kosukeのきまぐれWORLD

アイドルやら音楽やらスポーツやらを好き勝手に語ります。

ペター正念場!

2007-03-31 20:57:15 | WRC
WRC第5戦ラリー・ポルトガルはLeg2のSS10終了時点で、ローブがトップ、15秒差でグロンホルムが続き、続いて1分以上遅れて3位ヒルボネン、ヒルボネンに13秒差の4位にペター・ソルベルグと続いている。
後半に向けて、大きなアクシデントがなければ、1位と2位の争いと、3つ目のポディウムを賭けたミッコとペターの争いに注目が集まることになる。
メキシコで、最高のスタートを切りながら、不本意なアクシデントで早々にレースを去ったペター。今戦はやや慎重な走りを展開しているようで、トップ争いとまではいっていないものの、ポディウムには手が届く位置で走っており、終盤で爆発するのかどうかが見どころである。
そのペターの前にいるのが、今や最強のセカンドドライバー、ミッコ・ヒルボネンである。ペターとミッコの差は、Leg2に入ってやや離され気味ではあるが、まだ1日以上あることを考えれば、自力逆転は十分可能な差だと思う。新型インプレッサはまだまだ手探りのところもあるようだが、大きな問題がないのであれば、ペターとしてはミッコの後塵を拝するわけにはいかないのではないか?
正直、フォーカスとインプのマシンの出来では、現時点ではフォーカスに分があるとは思う。
しかし、今後のためにも、ミッコに対しては、マシンがそこそこ整備されれば、速さでは負けない、というところを見せつけないと、逆にミッコに自信をつけさせることにもなりかねない。
13秒差。まずは今日の段階でミッコにどこまでプレッシャーをかけられるかが、明日のつながるカギとなるであろう。Leg2の後半に注目である。

アイドル雑記帳 榊原郁恵

2007-03-30 21:38:06 | アイドル


榊原郁恵「ベストアルバム DO IT BANG BANG」(1978)

郁恵さんは、私より6つ年上である。記念すべき第1回ホリプロスカウトキャラバンのグランプリであり、のちのホリプロアイドルの歴史の先鞭をつけたアイドルである。
とにかく、彼女は明るく楽しいアイドルだった。よく笑うことなんのって、しかも大口あけて、「ギャハハ」と笑っていた。また、その笑顔がなんとも言えずかわいい。こんな弾けた笑顔が出るアイドルって、意外と少ない。さらに、なんともいえない健康的なボディがまたたまらない。当時はそういう表現は一般的ではなかったが、今で言うところの「巨乳アイドル」ということになるのであろうか。しかし、華奢なアイドルがほとんどだった70年代後半に、郁恵さんのような健康体アイドルが颯爽と登場したということのインパクトは強烈だった。
デビュー後しばらくは大ヒットはなかったものの、1978年の「夏のお嬢さん」で大ブレイクした。そもそも、「夏のお嬢さん」こそ、郁恵さんのためにあるような曲である。元気いっぱいの夏少女という郁恵さんのイメージが見事にマッチした名曲である。
その後、郁恵さんはトップアイドルとしてコンスタントに曲をヒットさせるとともに、その親しみやすさを買われて、司会業でも活躍し、日本女性タレントの顔とすら言える存在となったのだが、いつ見ても明るく笑う郁恵さんに元気をもらった男は数知れないことだろう。もちろん、私も「夏のお嬢さん」にイチコロだった一人である。
紹介したアルバムは、デビューから「DO IT BANG BANG」までのシングル曲中心のベストアルバムだが、基本的に元気系、ほのぼの系の曲で占められており、リラックスできるアルバムである。
音作りは、いかにも70年代アイドル歌謡という感じだが、今聴くとこういう音も、かえって新鮮だったりする。
参考までに、代表曲「夏のお嬢さん」の作曲の佐々木勉さんは、46歳という若さで亡くなった方だが、作曲歴を見る限り「3年目の浮気」なども手がけているが、「夏のお嬢さん」が彼にとっての代表曲であろう。作詞の笠間ジュンさんは、情報が少ないのであるが、郁恵さんの曲の作詞は多い作詞家である。
郁恵さんは、その後に続くホリプロアイドルのページを開いただけでなく、健康的アイドル(この系譜は後に河合奈保子、柏原芳恵等に引き継がれていくわけだが)のさきがけとなったという意味で、アイドル界に巻き起こったつむじ風であったと思うのである。


