ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

25 阿弥陀如来になったスサノオ

2009-03-20 18:29:16 | Weblog
熊野那智大社(ウィキペディアより)

●カントク 20:49
ハハ~ン。ヒメの推理小説作家としての謎解き本能が疼いてきたようじゃな。いいではないか。付き合おうぞ。

●マル 20:52
カントクはいつもヒメには甘いよね。しかし、スサノオって、牛頭天王と呼ばれたり、阿弥陀如来になったり、いったいどういうことなのかしら?

●ボク 20:53
ちょっと、その前に、ヒナちゃんのデータを補足しておきます。
熊野本宮大社と熊野速玉大社では、第1殿 に熊野牟須美大神(伊邪那美大神)、第2殿 に速玉之男神(伊邪那岐大神)、第3殿に家津美御子大神(スサノオ)、第4殿に天照皇大神など、第12殿まで12神を祀っています。
一方、熊野那智大社は、第1殿には大国主を祀り、第2殿に家津御子大神、第3殿に御子速玉大神、第4殿に熊野夫須美大神、第5殿に天照大神を祀り、第13殿まで13の神を祀っています。

●マル 20:58
それって、要するに、七福神と同じで、客集めのために有名神なら誰でも祀る、っていうことなの?怪しいわね。

●ヒナ 21:00
高木さん、補足ありがとう。これらの神・仏を一覧表に整理したものがありますから、紹介します。
<熊野本宮大社・熊野速玉大社>
1 熊野牟須美大神=伊邪那美大神=千手観音
2 速玉之男神  =伊邪那岐大神=薬師如来
3 家津美御子大神=スサノオ大神=阿弥陀如来
4 天照皇大神         =千手観音
<熊野那智大社>
1         大国主神  =千手観音
2 家津御子大神 =スサノオ大神=阿弥陀如来
3 御子速玉大神 =伊邪那岐大神=薬師如来
4 熊野夫須美大神=伊邪那美大神=千手観音
5 天照大神          =十一面観音

仏のランクでは、第一のランクが如来であり、西方極楽浄土を主催する阿弥陀如来、東方浄瑠璃界の教主の薬師如来などは、このランクとなります。
次のランクは菩薩(如来をめざす修行者)で、千手観音や十一面観音などはこのクラス音なります。

●カントク 21:08
ヒナちゃんのデータベースもすごいね。
仏のランクから言うと、スサノオ、伊邪那岐大神が1ランク上で、伊邪那美大神、大国主神、天照大神はその下にきている、というのは面白いね。
しかも、天照大御神を最高神とした天皇家の、熊野御幸を行った多くの上皇は、このランク付けを認めているんだよね。

●マル 21:12
神社の祭神のランクでは、「イザナギ、イザナミ、スサノオ、アマテラス」あるいは「大国主、スサノオ、イザナギ、イザナミ、アマテラス」であったけど、仏のランクでは「スサノオ、イザナギ、イザナミorアマテラスor大国主神」となるのか。

●ヒメ 21:15
アマテラスがスサノオの姉で、高天原からスサノオを追放した、という記紀のストーリーは怪しくなってきたわね。

●マル 21:16
牛頭天王のランクはどのあたりなの?

●ヒナ 21:17
如来、菩薩(観音)、明王に続く、天部のランクに牛頭天王は位置づけられています。バラモン教の神々が仏教に取り入れられ、如来や菩薩の守護神となったとされています。

●ヒメ 21:19
スサノオが、最高ランクの「阿弥陀如来」とされて多くの上皇達に祀られた一方で、それを守護する「牛頭天王」ともされているというのは、ゾクゾクしてくるわよね。
天王ブランドの「スサノオ=阿弥陀如来」対民衆ブランドの「スサノオ=牛頭天王」、ということになるかな。面白いじゃない。

●カントク 21:21
さすがに、ヒメの勘は鋭いなあ。推理小説家としての推理力は一流だなあ。

●ボク 21:22
ヒメさまから前に紹介された姫路のスサノオを祀る広峯神社は、全国の牛頭天王社の総本宮とされていすが、唐から帰った吉備真備が聖武天皇の許しをえて、スサノオを祀る神籬(ひもろぎ=霊漏ろ木)のあったこの地に神社を創建したとされています。
また、名古屋のスサノオを祀る津島神社(津島牛頭天王社)は、嵯峨天皇より日本総社の称号を贈られています。

●カントク 21:26
ボクの記憶力はいいなあ。しかし、データを出すだけでなく、自分でもっと意見を言った方がいいと思うよ。
「スサノオ=牛頭天王というのは、天皇家も公認している」ということを、先輩に言わせよう、と気を使うんじゃないよ。若いのに。

●マル 21:19
スサノオは嵯峨天皇の頃には「牛頭天王」であったのが、白河上皇の頃には「阿弥陀如来」に大出世したのかあ。
お釈迦様に次ぐようなランクの仏にスサノオがなったということは、天皇家は、スサノオを日本で最高位の神として認めたということになるわよね。

●ヒメ 21:15
ボクちゃん、日本の神々のランクはどうなっているんだっけ。

(ネタモトは『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)です)

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村 小説ブログ ミステリー・推理小説へ
にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 24 熊野に祀られたスサノオ | トップ | 26 神々のランクとスサノオ »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マルテンサイト千年 (グローバルサムライ)
2024-04-05 20:03:28
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズムにんげんの考えることを模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本の独創とも呼べるような多神教的発想と考えられる。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事