ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

14 天叢雲剣の祟り

2008-12-17 10:38:25 | Weblog
大神神社の鳥居

●ひめ 080911 18:25
今、琵琶湖畔のホテルにいます。間もなく、いささかトウの立ったガクセイさんが現れると思います。
 今日は、天智天皇がなぜ大津に都を置いたのか、考え続けた1日でした。しかし、今までのようなマンネリで書くのはもう嫌になっています。
新進の作家・高階樹さんにはそろそろ死んでもらって、別人に生まれ変わろうか、な~んて、滋賀の海を眺めながら夢想しています。
 皆さんは、どうしてますか?

●まる 18:34
 私は仕事で佐賀市にいます。大好きな有明のアゲマキでいっぱいやっています。
 私の仕事もヒメと同じかも。同じことを数年やったら、変えなくちゃ、変わらなくちゃ、の連続よ。そろそろ私も転機かな。男もね?

●カントク 18:34
 元気な二人が、今日はおかしいねえ。そんな心にスキのある美女に、旅先で出会えたらいいなあ。
 しかし、前作で、主人公を殺してしまったと思ったら、今度は作家が殺される番ですか。せめて、行方不明くらいにしておいてよ。
 ヒメはせっかくうまく行きだしたのに、ブチ壊すんだね。面白ややこしい性格だなあ。

●ひめ 18:36
 流れができてくると、もう落ち着かないのよ。性格は昔から変わらないなあ。

●カントク 18:37
 こちらは、いささか頭の固いボクちゃんと才気あふれるいひなちゃんを誘って、新宿で一杯やっています。マンネリ打破には、若い人のエネルギーをもらうのが一番ですよ。
 そろそろ、憂き世を離れて、2000年前にワープ。スサノオがいたか、いなかったか、の大激論の前に、もう少し、データを積み上げたいね。

●ほびっと 080911 06:45(コロンビア時間)
 ご無沙汰です。まだ、エルドラド(黄金郷)にいます。
 ヒメ、生まれ変わる時には、是非、一度、このジャングルに野生を取り戻しに来て下さい。
 民族派ゲリラ、麻薬組織、怪しい政府軍と政治家、CIA?など、野獣に取り囲まれている以上に緊張感がありますよ。

●ひめ18:52
 ほびっとさん、ありがとう。行方不明になる時には、コロンビア、是非、考えてみます。

●ほびっと 080911 06:54
 僕のせいで、「どこ」に議論が狭まったのではないか、と責任を感じていましたが、皆さん、さすがですね。「どこ」を、書証からだけでなく、物証(剣)と宗教の視点から追求しているんですからね。私の心配は空振りでした。
 古代人にとっては、「もの」は単なる物質ではありません。世界中のどこでも、古代には「もの」には魂=霊が宿ると考えられていました。特に、石や玉、剣などは、人が物に変わったり、その逆の物語がたくさんあります。

●ひめ 19:03
 ガクセイさんが現れたので、みんな揃ったようですね。
 まずは乾杯。ちょっと一息入れましょう。暗い琵琶湖を、キラキラしたクルーズ船が出ていきました。

●ひめ 19:12
 ボクちゃんに質問だけど、歴代の天皇で神に祟られたのは、ミマキイリヒコ(崇神天皇)だけなの?

●ぼく19:14
 ハイハイ、頭の固い~「硬ボク」です。
 手元に資料がないのであやふやですけど、天武天皇が病気になった時に、この天叢雲剣の祟りというお告げがでて、宮中にあった天叢雲剣は熱田神宮に戻されてご神体になっています。
 この剣は、ヤマトタケル命よって伊勢神宮から持ちだされ、尾張で結ばれたミヤズ媛のもとに置かれていたのですが、天智天皇の時に、新羅の僧によって盗まれた後、宮中に置かれていたとされるものです。
 補足しておきますと、ヤマトタケル命を実在の皇子と考える学者は少数ですよ。

●ひな 19:19
 補足します。
 有名なのは、仲哀天皇です。記紀によれば、熊襲討伐に筑紫に行った時、神功皇后に乗り移った神が、新羅を侵攻するようにと神託したのに従わなかったため、神の怒りにふれて殺された、とされています。その神は、古事記によれば住吉大社の神ともとれますし、日本書紀では伊勢神宮の地の元々の神であった、とはっきりと書かれています。
 ただ、仲哀天皇や神功皇后については、架空説も有力ではないでしょうか。

