牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

肥育牛の飼育面積

2008-05-01 19:53:44 | 牛の成長
子牛を導入して暫くは、足腰を鍛える目的で、適度の運動が可能な飼育場で慣らし飼いをすることが必要である。
2~3ヶ月慣らし飼いをした後は、本格的に肥育マスに入れて、肥育前期用の飼料を飽食させることになる。
この育成用の飼育マスの面積の大きさは、その肥育形態により異なる。
全肥育期間を当初から同じマスで肥育する場合は、仕上げ時の体幅を考慮に入れて、飼槽幅を1頭当たり約90cmとし、一マス5頭飼いなら、その倍数である450cmが適当である。通常二マスを対として、牛床の清掃時に便利なように開閉柵を設けるため、マスの形は、真四角が不可欠となる。
育成マスとして利用し、肥育の中・後期には仕上げマスに移動する場合は、飼槽幅を1頭当たり約70cm幅とする。
この様に複数頭飼いにした時に注視することは、マスにいる全頭を良く監視できる配置が必要である。
鹿児島で数千頭肥育しているNセンターでは、10数棟ある全ての肥育舎の中央通路をGLより、60cm高くしている。この位置から牛房を見下ろす形になるが、全ての牛が完全に監視できる。配合飼料は自動給餌方式であり、粗飼料のみをそのフロアから落として給餌している。
畜産業では、家畜を如何に監視できるかが事故率の低下に直結することから、見易い監視体制にするを最重要視すべきである。
仕上げ期に2頭飼いにするケースが一般的だが、270×270cmのマス内で、雌牛を2頭飼いしていて、若干狭すぎるので、二マスの間の間仕切り柵を外し、4頭飼いにした。片ヘンが540cmとなったことから、牛たちが余裕で行動できるようになり、窮屈感が取れた。その甲斐があり、摂取量が増えて、牛の肉付きが心持ち良くなった。同様にその面積に去勢牛を3頭入れたが、これも増体効果が現れた。後は、サシに期待しているところである。





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