牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

蹄葉炎

2011-02-22 00:31:28 | 牛の病気


08.01~10.12までの3年間、9市場から1,500頭の素牛を導入している。
これらの子牛のうち27頭がルーメンアシドーシスと蹄葉炎に罹患した。
これらの疾患に罹患した牛は、完治が難しく、正常な発育や肥育状態にならないために、その大部分が低い枝肉評価となり、マイナス差益に陥っている。
これら27頭のうち、去勢牛5頭が既に出荷済みであり、枝肉重量の平均は460kgで平均単価は1,640円で1頭当たり約130,000円のマイナス差益となった。
この数字を乗じれば、単純に350万円の欠損を見込むことになるが、現在飼育中の蹄葉炎罹患牛(写真)には前肢を伸ばせないのが5頭ほどいて、さらに大きな欠損を覚悟しなければならない。
これらの罹患率は産地による特徴がある。
導入100頭当たりの罹患頭数の多い産地は、関西と宮崎のそれぞれ1市場で、4.17頭、4.1頭と他の市場平均1.2頭より明らかに高い値となっている。
罹患しやすい子牛のタイプは、DG値が高いケースや、血統では増体系より肉質型で栄養状態の良い牛が罹りやすい傾向がある。
これらの疾患は、導入直後の粗飼料による飼い直しを行っても、粗飼料の利用性に欠け濃厚飼料主体に摂取するタイプである。
子牛の育成中に、粗飼料の利用性の高い子牛に育てることを留意して貰いたいものである。


最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (うづき)
2011-02-22 12:10:24
私たちの牧場の導入は宮崎と鹿児島ですが宮崎の牛だけですね。ルーメンアシドーシスの牛は…こんなにも差があると考えものです
返信する
Unknown (宮崎人)
2011-02-23 20:45:20
種牛にもよって差がでていませんか?福桜が絡んでいると蹄葉炎になり易いと聞いた事があるんですが…飼い直しをしても減らない様なら同じ生産者の牛を購買しないことですね!
返信する
素牛の選畜眼 (素牛買い子)
2011-02-24 07:08:55
素牛生産者と肥育生産者とでは立場が違うので、買い付け後いろいろ問題が発生する。お互いのリクエストはあるが、気に入らなければ購買しない事。購買後クレームを付けるのは選畜眼がなかっただけの事。どこの市場(地域)が良い悪いと言うのは厚顔無知!購買ボタンを押す時はリスクを背負っている事を肝に銘じて購買して下さい。
返信する
肥育生産者の性質 (農家巡回員)
2011-02-24 21:44:57
肥育成績が良かった時は自分の技術を自慢するが、成績が悪い時は素牛に責任転嫁する。枝肉成績のデータを分析しても考え方を見直さない限り成績は安定しない。成績不良・事故・病気みな飼い主の責任!牛は飼い主で変わります。
返信する
Unknown (肉や)
2011-02-27 23:48:42
食肉市場がもっと開かれていれば…
返信する
と畜場・食肉市場は利権絡み (Unknown)
2011-02-28 06:24:48
経済動物が食肉に変わる時、ルーツを持った人々の利権であり一般の人にはオープンに出来ない。焼き肉屋を開店する時はルーツを持った人々に頼らなければならない。ルーツを持った人々は祖先から苦労されているので行政も受け入れざる得ない。現在は情報公開の時代になっているが、生い立ちと歴史は重たい。
返信する

コメントを投稿