●ひめ 19:25
 戦前には、天皇は神であるとされてきたけど、記紀では、3人の天皇が神に祟られた、とはっきりと記していたのよね。

●ひな 19:27
 それと、中大兄皇子が百済救援に向けて筑紫の甘木に陣を置いた時に、母親の斉明天皇が亡くなりました。その時に、葬式の模様を天から鬼が見ていた、それは蘇我入鹿である、という記載が日本書紀にあります。入鹿が中大兄皇子に殺されたとき、見殺しにした斉明天皇を祟ったかのような書き方です。
 また、長屋王を謀殺した祟りで藤原4兄弟が死んだあと、聖武天皇も怨霊を恐れ、都と転々と変え、大仏殿や各地の国分寺を建てた、とされています。

●ひめ 19:27
 ありがとう。天皇も神に祟られる、と考えられていたことがよく分かったわ。天叢雲剣が天武天皇に祟ったということは、崇神天皇にも祟った、と考えられるわよね。  (日南虎男記)

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13 スサノオが大歳に与えた天叢雲剣

2008-12-12 23:40:03 | Weblog


●カントク 080911 9:01
 ヒメの勘は相変わらず鋭いね。ついでだから、ある説を紹介しておくよ。念のために言っとくけど、これは私の説ではないからね。全方位外交の私としては、にらまれて仕事がこなくなると困るからね。私は、トンデモ説を紹介するのが好きなだけなんだよ。
 最近、「神奈備山研究会」で聞いた説だけど、H氏によれば、磯城の三輪山に祀られた大物主は、スサノオの子の大歳であり、スサノオと大歳がヤマタノオロチの剣をこの地に持ってきて、代々、大物主=大歳の子孫に伝えられた、というんだ。そして、入り婿のミマキイリヒコ(後の崇神天皇)が磯城国の権力を奪った時に、宮中に移した、と言っていた。

●ヒメ 080911 12:24
 カントク、ありがとう。
 ボクちゃんの作ってくれたこのシステムって、ブログに投稿された記事が、同時に、メールで配信されてくるもんだから、ついつい、見てしまうのよね。大事な仕事中なのにね。
 大神(おおみわ)神社の祭神の大物主って、大国主じゃあなかったの。

●カントク 080911 12:28
 日本書紀には、確かにそう書いてある。しかし、古事記には、大物主神のことを述べたあとに、続けて「彼、大歳神の子・・・」と、大歳神の子ども達のことが出てくるんだ。
 重要なのは、三輪山を御神体とする大神神社には、スサノオ、大国主、大物主が祀られているんだ。大国主と大物主は明らかに別人だよね。
 大物主は大歳神である、というのは、面白いよ。

●ひめ 080911 12:41
 大物主が、スサノオの子の大歳だとすると、ヤマタノオロチの剣が磯城にあっても不思議はないわね。
 吉備に残した妻と子には、自分の守り刀、ヤマタノオロチを斬って王位を奪った剣を与え、スサノオに同行して大和盆地に支配を広げた大歳には、ヤマタノオロチから奪った剣を与える、というのは、確かに、筋が通っているわね。逆はないわよね。
 けど、ミマキイリヒコとの関係はどうなの?

●カントク080911 12:53
 H氏は、若御毛沼(後の神武天皇)は、大国主の御子の迦毛大御神(阿治志貴高日子根(あじすきたかひこね)神)の子孫の支配する葛城国に傭兵として入り、9代かけて力を蓄え、10代目のミマキイリヒコの時に、磯城国の兄弟の王位争いに介入し、入り婿として権力を奪った、というんだ。
 そうすると、ミマキイリヒコは、スサノオや大歳=大物主の一族ではないため、大物主に祟られる可能性は十分にある。祖先の霊(ひ)は、直系の子孫が祀らないと、祟るんだ。
 大物主の子孫の太田多根子を探しだして祀らせると、疫病が収まったとされたのは、祖先霊信仰を前提にして、初めて理解できる。

