食肉に含まれる旨味成分であるオレイン酸値の話題が取りざたされて久しい。
牛肉に含まれるオレイン酸が気がかりである。
オレイン酸値を高める要因については、様々に予測はなされているが、確実視される要因は定かではない。
血統だとか、穀類割合を高めるなどや、逆にモネンシンを投与している牛のオレイン酸値は低いとも伝わってくる。
また、BMS値の高い牛肉はオレイン酸値が今一だとか、3等級や4等級の方が高い値となるとも聞く。
最近、食肉市場で行政関係者のご尽力により、出荷牛の枝肉についてオレイン酸値が測定されている。
筆者の施設の出荷牛も約150頭測定して頂いているが、それらの平均値は56%を安定的に推移している。
これらの結果を上述の血統に因するかを父親や母体などとの関係を見てみても、その傾向は皆無である。
穀類に関しては、仕上げ配合の約58%程度でその割合が徳に多いとは判断し得ていない。
勿論、モネンシンの投与も実施していない。
等級による蓄積の分布については、BMS10~12については、平均的には50~55%以内に分布し、BMS5~9までに高い値が見られている。
肥育法の中身を吟味してみると、その影響を最も受けているのは育成期の粗飼料の内容と摂取量が深く関わっているのではと推測している。
導入後の2ヶ月間は良質のチモシーを、その後の2ヶ月間はチモシー・オーツヘイ・スーダンヘイをミックスした粗飼料に若干の稲ワラを咥えて給与している。
出荷月齢の平均は約30ヶ月令であるが、オレイン酸値の高いものは62.8%と60%を越す個体も多々いる。
推測に過ぎないが、粗飼料にその因があるとした場合、子牛市に出荷されるまでにチモシーなどの粗飼料を摂取している素牛を肥育した牛は、60%を超す傾向にあり、その逆であれば、平均値に到らないのではと考えている。
粗飼料の胃内における消化吸収過程における発酵の影響を推測している。
オレイン酸値の高い牛肉とBMS値の高い牛肉では、どちらが消費者様に好まれるのであろうかと気になるところである。
勿論それらの旨味の種類は異なるはずであるが、様々に食味体験をしたいものである。
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これからも
美味しい牛肉作り
頑張って下さい
我が家の子牛の粗飼料は消化の良いアルファルファやオーツヘイが中心です。それは骨格筋肉を発育させ、腹が減ったら草を食べるを脳にインプットすることが大事と思うからです。幸い我が家の子牛の枝肉成績はBMS、枝重とも標準以上のものが多いようにおもいます。(枝肉成績は半分も把握はしていませんが。)
しかしBMSにも言えることですが、果たして消費者の価値観にどれだけ反映されるか?という一点に尽きると思います。いくらこっちの業界でオレイン酸の良さがわかっていても、消費者がそれに価値を見出せねば肉は売れない、枝肉は安いまま、子牛も高値では買いにくく、結局みんな泣かねばなりません。関係各所にはそのような普及活動に期待を寄せるばかりです。
オレイン酸やBMSと並んで個人的に気にしているのは血統、特に産地なのですが、例えば最近話題の某牛、その県の牛であるものの血統を見れば他県道の牛を組み合わせて出来上がったもの…ブランド牛産地に住む私としては、少し違和感を覚えます。「これは美味しいブランド牛です!(でも母体は県外導入で種も別のところでたまたまこの地で生まれただけです)」みたいな…。
オレイン酸と話はズレますが「地域のブランド牛なのに地域の牛ではない」みたいなの、どう思われますか?
私はせめて三代祖まではすべて地元の牛にしてこその「牛作り」だと信念を持っております。
BMSの高いものはオレイン酸が低いと似た話を聞いたことがあります。それはあの牛(子や孫)の枝は脂肪が硬いから枝肉検査時に筋間脂肪の発色の切れがよいのでコザシになりBMSが高くなるというものですが、一理あるように思いますが、冷蔵庫でオレイン酸数%の差がそんなにくっきりでるのかな?とも思います。
以前精肉店で働いた経験もあり、枝肉の買付にも行っていました。味に関して極論かもしれませんが、人それぞれ調理それぞれだと感じてます。小さな肉屋でしたので、BMSだけでなく部位ごとにある程度お客さんの顔を浮かべて買い付けるそうです。お客さんの好み(パンチが欲しい人要らない人etc)を完全に把握できてできる芸当ですが、肥育農家さんを信用してないとできないと言って(味の安定、飼養管理の安定etc)半年に一度は農家さん回りもしてます。美味しくなかった時、美味しかった時、必ず電話してます。