この数年で、導入牛の肥育成績について、産地間差が様変わりしてきた。
年間約500頭の導入牛の内、その88%の平均生後月齢は9~9.5ヵ月令で、残りは、平均7ヵ月令である。
数年以前の7ヵ月導入牛は、発育に問題があったり、肺炎等の疾患も多く、その結果肥育成績は散々であった。
つまり、お荷物的な存在であった。
ところが、現在では、お荷物であった素牛たちが、5等級率80%以上という抜群の成績を収めるようになった。
一方、当方の育成舎は4棟のゾーンと、2棟のゾーンの2ヵ所に分かれている。
このうち、2棟ゾーンで育成した牛たちの肥育成績が芳しくなく、4棟ゾーンのうち、とくに導入月齢7ヵ月令のグループは抜群である。
この二つのグループに、肉質評価に差となる要因が何なのかを検討した結果、明らかに異なる要因が、2点浮かんできた。
それは、一つに、導入月齢の差、二つに導入から生後15ヶ月齢までの粗飼料の摂取量の違いである。
過去2年間、2棟ゾーンは、乾草の摂取量が1頭1日当たり平均2.5kgで、4棟ゾーンは、4.3kgであった。
4棟ゾーンで育成された牛たちの方が、肥育成績が良好であり、粗飼料の食い込み量の多さが、肥育条件である健康や腹づくりが可能となることから順調な飼料摂取量の食い込みなどに好影響を与えたものと考えられる。
とくに、4棟ゾーンで飼われた7ヵ月令の素牛については、約8ヶ月間粗飼料を飽食させ、生後15ヵ月令から理想的なビタミンAのコントロールが期間内に終了していることである。
これらの牛は、生後20ヵ月令になる頃には、やや肉太りの感となるが、そのことがむしろサシの蓄積には、功を奏しているようである。
これらの肥育牛は、粗飼料を長期間多量摂取したことにより、BMSの改善、リブロースの面積拡大や形状の良さに繋がったものと判断している。
粗飼料を多量摂取させるためのテクニックは、朝一番に給与する乾草を時間掛けて摂取させ、濃厚飼料は約2時間程度遅らせてから給与させるなどの手だてを臨機応変に取ることである。
素牛の導入月齢の若さが、育成用配合飼料を多量摂取していないために、乾草の多量摂取を実現するには好都合でもある。
写真は、生後6.5ヵ月で導入した素牛である。
(・ω・)/
例の関連牧場からの早期導入牛達の事ですね。
そこまで良い結果が出ているのを聞くと、
換金スパンは長くとも、
一貫経営の方が良い枝肉づくりが出来るのでは…と考えたりもします。
さて、
日本一(?)素牛の相場が安い当地のブランド牛はその枝肉が全国平均より高いそうで、
こちらの肥育農家さんが少し羨ましい気が…。
と、
少し一貫経営に興味もあるのですが、
やはり今は繁殖農家としてその道を極めたいですね。
今日は、
昨年分娩パニックで育児放棄をしかけた母牛の予定日。
まだその気配はなく、
今年は最初からきちんと子育てしてくれる事を祈りながらも、
一応粉末の初乳を用意しています。
f^_^;
以前、マニュアル通りに粗飼料を飽食させ、脂肪をほとんどつけずに腹作りを行って出荷したところ、当牧場の最低価格をつけたことがあります。
とどのつまり、これが現実です。
安く素牛を買いたい肥育農家と、高く売りたい繁殖農家。双方の意見が合うまでまだまだ先のことになりそうです。
(・ω・)/
例外ですよ。
一般のセリでの導入ではない牛達の話です。
その辺はアーカイヴで詳細をご覧頂ければ。
080628と、
090111、090204あたりが関連記事ですね。
自分も最初に見た時にはびっくりしました。
(´∀`)/