●ひめ
 カントク、悪いけど、昼休みは終わり。今夜は、ガクセイさんと会うので、皆さんも、是非、今宵、ネットパーティに参加してよね。

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12 天叢雲剣の行方

2008-12-05 22:19:09 | Weblog
●ヒメ 080911 8:03
 今、新幹線で西へ向かっています。昨日の続きで、剣の動きを追ってみたいなあ。ボクちゃん、もし電車の中なら、気分転換にちょっと、説明してよ。

●ボク 080911 8:06
 カントクお得意のトンデモ説が登場してきましたね。そのうちに、論争しましょう。
 天叢雲剣は、崇神天皇の時に磯城の宮中からアマテラスの鏡と一緒に出されて、29か所も諸国を転々として、伊勢神宮に祀られます。
 その後、ヤマトタケルによって、熱田神宮に祀られるようになった経過などは、昨日、書きましたよね。

●ヒメ 080911 8:09
 おさらいはいいからさ、どこからこの剣が磯城の「ミマキイリヒコ」のところにきたのか、まず教えてよ。

●ボク 080911 8:06
 いつもヒメ様は結論、一直線ですね。
この剣は、記紀によれば、スサノオからアマテラスに贈られています。その後、ニニギが天下った時に授けられたとされています。アマテラスの5代目の若御毛沼(ワカミケヌ、後世の神武天皇)が、薩摩半島から16年かけて大和に入って建国したことになっていますから、スサノオの剣も一緒に薩摩半島から運ばれたことになると思います。
 しかし、多くの学者はこの神武東征は架空の神話と考えています(私もですが)。
 すみません。駅に着きそうです。ひなちゃん、引き継いでくれませんか?

●ヒメ 080911 8:09
 ひなちゃん、時間ある?畿内説だと、この剣はどうなるの?

●ひな 080911 8:11
 おはようございます。化粧時間をカットする位の時間はあります。
 畿内説の多数派だと、この剣は、後世の偽物ということになるでしょうね。箸墓に葬られた卑弥呼=天照大御神から天皇家に伝えられた、と考える人もいます。

●ヒメ 080911 8:13
 お化粧時間を奪ってしまって、悪かったよね。すっぴんでもとびっきりの美人なんだからさ、許してね。
 もう1つ。このヤマタノオロチの剣は、「三種の神器」として皇位継承の大事な御印の1つとされながら、なぜ、天皇の元に置かれていないのかしら。宮中にはコピーが置かれて皇位継承の儀式に使われ、本物はなぜ伊勢にまで移されたのか、知りたいなあ。

●ひな 080911 8:16
 天叢雲剣が伊勢に移されたのは、恐らく、アマテラスの鏡が移された時に、一緒に移されたのだと思います。
 記紀によれば、ミマキイリヒコイニエ大王(後に崇神天皇と命名)の時に、人民の半数以上が亡くなるという疫病が大流行し、それが三輪山に祀られている大物主の祟りとされます。この時、宮中に祀られていた大物主が宮中から出されて、大物主の子孫に祀らせたことになっています。その時に、一緒にアマテラスの鏡とヤマタノオロチの剣も宮中を出されたと考えられます。
 あと、どなたか、バトンを受けて下さい・・・

●ヒメ 080911 8:25
 大物主の祟りなら、大物主だけを宮中から出せばいいのに、なぜ、アマテラスの鏡や勾玉、スサノオからもらった大事な剣を一緒に宮中から出したのかしら?祟り神だけを出すのは分かるけど、祖先の霊のこもった大事な守り神の鏡や剣を宮中から出す、というのは理解できないわね?
 特に、スサノオは、現代まで疫病封じの神とされて信仰されてきたじゃない。皇族も半数以上が死んだに違いないから、スサノオゆかりの剣を使って、宮中で大々的に疫病封じの儀式を行うはずじゃない。

●カントク 080911 8:38
 二人の美人の頼みを絶対に断わらない、朝から浮き世離れして、2000年近くも前のことにうつつを抜かしている自由人は誰でしょう。ピンポン、わたくしです。
 確かに、ヒメの言うとおりだよね。皇位継承の大事な証である「三種の神器」は祖先から代々、伝わった、皇室を守る大事な家宝だよね。それ宮中から出す、というのはわけがわからないよね。
 
