きのうの夕刻、バルコニーにいた妻が
「お月さんがアンパンマンみたいだわ」、
と私に声をかけてきた。
指差す方向を見ると鮮やかなオレンジ色
の月が東の低い位置にくっきりと浮かん
でいた。眺めると確かに月のクレーター
が、アンパンマンの顔に見えないこともない。
私は(まーるい顔はお前にそっくりだね)、と
思わず口に出しかけたが、ぐっと飲みこみ、
「きれいに輝いてお前みたいだね」、とまた
口から出任せを言ってしまった。
そんな私のお世辞を「あら、そうかしら」、
とまんざらでもなさそうな妻の明るさと
のほほんさに、安らぐひと時でもあった。
「お月さんがアンパンマンみたいだわ」、
と私に声をかけてきた。
指差す方向を見ると鮮やかなオレンジ色
の月が東の低い位置にくっきりと浮かん
でいた。眺めると確かに月のクレーター
が、アンパンマンの顔に見えないこともない。
私は(まーるい顔はお前にそっくりだね)、と
思わず口に出しかけたが、ぐっと飲みこみ、
「きれいに輝いてお前みたいだね」、とまた
口から出任せを言ってしまった。
そんな私のお世辞を「あら、そうかしら」、
とまんざらでもなさそうな妻の明るさと
のほほんさに、安らぐひと時でもあった。