八神純子「素顔の私」

2007-03-29 22:47:44 | 八神純子
 
八神純子「素顔の私」(1979)

純子さん2枚目のアルバムである。
このアルバムの復刻版CDは、オークションでなにやらすごい値段がついているらしい。確かに、内容はすばらしいと思うから、どうしてもCDで欲しいという人の気持ちはわかる。早く、再復刻されればいいのだが・・・。
もちろん、私が持っているのはLPレコードである。でも、考えてみれば、リアルタイムではレコードしかなかったわけだし、中古レコードは案外安く出ているのに・・・と思うのだが、最近の人はレコードプレーヤーなど持ってないだろうから、やはりCDで、ということなのだろう。
私は、昔のアイドル(しかも、CD化されないB級も含め)の曲も好んで聴くもので、レコードプレーヤーは必須アイテムであり、このアルバムが聴けるという意味でも、これはかなり重宝しているのである。
まあ、そんな事情はともかく、このアルバムは私が買った初めてのアルバムレコード(つまり30センチ盤レコード)である。当時は、レコードは擦り切れるからと、テープに録って繰り返し聴いていたことを思い出す。しかし、あらためて「名盤」だなあと思う。最近の2枚組みベスト版などで、多くの曲がこのアルバムからも選曲されているが、ざっと見たところ、「揺れる気持ち」、「渚」、「DAWN」の3曲はベスト版の類には入っていないようである。
この3曲も捨てがたい曲なのだが、そもそも、単なる曲の羅列ではなくアルバム全体としての「流れ」みたいなものが感じられるところがいい。音源としてはネットでも入手可能なようであるが、実際のレコードにはA面とB面があり、その間には聞く側にとっては盤を裏返すという行為を伴う「間」がある。このアルバムは、その「間」すらも考えた流れになっている気がするのであり、このことからも、レコードで聴くのがこのアルバムのベストのリスニングスタイルであると、私は信じている。
ここには、「みずいろの雨」でブレイクした後の純子さんの、自身にあふれた音世界が広がっている。どの曲がいい、とかいうものではなく、すべてがいい、としか言いようがない。いつか、詳細についてまた書くときが来ると思う。
ちなみに、ジャケット写真は、トレーナーにジーンズという、比較的ラフなスタイルの純子さんである。ちょっと遠くを見つめる視線が、なんともいえずセクシーである。レコード賛美がくどいようだが、このジャケット写真を30センチ四方のサイズで見れるというのも、レコードならではの良さである。
今夜は、「素顔の私」に乾杯!

アイドル雑記帳 石野真子「春ラ!ラ!ラ!」

2007-03-27 23:16:15 | アイドル


石野真子「春ラ!ラ!ラ!」(1980)

