ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

32 天主・信長は6階、天皇は5階

2009-04-12 00:52:05 | 歴史小説
安土城図(ウィキペディアより)

●ヒメ 22:02
カントク、それって、大革命ですよね。
信長は天王=天主として6階の四角い部屋に座り、5階には仏教を国教とした天皇が八角形の部屋に座る、信長が目指した理想の国を表したのが安土城の天主閣なのよね。

●カントク 22:04 
私の一言から安土に行き、そこまでお見通しだったとは。返す言葉もないわ。
ミステリーファン大賞作家というのは、さすがじゃのう。

●マル 21:06
信長は、「上八方下方」の秩序をひっくり返し、「上方下八方」=上天主下天皇制を引こうとしたのね。まさに、秩序破壊の革命児よね。

●カントク 22:08 
そうとも言えるが、それは、明治以降の天皇制の下での歴史観からの偏った見方じゃないかな。
記紀によれば、この国はもともとスサノオ~大国主が支配しており、それを天皇家が奪ったことになっておる。 
天王・スサノオの建国を天皇家は公認しておる。ということは、スサノオや大国主の後継者にとっては、自分たちこそがこの国の建国者であり、正統な支配者である、というのが常識ではなかったかな?

●マル 21:14
信長は、革命児ではなくて、天王制復古主義者だったというの?

●カントク 22:15 
嵯峨天皇がスサノオを祀る津島神社に「日本総社」の称号を贈ったということは、後にその領主となった織田家にとっては、「日本総社」の支配者、という意識がでてきて当然じゃ。
織田家は、越前のスサノオを祀る剣神社の神官から、津島神社の領主になっておる。その一族は、天王・スサノオこそがこの国の建国者であり、自らはその後継者であり、天皇家より上位、という意識がでてきて当然じゃ。

●マル 22:20
なるほど。信長や全国のスサノオや大国主を祀る神社にとっては、天皇家が最高の権力者、というのは常識ではなかった、というのね。

●ボク 22:22
しかし、記紀神話では、スサノオはアマテラスの弟であり、高天原を追放され、その7代目の大国主はアマテラスの子のホヒとその子・ヒナトリに国譲りを行っているとされていますから、アマテラスこそが最高の支配者ですよね。
くどいようですが、学会の常識としては、記紀神話は歴史とは見なしていませんからね。

●マル 22:25
スサノオが歴史上の人物なのか、記紀編集者が創作した人物なのか、その議論は最後にするはずだったよね、ボクちゃん。
しかし、信長が天王・スサノオの存在を信じ、自らも天王=天主として位置づけていた、ということは認めていいんじゃない。

●カントク 22:25
熊野から津島神社に来てしまったが、途中の伊勢に伊勢神宮があったのう。
スサノオとその子ども達の足跡を追ってきたが、姉とされるアマテラスのことを忘れておったわい。

(ネタモトは日向勤氏の『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)です)

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