempo TAP 15 )
この名義での正規発売は12インチ4枚くらいだったような気がしますが(もっとあるかもしれません)、そのうちの3枚が手元にあって、
少なくともこの3枚については演っている曲が違うというだけで、演奏自体はどれも同じです。 テナーの音は2人ともよく似ていますが、
タビー・ヘイズのほうが少しエモーショナルなので聴き分けはできます。 テクニックはしっかりしていてアレンジにも隙がなくどれも立派な
演奏なので、初めて聴くと音圧の高いカッティングのせいもあって圧倒されますが、聴き慣れるとスイング感のないタテノリな演奏に退屈になります。
The Jazz Couriers Featuring Ronnie Scott and Tubby Hayes / The Last Word ( Tempo TAP 26 )
こちらは全曲スタンダードで固められているので、他のアルバムより平易でポップな印象です。 それだけ曲想に忠実なアレンジが出来ていて、
それを忠実に守っているということですが、常に何かが足りない感じが拭えません。 アレンジ偏重の当時の英国ジャズの残り香がやはりあって、
そこから1歩外へ踏み出せてはいますが、もう1歩進めて欲しかったです。
バトルものは初めて聴く時は、おーなるほど、と楽しめますが、そう何度も聴く気にはなれないというのが実情で、そもそもレコードという形で
残しておく必要があるのかと疑問に思うことがあります。 一方、後者のものはそれなりにグループとしての志向性があるので、うまくいけば
永く聴き続けられるものが出てくるように思います。
後者のタイプで、最近とてもいいCDに出会いました。
Seamus Blake , Chris Cheek / Reeds Ramble ( Criss Cross Criss 1364 CD )
現代の録音に通じた方にはよく知られたこの2人を私は初めて聴きましたが、とても上手い演奏をするのでとにかく感心します。 音鳴りもよく、
グループとしての調和を優先しながらも自分のパートではやりたいことをしっかりやる、という内容が素晴らしい。
1曲目が楽曲としてとてもいい曲で、ドラムスのブラッシュワークが素晴らしく、気持ちよくこのCDの世界に入っていけます。
そして、特筆すべきはこの Jochen Rueckert というドラムスの演奏の上手さ。 6曲目の "Til I Die" でのドラミングの壮絶さには言葉を失います。
これは素晴らしいCDでした。
Criss Crossというレーベルはジャケットデザインが共通で1つ1つの識別が難しく、アルバムの個性や内容が反映されないのでジャケ買いも
できなかったりで、どれを買えばいいのかよくわからないのが難点。 だから、一般リスナーのレビューがもっと発達すればいいのにと思います。
内容のクオリティーは総じて高く現代のブルーノートと呼ぶ人もいるくらいなのに、もったいないなあと思います。
過去に目を転じると、一番有名なのはアル&ズートだろうと思いますが、彼らの良さはどうもレコードではうまく伝わってこないように思います。
理由はよくわかりませんが、少なくともずっと手元に置いて聴こうというものが私には見当たりません。 でも、きっと実際のライヴは良かった
んだろうと思います。 いいレーベルを見つけられるかどうかはミュージシャンにとっては重要なことです。
次点は、この人たちでしょうか。
Tubby Hayes And "The Jazz Couriers" Featuring Ronnie Scott ( Tempo TAP 15 )
この名義での正規発売は12インチ4枚くらいだったような気がしますが(もっとあるかもしれません)、そのうちの3枚が手元にあって、
少なくともこの3枚については演っている曲が違うというだけで、演奏自体はどれも同じです。 テナーの音は2人ともよく似ていますが、
タビー・ヘイズのほうが少しエモーショナルなので聴き分けはできます。 テクニックはしっかりしていてアレンジにも隙がなくどれも立派な
演奏なので、初めて聴くと音圧の高いカッティングのせいもあって圧倒されますが、聴き慣れるとスイング感のないタテノリな演奏に退屈になります。
The Jazz Couriers Featuring Ronnie Scott and Tubby Hayes / The Last Word ( Tempo TAP 26 )
こちらは全曲スタンダードで固められているので、他のアルバムより平易でポップな印象です。 それだけ曲想に忠実なアレンジが出来ていて、
それを忠実に守っているということですが、常に何かが足りない感じが拭えません。 アレンジ偏重の当時の英国ジャズの残り香がやはりあって、
そこから1歩外へ踏み出せてはいますが、もう1歩進めて欲しかったです。