石野真子は、私より4つ年上になる。デビューしたのは私が中学生のときだった。デビュー初期のイメージはあまりないのだが、「ジュリーがライバル」があたりから意識し始めて、この「春ラ!ラ!ラ!」でブレイク、という感じだった。
真子さんにとっても、この曲は最大のヒットになったと思う。女ひとりに元カレと今カレの3人で春の日を楽しみましょう、というテーマを、なんとも軽やかなメロディに乗せて歌っている曲である。現実にそんな関係成立するかよ!と思いながらも、真子さんに歌われると、こういうのもいいかなあ、と思えてしまう、そんな爽やかさがある。
もともと、真子さんはアイドル歌手にしては、歌はしっかりしている子だった。歌を安心して聴いていられる。
作曲は、あの「青春時代」の森田公一。なるほど、キャッチーなメロディは得意とするところか。作詞は伊藤アキラ。CMソングやTVの主題歌などでかなりの実績を持っているようで、日立の「この木なんの木」や、大場久美子主演のコメットさん主題歌「きらきら星あげる」などを手がけているようである。
しかし、よーく聴いてみると、この歌詞は・・・
♪春という字は 三人の日と書きます あなたと私と そして誰の日?
♪あなたが好きになる前にちょっと愛した彼かしら
♪会ってみたいな 久しぶり あなたも話が合うでしょう
♪けんか別れをした人も なぜか今ではなつかしい
♪理由をあなたに話したら お前が悪いと言われそう
という、見事な七五調の歌詞なのであるが、、内容的にはこれって女の願望なんだろうか?少なくとも男はこういうシチュエーションは望まないだろう。それでも、この曲が大ヒットしたのは、真子さんの魅力と、この曲のあまりの爽やかさの賜物であろう。
この「春ラ!ラ!ラ!」から約1年後、真子さんは突然長渕剛と結婚し、引退。しかし、まもなく離婚。再婚するも、また離婚と、私生活では男性に恵まれなかったようだが、長渕との離婚後は芸能生活も再開し、もっぱら女優業で活躍している。
真子さんの魅力は、なんといってもあの明るい笑顔であろう。最近ではあまり見ないくらいの八重歯が、その笑顔をさらにパワーアップする。また、よく笑うところがまた魅力だった。年齢のことを言っては失礼だが、40台半ばとなった今でも、年不相応のかわいさをキープしながら、大人の女の雰囲気も醸し出しており、往年のアイドルファンを楽しませてくれる、稀有な存在である。
石野真子。伝説の現役アイドルである。

忌野清志郎+坂本龍一「い・け・な・いルージュマジック」

2007-03-26 23:34:41 | 音楽雑記帳


忌野清志郎+坂本龍一「い・け・な・いルージュマジック」(1982)

何をかいわんや、である。ご存知世界のSAKAMOTOとロック界の大御所清志郎のありえないコラボレーションである。ルージュというテーマだけで、この二人がこんなありえない曲を生み出したということは、今考えると日本のポップス界の奇跡といってもいいかもしれない。(本人たちにとってはどうなのだろう?)
1982年というと、坂本はYMOで油の乗っていた時期だし、清志郎はRCサクセションで名曲「雨上がりの夜空に」などを出したすぐ後で、やはり絶頂だった頃である。
そんな二人が、資生堂の口紅のCMのために、このメイクでジャケット写真どころかPVまで撮り、しかもそのPVの中でキスまでするというハマり様。もはや、言葉は不要であろう。
そんな、周辺事情が真っ先に思い浮かぶこの曲であるが、私は個人的にはマンモス(=veryの意味。いわゆる「のりピー語」である)好きである。何度聴いても気分が高揚してしまう。ドラムで刻まれるリズムとキーボードの響きが絶妙に絡み合っていて、思わずカラダが動き出してしまうのである。それに、清志郎の独特の搾り出すようなヴォーカルがまた、カラダの毛穴から沁み込んでくるようである。
私は、RCのふつうの曲も好きだし、YMOもそこそこ聴いているが、「雨上がりの夜空に」より、「RYDEEN」より、「い・け・な・いルージュマジック」が好きである。
私事であるが、学生時代、私のカラオケの定番はこの曲であった。当然、清志郎ばりに声を絞り出すのだが、これを歌うとしばらくは呼吸困難に陥っていた。それでも、この二人のスーパースターの音楽を自らが体現しているという、なんともいえない幸福感があったのを憶えている。

なかなかCD化されなかった(=本人たちが望まなかったのかもしれない)が、何年か前にRCのベスト版の「ボーナストラック」にこの曲が入っているのを見つけ、すかざず入手した。願わくば、あの歴史的PVをスカパーの音楽番組でゲットできないものか?とアンテナを張っているところである。

「い・け・な・いルージュマジック」。二人のスーパースターの一夜限りの禁断の奇術だったのかもしれない。

アイドル雑記帳 堀江美都子「心のうた」

2007-03-25 00:47:07 | アイドル


堀江美都子「心のうた」(2004)

