goo blog サービス終了のお知らせ 

さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

赤沢温泉郷とアウトレットモール

2006年12月05日 23時42分11秒 | 旅行
てなわけで、今日は仕事が休み。
相方さんと一緒に日帰り温泉に行ってきました。

行き先は、伊豆。
前日に泊まりに来た相方さんと朝早く起きて
車に乗って、伊豆方面へ向かいます。

向かった先は「赤沢日帰り温泉館」。
伊豆高原のちょっと南の方にあり、近くには
ドラマのロケなどでも有名な城ヶ崎海岸があるあたりです。
たぶん、温泉好きなゲイの方々には有名で、
あの、DHCが運営する温泉ホテルの施設です。

電車の中吊り広告で存在を知っていた自分は、
いつかいってみたいなあと思っていましたが、
温泉好きな相方さんは
「キレイすぎて温泉に行く!って感じじゃないよ」というじゃないですか。
最近の日帰り温泉ブームでは、
箱根「天山」のような昔から営業していた日帰り温泉もあれば、
旅館の施設を一般開放している場合もあれば、
スーパー銭湯型のものと、いろいろあると思うのですが、
赤沢日帰り温泉はどちらかというと、
ホテルを併設しているけど、スーパー銭湯型かな。

画像のパンフレットでわかるでしょうか、眺めが最高です。
高台に立つので眺望もよいのももちろんですが、
湯船って淵があるじゃないですか。
その淵が内側に斜めになっており、そこから外側にお湯が溢れ
流れ落ちる湯船なのです。
それはどういうことかというと、
湯船につかっていると、湯船に映る空と目の前に広がる海が一体となり、
とても開放感のあるわけ景色が楽しめるわけです。

いやーきもちいー。
二人でくだらない事しゃべりながら、計1時間半も湯船に入っていました。

その後、食事をして、干物を買って、城ヶ崎海岸へ。
相模湾にせり出す岩の上で、サスペンスドラマごっこです。

すでに3時を過ぎ、陽が傾き始めていましたが、
ちょっと遠回りして御殿場プレミアムアウトレットへ。
アメリカのデベロッパーが運営するこのモールは、
以前、小田急御殿場ファミリーランドとして営業していた場所で、
学生の頃、一度やってきたことがあります。

富士山の麓の12月。
到着時刻は午後5時30分を過ぎていましたが、
お客さんが多かったなあ。寒くないのかなあ。
たぶん、遊園地やっていたころより全然集まっているんじゃないかな。
アジアなど海外からのお客さんも多く、
また伊豆観光の目玉としての集客もあるようです。

COACHやD&G、Gucciなど、
高級ブランドのアウトレットショップもあるのですが、
とても不思議なのは、この静岡の片田舎で
高級ブランドのショップの接客が出来るような人材なんて
そんないるはずがないのに、よくスタッフが集まったなあと。

見ているとあれこれ買いたくなるのですが、
ここは我慢。雰囲気だけを味わって、今日は終わり。
体も心もぽかぽかの一日でした。
血行もよくなっているので、今日はぐっすり眠れそうです。

大人の夏休み…エピローグ「夏休みは終わらない」

2006年07月20日 02時47分49秒 | 旅行
ということで、おニャン子クラブの曲のタイトルまで持ち出して、
この旅行記の締めくくりをこうして書いているのですが、
旅行へ出発して、旅先でブログを更新し、
そして帰ってきて旅行記を書き終わるまで、
約三週間以上も、旅行ネタをよくもひっぱったなあと思います。
思い出すと、未だに心にぽっかりと穴が空くような気持ちになります。

やはり一番の印象に残ったのは、波照間島の景色だったでしょうかね。
真っ青な青空の下に届いたのは、
就職が決まったというHIVポジの友人からもらったメール。
たぶん、あの日のあの瞬間、自分も同じ感染者として、
背負っていた背中の荷物を括っていたひもが、
するりと解けた瞬間でした。

そして子供のころ、どちらかというと部屋の中で過ごし、
他の子供と一緒に過ごすことが少なかった子供のころを思い出し、
あのころ、自分にとっては、ちっとも楽しくなったのに、
こうして、今回は原付バイクでしたが、
夢中になって原野を、浜辺を、道路を駆け回って遊ぶ自分に気づき、
当時の自分は、実はそういう気持ちを自分自身で抑えていたのかなと、
思うほどでした。

また、大人になっても1人でいることに慣れすぎていた自分とって、
ブログをきっかけに、いろんな人と繫がり生きていくことが、
生きる勇気というか、
生きることに、ただ命の続くまま仕方なく生きる以上の意味を
見出してくれたような気がします。


…ん、なんか重たい話ですいません。

もちろん、この旅行で自分の全てが変わるわけではないのですが、
身の回りで起ったさまざまな出来事や、
自分を取り巻く状況の変化もあり、
そして自分の今回の旅行で、改めて
すこしずつ、自分自身が変わっていく節目にいる感じがしました。

そんな風に感じてしまうくらい、インパクトがありました、今回の旅行は!

つたない文章でしたが、
読んでいただいて、なにか感じた人は、ぜひいつか行ってみてください。

これからまた、高校時代の友達や職場の人が見るストレート向けのブログに、
一部書き直して旅行の記事をアップしないといけないんだよなあ。
また細々とやっているmixi向けにも少し書かなければ。

「大人の夏休み」は、まだ終われません。

大人の夏休み…その十四。「琉球からの出国」

2006年07月18日 22時22分40秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。



……




正午。
沖縄県那覇市久茂地(くもじ)。
待ち合わせの場所で、お目当ての人物を探します。
はっきりと場所を決めてなかったのですが、
目印はスキンヘッド。でも相手は俺の顔を知りません。

少しずつ正午を過ぎていきます。
相手を待たせることに、少し焦り始めます。

あっ、いた。(笑顔)


俺「はじめまして」

名前はIkunoさん。
俺がブログをはじめた初期のころから、
コメントをいただいていて、
いつかお会いしたいと思っていたのですが、
こうして、この機会に実現できました。
ikunoさんの書くベトナムへの旅行記がとても充実していて、
そこからだんだん惹かれていきました。
また韓国への留学経験もあるとか。
そしてなによりも、ここ最近の沖縄ブームでの移住ではなく、
もうすでに何年も前に移住している方です。
いろいろ話を聞けるのが、楽しみでした。

Ikunoさん「相方が今日は仕事だから、バスでの移動になるけれど…」
俺「大丈夫です!」

Ikunoさんのブログには、
相方さんとのラブラブな日々が綴られています。

Ikunoさん「何に食べましょうか?」
俺「ノープランなんで、なんでもいいんですよ」
Ikunoさん「3つほどプランを考えているんですよ…」
俺「Ikunoさんはどれ食べたいですか…」

というわけで、パレットくもじ前のバス停から、
Ikunoさんイチオシの店に向かいます。

バスが程なくやってきます。
座席に座り、ぐるっと見回します。

俺「俺が中学生のころ乗っていたようなバスですね、懐かしい感じ…」
Ikunoさん「本土から中古車両がやって来るんですよ」

バスは、広い道路をぐんぐん進みます。
そんな路線バスの中で、俺はIkunoさんに根掘り葉掘り質問攻撃です。

俺「いつごろ沖縄に移ったんですか?」
俺「ベトナムとか韓国とかどうしてまた興味があったんですか?」
俺「仕事を辞めて移住するって大変だったんじゃないですか?」

俺が凄く気になっていたことをIkunoさんが答えてくれます。

Ikunoさん「2000年の少し前…」
Ikunoさん「中国の文化の影響を受けた、まわりの国というのに興味があって。」
Ikunoさん「いや、もう地元と言うのがなかったからね」

なろほど。
本土の人から見た沖縄の良さだとか、気になるところだとか、
移住組ならではの視点から、Ikunoさんは沖縄を語ってくれます。
間違えなく、沖縄への愛が溢れています。

Ikunoさん「以前は那覇市の中でも、方言があって通じないことがあったんですよ」
俺「それだけ集落の中の結びつきが強いという証拠ですね」

強固な結びつきのある沖縄へ移り住むという決断をさせたのは、
たぶん、言葉で説明できない沖縄の人たちに対するシンパシーがあってこそかも。

停留所に到着し、バスを降ります。
バス停の名前を指します。

Ikunoさん「これ、読めないでしょ」
俺「んーわからない!」

Ikunoさんによる超難関地名読破クイズで盛り上がりつつ、
店に到着です。


というわけで、到着したのが、那覇市安謝(あじゃ)にある、
「だいこんの花 安謝店」。オーガニックをテーマにした、
沖縄料理中心のビュッフェです。
店内に入ったとたん、いい予感。
おおっ、麩チャンプルー!沖縄産トマトのふわふわオムレツ!
もう、メロメロです。






