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flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

鑓水山西漸寺

2017-11-25 00:00:00 | ほとけのいおり

(愛知県宝飯郡一宮町大木字鑓水 2004年8月19日)
 弘仁二年(811)のある日、老尼が守る阿弥陀堂に旅僧が宿を求めて訪れた。老尼はその旅僧を迎え入れ、旅僧が床に就いている間に老尼は手桶を持って東に十町(約1,090m)離れた宝川まで水を汲みに行った。物音に目を覚ました旅僧は、手桶を持った老尼の姿を見て理由を聞くと老尼は、この辺りは水に恵まれず、住民は難儀していると言い、それを聞いた旅僧は、自らの桜の杖を、鑓(やり)を突くように地面に突き刺し、そこから水を湧き出させ始めた。その旅僧は弘法大師であったと言い、以後この辺りは水に難儀することがなくなったという。その後この阿弥陀堂は浄土宗の寺となったが衰退し、現在の西漸寺は寛永三年(1626)に曹洞宗として再興されたものである。
(関連記事:今水 吉水)

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