堀江美都子さんといえば、顔と名前を知っているか否かにかかわらず、30代以上で彼女の歌を聴いたことがないという人はまずいないであろうという歌手である。
なぜなら、彼女は数限りないくらいの子供向けアニメソングの歌手なのであるから。
キャンディキャンディ、ハクション大魔王、秘密のアッコちゃん、山ねずみロックーチャック、魔法のマコちゃん、花の子ルンルン・・・・主題歌のみならず挿入歌を含め、レコーディングしたのは800曲以上というから、すごい!の一言である。
そんな美都子さんのデビュー35周年を記念して出されたベスト盤がこの「心のうた」である。

私が美都子さんを意識したのは、NHKで放映されたアニメ「名犬ジョリィ」の主題歌を聴いたときからである。もちろん、それまでにも彼女の歌は聴いていたが、歌っている歌手を意識したことはなかったのである。
美都子さんの声は、なんと表現すればいいのだろうか。一般には「癒しの歌声」とか言われているが、いわゆる癒しという感覚とは違う感じがする。何か、心の深いところにまで響いて、聴く者に元気を与える歌声なのである。じっくり聴きだすとやめられなくなる、そんな感じがするのである。

私が美都子さんの曲を熱心に聴いていたのは1980年頃。当時彼女はアニメソングだけでなく、オリジナルのアルバムも発表しており、オリジナルデビューアルバム「EMOTION」(1980)や2ndの「EMAGE」(1981)など、ポップチューンやしっとりしたバラードなどを、元気を与える声で歌っていた。
オリジナルアルバムが大きくヒットしたことはなかったようだが、美都子ファンにとっては、アニメのイメージにとらわれず、美都子さんを一アーチストとして聴けるということがとても魅力だったことを憶えている。

そんな美都子さんのベスト盤のCDを入手したので、久しぶりに聴いてみたのだが、やっぱり引き込まれてしまった。馴染みのある曲が多いということもあるが、シンプルなアニメソングに、美都子さんの透き通って張りのある声がマッチしていて、聴いていると、楽しい気分になる。
彼女が歌うアニメソングは、間違いなく日本の宝であると感じた。

八神純子「想い出のスクリーン」

2007-03-23 22:00:27 | 八神純子


八神純子「想い出のスクリーン」(1979)
(写真は「ポプコン マイ・リコメンド 八神純子ポップ・ヒッツ」)

私が純子さんに出会ってから2曲目の曲がこの「想い出のスクリーン」である。
「みずいろの雨」のフィーバーから、新曲を持ち望んでいた当時を思い出す。
どちらかというと、声は控えめな感じである。「みずいろの雨」のハイトーンボイスのインパクトが強かっただけに、この曲は“渋い”感じさえする。
その代わり、
♪赤く~ 赤く~ ああ 燃える炎に~
♪あなたの横顔が浮かんで消えた~
とか
♪目を閉じればいつか 想い出のスクリーン~
とか
♪愛しているのなら~ 愛していると~ 言葉にすればよかった~
っていうあたりの「~」の部分が、すごく「色っぽい!」。
当時まだ21歳だった純子さんであるが、この色っぽさは、特筆すべきものがある。
今、手元にレコードジャケットがないのだが、ジャケットの写真も色っぽかった。全体にベールがかかったような写真で、物想いにふける純子さんという感じ。なるほど、「想い出のスクリーン」のイメージである。
当時、TVのベストテン番組の常連となっていた純子さん。歌っているときはオーラムンムンなのに、ひとたび地の会話になると、すごくお茶目だったことを思い出す。
そういうところが、当時の「ザ・ベストテン」で「お嫁さんにしたい歌手№1」になった所以でもあるのであろう。
この、「マイリコメンド 八神純子 ポップ・ヒッツ」というCDは、2006年発売である。純子さんが音楽シーンの第一線に出てこなくなって、相当経つのに、まだまだこうして昔の曲も含め、作品がリリースされているのである。ショップによっては、いわゆる「懐メロ」コーナーにあったりするのだが、いやいやどうして、もし、今、当時のままの彼女が音楽シーンに現れたとしたら、そりゃもう大騒ぎだと思うのである。
こんなに「歌で惹きつける女性アーチスト」って、なかなかいないと思うのであるが・・・。
今夜は、「想い出のスクリーン」に乾杯!
(すでに、かなり飲んでいるkosukeであるが)