俺「東京に似たような店があるんですよね」
Ikunoさん「いや、沖縄資本の店だよ」

そうです、
「アメニティ」という会社が運営するこの店。
東京・新宿の伊勢丹会館やルミネエストなんかにも、
ナビィとかまど」という居酒屋タイプの店を出店しています。
これは行かなくては♪

正午を回り、随分たちますが、
お客さんは、現れては消え、入れ替わり混雑しています。
人気がある証拠ですね。ちらほら、組合員っぽい2人組も!
オーガニック&ビュッフェ…おかま受けするツボ、押さえてます。

俺「あー朝のビュッフェお変わりしなければよかった!」

しゃべっていると、全然時間が足りません。
帰りの飛行機の時間は、たしか16時30分発だったような。
コインロッカーに荷物を預ける前にチケットを確認してこなかった
自分の詰めの甘さが悔やまれます。
時間は2時半を過ぎます。だんだん焦ってきます。

俺「隣にあるマックスバリュー行ってもいいですか?」

というわけで、次に向かったのが、
隣にあるマックスバリュ安謝店。普通のスーパーマーケットです。

でも、ここでお目当てがあったのは、実は、スパム(ランチョンミート)。
近所のスーパー「オリンピック」では、
スパムが税込み600円以上しますが、
こちらでは、特売で200円切ることもあるのだとか。
Ikunoさんと一緒にマックスバリューデートです。
他にも、いろいろあって、Ikunoさんの沖縄食材解説が続きます。


俺「うあ、スパム沢山ならんでる!」
Ikunoさん「あまり、自分では買って食べないけどね」




たしかに、体に悪そう。
自分も以前はそれほど食べたいと思う食材ではありませんでした。
あまりにも種類が、たくさんあり、わくわくしてきます。

俺「ponpoko君にぜひひとつ贈ろうかな」
Ikunoさん「じゃ、自分も…」

菓子パン、生菓子売場へ向かいます。

Ikunoさん「ないな…今日に限って!」

黒糖で出来たクレープ風の生菓子「ちんぴん」を探したのですが、
残念ながら品切れのよう。
そこで、ponpoko君には、ちんぴんミックスを献上です。
ジューシー(炊き込みご飯)の素だとか、
さんぴん茶だとか、
買って帰りたいものばかりでしたが、
死ぬほど重たい荷物になってしまうので、今回は残念。

俺「ありがとうございました!」
Ikunoさん「モノレールの駅まで行くよ」

帰りもバスに乗りこみます。
ゆれる車内に張られたバス会社の営業終了の告知。
沖縄のバス会社の現状だとか、
若年層の失業率の問題だとか、
沖縄の抱える問題を鋭く指摘するIkunoさん。
沖縄の歴史と、あの戦争、そして現在。
この地域の運命と沖縄の人たちのメンタリティへ複雑な思いが交錯します。

俺「ずっと琉球王国のまま独立国というか属国の方が、この地域の人には、
  よかったかもしれませんね。とはいえ、どちらにしても
  我の強い中国や周辺国に編入されたかもしれないですけれどね。」

政治では、周囲の大国相手に、相当したたかでないと
独立を保てないだろうし、経済的にも行き詰まる可能性が高いでしょう。
日本への編入を決めたのは、合理的な決断だったのかもしれません。
でも、その後、この地域のたどる運命は…。

観光客である自分が、踏み込んで考えることではありませんね。

Ikunoさん「また会いましょう!」

空港へ向かうモノレールの駅へ急ぎます。
預けてあったバックパックをロッカーから取り出し、
スパムでさらに重たくなった荷物を背負い、
空港へ向かいます。

琉球王国から出国する人たちで保安検査場は長い列です。
宮古島へ、石垣島へ、そして福岡、関空、羽田へ…
また帰ってくることを約束して、満席の飛行機に乗り込むのでした。




大人の夏休み…その十三。「商店街を探検する」

2006年07月18日 12時10分13秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。



……



午前7時。
すごい…起きられた!
前日、那覇のゲイバーで飲み、
タクシーで送ってもらい、寝たのは午前3時。

4時間しか寝てないのに、
起きられたのは、今回の宿泊プランに着いている
朝食のビュッフェがあるから。
朝食なしプランならば、絶対に、二度寝してるはずです。

レストランの受付には、
朝刊が置いてあります。

俺「おはようございます。無料ですか?」
従業員「はい、どうぞ」

見ると、ほとんど観光客です。
月曜の朝だというのに、完全に空気がOFF。
かわいいガチムチも、料理が並ぶテーブル越しに、チラホラ。素敵です。

朝刊には橋本龍太郎が亡くなった記事。
…ちょっとカッコイイ人だったなあ。
なんて思いつつ、ホテルビュッフェをおかわりです。

チェックアウトは午前11時。
俺「公設市場は、もう開いていますか?」
フロント「2階の食堂はまだですが、一階は営業してますよ」

というわけで、公設市場へGO!です。
戦後の闇市から誕生した、
国際通りと交わる平和通り、市場本通り呼ばれる狭い商店街を
中心に、商店街が縦横に伸びるエリアがあり、
衣料品、食品、みやげ物や、食堂など、
さまざまな商店が並ぶ一角があります。
公設市場は、名前のとおり、魚や肉、野菜をはじめ加工品など、
大きなフロアに沢山の店が並び、
まさに那覇の台所という活気に包まれています…

といいつつ、まだ午前8時。
営業していましたが、活気というには、程遠い感じ。
卸売市場じゃないから、さすがに、この時間は、まだです。
しかしながら、その周辺の商店街は、
シャッターを閉じていても、
そても雰囲気のある町並み。
エネルギーを感じます。




昨日のゲイバーのママに教えてもらった、
焼物の店が並ぶ壷屋通りも行ったのですが、
まだ開店前の店ばかり。
しかしながら、昼間なら、いろいろな焼物を見ることができ、
シーサーもたくさん並んでいるようです。

午前10時を過ぎ、ようやく店が開いてきます。
このあたりに泊っていたと思われるゲイっぽい奴もちらほら。
ここで職場のみやげ物を買います。
すでに大切な友人には、波照間島で黒糖を買ってあります。
職場に買っていくみやげ物は、
俺としては税金に近い、嫌な出費です。

とはいえ、
空港のみやげ物店で、いかにもな商品は、嫌なので、
「松原屋製菓」で、ちんすこうとサーターアンダギーを
約3000円分買います。
自分でも一つ買って食べましたが、
この店の選択は正解だったようです。おいしー。

部屋に戻り、荷物をまとめます。

俺「あー忘れた!」
商店街で、ぜんざいを食べたときにカメラケースを忘れていました。すいません
仕方ない…戻るか。

俺「ホテルから空港へ荷物送ってもらえるサービスとかありますか?」
従業員「それは、まだないんですよ」

ちょとした絶望感を味わいますが、仕方ありません。
みやげ物を両手に、かなり重たくなったバックパックを背負い、
チェックアウトし、先ほどの食堂へ向かいます。
ドアをあけます。涼しい~

俺「あの、すいません、忘れ物…」
おばさん「あっ、帰った方向が判れば追いかけていったんだけどね~」
俺「ありがとうございます!」



ほっとしました。よかった!
がしかし!
この暑さ、この荷物、この病気…
これから、人と会うというのに、もうクタクタ。
やっとの思いで、駅に向かい、
モノレールに乗ります。

2つ先の駅で降りると、
コインロッカーの案内板が見えます。

俺「助かった~」

待ち合わせは、リウボウの前。
荷物を詰め込み、これから会う人のもとへ、向かうのでした。

大人の夏休み…その十二。「幸せであること。孤独でないこと。」

2006年07月17日 02時45分51秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。



……



ブログ繫がりの友人と会い、
夕方になり、一旦ここでお別れと言うことで、
今日泊るホテルの前まで見送ってもらいます。

俺「ありがとうございました!」

泊ったホテルは、「JAL CITY那覇」。
開業したばかりのJAL系列のビジネスホテルです。
国際通り沿いならば、ロケーションにまず問題なさそうですし、
ハードウェアが新しい上にオープン記念で、
さまざまな宿泊プランの料金が設定されており、
これは絶対にいい予感。

