セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

自炊をしています

2013-01-24 17:17:22 | Weblog

なかなか時間がとれなくて書き込めなかった。どうしても書きたいこともないが前回との時間が空きすぎるので書き込むことにしよう。

無職だから時間が取れないはずはない、と言われるだろう。忙しいわけは自炊をしていたからだ。自炊といっても料理をしていたのではない。書物をセッセとPDF化していたのだ。

始めは当面読む予定がないが無料でブックオフに渡すのが惜しい本をスキャナーで読み取っていた。無料というのはある年数(多分5年)以上経っていてブックオフでは値段がつかないということ。でも今ではすぐにでも読まなければならない本こそPDF化するべきと思うようになった。だから買った本をすぐにバラしてスキャナーにかけている。

TwitterでTrinityNYCさんとtotomotsu33さんが「アメリカ人の中高年はkindleで本を読んでいた」「ニューヨークの通勤電車内でもそう」とツイートしていた。確かに電子化すると中高年にはすごく読みやすい。僕の場合は今のところ自炊したものをiPadminiで読んでいるが机に置いても見やすくめくりやすい。特にめくりやすいのが重要。年取ったせいか軽い脳梗塞でもあるのか指がうまく扱えなくなっているからね。手に持っても片手で軽く持って読める。字も自在に大きく出来る。

そもそも始めはすぐには不要な本をスキャナーにかけて自炊していたが処理を待つあいだ始めはパソコンでゲームをしていたが、すでにiPadminiに入れてあるPDFにした本を読むと、隙間時間でもすごく読みやすい。「あっ、これなら今読むべき本を自炊しなくちゃ」と思い直し方針転換したのだ。自炊した後のバラした本は雑誌類と一緒に古紙再生に出している。しかしもう200冊以上自炊したがいっこうに部屋や廊下にあふれている本が減らない。

スキャナーも使っているうちに使い方が洗練されてきた。始めにマニュアルを読んで使い方が全て分る人もいるかもしれないが、僕の場合はとにかく使い始めて途中でより良いやり方に気づくことが多い。「文字くっきり」と「画像はっきり」の違いもそう。ベージの中に白黒写真がある場合「文字くっきり」でスキャンすると写真が塗りつぶれる。それに気がつくとそれまでのスキャンした部分を破棄してもう一度最初から始めていた。一冊が30分で済むものもあればカラー印刷のものは半日かかるものもある。スキャン枚数にも気を付けなければならない。50枚100ベージ分をスキャナーにいれたのにスキャンページ数が98ページなら2枚くっついたままスキャンされたことになる。そうなると足りないこの100ページ分だけでなくその前の部分も全部破棄して最初からやり直しだ。

スキャンするのはプリンターのスキャン機能を使うこともできるが本をスキャンする時はスキャナー専門機を使っている。その時は本をバラバラにする。押し切りを使うときれいにバラせるが僕の場合は回転刃の裁断機を使っている。

さて「財政破綻」についてはもう書かないのかと言う声もあるかもしれない。円安になり株価も上がっているので黙ってしまうのかと思う人もいるかな。でも元旦に書いたとおりの想定ずみのコースだもの「明日待たるるその宝船」ということで黙っていてもよいけれど少しコメントしよう。

少し旧聞になるけどテレビで経済界の今年の新年の集りはどこも活気があって何年来なかったことだとの話をしていた。僕はこれを聞いて「昭和17月の正月もこのようだっただろうな」と思った。だってその前月の12月8日以前は日本国民がいつまでも終わらない日中戦争にうんざりしていたはずなのにまた新たな戦争がそれに加わるのに真珠湾攻撃より始まった日米開戦に喝采をあげスッキリした気分で17年の新年を迎えたのだよ。ワイルドでなくてワンダーだろ。

前々からこのブログでも書いたように僕は日米開戦を国民全体の潜在的な破滅願望によるものと見ている。でも当時の顕在意識の国民の理屈では「日中戦争が終わらないのは米英が蒋介石政府を支援しているから。その上日本を経済封鎖して日本を屈服させようとしている。米国を降伏させれば経済封鎖がなくなるだけでなく支援を失った蒋介石も降伏せざるをえなくなる。アメリカ国民は個人主義的で軟弱なので日本軍が戦闘で圧倒的に勝利すればすぐ厭戦気分から反戦運動が起こり米国政府も講和を求めてくるはずだ」というもの。しかし海軍軍令部が棋上演習というシミュレーションをやってもどうしても米国の勝ちとなるので沈んだはずの日本艦船を浮かび上がらせて無理やり日本の勝ちに持って行った。もともと戦争のツケを戦争で返そうとするのは無理。同じようにバブルのツケを別のバブルで返そうとしたらさらに大きなツケがくる。公共事業では経済成長はできないだけでなく政府債務が増えるのはついこないだまでは苦い経験で得た常識のはずだったのに、それが今では。正気じゃないね。でもこれが必然。

