牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

サシはどのランクが美味しい?

2010-07-31 00:46:23 | 牛肉















リブロースの切断面をBMS no.12(写真①) 10(同②) 8(同③) 6(同④) 4(同⑤)に格付けされた写真を並べたが、これらのランクでは写真①が品質が良く高価に流通していることは、周知の事実である。
黒毛和種を肥育している生産者は、究極的にはこのランクの枝肉に仕上げたいとしている。
それは、究極的な目標であるとともに、高価で競り落とされるからでもある。
これらは生産者サイドだけではなく、枝肉流通関係者も同様である。
一方、消費者サイドに最も好まれているランクも生産者同様であろうか。
事実はそうでは無いようである。
食通はサシだけをターゲットにせず、見た目を重視する傾向があり、例えば、写真③程度の筋肉とサシの分布割合がバランスが良くて、味も良いとのことである。
実際にこれらを食味してみると、写真④が差ほど油濃くなく、肉の味もシビアに感じられるような気がする。
これらのサシの写真は、見る人により見方は千差万別であろうが、牛の審査と同様でその数を加えることにより、その実際が理解できる。

最近は、高級牛肉について、食味する年代層の嗜好感覚が以前より差が無くなりつつあり、すき焼用であれば、ステーキほど油濃さは感じられないが、ステーキではA5ランクは老いも若きも油濃いとし、写真④⑤レベルをどちらかと言えば多目に摂れている傾向がある。
生産する側も、高級志向があり、それをものにするために高価な素牛を導入し、高価な配合飼料を多量に食い込ませて、必要以上の生産費を掛けようとしている。
消費者サイドに最も好まれるランクを上位とする格付けが実現した場合、それがBMS no.7~8程度であれば、生産者の肥育法にも低コスト生産が実現するものと常々考えている次第である。


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21 コメント

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赤肉 時代の流れ (牛好き老人)
2010-07-31 17:00:47
昭和の時代は、カロリー不足気味で高タンパク・高カロリーが人気があり高値で流通していた。しかし、平成も22年も過ぎれば栄養過剰気味になり農耕民族にあった赤味の多い肉が好まれるようになってきている。そもそも、日本人は赤白(鯛・海老・饅頭・赤飯・紅白幕)の配色が好きで、肉も赤白が綺麗なBMS12番を買い求めて来たが、いざ食べる時は6番サシ位が好まれる。農水省も今後は、サシ一辺倒で無くコストの掛からない赤肉を推奨してくると思う。枝肉では大貫物は嫌われますが、1頭の牛から出来るだけ肉をとり安く消費者に提供出来ればと考えています。肉屋さんが言っていましたが本当は肉色は少し濃い方が味があるそうです。生産者には単価交渉する為に、見た目重視で話する。確かに、US・オーストの赤肉は以前と比べて美味しいなっている。思うのに、草を食った牛肉は味がある(大阪大丸・さわやかビーフ)。高い素牛を買い付けてサシを入れるのは時代と共に変わってくるかも知れない。
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Unknown (Unknown)
2010-07-31 21:16:40
確かに
ただ二桁台はもともと沢山はでないので昔から大量に食べられてたわけでわないような…
もし赤身が人気が出た場合数が沢山出回るからやはり値段は上がらない…