従業員「くまぞー様お待ちしておりました」

というわけで、案内されたのが、13階のお部屋。
ドアは、スイカのように非接触型のICカードキーです。
何度か悪戦苦闘し、
スタッフを呼ぼうと思ったら、ようやくドアが開きます。

俺「おおっ!」

なんて洗練されたインテリアでしょうか。
白い壁と黒の家具、フローリングの落ち着いた色調で統一された部屋。
バスルームの前には、ふかふかのバスマット。
ベッドはシモンズです。寝てみたかったのさー。
バスルームの中にはサルバトーレフェラガモのアメニティーグッズです。

ん?フェラガモのシャンプー??
そのあたりはよくわかりません。
もちろん、使わずに記念に持って帰りました。

そして、景色。
眼下には、OPAや三越があり、那覇市内を一望です。





いやー素敵。
男連れ込みてぇ。誰か俺を食べてくれ。
ちと毒入りなんで気をつけていただければ、
もうそこだけは目をつぶって、あとはおいしく食べてくれ!頼む~

完全に気が狂ってます。
そんな狂気を正気に戻すべく、
Tシャツを着替え、国際どおり散策に出発です。

土産物屋の多いこと!
前を歩いていた観光客らしく女性二人組の前に、
急に立ちふさがるように客引きがぽこっと現れます。

男「はいっ!いらっしゃいました!こちら見てってください!」

この強引な展開にもかかわらず、
女性二人組は店内に入っていきます。まさに那覇マジック!すごい!
東京ならば、迷惑防止条例に引っかかります。

戦後野原だったこの通りが、
このように栄えるようになったことを、
奇跡の1マイルと呼ぶのだとか。
観光客向けの土産物屋、飲食店に、リウボウや三越などの百貨店、
そして公設市場に代表されるような昔ながらのマーケットや商店街を含め、
一日街歩きに当てたのは正解でした。んー面白い。

そんなわけで、
夕飯は国際通り沿いの店で手軽にタコライスです。



さすがに部屋に戻り一眠り。
うとうとしていると、携帯にメールです。

がんもさん「三越の前にもうすぐ着くよ」

あわてて支度して出発です。
あるいて5分ほどの所にある待ち合わせ場所に行くと、
すでに到着していました。

俺「はじめまして」
相方さん「はじめまして」
がんもさん「行こうか~」

3人で、とあるゲイバーへ行きます。
桜坂と呼ばれる地区に那覇のゲイバーが集中しているようで、
この日は、とあるゲイバー主催のテニス大会だとかで、
本土からも多数の参加者があったそうです。
そういえば沖縄でのテニス大会、有名ですね。
大会後の一次会が終わったらしく、
飲んでいると、二次会でこのあたりのゲイバーに流れてきたお客さんで
非常に込み合ってきました。
コーヒー豆を入れてアレンジしてある久米島の泡盛で乾杯です。

3人「かんぱーい」

こうして気兼ねなく自分達の話題を話せる場所と言うのは、
やはりいいものですね。

相方さん「海人(うみんちゅ)のTシャツって、人気出ちゃって、ニセモノばかりなんだよ」
俺「えーみやげ物屋の奴ってあれみんな違うんですか?」
がんもさん「字体が微妙に違うんだって」


相方さん「ユーミンのコンサート行ったことがないんだよな」
俺「あの、14番目の月とかいう曲あるらしいじゃないですか。
  知り合いから教えてもらったんですけれど、あの歌詞、すごいですよね~」
相方さん「本人が言っていたけど、あれパクリだって…」
俺「中島みゆきも昔聞いてましたよ。ニ隻の舟とか、糸とか。
 縦の糸はあなたって!」
がんもさん「かんぱーい♪」

沖縄の人は、飲んでいると何度も乾杯します。
なにか話で盛り上がったり意気投合すると、そのつど乾杯です。
ベトナムでホームステイしたときも、とにかく乾杯。
似ています。東南アジアチックです。


ここのバーのマスターは焼き物が趣味だとか。
店内には、趣向を凝らした創作的な焼き物があちこち飾られています。
沖縄でも権威ある賞に入賞している方だとか。
ちょっと聞いてみたかったシーサーの話を聞いてみます。



俺「シーサーって、土産物屋の奴はわかるけど、
屋根や門にあるシーサーも、なんであんなにユーモラスなんですか?」
マスター「昔は違ったのよ。ここ10年くらい(って言っていたような)かしら」
俺「えーそうなんですか。だって守り神ならばもっと権威がなくちゃ…ね」
マスター「アレンジしてるのよ。最近のは。」

そんな話で盛り上がっていましたが、
東京から来ていたテニス大会のお客さんたちも1人消え、ひとり消え、
時間は午前2時を回っています。

そろそろお開きというところで、
お二人からプレゼントがあるとのこと。
渡された箱の包装をきれいに解きます。

俺「シーサーだ!欲しかったんですよ~」

さきほどの沖縄観光ドライブで、
買って帰らなくちゃとぽろっとこぼしていたのを、
がんもさんは聞き逃していませんでした。

うれしさ爆発。
なによりも、自分で買ったのではなく、
こうしてブログを通じ知り合った2人からもらったこと、
そしてそこから絆を深め合うことができることがとてもうれしい。

後に自分の人生を振り返ったときに、
自分の心の中に、何か大きな変化が訪れていたとしたら、
まさに、この旅行、この瞬間だったと、
はっきりと言葉で表せるような気がしました。


その夜のシモンズのベッドは
ギシギシゆれることなく、
ひとり幸せな深い眠りに包まれました。

大人の夏休み…その十一。「沖縄を観光する」

2006年07月16日 02時56分52秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。



……




機長「ただいま左手、宮古島上空を通過しております」

俺「……。」

見えない。
俺は右手です。んーくやしい。
自分は旅行をするときはほとんど1人なので、
窓の外の景色が楽しみで、
飛行機の座席指定は必ず窓側指定です。
が、しかし、指定を失敗すると、真っ青な海しか見えません。

そんな左側も、飛行機が高度を下げるにつれて、
沖縄本島が窓から見えるようになります。
青い海は、だんだん色を変え、淡く透きとおり、
白い波がはっきりと見えてきます。

防波堤が見えてきます。
何か文字が書かれています。

防波堤「めんそーれ」

どすん。
数十秒後、飛行機は、那覇空港に着陸しました。
歓迎(いらしゃいませ)の意味を表す方言として、
「めんそーれ」は、有名ですが、
考えてみると、5日間沖縄を旅行していて、「めんそーれ」は初めて。
波照間島では、同じく港の防波堤に、「んぎしたおーりょー」。
石垣では、「おーりとーり」、
今回行かなかった鳩間島では「おーりたぼーり」だとか。




…それだけ、人と土地と言葉の結びつきが強固なのでしょう。

空港に到着し、預けた荷物を受け取り、
到着ロビーへ出ます。扉の向こうには出迎え客が沢山待っています。

友人「!」
俺「はじめまして~」

お互い、初めて会うのですが、
このブログを通じて知り合い、メールなどでやりとりしていたので、
すぐに気がつきました。

名前は「がんも」さん。
以前、東京に住んでいたことがあり、
俺のブログの食い物ネタで、
とあるハンバーガーの店を書いたのをきっかけで、
コメントをいただいたり、メールをやりとりしたり。

いつかお会いしたいと思っていましたが、
沖縄と東京は距離があるし、
無理だろうな…と思っていましたが、
こうして実現することになったのです。

がんもさん「はじめまして、か~?」

はじめてです(笑)。

がんもさん「どこ行く?」

今回、那覇に関しては、下調べをまったくしてません。
決めてあるのは泊るホテルだけ。

俺「ノープランなんですけれど…ひめゆりの塔とか行ってみていいですか?」
がんもさん「いいよ」

そんなわけで、向かった先は、沖縄県糸満市にある
「ひめゆりの塔」と資料館。
修学旅行生で大変賑わっています。
資料館でわかったのですが、
実は、ひめゆり以外にいろんな「塔」があるのですね。
たまたま映画化されて有名になっただけで、
学徒動員によって多くの死者が出ている事実。
資料館には、亡くなった学生達の写真が、ひとりひとり、
はっきりと掲げられています。

俺「……。」

言葉を失うというか、感じたのは、
今もなお、世界で続く殺戮に対して、
亡くなった彼女達の声がまったく届かない、虚しさでしょうか。

つづいて、平和記念公園へ案内してもらいます。


がんもさん「ここが一番激しい戦闘が行われたらしいよ」
俺「沖縄で亡くなった他県の方の名前が彫られているんですね」

広い敷地に、慰霊碑や資料館などさまざまな施設が
建設されています。
亡くなった人たちの魂を鎮めるためには、
これだけ広大な場所が必要だったのでしょう。

沖縄では未だに、何十年も前にあった、
米軍占領かで起きた米軍飛行機の墜落事故で亡くなった
小学生達への祈りを捧げるための行事が行われており、
それがトップニュースになったりします。

がんもさん「俺、そこの小学校の出身なんだよ」

沖縄の人たちの中には、
あの戦争で亡くなった人たちの事を語るのは、
私達以外にいないという使命感があるのでしょう。


俺「腹減ったなあ~」
がんもさん「何食べたい?」
俺「A&Wのハンバーガーとかダメですか?」

というわけで、到着したのは「A&W牧港店」(でよかった?)