僕が日付を区切って財政破綻を予言するのはもちろん経済学の範囲を越えている。それは元旦にも書いたけど役者が揃っているからだ。この符合こそが科学的合理主義をこえた世界の理解の鍵だと思う。テレビのミステリードラマで主役やレギュラー出演でないのに有名俳優が関係者役で出てきたら大概その人が犯人なのとよく似ている。演出家やプロデューサーがいるのかも。

「事実は小説より奇なり」というが、合理を越えた偶然は多い。歴史上の事件や発明で、ある決定的なときにそれを解決できる能力を持っている人物がその場所にいること。これをその人物に焦点をあてれば「その場にいる能力」といえよう。また逆に「その場にいない能力」というのもある。

山本五十六とともに海軍反三国同盟三人男の一人の井上成美中将は珊瑚海海戦で勝利したが敗走する敵を追撃しなかったため「戦争ベタ」との批判をうけ海軍兵学校長に異動させられた。ああ日本の官僚制では凡庸なことをして大失敗すると運が悪かったと同情され出世さえするが他と違ったことをやっているものが成功すると妬まれつぶされるのだね。井上はその結果それ以後の日本海軍の無謀にして絶望的な作戦に関わらなくてすんだ。これもまた才能だね。そんな「その場にいない能力」を考えると日銀の白川総裁は3月で任期がきれるので悪質インフレと財政破綻に直接立ち会わなくてすむので「その場にいない能力」となるだろう。

リフレ派の人は白川総裁のことをボロクソに言うけど欧米での評価はすこぶる高く人によってはバーナンキ以上だ。僕は金融政策自体を認めていないからどうでもいいけど、リフレ派の言説は「為にする」ものが多く不愉快だなあ。

もともとゼロ金利政策を取ったのは日本銀行が世界で最初。それを米国等があとで真似たものだが次第に日本は不十分だったと批判しはじめた。この時の米国連銀の批判を受けて日本のリフレ派は鬼の首をとったように日銀を批判した。しかしその後当の米国連銀自体がうまくいかなくて「日本に謝りたい」と言っているのに相変わらず黴びた米国の権威でものを言っている。

リフレ派によればアベノミクスで欧米先進国並みになったはずだが世界の反応は違うぞ。クルーグマンのニューヨーク・タイムズのコラムが紹介されている。クルーグマン自身はアベノミクスに賛成だけとそのコラムの趣旨は「先進国では財政破綻を避けるためみんな緊縮財政になっているが、たった1国日本が一番政府債務が大きいのに積極財政と大幅金融緩和をするんだって、あの日本だぜ。安部首相は間違った理由だが正しいことを行うだろう。(失敗しても日本だ、この実験は見ものだ)」というようなものだ。僕も安部首相は間違った理由で正しいことつまり財政破綻をやろうとしているので楽しみだ。

ところでエバがエデンの園で知恵の実を食べてから、人間は目先の計算で行動するように堕落した。財政金融政策で経済をそして人間じたいを操れると思っているのもそのせいか。新約聖書には「明日何を食べるか思いな悩むな。義のみをおこなえば神が野に咲く花のように生かしてくれる」と書いてある。これを陽明学流に言い換えると「損得計算をしないで良知に従っておればすべてOK」というところか。

最近のニュースで埼玉県と愛知県の教師で本来ならば3月末で定年退職の教師が1月末で辞めるという。3月だと退職金規程の改正で退職金が減るからだそうだ。せせこましいな生徒が迷惑するだろ。僕の場合も定年前に退職したが、逆に9カ月後に辞めたなら900万円余分に退職金がもらえた。そんなことは当然知っていたが全然迷いはなかった。良知がひらめいたならそれに従うのみだもの。結果として母親のこともありタイミング的にグーだった。金銭的な損得計算は不利だとしても金銭に替えられないものもあるから良知が一番。

金銭といえば「いま必要でないお金を欲しがらなければ、必要な時に必要なお金がはいってくる」というのが僕の口癖。実際にこのブログでも前に書いたけど、預金がなくなりかけたころちょうど共済年金が支給され始めた。でも今月始めはやはり困窮した。本来なら12月に投資信託・共済年金・生命保険会社の年金の三つが入るので正月資金は大丈夫のはずだが、正月明けにはほとんどなくなり困窮した。iPhone5とiPadminiを11月12月に立て続けにカードで買ったのがひびいた。「ああ、必要な時に必要なだけ入るはずなのに現実はキビシイか」と思って、ふとインターネットで「ニッセイアジア好配当株式ファンド」を見ると最近25円の分配金がなんと1月10日決算では625円になっている。「え!25倍。すると今月は20万円ぐらいになる。おお神は存在する」と驚いた。証券会社からの連絡は以前2日ぐらい前だが最近は当日の昼ごろ届く。いつも16日なので16日の朝いそいで郵貯へ行ったがまだ入っていなかった。翌日連絡ハガキを見て行くと確かに入っていた。

でも必要なだけというのもさみしいな。今月末の引き落とし分を取っておいて土日の泊りがけ麻雀の費用をのけたらほとんど残っていないもの。余分な脂肪はそぎ落としたいけどお金は余分にないとやや不安。信仰が足りないか。もともとないけど。


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