黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

「虚しさ」との戦い(7)――「百田尚樹」を潰せ!

2015-06-26 16:04:49 | 仕事
 一仕事終わって、気分転換のつもりで「Yahoo・ニュース」を開いたのだが、そのトップニュース(毎日新聞ニュース・沖縄タイムスニュース)を読んで、びっくりした。
 あの札付きの「右翼(国粋主義者)作家」百田尚樹が、安倍首相の考えに使い自民党若手議員の憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」(参加者約40名)に講師として招かれ、次のような発言をし、多くの参加者から賛同を得たというのである。
①「(辺野古沖の新基地建設に反対している)沖縄の地方紙2紙(琉球新報・沖縄タイムス)は潰せ」→百田は、作家として「表現(思想・信条)の自由・報道の自由」をどのように考えているのだろうか。彼は、治安維持法の下で、「表現の自由」や「思想信条の自由」が制限され、その結果として約320万人(アジア全域では、約2000万人)が犠牲になったアジア太平洋戦争を阻止することができなかったことを、よもや忘れたわけではないだろう。もっとも『永遠の0(ゼロ)」などという「特攻」を美化する小説を書き、それがベスト・セラーになり映画化もされたことで悦に入っている百田には、戦時下において「執筆禁止」などの弾圧を受けた作家の苦しみなど理解しろというのは、どだい無理な話と言うしかないのだが……。
②「米軍基地の地主は何千万円もの土地代をもらっている」→確かに、米軍基地として取り上げられた土地の代金で生活している「軍用地主」の人はいる。しかし、何千人もいる地主の内「豊かな生活」をしているのは、ほんの一握りで、誰もが「何千万円もの年収」を得ているわけではない。デマゴギー(嘘の情報による扇動」もここまで来ると、馬鹿らしくて話にならない。
③「普天間基地の周りは、昔は皆田んぼだった。基地周辺の住民はカネ目当てで移り住んできた」→確か、普天間基地の周囲には5つか6つの市町村が存在するが、かつては小学校や役場があった町の中心部が普天間基地として接収されたので、住民はやむを得ず「基地周辺」に済まざるを得なくなったのである。作家ならそのぐらいの「沖縄の戦後史」を勉強してから発言すべきである。また、そんな「いい加減(デタラメ)な」百田発言に拍手を送った自民党の若手「極右」議員(その中には、安倍首相が可愛がっている佐藤勝信官房副長官や木原稔青年局長らがいたという)は、もう一度この国の戦後史を学び直すべきである。

 また、百田発言を受けて、出席した議員からは「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせばいい、文化人が経団連に働きかけて欲しい」との発言があったともいう。この発言も先のアジア太平洋戦争への「反省」を全く感じられないもので、「報道管制(規制)」はファシズムの常套手段である。このような国会議員に僕らの未来が委ねられるとしたら、何とも悲しい。 先般、NHKやテレビ朝日の経営者たちを自民党本部に呼びつけて、「放送法」(テレビ・ラジオ放送の許認可権)を持ち出して、政府与党への批判的言説を封じ込めようとした同じ手口で、今度は「スポンサーへの圧力」を画策する、このような政治家たちに支えられた安倍自公政権がいかに「危険」な政権(権力)か、僕らはその本質を見極め、将来にわたって「禍根」を遺さないようにしなければならない、と今日あらためて思い知った。
 しかし、本音は「もう、うんざり」である