黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

ご報告(立松和平のこと、など)

2010-02-13 05:59:45 | 文学
 新聞やテレビなどでも伝えられましたの御存知の方も多いと思いますが、盟友(畏友)の立松和平が2月8日急逝し、そのことに関わる出来事の処理に9日から今日まで忙殺されてきました。
 10日の午後5時から「通夜」、11日午後1時からの告別式(夕方からの初七日)、この間新聞社やテレビ局からの問い合わせやコメントの要求、更には追悼文の執筆依頼、と片手に固定電話、もう一方の手で携帯で応接するという、今までに経験したことのない時間を過ごしてきた。告別式では弔辞」まで読んだ(原稿なしで)。遺族の「静かな形で送りたい」という意向に沿って、相談を受けた僧侶であり古くからの友人である福島泰樹が生前の立松が望んでいた福島の寺(入谷の法昌寺)での「密葬」、ということになった結果なのだが、終わってみれば非常に実のある通夜・告別式であった。
 そして通夜・告別式の合間に僕ら友人が集まって後日執り行うことが決まっていた「偲ぶ会」の詳細を決めた(3月27日午後、青山葬儀場 実行委員会方式で)。
 そして僕が引き受けることになった追悼文であるが、現在のところ(1)北海道新聞(掲載済み)、(2)時事通信社(全国に送信済み)、(3)産経新聞社(14日掲載予定)、(4)下野新聞(特集で、20日から上・中・下の3回)、(5)大法輪(15枚、できるだけ早く)の5個所、部分的には同じことを書いたが基本的には担当記者との会話から、少しずつ違ったニュアンスの文章を書かなければならず、作品の刊行年を間違うなど少々混乱することもあった。まだ全部書ききっていないので、もうしばらく立松の「追悼」に付き合うことになる。
 なお、心配している人もいるのではないかと思うが、「立松和平全小説」は、立松の「振り返れば私がいる」は原稿をもらっている6巻分で終わるが、刊行は最後の30巻まで続くことを勉誠出版の方にも確認済みなので、心配いりません。僕ら(僕と担当編集者と社長)は、粛々と予定通り刊行していくことが立松の「供養」になるのではないか、と思っているので、今はより緊張が高まっている状態である。
 なお、立松のことは「偲ぶ会」の詳細が決まった時点で改めて書くつもりなので、待っていて欲しい、と思う。

 そして、この間が異常に忙しかったのは、明後日15日(月曜日)NHKのFM放送で大江健三郎さんとトークすること(録音)に決まっていたからである。ラジオのFM放送を聞く人は知っているかも知れないが、「ト-キング ウイズ松尾堂」(毎日曜午前11時半から2時まで放送)というもので、「店長」であるタレントの松尾貴史を中心に大江さんの最新作「水死」を中心に大江文学について話し合う番組、「生」でなく「録音」なので少しは気が楽なのだが、大江さんとの公式な対話は初めてなので(私的にはいくらでも経験あるのだが)、2時間余りの録音をどう過ごすか、台本が送られてきた昨日から緊張気味な時を過ごしている。
 なお、放送日は「3月14日」の昼時です。もし時間のある人は僕がどれだけ緊張して話をしたか、楽しみに聞いてください(この録音のことについては、また書きます)。