セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

今日の日経「経済教室」:2009/1/5

2009-01-05 20:33:31 | 社会経済
今日の日経「経済教室」:2009/1/5
シリーズタイトルとNo.:危機を超えて 世界新秩序と日本 1
タイトル:「多様性の利益」で課題解決
筆者:青木昌彦(スタンフォード大学名誉教授)

【要旨】
金融危機の結果、金融市場のグローバル化の勢いが弱まると、各地域経済が、それぞれにかかえている独特のアジェンダ(課題)が浮かびあがる。米国は、「消費の過剰、外国からの貯蓄供給によって支えられていた経済構造の転換。中国は、調和のとれた社会の建設のためには10~20年かけて2億人以上の人を農村から移動させなければならないが、それには少なくとも毎年8%以上の経済成長が必要である。日本は、人口、経済社会構造の変化に応じた世代間の関係を、コミュニティーとして再構築しえていないことから生じる「不安」の解決が求められる。これらの各国のアジェンダはこのように多様であるが、それらの国々は互いに他の国のアジェンダの解決に役立つものを持っている。だが、補完関係によるこれらの課題の解決はせっかちに作られる単一の国際機構を構想することでは対処しきれない。2国間、多国間、地域内、多極間、国際間などのさまざまなレベルにおいて多様で地道な協力関係を試行・選択を通じて進化していく。《具体的な補完関係と内容は記事を参考にせよ》
金融手法は、同質の数理モデルを用いるがゆえに同じような間違いにすすんだ。量から質への競争の焦点の変化により、金融市場は「多様な可能性」に関する「多様な評価」を集約するという情報機能を担う場に進化しなければならない。

【小耳の知識】
オバマ政権の産業政策のキーワード―――「グリーンジョブ」「クリーン・テクノロジー」

【我がノート】
文章の枕に、今世紀初めのエール大学法学部教授の評判になった『会社法の歴史の終わり』という論文について書いてある。株主支配による会社統治の優位性は世界的に疑いもなく確立したという趣旨の論文である。もちろん筆者(青木名誉教授)は皮肉の意味で触れたものである。ただ僕はこの青木論文の内容とは別に、派遣切りなど今の日本の様子からエール大学教授の論文趣旨と現実との比較を考えてしまう。つまり会社は誰のものか。会社が株主のものでなく被雇用者のものなのか?これを仮に被雇用者のものだといいきると、次に役所は誰のものか?軍隊は誰のものか?ということもどう考えたらいいのか?ということ。それをご都合主義でなく一貫した論理で解明する必要がある。


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