がんもさん「ここで注文すると、車まで届けてくれるんだよ」
俺「へーなんかアメリカですね。」

ドライブインシアターとか、そういうのと同じなのでしょう。
折角なので店内でオーダーしたのは、
「ビッガーDXダブルチーズバーガー」410円
名前も凄いですが、食べ応え充分です。




お互い、どうしてゲイを自覚し始めたのかとか、
いろいろとを話し、話題に花が咲きます。

そしてがんもさんは、相方さんが参加している、
ゲイバー主催のテニス大会の会場へ向かうために、一旦お別れ。
国際通り沿いの、ホテルまで送ってもらいます。

がんもさん「またあとでね」
俺「ありがとうございました!」

俺も一旦ホテルで一休みです。

大人の夏休み…その十。「タッチ&ゴーで那覇」

2006年07月15日 02時36分43秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。



……






日曜朝。
午前6時30分。
沖縄県竹富町西表。

テレビ「関東は、今日もうだるような暑さです」



地方ローカルテレビ局にありがちなのですが、
たまに週末の早朝や深夜のニュースで、
関東向けのニュースや天気予報を
そのまま地方局の放送エリアへ放送してしまうことがあります。

そういえば、本土復帰前の沖縄では、
沖縄の放送局がNHKの電波を受け、
CMをつけて放送していたことがあったとか。


とはいえ、沖縄で関東の天気予報とは!
暑さに慣れてきたとはいえ、
関東に対して、この沖縄の暑さは、どのように表現すべきか…。
やはり、「肌を刺すような暑さ」という感じでしょうか。

早起きしたのは、この日、目指す場所は、那覇。
あと2時間ほどで、
この集落に別れを告げて、港へ向かう送迎バスに乗らなくてはなりません。




荷物をまとめ、食事の後、チェックアウトをします。

女性「くまぞーさん、こちらTシャツです。
   このサイズ一つしかなかったんですよ。
   後から、この色を気に入ったお客さんが、
   サイズを探したけれど、この一枚だけみたいなんですよ。よかったですね」

アルバイトで本土から、療養を兼ねて、
この民宿にやってきているこの女性は、
たぶん、もっといろいろ話せば面白い話が出てきそうなのですが、
従業員なので、仕事の邪魔になっては…と思い、遠慮してしまいました。

女性「(Tシャツが)ピチピチだと、ゲイに寄って来られますからね」

たぶん、目の前の俺が、そのゲイだと思いもしなかったのでしょう。
でも、何か感じていたのかも。

俺「そこまで許してないですからね~」

あーゲイじゃないふりしちゃう俺って…いや、別にいいのです。
ゲイの友人とゲイであることをを振りかざすように
旅行することも楽しいだろうし、
そういう立場から離れて旅行するのも楽しいし。
それに、今日はブログ繫がりのゲイの友人に会うのだから!

俺「お世話になりました。楽しかったです!」
従業員「ありがとうございました」

民宿の外に出て、送迎のバスを待ちます。
バスがやってきます。
ドアが開き、のこのこと乗り込みます。
乗ってきたときと同じ運転手でした。

さよなら、干立。

バスが港に着きます。
港のターミナルは、すでにお客さんが待ってます。
チケット売場を探していると、
後方から俺に向けて発せられた女性の声がします。

女性「波照間のにいちゃんだ!」

振り向く俺。
男性「あっ、どうも!」

2日前、波照間島で同じ民宿に泊った男女3人組に港で再会です。
「西表で会いましょう」と俺が見送ったグループです。
バラス島でシュノーケリングを楽しんだとか。
彼らが西表で泊った民宿は、俺が予約しようとして一杯で断られた民宿です。

俺「どうでしたか?」
男性「いやー最高でした。砂浜がきれいで!サンゴも状態が凄くよくて…」

このあたりの島々を巡る観光客は、
こうしていろんな所で再会することが多いようです。
でも、まさか本当に再会するとは。

俺「帰りはどちらの船ですか?」
男性「八重山観光です。」
俺「俺は安栄観光なんですよ。じゃ、お気をつけて。いい旅を!」

俺も乗船し、再び石垣島を目指します。約40分。
ふたたび、島影が近づいてきます。
台湾から、直接中国に交易できないため、
石垣島を経由する大きな貨物船が連なる様子を遠くに眺めながら、
離島さんばしに到着です。

石垣島に着いたら、
まずは、西表での様子を短い文章にし、
画像とともに、ブログに送信です。

そんな更新の最中、ブログの更新がなかったのを心配して、
これから会う予定の、
沖縄本島在住のブログつながりの友人からメールが着信します。

友人「元気か~」
そして、浜松に住む友人ponpoko君からも、
沖縄の友人が心配しているとメールが来ます。

ん?西表は携帯がつながらないって言って
先に約束時間をメールしておいたのに~。
でも、心配してくれる人がいるというのはうれしいことです。

飛行機の出発まであと1時間半。
あやぱにモールの土産物屋に寄ります。
親へ贖罪の気持ちとして石垣島のマンゴーを買って送ります。
石垣島が大好きだと公言する島田紳助さんが、
番組でテレビで絶賛していて、非常に気になっていました。

俺「自分用に一つ買って帰ろうかな」
店員「種の向きがあって、切るときに難しいんですよ。
  果肉がぐずぐずになってしまうより、
  店頭のカットマンゴーが安くてお得ですよ。
  熟れすぎたり、傷ついてしまったものを切って並べてますから、
  味もいいですよ」
俺「あはは! じゃ、あの取材が終わったら、買いますね」



関西テレビの取材だとか。
そういえば、旅行初日の石垣空港でも、
ダチョウ倶楽部の肥後さんが取材をしてましたね。
「ちゅらさん」(NHK)
「瑠璃の島」(日本テレビ)「Dr.コトー診療所」(フジテレビ)と、
八重山諸島を舞台としたドラマも、
ブームの一翼をになっているはず。
そして白保地区の反対運動で頓挫していた石垣島の新空港の建設も
別の場所へ、ようやく着工目前のようです。

今、まさに夜明け前なのかもしれません。
空港へタクシーを飛ばします。
JTA11時30分発那覇行。
いよいよ、最後の目的地「那覇」です。


大人の夏休み…その九。「集落の暮らし方、自分の生き方」

2006年07月13日 22時15分51秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。



……






シュノーケリングツアーから民宿に戻ってきて、
ロビーでひとやすみ。
ウォータージャグからコップに冷たい水を注ぎ、
からからに乾いた喉を癒します。
食堂では、この民宿でアルバイトとして働いている若い女性が、
テーブルにすわり作業しています。

女性「おかえりなさい、どうでしたか?」

スピーカーから、CoccoのHeaven's hellが流れています。

俺「あっ、この曲好きなんですよ。今年、ゴミゼロライブやるみたいですよ」

Coccoの歌うこの曲は、何年か前に、
汚れた海岸をきれいにしたいという願いから、
活動休止中だったCocco自身が自ら企画し、
地元の子供達などの協力を得て、
この一曲のための手作りのライブを実行したときの曲。
自分は筑紫哲也のニュース番組で知り、
そもそもの、その純粋な動機にとても感銘した曲でした。
沖縄へ興味を持つきっかけのひとつでもありました。