●ヒメ 080911 8:45
 もし、これが記紀のフィクションというなら、私みたいなかけ出しの小説家だって、もっとうまい嘘をいくらでも書けるわよ。
疫病封じのために、大事な家宝のアマテラスの鏡と玉、スサノオの剣を、人民のために伊勢に奉納して祀った、と書けばかっこいいじゃない。

●カントク 080911 8:38
 どうも、天皇家はスサノオの2本の剣、天叢雲剣と十拳剣のどちらも粗末に扱っているよね。そればかりか、アマテラスの鏡も玉も、身近に置いていないし、代々の天皇は明治まで、伊勢神宮に参拝していないんだよ。

●ヒメ 080911 8:45
 100人を越える天皇、全員なの?

●カントク 080911 8:46
 そうなんだ。大海人皇子(後の、天武天皇)は、伊勢を通りながら、遠くから遙拝しただけだし、その妻の持統天皇も伊勢行幸を行いながら、伊勢神宮に参拝した記録がない。。
 これは、実に不思議なことなんだ。弘文天皇(大友皇子)の位を奪おうという天下分け目の戦い、壬申の乱を前にして、祖先のアマテラスに戦勝祈願をし、自分の方が正当な後継者である、と大義名分を掲げる、というのが普通だと思うんだ。

●ヒメ 080911 8:58
 私の書きかけの作品、『壬申の乱殺人事件』に重なってくるわよね。
 カントク、どうやら何か知っていそうね。しかし、取材に備えて眠ります。続きは今晩ね。 (日南虎男記)


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10 スサノオの2本の剣

2008-12-03 23:35:11 | Weblog
●カントク 080910 22:49
 皆さん、せっかくだから、ちょっとだけ、寄り道しませんか?美味しいものは先に食べる、というのがわたくしの流儀なもんでね。
 ヒメの「男は道具、女はゴシップ」という目のつけどころは、さすがだなあ。現代まで、変わらない原理だよなあ。
 男としては、「剣」は物証だけに、「どこ」にもからむので先にやっちゃいましょう。
 「早寝早起き朝ごはん」のボクちゃん、寝ていなかったら解説してよ?

●ボク 080910 22:55
 10時がボクの就寝時間ですからね。学生までは8時だったので、これでもずいぶん夜更かしになったんですよ。皆さんに付き合ってますけど、この課題をこなしてから寝ます。
 どうも、うまく乗せられて、スサノオ実在説に加担させられているようなんですけど、旗は降ろしていませんからね。

 スサノオには、2本の剣があります。1本は十拳剣(とつかのつるぎ:別名、韓鋤剣など)、もう1本は天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ:別名、草薙の剣など)です。
 十拳剣はスサノオがヤマタノオロチを切った剣、もう1本はヤマタノオロチから奪った剣です。前者は、韓鋤剣(からさびのつるぎ)とも呼ばれていることから韓で造られた鉄剣、後者は熱田神宮関係者の証言から、銅剣と思われます。
 十拳剣は、石上布都御魂神社に祀られていましたが、崇神天皇の時に奈良の石上神宮に移されて祀られていたものの、後に埋められて、明治になってから発掘されています。
 天叢雲剣は、スサノオからの戦利品としてアマテラスに贈られ、宮中に置かれた後、アマテラスの鏡とともに伊勢神宮に移され、その後ヤマトタケルによって持ち出され、名古屋の熱田神宮に祀られています。その後、天智天皇の時に、新羅の僧によって盗まれますが、海を渡る前に取り戻され、宮中に置かれます。その後、天武天皇に祟ったということで、再び、熱田神宮に戻されます。
 以上が記紀などに書かれたスサノオの2本の剣の由来です。