デジタルオーディオプレーヤー入手

2007-03-22 00:05:23 | 日記


今日は、アイドルと音楽のネタはお休みします。
夕方、仕事を終えた帰りに、家電量販店で、ソニーの携帯型デジタルオーディオプレーヤー(デジタルウォークマンと言うのかな)を買ってきました。
最近かなり太ってしまったこともあり、音楽をじっくり聴きながらジョギングすれば、カラダも絞れ、ブログのネタも収集できるし、一石二鳥だと思い、まずはそのためのツールとして、デジタルウォークマンを購入したというわけです。
実は、まだ30代の頃(当時は東京に住んでました)、走ることにハマってしまった時期があり、仕事の後、会社でジョギングスタイルに着替え、会社で着ていたものはバックパックに入れ、電車でちょうどいい距離の駅まで行き、そこから、長いときは1時間半くらい、ゆっくりですが、MDを聴きながら走って帰ってた時期がありました。
ところが、やったことある人はわかると思うのですが、MDは振動与えると音が飛ぶんですね。ですから、その頃は振動を抑える走り方を試行錯誤してましたね。
でも、音楽聴きながら走るのって、すごく気持ちよかったなあ、ということを最近思い出し、また、ブログの記事を書くためにも、もっと音楽聴かなきゃ・・・という欲求と、一応テニス歴25年以上の草プレーヤーとしても、これからのシーズンに向け動ける体にはしておかなければという危機感とか、そういうのが一緒くたになって、音楽聴きながらジョギングしようというプランが浮上したというわけです。
さあ、環境は整った、あとは私のやる気次第・・・。
夏までに、どうなっているか、自分との戦いです。結果やいかに。

ちなみに、まずは大好きな八神純子さんの「マイリコメンド」シリーズの「ポップヒッツ」と「バラード」の2枚分をダウンロードしました。これを持って、明日から自主トレ開始ですかな。

アイドル雑記帳 松本伊代「TVの国からキラキラ」

2007-03-20 22:55:43 | アイドル


松本伊代 「TVの国からキラキラ」(1982)

松本伊代、80年代前半を彩った代表的アイドルの一人である。伊藤つかさをはじめ、小泉今日子、堀ちえみ、早見優、石川秀美・・・と、まさにアイドル百花繚乱時代に、ある種異彩を放ったアイドルではなかったか。
デビュー曲「センチメンタル・ジャーニー」で、
♪伊代はまだ 16だから・・・
と自己紹介ソングを歌い(このアイデアは後に倉沢淳美の「プロフィール」において、完全なる自己紹介ソングとして完成するのであるが)、独特の振り付け、さらにバックにダンサーを配する(後の麻生真美子&キャプテン)等、一味違った演出で、差異化を図っていたのだが、その集大成が、この「TVの国からキラキラ」ではなかったか思う。
この曲、作曲はアイドル歌謡の常連、筒美京平であるが、作詞は、当時売り出し中のコピーライター、あの糸井重里なのである。
とにかく、すべてが「キラキラ」なのである。歌詞には「キラキラ」が連発だし、ジャケットにも星が降っている。TVの国から、という文句は歌詞には出てこないのだが、これは伊代そのもの、いや、さらにアイドルという存在全体までをも包含して「キラキラ」と形容したのであろうか。
で、この曲を歌う伊代、はっきり言って、不思議なアイドルである。同時期に活躍した女性アイドルの中でも、歌唱力の低さは伊藤つかさと双璧。伊藤つかさが小動物的かわいさを持っていたとすれば、伊代は爬虫類系か?というくらいガリガリのカラダと鼻づまりの声。普通ならB級アイドルで終わってしまいそうなこの少女が、デビューから数年間、トップアイドルの座を保持していたのである。かく言う私自身、高校時代に最も好きだったアイドルは、と聞かれれば、伊代と答えるであろう。
伊代が愛された理由、それはおそらく、その「普通っぽさ」ではなかったかと思う。普通の少女が衣装を着て、振りつきで歌っている、そういうイメージが多くの若者男性を惹きつけたのではないだろうか。ある意味、「かわい過ぎないことのかわいさ」というものが、世間に認知されはじめた走りが伊代だったのではないかと思うのである。その後、この「普通っぽさ」という概念がいろんなアイドルに当てはめられることになるのだが、伊代はその最初の流れを作った存在だったのである。
そこで、この「TVの国からキラキラ」であるが、おそらくこの曲を語るのに、この1節を語らないわけにはいかないであろう。
♪ねえ 君ってキラキラ
というセリフである。もう、これは反則である。この一節を考え出したというだけで、糸井の作詞能力恐るべしと言わざるを得ない。
そこに至るまで、たとえば、
♪夜空の星もキラキラ わたしの瞳キラキラ お花いっぱいフワフワ・・・
♪涙落ちてもキラキラ 思い出になるキラキラ 街の景色もキラキラ・・・
と、見事に韻を踏んでいたのが、突然、
「ねえ 君ってキラキラ」と語りかけるのである。
しかし、ある意味、こんなセリフを歌に挟めるとすれば、当時のアイドルでは伊代をおいて他にはいなかったであろう。いわゆる正統派アイドルの曲には、こんなセリフはありえない時代であったのだから。糸井が時代の一歩先を行った、ということなのである。
というわけで、この「TVの国からキラキラ」は伊代と糸井のコラボレーションによるアイドル歌謡の傑作ということができるのである。
松本伊代・・・私にとっては忘れられないアイドルの一人であり続けるだろう。