女性「せっかく沖縄にいるのだから、ライブ行きたいな…」

女性は、縁あってこの民宿でアルバイトしているとか。
たしか関西のほうの出身で、東京にも住んだことがあるとか。
体調を崩して、知り合いを通じて、
この民宿でゆっくり過ごしたらどうかと提案され、やってきたものの、
やはりというか、仕事は忙しいとか。
たぶん、仕事と生活が表裏一体になっているから、
完全なオフというのがなかなかないのでしょう。

女性「くまぞーさんはお仕事、何をされているんですか?」
俺「普通に会社員ですよ。サービス業ですから…」
女性「ちょっとサブカルの匂いがしたもので。だって中野区に住んでいるですよね」

確かに、
東京でもJR中央線の沿線の街というのは、
それぞれに独特な文化を持つ個性的な街が多く、
一般的にも知られているその中央線独特の文化を、
サブカルと言うのは判りますが、
俺がサブカルとは!
むしろメインのつもりですが…。

いや、そんなつもりもないです。
確かにね、ゲイでHIVポジというだけで、
決してメインでなく、むしろ、サブに近いのは認めますが、
匂いってなんだろう…。困った。笑えた。

そんな話題で一通り盛り上がり、
宿の周りの町並みを散策。時刻は夕方4時。
まだ強烈な日差しに、きれいな花が咲き乱れています。



町の中心を少し外れると、不意に鳥居が現れます。
たぶん、外部の者が、不用意に立ち入ってはならない雰囲気。
軽く手を合わせ、お辞儀をし、村をつかさどる神様に敬意を表し、
森の中も、散策させてもらいます。



村を歩いていると、村に唯一ある食堂の看板を見つけます。



「かなざやん」
一人旅の郷愁をいざなうじゃないですか。
夕食の時間は目前でしたが、
久しぶりに食い意地が発揮します。

陽がまだ高いので、店の中が暗く見えます。
俺「すいませーん、営業していますか?」
ご主人「どうぞー」

冷房こそついていましたが、
営業を始めたばかりの時間で、
気を使って店内にBGMを流してくれます。

メニューの中には、
八重山では珍しい「冷やしそば」が。

ご主人「たぶん、他にないと思いますよ。オリジナルです。」
折角なので、冷やしそばを選択です。

ふと店内を見回すと、八重山諸島の観光ガイドに混じって、
雑誌の「Hanako」が置いてあります。
沖縄特集です。よくみると、最新号です。

ペラペラとめくっていくと、
泊っている民宿と、この集落の特集。
そして、いま座っている「かなざやん」も載っています。

すごいなあ、マガジンハウスって。
こんな村まで取材にくるとは!
村でまかなえるものはすべて村でまかなうという
自給自足の村という雑誌の紹介を裏付けるように、
ご主人が話します。

ご主人「この魚は、朝とってきた魚なんですよ」



いや、うまい。
なかなか、沖縄では少ないスタイルに違いありません。
でも、「Hanako」情報によると、
この店のご主人は、村の公民館長を務めているとか。
すこしずつ、観光客も増え、村の人たちも、
こうした新しいスタイルも取り入れているのでしょう。

俺「おいしーですね。あたたかいそばも食べたいな。夜も、また来ようかな。」

そんなわけで、
宿での食事を終えて、
星空を見ながら、今度はあたたかいそばを食べに来ました。
店内には中年の男性客が1人居ます。
男性は、この西表に土木関係で働きに来ているとか。
島には、こうした作業の担い手が少ないらしく、
本土から雇われてやってきている人間も多いそうです。
ただ、ここでも、自給自足を裏付けるように、男性は嘆きます。

男性「もう少し、みんな工夫して、便利な生活をしようって思わないんですかね」

土木会社が用意した、この村のコテージに泊ったのはよいけれど、
商店は隣の集落だし、
出来合いのものは配達が遅れたとかで売っておらず、
朝晩の食事にも事欠き、愕然としたとか。


俺「いや、これが、この地方の生活のあり方なんですよ、きっと」

もの一つ買うのにも、
不便で、かつ物価が高いのです。
都内では200円を切るティッシュペーパーも、
こちらでは400円近く。
だから、ティッシュペーパーだって、
大切に使わないといけないのかも。
沖縄の人が長寿なのも、
医者が少なく簡単に病気になるわけにはいかないから、
健康に生きざるを得ないのかも。

東京の便利さとは対極にある不便さ。

ただ、東京の価値観では図ることのできない、
こちらの暮らし方に接し、
多様な生活のあり方を知るとともに、
自分達にとって何が大切で、何が不必要なのか、
しっかりと見極める厳しい視線が、
この土地で生きぬいていく知恵のように感じました。



大人の夏休み…その八。「ちゅらうみでうみんちゅに会う」

2006年07月13日 03時03分54秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。



……






朝9時。
沖縄県竹富町西表。
今日も青空を見上げています。
宿の前には庭が広がっていて、
ハンモックなんかがおいてあります。
これは、乗るしかありません。


ハンモックから落ちること3回。
ようやく仰向けになれました。
強烈な日差しですが、雲が通り過ぎるたびに、
少しさえぎられ、気持ちのよい風が吹いています。

がしかし、
こんな素敵な瞬間さえも、
脳をよぎったのは、ケツ掘りブランコ。
なんか似てる、この感じ…

もう、本当に自分って最低です。

女性「くまぞーさん、お待たせしました。出発です。」

今日は、宿の家族の方がやっている
シュノーケリングのツアーに参加します。
西表は自然の宝庫。
いろんな業者がいろんなツアーを開催しており、
マングローブの森をカヌーで探検したりするツアー、
滝やさまざまな動植物を見たりするトレッキングツアー、
そしてダイビングやシュノーケリングのツアーなどいろいろあるのですが、
今回は、泊った宿で主催しているので、
せっかくならばと思い、シュノーケリングを体験させてもらいました。

バンに乗り込もうとすると、
子供が3人ほど乗り込んできます。そして犬も!
子供は、この民宿の家族と、近所の子供のようです。
お客さんは、俺1人。
それなのに船まで出してもらうとは、申し訳ない…

子供は無邪気なもので、
俺に学校のことだとか、
自分の歳だとか、いろいろ話してきます。
ここの地域では、集落の大人みんなで、
子供を育てるとかで、
他所の子供だとか、うちの子供だとか、
あまり関係なく面倒をみろそうです。
ここで育った子供は、どんな人生をこれから歩むのだろう…

程なくして隣の集落にある港に到着です。
バンが船の近くで停まります。
レジャーボートって奴なのかな。

子供達「いつもより大きい船だ~」

喜んでます。

船長さん「気をつけて乗ってくださいね」

運転してくれていたのは船長さんの奥さん。
そして、子供3人と俺で海に出発です。
…あれ、なんか本当に申し訳ない感じです。

子供達は、運転台のある船の一番高いところによじ登ります。

俺「怖くないの?」
子供達「ぜんぜんこわくないよ」

すごく慣れている感じです。
犬も風を受けて気持ちよさそうにしています。
ていうか、俺が怖がりだけなのかもしれません。

10分くらいでしょうか、最初のポイントに到着。
奥さんが、ロープで船を係留します。
船長さんによって、このあたりの珊瑚の様子を説明してくれます。
奥さんは、俺に、シュノーケルの使い方を教えてくれます。

俺「あーなんか怖いんで、ライフジャケットつけますね」

子供達は、遊んでばかりいて、
俺はなかなか海に入れません。
そんな子供達の様子を見ているのも、本当に楽しいものです。

奥さん「ほら、お客さん先に、通してあげなさい~」

でもって、船からドボンと海に落下。
ぷかぷかと浮かびます。
そして、恐る恐る顔を水面につけてみます。





いる。
いました。
魚が…もういちど、のぞいてみます。

いるなー!本当に魚がいます。
ちょっとおもしろくて、船から離れて、
教えてもらったとおりにフィンを動かしてみます。

魚、群れてる!

そして、船の周りを一周してみます。

おおっ!
珊瑚だ。えー!!

