黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

厚顔無恥(?!)

2010-05-24 11:42:21 | 近況
 報道によれば、鳩山首相は、昨日(23日)沖縄を再訪し普天間基地移設問題に対して、自公民政権時代に決定していた「辺野古沖移設案」が結論であり、これまで騒がせたことを沖縄県(民)に「陳謝」したということだろうが、1年近く国民や沖縄県民に「県外・国外」移設が可能であるかのごとく言い続け、その挙句に辺野古沖に落ち着いたというので、この人にはとことん政治的センスがないのだな、と思い、同時にあきれざるを得なかった。
 こんな「結論=茶番劇」を見せられたのでは、この人が掲げた平等・対等思想を基底に、他者をおのれのように「愛する」ことで成り立つはずの「友愛」精神はどうしたのか。まさか、「友愛」精神を発揮した結果、危険極まりない普天間基地を辺野古沖に移す案が最も適切な考え方(結論)であるということになったのではないと思うが、今朝TVを見ていてわかったのだが、この人には「苦渋」とか「恥」とかというものがないようで、よくも臆面もなく沖縄へ行けたな、と思わないわけにはいかなかった。他者(この場合、沖縄県民及び国民)の「痛み」や「怒り」について全く想像力をめぐらすことなく、どんな言葉も至極簡単に口に出し、その言動の「重み」をほとんど感じることのない鳩山首相。
 こんなひどい政治的センスの持ち主は、即刻退陣してほかの人に政治をまかすべきなのだが、どうも小泉純一郎以来、安部晋三、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫と続く「二世議員」たちの国民からかい離したそのセンス・心情は、いかんともしがたいものがある、といわねばならない。
 彼らは「苦労」をしていないから、つまり「おぼっちゃま育ち」だから、本当に困った人たちのことは理解できなく、アメリカのご機嫌をとったり、「党内事情」に気配りをすることが「政治」だと思っている節がある。彼らに共通している「ことばの軽さ」を考えると、彼らに権力をゆだねなければならなかったこの国の「政治」がいかに脆弱なものになっているか、よくわかる。不幸なのは、今度の普天間基地移設問題がよく示しているように、国民に他ならない。
 それにしても、再三再四言うように、アメリカ軍基地の問題は「撤去」か「許容」の二つしかなく、沖縄県民が先の総選挙や名護市長選挙で意思表示したように、「アメリカ軍基地の県内移設はNO」なのだ。それなのに、アメリカにそれを言えず、作られた「極東有事・東アジアの緊張」を名目に、アメリカ軍基地を容認してしまうその思想構造、戦後65年、もういい加減にそんな「従属思想」は放棄すべきではないのか。駐留米軍は、極東における「冷戦構造」を保持するための戦力であるが、ある軍事評論家が書いていたが、同時にそれは軍事費が世界第7位にまで膨張し続けてきた自衛隊の戦力を牽制するためである、というものであったとしたら、「日米合意」にこだわり続けた鳩山首相の在り方は、まさに「マンガ」というしかない。
 気分の悪いニュースだった。