牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛に優しく

2008-09-23 18:52:04 | 牛の成長


日本には、昔から食卓に座れば、手を合わせて「頂きます」と唱える習慣がある。
学校では、給食費を払わない生徒とその親たちが増えていると聞く。
おまけに、何で「頂きます」なのよと、それに抵抗しているとも聞く。
実に嘆かわしいことであると感じている。
先日、通勤途中のカーラジオで、ゲストのコメンテーターから、その話が出た。
人は、野菜や米など命あるものを頂いているから、それらに感謝する証として「頂きます」があるというのであった。
全くその通りであると、筆者も頷きながら拝聴した。

話を牛の話題に戻すが、食卓の「頂きます」の観念に戻れば、牛飼いや食肉関係者など畜産関係者全てが、その意を認識しているはずである。
畜魂慰霊祭などの挨拶では当然のようにその様な話を拝聴し、つねに我に返っていることがままある。
その様な観点を常に意識することで、家畜たちとも仲良くなるはずでもある。
おめおめ、気に入らないとか言うこと聞かないとからと言って、鞭を振るう時代ではないのである。
全ての家畜が、食肉用として飼育されているからには、そのことを熟知して、飼育環境の改善だけでなく、管理する一人ひとりが家畜の嫌がる行為だけはしないと認識すべきである。
当欄にコメントを頂く人たちの全てが、それらを当たり前のように認識したコメントが寄せられている。
その家畜への思いやりが、それぞれの成果が着実にあげられていると予測できる。
畜主と家畜たちが意を介してそれらの目標のを目指せば、当然のように成果は実ると日頃考えている。
時折、異常な行動をとる素牛が導入されることがある。
これは、子牛たちに何らかの危害が加えられているからで他ならない。
それでは、折角有能な資質を有しても、結果的には、それらを生かし切れないことが多々あるのである。
家畜と接するには、常に「頂きます」の精神を忘れないで欲しいものである。



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4 コメント

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生きている限りは (サブロー)
2008-09-23 21:13:25
日本の食品残さはどの位出ているのだろか?カロリー・エネルギーを効率よく利用すれば地球環境の保全につながると思う。消費は美徳の時代はすでに終っている。人々はまだ気付いない!食べ物で世界の経済が変わり、海外から依存している日本の幾末はどうなるか心配である食生活は家庭により違い、食べ物に対して感謝する心を子供達に伝えて生きたい人も動物も植物も小さい時、瑕疵の起因があると思う。毎日、異常な事件が続けている、何かが狂っている!悲しい事だと思います。
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いつも思う事 (Piyo)
2008-09-24 16:13:15
(^^ゞ
Kuroiusiさんのブログを拝見させて頂く様になり3ヶ月程経つでしょうか。
その文章にはいつも自然に対する愛情と畏敬の念が感じられ、
本当に得る物が多くこれからも毎日の更新を楽しみにしています。

栗おはぎも美味しそうでした。


さて、
分娩の遅れに関してですが、
これはその母牛の個性と割り切っています。
小柄な母牛に増体系の種付けをしている場合や初産の場合はかなり心配ですが、
経営のロスとまでは考えたくないです。
予定日を過ぎてる牛は注射をしてサッサと産ませた方が…との記述を見た事もありますが、
出来るだけ自然に近い状態で母牛を飼養するという基本方針にこだわりたいですね。
在胎期間が多少長めでも、
きっちり発情を見つけて種付けしてやる事によってカバーしたいです。

最近は自家保留による増頭だけなので、問題のあるコはいませんが、
導入牛の一部に、
放牧地では近づいても大丈夫なのにスタンチョンに入っている時はやたらと怯えるコがいます。
過去にスタンチョンでよっぽど嫌な目にあったのであろうかと想像しています。
じっくりと時間をかけて、
スタンチョンは怖くないんだという事を覚えてもらおうと思っています。

(^o^)v-~~~
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同感です(サブローさんへ) (kuroiusi)
2008-09-24 18:22:16
年々、エコフィードなどへの依存度が徐々に増しているようです。
それは、飼料の高騰や輸入難を想定しての取り組みです。
本来は、サブローさんの意見のように、食糧飼料を無駄なく効率的に利用するという資源は有限という基本理念の上で取り組みが成されるべきであろうと考えています。
日本の食品残渣量は2千万トン以上とも言われています。
セブンイレブンでは、これらを堆肥化して処理しているという報告があります。
旧農水省関係機関などでは、売れ残り弁当などを炭水化物とそれ以外を分別して、豚用飼料に開発する研究が進められ、一部実用化していると聞きます。
牛用では、食品製造過程での副産物を飼料米などと混合してサイレージ化して利用している大規模牧場が増えているという報告もあります。
産業界など食品を取り扱う関係者や農畜産業に携わる関係者らには、食糧飼料の効率的な利用や再利用に関する認識を高める教育が必要と考えられます。
もちろん、日本人一人ひとりのモラルの向上が必要で、そうなれば食糧を無駄にしない社会づくりも夢ではないと思われます。
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辛抱強く(piyoさんへ) (kuroiusi)
2008-09-24 18:45:55
繁殖牛の場合は、個体管理が伴います。
牛を捕まえて、発情確認したり、人工授精したり、分娩させるなど全て個体管理です。
以前は、調教をして牛に言うことを聞いて貰っていたものです。
その牛に調教をすると言うことは、かなりの辛抱強さが伴ったものです。
牛は、辛抱強く教えていくことで、必ず覚えてくれるはずです。
piyoさんの牛も、意外と簡単にスタンチョンになれてくれると思います。
牛は、様々な動作では、慣れたことを守り、初めてのことにはかなり抵抗感があります。
子牛の時にいじめられれば、それだけその習性は頑なになります。
人が、日々頸を抱くくらい可愛がった子牛は、飼い主の言うことも容易くなれるはずです。
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