いろんな魚が、本当に泳いでいます。

俺「本当にいるんですね、水族館にいるような魚が!」
船長さん「あはは」

だんだん夢中になってきます。
船から遠ざかり、途中で船の方向を確認しながら、
海中を思うままに散歩です。
見たことのない、魚、見たことのない景色。
透明な海。

俺「なんか、すごいですね。もう一周してきていいですか?」

沖縄本島には、美ら海水族館という施設があるらしいですが、
たぶん、行く必要のないくらい、目の前は「ちゅらうみ」です。

俺「30年間生きてきて、こんなに楽しいことって、
  まだ世の中にあるんだって思うくらい、楽しいですね」

船長さん「自分も毎日潜っていても楽しいですよ」

毎日とは!
船長さんは、民宿のご主人の家族なのだから、
この島に生まれ育ったはず。
たぶんですね、それだけ自然が豊かで、
見せる表情が違うって事なのでしょうね。
その言葉が、この島の自然の全てを物語っているかのように、感じました。

子供達「うみはたのしいですかあ?」
俺「世の中にこんなに楽しいことがあるんだって思うくらいたのしいよ…
  でも、この俺の感動は、君達にはわからないだろうな…」

奥さんは笑っていました。
犬も子供も気持ちよさそうに泳いでいます。

このあと、別のポイントに移動し潜って、
船の上でお弁当を食べ、
そしてもうひとつのポイントへ移動し、また潜って。

波照間で青空を追いかけたときに感じた、
あの少年のような心が、
海の上で珊瑚を、魚を追いかけた俺に宿っていたような気がしました。




……



画像がないのは、本当に残念です。
濡れるといけないと思って、カメラ自体、持っていかなかったので、
ここでは、想像でお楽しみを。
すいません(泣)。

大人の夏休み…その七。「誰もいない海岸で夕日を見る」

2006年07月11日 22時54分14秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。



……



離島さんばしを出発し、
今度は、竹富島、小浜島を左手に見ながら、高速船は進みます。
2日前、波照間に着いたときには、
台風が発生したとかで、海が荒れるのではないかと心配しましたが、
今回の旅行では、概ね、波はおだやかでした。

40分程すると、西表島の西側の玄関、上原港に到着です。
宿のある集落は、ボーダフォン3Gのサービスエリア外なので、
ここでブログ更新…ですが、なんと、
電波が微弱で、一向にインターネットに接続しません。

まあ、いいかあ。
ブログの為に旅行しているわけでもなく、
また職場にも何かあった場合の連絡先も書き残してあるし、
那覇で会うブログ繫がりの友人にも、約束の時間は伝えてあります。

高速船を運行する安栄観光の送迎バスに乗って、集落へ出発です。



俺「ぱいぬかじまでお願いします」
運転手「前まで行くよ」

集落に入り、狭い道を
マイクロバスがゆっくり進み、とびらが開きます。

俺「ありがとうございました」

荷物を持ってごそごそしていると、
従業員が出てきます。

従業員「いらっしゃいませ」

今回泊った「海の家南ぬ風」のある干立(星立)という集落は、
西表でも古くからある集落の一つで、
周囲は手付かずのジャングルで囲まれ、
この村で行われる祭事は、重要無形文化財に指定されているとか。

部屋も、波照間の民宿と違い、とても近代的。
建物自体が新しいです。
窓の外には、庭。そして護岸があり、砂浜。
すぐそばは、もう海です。

少し狭いですが、
もちろん個室で、シャワー、トイレが付き、
テレビもエアコンもあります。
部屋も、きれいで、布団をしまう押入れもあり、
ちゃんと部屋のとびらには鍵がついています。

日本では、もうこのくらいの設備は一般的ですが、
この地域の普通の暮らしと比べれば、
本土からやってくるお客さんに満足してもらおうと、
すごく頑張っている感じがします。

波照間ではあまりできなかった洗濯をし、
シャワーをゆっくりあびて、さっぱりしてから、
沖縄ローカルの番組を見ながら、一休みです。
がちむちがテレビ出ています。
沖縄のローカルバンドをテレビで紹介してます。かあいい。

程なく、夕食の時間です。
波照間の民宿では、恐ろしいほどの食事の量に、
どうやっつけようか悩むくらいでしたが、
ここの料理は、ちゃんとしていて、ほっとします。
すこしもちっとした赤米のご飯をお代わりです。




明日は、この宿でやっているシュノーケリングのツアーを申し込んでいました。

俺「申し込みの時には、わからないと言っていましたが、どうですか?」
従業員「今、手が離せないみたいなんで、あとでお知らせします~」

食事も進み、窓の外には夕日が落ちてきました。
カメラを持って、海岸へ出ます。
海の向こうは、与那国島、そして台湾です。

日が沈み、空が半分暗くなり、
明るい星から輝き始めるころには、
宿泊客は、もう宿に戻って、海岸には誰も居ません。

護岸にすわり、ゆっくり海を眺めます。
周囲の森からは、
あちこちから動物や鳥の鳴き声が聞こえ、響いています。
波照間とはまた違った雰囲気。
本当に豊かな自然に囲まれています。




自分も部屋に戻ったころ、
部屋の内線が鳴ります。


従業員「明日、やりますので、10時に水着でフロントに集まってください」

今日は疲れました。
テレビをつけたまま、夜九時には就寝していました。

大人の夏休み…その六。「タッチ&ゴーで西表」

2006年07月11日 03時14分00秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。



……





波照間空港でプロペラ機を見送ると、同じ民宿の宿泊者は、
それぞれが、またバラバラになって、思いの方向へ出かけていきます。
自分は、少し遠回りしながら、宿へ向かいます。

いよいよ波照間ともお別れです。
バイクを借りたレンタルサイクルショップに戻ると、誰も居ません。
財布にはさまっていたレシートの裏に、「ありがとう」と一筆書き、
バイクとおっちゃんの海パンを返します。
まとめた荷物を持って、泊まっていた別館から本館へ。
2便で帰る宿泊者は8人。
一度ではバンに乗り切れないので2回にわたって、送迎してくれます。

バンに乗り込むと、すぐに出発します。
車の中から振り返ると、
先ほど空港で一緒だったカップルが大きく手を振っています。
程なく、港に到着です。

俺「お世話になりました。ありがとうございました。」

送迎から、部屋の掃除、片付け、お金の計算など
料理の準備のお手伝いさんを除いてほぼ1人でこなす
この民宿のおじさんは、恥ずかしがりやなのか、
あまり宿のお客さんと話すシーンを見かけませんでした。
送迎も、すごくあっさりです。
いや、忙しくて、そんな暇ないのかも。

でも、俺が感じたのは、
もしかしたら、たましろさん、すごく寂しがりやなのかな。
そんな気がしました。なにも証拠はないですけれどね。

船は到着していて、一度は乗り込むものの、
名残惜しくて、みんな桟橋に出て話をしています。

船員「そろそろ出発です」

座席について、窓の外を見ると、
宿泊客が、手を振ってくれています。
泡盛を飲みながら楽しく盛り上がったみんなが見送ってくれます。

さよなら、波照間。



遠く、水平線と青空を見ながら、
ぽかんと穴が開いたような気持ちを塞ぎたいのですが、
西表のガイドブックを見てると、高速船の揺れで、
酔ってしまいます。
しかたなく、ぽかんとしたまま、景色を眺めます。

一時間で、再び石垣島です。
こうして二日ぶりに石垣島へもどると、
ホテルが立ち並び、コンビニもあり、自動販売機もちゃんとあり、
立派な都会です。

西表へ出発する時間を決めて、チケットを買います。
今一度、旅の仕切りなおしで、
腹ごしらえと、買い物と軍資金準備です。

聞くところによると、
八重山諸島には、この石垣島にしか銀行がないとか。
離島さんばし付近の琉球銀行のATMも混んでいました。
郵便局からの振込みが出来ない支払いは、
みんな船でやって来て、決済するらしいです。

現金を手にし、準備万端。
そろそろ出発の時間です。チケットを探します…ない、ない、ないない。
あちこちにポイポイと入れてしまう癖があるので、
念入りに調べたけれど、やはりない。


んーどう考えても、腹ごしらえした食堂に忘れた可能性しか…。
少し急いで食堂に戻ります。

俺「あのお、忘れ物なかったですか。」

女性「……。」

黙って店のうらへ行き、笑顔で「はいよ。」と渡してくれます。
本当に、だらしないなあ。

俺「ありがとうございます。よかった~」

出発15分前。
急いで離島さんばしに向かいます。
船はすでに、荷物の積み込みをはじめています。
乗客も集まっていました。
いよいよ西表島に出発です。






大人の夏休み…その五。「プロペラ機を見に行く」

2006年07月10日 03時11分57秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。








朝6時。
ガラガラと戸があけられて、
誰かが、自転車で出かけようとしています。

…うっ、気持ち悪っ。
二日酔いです。泡盛の飲みすぎです。

自分の泊まった民宿では、
毎晩、夕食とともに宴会が始まります。
実は宿泊者の中で、昨日が誕生日という女性がいました。
付き合っている相手と一緒にやってきた女性を囲み、
夜9時あたりから有志で誕生会を行ったのです。

