黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

「天罰」とは何か?

2010-02-09 11:22:55 | 文学
 近頃は何故か「コメント」が少ないので、ほとんどチェックしないでいたのだが、何日か前「寒波」と名乗る人が、1年以上前に書いた「井上ひさし」に関する文章に対して「天罰くだる」というコメントを寄せていることに気付いた。
 「寒波」氏のコメントは読んでもらえば即座に理解できると思うが、、要するに井上ひさしへの「悪口」で、このような根拠が薄弱な(噂話的なレベルの)「悪口」が横行するネット社会に辟易しているので、前に宣言したとおり「匿名のコメント」には応接しないという原則に反することになるが、ブログの主宰者として一言だけ言っておくことにした。
 「寒波」氏が羅列した井上ひさしの「悪行」の数々は、先にも書いたように、文学者としては『吉里吉里人』を初めとして数々の名作を残し、また戦後民主主義者としては「憲法第9条」を守る立場を貫いている作家への、「実証」抜きの芸能マスコミ的レベルの噂話=誹謗中傷の類で(揚げ足を取られたくないので前もって言っておけば、文化功労者として園遊会に出席したり、天皇から芸術院賞・恩賜賞を受けたことについては、僕も何故あの井上ひさしが、と思っている)、全く創造者(作家・劇作家)に対する「批評」ではないこと、このことだけは強く言っておきたい。
 もし他人を「批判(批評)」するのであれば、きちんと「根拠」を挙げ、しかも論理的に展開しなければ、それは単なる「やっかみ」や「嫉妬」を後ろに隠した「悪口=誹謗中傷」に堕してしまう。そして、「噂」は「噂」を呼び、例えば学校裏サイトが多くの犠牲者を出したように、この世の中を住みづらいものにしてしまう危険性がある。
 このような「批判(批難)」の在り方は、いかにも現在マスコミ・ジャーナリズムで騒がれている「小沢・鳩山バッシング」と相似のように感じられ、何とも「イヤーな」気持にさせられる。もちろん、「寒波」氏は井上ひさしを「敵」と思っており、折あらば「攻撃」するのは自分の使命だというようなことを思っている人であるのなら、殊更僕が何かを言う必要もないのだが……。
 ただ、気持のよいものではないことだけは、確かである。