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大学教授キョトンC日々アラカルト便り!!
組体操とスポーツ庁。
スポーツ庁は、25日、組体操に関する通知を出したが、<一律禁止>にはしなかった。
腰が引けている。
組体操の実施条件として、<確実に安全な状態>を強く求めるにとどまった。
幼稚園児、小学生、中学生、高校生などの子どもが行う振る舞いで
<確実>を求めることは、不可能である。
これまでも安全には配慮しているとして、このまま<ばっくれて>組体操を続ける
学校現場もあれば、
<確実>を担保出来ないからと、組体操を事実上不可能と判断する学校現場もある。
<一律禁止>にすれば、スッキリしたのに。
それにしても<組体操>は不思議な存在だ。
文科省の学習指導要領にも昭和40年代には<組体操>について記述があったが、
いつの間にか、記述がなくなったそうな。
組体操の起源や事故の分析、普及程度、練習期間、指導者のスキルなど、
誰かが研究しているかと思い、
学術論文データベースである<CINII>で調べたが、
この15年間で数本しかなく、これらのトピックスについて研究をしたもの
はほとんど皆無である。
唯一参考に値するのは、名古屋大学の准教授内田氏のものだけ。
これだけ学校現場に浸透している<組体操>なのに。。。。何もないとは。。。
リサーチする過程で、兵庫県伊丹市の体育教師、
吉野義郎氏が30年間組体操を指導してきた経験から
<組体操を積極的に擁護している>ことが分かった。
このオッサンの理屈はおかしい。
組体操だけ、危険だと批判されるが、
チアリーディングや男子新体操も危険なのだから、
新体操だけ批判するのかオカシイという理屈。
このオッサンの理屈こそオカシイ。
チアリーディングや男子新体操は、子どものうち、<これらのスポーツを
自主的に選んだ選手だけ>が取り組んでいる。
一方、組体操は、原則的に<全ての子どもが参加を強要されている>。
ここが大きく異なる。
どちらも危険だが、怪我のリスクを承知で一部の子供が実践しているものと
怪我のリスクにもかかわらず強制されるものを
比較する神経がオカシイ。
どうしても、学校現場が、組体操から離れられないなら
次善の策として、
自ら主体的に積極的に選んだ子供たちで実践すればどうか。
また、こどもだけに組体操をさせず、
教育効果があると確信している学校の校長以下全ての教職員及び
教育委員会職員全員で組体操を行い
<良きモデル>となったらどうか。
こどもだけに強要せず、
率先して、教育現場の<大人>が組体操に取り組み、
<素晴らしさを示してみてはどうか>
<学校の大人なら、できるでしょ!!>