近頃では、航空会社も多彩な割引制度を設けていて、
誕生日の前後のチケットを割り引いたりするので、
それを利用してやってくる旅行者も多いのだとか。
この民宿では、かなりの確率で、そうしたイベントに出くわすそうで。

俺「誕生日おめでとうございます。ようこそ30代へ。
  誰かに何かをしてもらうのではなく、
  他人に何をしてあげられるかって、とても大切だと思うんですね。
  そういう意味で、今日、こうして祝ってあげられること、
  そしてその場にいることがとてもうれしいです。
  ありがとう…」

この一時間後には、すでに、ドボドボと口から泡盛を吐いて、
となりの宿泊客の世話になっていました。情けない(泣)。
この日も星空を見に海岸へ行きたかったのですが、
もし海岸で寝てしまったりして、迷惑をかけてしまうと申し訳なく、
先に宿に帰って、上半身裸で寝てしまいました。

そして、この朝です。
朝も吐きました。口の中が苦い。
31年生きてきたけれど、こんなに気持ち悪いのは、
新入社員歓迎会で、飲まされて以来、それ以上です。

それでも、とにかく朝食の為に、
本館に向かい、庭のテーブルに着きます。
食事など、ほとんど口に出来なくても、
それはそれ。出欠確認みたいなものですね。

たましろさん「くまぞーさんは、今日2便で出発ですね」

宿泊費の請求書が渡されます。
民宿にある自転車はほとんどパンクしていて使えないと、
到着したときにたましろさんが説明しているはずなのに、
なぜか全員に自転車代が請求されます。

たましろさん「みなさん、使ってあるように書いてありますが、自己申告で、
 使ってない人は言ってください」

おもしろいおじさんです。
港へ送迎する為の集合時間を確認して、
今日もまたレンタルサイクルショップ「くまのみ」へ
原付バイクを借りに行きます。

おっちゃん「海で泳いだ?」
俺「いや、水着持ってきてないんですよ。海見てるだけでいいと思って…」
おっちゃん「俺のでよければ貸すよ。」

ゲイの性というのでしょうか、
水泳なんか全然しないのに、俺は、
競泳用の水着を持っています。
すっごくきわどくて、モッコリする奴です。
見様によってはエロくもあり、
また見様によってはただの変質者です(恥)。
でもね、今回の旅行に、それは場違いだと思い、
あえて持ってこなかったのです。

おっちゃんの娘「ずいぶん上手くなったね」

昨日は、島内を二周以上し舗装されていない道も
突き進んで乗り回していたので、
多少は、きのうはぎこちない運転も、今日はうまくなったはずです。



せっかくなので、ニシ浜でひと泳ぎをして、
また昨日のように宿泊客を見送りに港へ向かいます。
一泊して今日は西表島へ行くという、
大阪からやって来た男女3人組に声をかけます。

俺「よい旅を!西表で会いましょう!」

波照間島滞在も、あと4時間あまり。
船を見送った後、宿の常連客から声をかけられます。

常連客「空港行きますよ!」

そうだ、忘れていた。
幻のジュースが空港の売店にあるとかで、
昨日の夜、その話で盛り上がっていたような。
酔っ払っていたから、記憶が定かですが、たしかに約束してました。

俺「了解です!」

島内の移動は自転車でもまったく問題ないのですが、
たぶん、俺は原付バイクで正解だったと思います。
風を切って進む爽快感は、
自転車では疲労感に打ち消されてしまったでしょう。

常連客「あとはまっすぐだから、先に行ってまってて」

お言葉に甘え、先に空港到着です。
この波照間空港には、琉球エアコミューターという会社の
9人乗りのプロペラ機が石垣空港から一日一便就航しています。
今は、曜日によって夕方にも一便やってきます。

飛行機がやってくる時間だけ、営業している売店では、
めずらしいミックス生ジュースが飲めるとか。
出発時間はまだのはずですが、シャッターが半分閉まってます。

遅れてやってきた常連客が覗き込みます。

常連客「今日はもう終わりなの?」
店員「用事があって早く帰らなくちゃならないの」

残念。明日乗る予定の、同じ宿泊客のカップルも、やはりガッカリした様子。
自転車だと、島の中心の集落から少し距離があり、みんな汗だくです。

ターミナル内で少し休憩して、建物を出て、
飛行機が旅立つ様子を見学です。

飛行機は空港職員の誘導を受けながら、
プロペラを片方ずつ回します。

ブルン。ブルンブルン。
とてもアナログな感じです。
両方のプロペラが全開で回ると、
飛行機がゆっくり動き出し、滑走路へ向かいます。
滑走路の端まで行き、機体をくるりと見学している私達の方に向けます。

いよいよ出発です。



目の前を通り過ぎ浮かんでいく飛行機。
海へ出ると旋回し、島の中心部を通ります。
そして飛びだった方向とは反対方向へと、機首を向け、石垣へ向かいます。

低い高度を飛ぶので、
どちらかというと遊覧飛行に近いとか。
どこまでも消えない機影をずっと見ていました。
島の滞在時間は、いよいよ残り僅か。
名残惜しくてたまりませんでした。

大人の夏休み…その四。「青空を追いかける」

2006年07月09日 03時19分17秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。







午前6時。
ギシギシと廊下が鳴る音で目が覚めました。
誰かが外で、洗面をしています。
ムクムクと起きた俺は、
汗をかいたTシャツだけを着替え、浜へ向かいます。

昨日の昼間見た時とは違い、
朝のニシ浜は潮が満ちて、また違う表情を見せます。
その先には昨夜、星を一緒に見た、埼玉からやって来た母子が、
すでにいました。



こんなに青という色が繊細だったとは…。
あの水平線の際、
砂浜の際、
島の稜線の際、
そして雲の際、
太陽の際まで、限りなく変化する青。

母親「この美しさは、説明しても、なかなかわからないですよね」
俺「俺のへなちょこなカメラの技術がくやしいです」

今年の春、俺は、
それまでの自分と決別したくて、
夢中になれるものが欲しくて、
一眼レフのデジタルカメラを買いました。
レベルは相変わらず携帯カメラ並みなのですが、
その瞬間の美しさや、自分の心に焼きついた感動は、少しは
伝わっているでしょうか?

宇多田ヒカルの言葉を借りれば、
目の前に広がる、この青は、
まさに、「ultra blue」だと感じました。


民宿に戻り、朝8時。
朝食の時間です。
夕食に負けず劣らずの量の朝食が出されるのですが、
ここでアルミホイルとラップが渡されます。

「昼飯に持って行きたい人は、これでおにぎりをつくってください。」

実は、この民宿は隠れた一泊三食付きとなっています。
朝食もそこそこに、自分は、レンタルサイクルショップの
「くまのみ」で原付バイクを借ります。

俺「バイク乗ったことがないんですけれど…」

くまのみのおっちゃんは、エンジンのかけ方、ブレーキのかけ方など、
極々基本的なことから、教えてくれます。

島内には、駐在所があって交通指導なんかもするそうです。
これは聞いた話ですが、
ヘルメットもかぶらず、乱暴な運転をしていると、
「飲酒運転はいいけれど、ヘルメットはちゃんとかぶりなさい。」
と言って、どこの宿泊客か聞いて、
民宿にすぐに一報を入れるのだとか。

いや、飲酒運転もだめです。

おっちゃん「肩に力が入っているよ」

俺の乗った原付バイクは、ガタンガタンさせながら動き出します。
一度、民宿へ戻ると、すでに、石垣行きの船が出発する時刻です。
この民宿では、宿泊者有志で、
旅立つ宿泊客を見送りにいくことになっています。
みんなで港へ急ぎます。

この民宿の常連客の中には、長期滞在の方もいて、
こんな別れの風景にもめぐり合えます。



去り行く船が防波堤の影に消えるまで、ずっと見送ります。

船を見送ったのもつかの間、
京都・宇治からやってきたという宿泊客から、
声をかけられます。

男「今日はどうするんですか?」
俺「日本最南端の碑でパチリとしないとね」
男「一緒に行きましょうか」

2人は、原付に乗って、港から島の中心の集落をめざします。
俺は初めてのバイクでスピードがでないのですが、
その京都弁の彼は、俺に合わせてくれます。

集落を抜け、そして
海へ向かう坂道へ出た瞬間、こんな風景に出くわします。




青い空に、青い海、広がる緑のサトウキビ畑。
そして、その中心へと、まっすぐ伸びる一本の舗装された道。

なんだ、これは。

言葉を失うというか、
絶叫していたと思います。

この日、僕は、ずっとずっと青空を追いかけいました。
昼飯を食べるのも忘れて、バイクを走らせました。
道端に咲く花、
高台に立つ灯台、
放し飼いにされた山羊。
その向こうにある青空を追いかけていました。