音楽雑記帳 YOUNG MARBLE GIANTS「COLOSSALYOUTH」

2007-03-19 23:11:25 | ポピュラーミュージック


YOUNG MARBLE GIANTS「COLOSSAL YOUTH」(1980+α)

また、趣味の世界へ入ってしまった。ヤングマーブルジャイアンツ(以下、YMGと呼ぶ)。
いわゆるニューウェイブという、1980年代にイギリスを中心に広がったムーブメントの音楽に多少興味があれば、聞いたことのあるバンド名だろうが、一般の英米ポップミュージックファンには、「何、それ?」ということだろう。
いや、音楽を聴けばさらに「何、それ?」×2となることであろう。わかりやすく言えば、YMGの音楽には「色」がないのである。まさに、このジャケットどおりなのである。いわば、ジャケットが気になって聴いてみたら、ジャケットどおりの音楽だった、ということになるのである。
単調なメロディ、ドラム抜きの構成(代わりにリズムマシーンが鳴っている)で、静かに奏でられるギターとでしゃばったベース。そして最も印象的なのがオルガンの音。ヴォーカルは、歌っているというより、曲をバックに朗読してるのか?という感じ。
確かに、ポスト・パンク、ニューウェイブ・ムーブメントにおいては、いろんなスタイルがあった。アコースティックあり、耽美派あり、ノイズ系あり、フォーク系ありと。
で、このYMGは、後のネオ・アコースティックの系譜の萌芽とも言われている。
なぜか?それは聴いてみればわかるのだが、録音媒体を通じて聴いても、あたかも目の前で生で演奏し、歌っているのではないかと思わせる音であり、まさに生音的(=アコースティック)なのである。先ほども言ったが、単調なメロディで、いわゆる「サビ」という部分がない。しかし、そんな薄っぺらな音でありながら、いや、そうだからこそ、曲を聴きながら、何か思索に入ってしまいそうな、そんなインスピレーションを受けてしまう、そんな音楽なのである。
このYMGは、結果的には実験的ユニットのような形で、この1枚のアルバムを残して解散してしまう。が、ヴォーカルのアリソン・スタットンはその後も「WEEKENND」「DEVINE & STATTON」という風に形を変えながらも、その存在感のあるつぶやき風ヴォーカルを聴かせてくれ、私もずっとその音楽を追っかけていた。年月が経っても、思い出しては彼女の歌を聴いていた、という感じであった。
私の好きな八神純子さんとは、完璧に対象的なヴォーカリストなのだが、アリソンの場合は、あくまでもアコースティック・ミュージックにこだわった、そのこだわりに引き寄せられてしまったというのが、実際のところであろう。
私が、ネオ・アコースティック系音楽にはまってしまう、決定打を打ったのが、このYMGだったのである。