経営としては難しいような…

自分なりのいい肉を作ってもそれを欲しがる消費者をうまくつかまえなければ意味がないし経営していけない…

難しい…
やっぱり自分が育てた牛に⑫番が出た時は嬉しい
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少子高齢化 (木久蔵)
2010-07-31 22:11:37
食欲があって、元気のいい若者がサシが強い牛肉を脂濃いからと避けている。これでは極上肉が売れ訳がない。高齢者がお金に余裕があって美味しい肉を食べたいと思っても、健康の事を考えて食べない。じゃあ誰の為に極上肉を作るのか、自己満足の世界で無駄な事をしているのか?まったくエコと違う仕事をしている訳だ。後、3年もすればはっきり消費動向がわかると思う。今、気合いを入れて高い素牛を買い付けしている肥育生産者は消費者のニーズを掴んで仕事していない事になる。消費傾向は年々変化している、変わらないのは頑固な牛飼いだけ。肉屋さんはホルスとF1と内臓は良く売れているの事。黒毛和牛はダブついて値を下げる一方だ!マルキン補填金も掛け金が安いから交付額も当てに出来ない。肥育内容を変える時期にきている。
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生き残り (チャールズ・ダーウィン)
2010-07-31 22:49:28
強いものが生き残るのでない。賢いものが生き残るのでない。変化に敏感なものだけが生き残り成長するのだ。
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Unknown (Unknown)
2010-08-01 07:22:10
マグロの大トロより赤味がうまみがあると思います。大トロはうまみより脂の甘味があるだけで後味が気分的に体に悪い印象があります。長野・熊本の馬刺産地でも、サシが多いものより赤味の馬刺が売れていると聞いています。今はサシ中心の単価になっていますが、いずれは消費者のニーズにあった産肉をしなければならないと考えています。国・事業団は種牛改良に少しづつ、サシ以外の粗飼料を食い込める放牧型の肥育牛を考えてくるかもしれない。
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将来的には… (南の牧童)
2010-08-01 11:50:40
将来的には、産肉は大手流通業者が生産者から、直接買い取りコストに見合った価格で相対する可能性もあると思います。屠畜は委託料を支払い、ゴミ・カワは肉屋関係者が買い取り、流通形態が変わるような気がします。現在、肉が売れないのに何故、屠畜頭数が減らないのは内臓が売れるからだと思います。皆さんは内臓は、㎏50円前後で売っておられると思いますが、店頭やホルモン屋では幾らで価格を付けてありますか?確かに、食べるまでは手はかかりますが生産者が売っている単価と末端単価は大きな開きがあり過ぎると思います。舌(タン)は1本10000円です。生産者には100円位です。頬肉・ハラミ・テールなどは内臓代には含まれていないと思います。BMS・BCS・光沢・締まりが悪いといいながら単価を下げ、実際は内臓で利益を上げている食肉形態です。誰か、海外の食肉業界の内容をご存知ありませんか?いつまでも、交付金で経営は出来ないと考えています。
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思うのに? (パウル)
2010-08-01 17:59:07
肥育は不健康にしなければサシは入らない。人間は不健康な肉を食べている事になる。牛は本来草で成長するが無理やり穀類を食わせ込み増体させている。はたして、本当にいいのだろうか?温暖化・エコ推進などいいながら無駄な事して肉を作っていないか心配しています。今年も一段と暑くなっている。本末転倒はいつまでも続かない。
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Unknown (Unknown)
2010-08-01 21:45:27
健康な牛でなければサシは入りません。繁殖農家の私でも知ってる事です。
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教え下さい~~ (素人生産者)
2010-08-01 21:48:40
廃用牛[ババ牛]のと畜分は、東京・大阪の相場に反映されているのですか?反映されてなければ2等級が安過ぎると思います。普通に肥育した牛が1200円だったら素牛プラス10万ですね?♂40万・♀32万でコスト40万!枝肉相場といつになったら計算出来るのか?どちらかの相場がおかしいと思います。
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21:45さんへ (繁殖農家)
2010-08-01 22:28:59
以前、肥育生産者さんから肥育中期はビタミンを押さえて不健康にすると聞きました。サシを入れる準備する期間だそうです。ビタミンが切れたら、飼料摂取量減少・増体減少・脚関節の浮腫・被毛粗剛・筋肉内水腫・眼球突出・夜盲症・失明・神経症状・尿石症などの症状が表れ免疫力が低下するそうです。健康に肥育すれば、いい赤肉になるでしょうが売り値は安いでしょうね。
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