自分の中に、少年という心があったことに、
初めて気がついた31歳の夏です。


大人の夏休み…その三。「南十字星と、天の川と、流れ星と。」

2006年07月08日 02時30分47秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。





波照間島の浜辺でずっと海を眺めていたら、
さすがに喉が渇いてきました。
一緒に眺めていた宿泊客の男性は、
夕方から営業を再開する集落に一つずつある売店へ。
俺は、その手前の食堂「みんぴか」で
「きなこスペシャル」(?)というかき氷を頂きます。
いつもはここで、食べ物画像がどかーんと出るのですが、
看板がかわいいので、ここでは、看板だけ。



集落を一回りしようと思ったら、
これが、不安の始まり。
なにしろ、ランドマークになるような建物がほとんどないのです。
交差点に住所表示があるわけでもなく、
方向表示が明確にあるわけでなく、
地図に出てくる公民館や民宿の名前も、
実際の建物にちゃんと判りやすく表示しているわけではありません。
それにもまして、舗装されていない道だって、
ちゃんと立派な道として、地図に書いてあったりします。
だから余計に判りづらいのです。

発電所の風車と琉球王朝時代に灯台代わりに使われたコート盛が、
地図と一致し、ようやく、宿に戻れました。



自分の泊まる民宿は、6時から夕飯です。
夕方6時は、まだとても日が高く、夕飯という気分ではないのですが、
民宿の庭のテーブルに、とにかく着席です。
夕飯の前に、いきなり島の名物の泡盛「泡波」で乾杯です。

この島で作られる泡盛「泡波」は、島内で消費される分ぐらいしか
作ることが出来ず、島の外に出回ることがないため、
「幻の泡盛」とか言われています。
作れないのではなく、瓶が足りないとか。
たしかに、島外に持ち出されたら、瓶はリサイクルできないですからね。
酒の味がわからない自分には、そのよさがわかりませんが、
西表島でさえ、この「泡波」がグラス一杯2500円(!)
ですから、幻といわざるを得ないのかも。



食事と自己紹介と宴会が進む中、星空観察センターへ向かう組と
居残り組に別れます。
波照間の夜の楽しみは、星空。
南十字星が見えるんですよ。本当に。
星空観察センターには、たいした設備はないのですが、
島の人たちは、星に詳しい人が多いらしく、
センターには、星の解説をしてくれる人がいて、
島内の民宿から集まった人たちみんなで空を見上げます。


しかし、6月の終わりは、そろそろ南十字星が見えなくなる時期。
でも確かに見ました。
水平線からのぞく三つの星を。

そして、また民宿に戻り、宴会の続き。
10時が消灯ですが、
浜辺が近いので、ここに泊まる民宿の人たちは、
ニシ浜へ懐中電灯を持って、有志で星を見に行きます。
「みんな」で、「懐中電灯」を持っていかないと、とても危険。
まず迷うし、あかり一つないからです。

集団は、ゆっくり浜まで歩き、
護岸に、砂浜に、みんな自分の場所をみつけ、
ライトを消し、星を眺めます。

夜空一面に広がる星空に波の音。
人工衛星も、飛行機も、そして、何億光年先から届く光と。
なんだろう、この感覚は。
みんなどんな思いで、この島へやって来て、
この星を見ているのだろう。
雲のようにはっきり見える天の川。


そして、流れ星。
あっ、流れた。

自分の背負っている人生だとか、運命だとか、
すべてが止まったかのように…
その時が永遠に続くかのように感じました。
ずっと続くことを自分は願っていたのかもしれません。








星の画像があれば一番よいのですが、
うまく撮れませんでした。
ということで、
みやげ物屋「モンパの木」で売られているTシャツで、ご勘弁を。



大人の夏休み…その二。「誰かと海を眺める」

2006年07月07日 00時27分24秒 | 旅行
えーとですね、先月の終わりから今月の初めにかけて、
八重山諸島と沖縄本島を旅行してきました。
つたない文章ですが、すごくいいところだったので、
旅行記にお付き合いください。





石垣島の離島さんばしを離れるとすぐに、
船は高速で水上を飛ばしてゆきます。
竹富島、黒島などを左手に眺め、
太平洋上に出ると、波が少し高くなり、
高速船はジェットコースターに乗っているかのような、
アップダウンを繰り返します。

遠く島影を見ていれば大丈夫でしょうが、
手元の新聞やガイドブックを見ながらでは、
確実に酔います。
ちょうど一時間で、波照間島に到着です。

桟橋には、
反対に石垣島に戻る乗客のほかに、
宿泊客を迎えに来た民宿のバンや、
日帰りツアーのマイクロバスなどが停まり、
看板を高く掲げて待つ人たちでにぎやかですが、
自分の泊まる宿の迎えはありません。

ん?なぜだ?石垣から電話したのに…。
宿に向けて歩き出したら、遅れてバンがやって来ました。
話によると、11時発の高速船の到着が遅れたため、
12時の便も大丈夫だろうと思ったとか。

今回泊まった「民宿たましろ」は、
八重山でも名物の民宿です。
食べきれないほどの飯が出ると同時に、
夜には宴会を開き、こうして一人旅でやってくる客同士が
仲良くなって、いろいろ話ができる宿です。

部屋は、タイやベトナムあたりのゲストハウス(安宿)に
負けず劣らずの汚さですが、
民宿を経営するおじさんがほぼ一人で切り盛りしていることもあり、
離島ならではの、昔ながらの暮らしそのままなのかもしれません。
狭い部屋で男が川の字になって寝るあたりは、
合宿所のような雰囲気です。

グループでやってくる客には、少し居づらい宿ですが、
でも、インターネットで充分下調べしてきている自分にとっては、
まったくイメージどおりです。

宿に着くと、入り口のテーブルには、すでに常連客が…。
釣ってきて焼いたという名前もわからない魚を頂きつつ、
無料でだしてくれるという噂の昼飯を、
一緒の船でやって来た宿泊客といただきます。



ご飯を食べ、本館から「アネックス」とあだ名で呼ばれている別館へ
移って、一休み。
だって寝てないのですから、このまま動いたら、
絶対に体調を崩すはずです。
6畳の部屋に、定員は3人。
それぞれに扇風機はあるのですが、冷房はナシ。
昔ながらの電気蚊取りマットが備え付けです。
トイレ・バス・冷蔵庫は共同。
お風呂は…シャワーだけです。
八重山の人たちは、風呂に入る習慣があまりないとか。
トイレは、ボットン便所って奴ですね。
虫が飛び、お手洗い用?の水と殺虫剤が置いてあります。

いやいや、これは、すごい!
でも恐ろしく楽しそうです。
さとうきびが揺れる音と、鳥の泣く声と。あとはなにもしません。

常連客「海は行かないのかい?」
俺「実は寝てないんで、ちょっと体が慣れてからじゃないと怖くて…」
常連客「東屋があるからさ、その下なら大丈夫だよ。2泊だろ?もったいない…」

というわけで、やってきたのが、
宿から歩いて10分ほどのニシ浜ビーチ。
観光客向けの泳げるビーチは、この島では、たしか
他の浜は潮の流れは速く、遊泳禁止です。



たしかに、もったいない。
ハワイでも、見たことのない、きれいな海。
まだこんなところが日本に残っていたのかと思った。
ただ、このとても静かな海で、
実は、最近、修学旅行生が高波にさらわれ、
1人死亡、1人行方不明になっています。
怖いな、海は。

同じ船の便で同じ宿にやってきた人が東屋へ近づいてきます。
札幌からやって来た少し年上の男性は、
波照間は2度目。5月に一度来て、
あまりにもきれいで、感激したとか。
札幌の空はいつも曇り空で、
この空を見に来たかったとか。

男性「横浜が実家なんですよ」
俺「鎌倉の海も好きですよ。七里ガ浜とか…」
男性「あじさいとかすごいですよね。」

南の果てで、鎌倉の話題で盛り上がるのも、
なんとも不思議です。
波の音と景色を見ながら、見ず知らずの2人でぼーっとしていました。