玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

「靖国 YASUKUNI」と出演者の了承と「女性国際戦犯法廷」番組

2008年04月12日 | 日々思うことなど
右のほうで映画「靖国 YASUKUNI」を論じる人たちのなかで刀匠が「出演を了承していない」ことを問題視する意見がある(有村議員とかこちらのコメント欄とか)。

「靖国」出演の刀匠 「出演場面と名前を映画から削って」と明言 - MSN産経ニュース

できあがったドキュメンタリーに出演者が不満をぶつける。それを周囲が応援する。
どこかで見たような構図だな、と思ったら、NHKの「女性国際戦犯法廷」番組に対して「期待権」(自分の望むように番組が作られると期待する権利)を主張するVAWW-NET(バウネット)と左のほうの支持者にそっくりだ。

なぜNHKを提訴するのか VAWW-NETジャパン
VAWW-NETジャパンと代表の松井やよりが原告になり、NHKの企画内容に合意して取材協力したのに全く別の内容に変えて放送されて信頼(期待)利益を侵害されたこと、NHKがそのような番組内容改編の説明義務に違反したために損害を受けたこと、の2点を東京地裁に訴えます。

あちこちにブーメランが飛んでいきそうである。
刀匠に共感して「靖国 YASUKUNI」を批判する「右」のほうの人たちは、「NHKの企画内容に合意して取材協力したのに全く別の内容に変えて放送されて信頼(期待)利益を侵害された」バウネットに同情するだろうか。
逆に、バウネットを支持して「期待権」を裏切ったNHKを批判する「左」側の人たちは「靖国 YASUKUNI」の制作方法に問題ありと認められるのか。
味方の「期待権」ばかりを主張して考えの異なる相手の権利を認めないのであればダブルスタンダードである。

私自身は「靖国 YASUKUNI」問題でも「女性戦犯法廷番組」訴訟でも出演者の「期待権」を認める必要はないと思っている。
私にとっては「期待権」より表現の自由のほうがずっと大事だ。これは自分がブログを書いて表現者の端くれに連なっているからである。仮にネットが存在せず一般人に反論できる場所がなければ「期待権」の主張にもっと共感したかもしれない。

「期待権」というあやふやな権利は認められないが、出演者に明らかな損害が生じれば賠償を認めるべきだ。
悪質な捏造とか、文書ではっきりした契約を結んでおいて裏切るとか、あるいはプライバシーを侵害されたり経済的被害を被ったとか。ただし、私の見るところ刀匠もバウネットも心理的苦痛を被ったこと以上の具体的な損害はなさそうである。



参考記事
  その後の「靖国」:黒子の部屋
  ドキュメンタリーの中の「登場人物の了承」「取材先の了承」について:見えない道場本舗-シュルト応援団
  「期待権」って? - 番組構成師 [ izumatsu ] の部屋


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8 コメント

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表現の自由 (うそ?ほんと?)
2008-04-12 12:03:09
映画「靖国YASUKUNI」協力者トム岸田氏に聞く

http://www.youtube.com/watch?v=Dy4fmkucHB4
http://www.youtube.com/watch?v=Qi5u13BJ4c8

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Unknown (Unknown)
2008-04-12 14:53:35
刀匠≠VAWW-NET≠靖国監督≠NHK
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Unknown (sh)
2008-04-12 20:27:00
頭は大丈夫か??
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Unknown (吉左右衛門)
2008-04-13 10:34:49
> 悪質な捏造とか、文書ではっきりした契約を結んでおいて裏切るとか、
> あるいはプライバシーを侵害されたり経済的被害を被ったとか。

どうなんでしょう。
 「編集権」を盾に取材者側のやりたい放題を許すと被取材者側も自己防衛を取る。例えば「取材拒否」。街頭インタビューは一昔より難しくなっていると聞く。街頭インタビューの絵が取れなくてサクラを使ったサンジャポの件は記憶に新しい。根底には今までやりたい放題編集してきたメディア(表現者)に対する不信感あり、それが市井の人々にも「取材拒否」との形で自己防衛に繋がっているのではないか。
 また文書でハッキリとした形ならば、靖国神社側の監督・配給会社今回提出した通知書には「撮影許可手続きが順守されておらず」との記載がる。おそらく「撮影許可願い」等の“文書”があるだろう。それでも「編集権」を盾にやりたい放題を許すと、今度は当然「門戸を閉じる」と云う形で自己防衛が働くは必定である。
 過去の表現者が被取材者側の好意に対して信義にもとる行為とったおかげで、後々の表現者たちが不自由を被るのである。
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Unknown (ブーメラン?)
2008-04-13 17:47:49
>あちこちにブーメランが飛んでいきそうである。
>刀匠に共感して「靖国 YASUKUNI」を批判する「右」のほうの人たちは、
>「NHKの企画内容に合意して取材協力したのに全く別の内容に変えて
>放送されて信頼(期待)利益を侵害された」バウネットに同情するだろうか。
バウネットの主張が正しいのなら、嘘をつかれたということについては同情するんじゃないですか。
そもそも、ここで右と断じられている人たちは、それ以前にあの番組の内容自体に問題があると
批判していたわけですが。
あちこちにブーメランとありますが、話を摩り替えているように思います。
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Unknown (sh)
2008-04-13 19:23:16
お前、頭大丈夫か
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Unknown (uma)
2008-04-14 22:23:20
刀匠夫婦は、純粋に刀鍛冶の技術的な面を撮影したいと事前に説明されていたそうですから、
「期待権」とはまた別の問題が絡んでくるような気もします。
もし映画制作サイドが、靖国問題に関するドキュメンタリー映画を作成したいので、
関係者の一人として出演してもらいたい、と依頼していたのなら、
もちろん刀匠夫婦に抗議する権利はないのでしょうが。
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Unknown (KAZ)
2008-04-15 11:22:45
なんだかなー
レスが欲しくって、わざと拗ねた様な書き方をしてるとしか思えない。

以下スルーで
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