●ヒメ 080910 22:23
 さすがボクちゃん、記憶力抜群ね。ありがとう。そしておやすみ。お姉さんから、チュッ。

 しかし、スサノオの剣が埋められて粗末に扱われているのに、ヤマタノオロチの剣が天皇家の王位継承の印の「三種の神器」として扱われているってなぜなの?天皇家にとってみれば、ヤマタノオロチの剣って、1地方の王が持っていた銅剣にすぎないじゃない。
 それに、なぜ、スサノオはヤマタノオロチを切った大事な鉄剣を備前に残し、アマテラスにヤマタノオロチの銅剣を贈ったのかしら。
 彼女にはスーパーカーを贈り、姉には時代遅れのポンコツカーを贈ったようなものじゃない。

●カントク 080910 22:31
 ヒメが横にいるのに、慣れない携帯で、おっさんが苦労してメール会話してるって、笑えるよね。喜劇に使えそう。
 しかし、ヒメの発想はいいねえ。いつも「女が男を動かす。事件の陰に女あり」だからなあ。

●ガクセイ 080910 22:36
 さしずめ、僕なんかも、ヒメのストーリーの中で動かされている登場人物の一人ですかね。
 長老は「スサノオとアマテラスの時代は違う」という説のようですけど、それはさて置いて、記紀のストーリーに沿って意見を述べると、スサノオは、二人の女に剣を贈ったというよりも、むしろ、その子に剣を託したのではではないでしょうか?
 剣というのは、王の御霊(みたま=ひ)が宿る、王位継承の印ですからね。

●まる 080910 22:36
 スサノオは、愛しい女へ贈り物をしたのではなく、その子へ吉備国の王の印を渡したのか。
 しかし、スサノオの十拳剣ではなくて、ヤマトノオロチの剣が、天皇家の王位継承のシンボルとなっているのは何故なの?
 スサノオやアマテラスよりも、ヤマタノオロチの方が位が高い、輝かしい王であった、ということになるわよね。
 ヤマタノオロチという偉大な王の権力のシンボルである剣を、天皇家は皇位継承のシンボルとしたことになるじゃあない。

●カントク 080910 22:45
 こういうややこしい時は、いよいよ僕の出番だね。異説・珍大好きだからね。

 もともと、葦原の中国を支配していた出雲族の王は「ヤマトノオロチ」ではないか、という説があるんだよ。
 記紀が出雲神話を大きく取り上げているのは、「ヤマトノオロチ」→「スサノオ」→「アマテラス」へと権力が渡されてきた、という歴史を伝えている、というんだな。
 「ヤマト」という国が、出雲・岩見・安芸・伯耆・吉備にかけてあり、その王がオロチだった、とは考えられないかな。可能性はあると思うよ。

●ヒメ 080910 23:03
 面白くなってきたわよね。しかし、そろそろ私もシンデレラタイム。退場しなければ。
 明日は「壬申の乱殺人事件」のための取材旅行で関西なのよ。ガクセイさん。1日くらい、付き合って案内してくれない?是非、アドバイスが欲しいんだけど。
 それと、ひなちゃん、帰ってからだけどさあ、資料整理、手伝ってくれない。アルバイト代は、ボクちゃんのところよりいいから。ボクちゃんのお手伝いを裏切らない範囲でね。

●ガクセイ 080910 23:15
 いつも、うまく人をころがすよね。「あいにく」と言いたいところですが、ちょうど、奈良に行ってますよ。明日の夜と、翌日は12時までは空いているんだなあ。奈良ならOKですよ。

●ひな 080910 23:17
 ヒメ様。楽しそうなお話し、ありがたくお受けします。今なら、手が開いています。ご連絡をお待ちしています。

●カントク 080910 23:19
 初秋の奈良、若い二人、絵になるなあ。と言いたいところだけど、いつかのように、二人で死体なんぞを見つけて首を突っ込み、さんざ疑われて、みんなを巻き込まないようにしてよね。 (虎男記)


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10 安芸へ天下ったスサノオ

2008-12-01 21:32:51 | Weblog
石上布津御霊神社(赤磐市)

●まる 080910 22:15
 新幹線の中からメールしたけど、「備後国風土記」逸文では、スサノオが南海の王女を訪ねた帰りに、今の福山市のところで、蘇民将来に茅の輪を授けたというのよね。言い忘れたけど、この南海の王女は、しまなみ海道の大三島の大山祇神の娘の神大市比売じゃあないかしら。
 吉備の国には、剣が残された赤磐市とこの福山市の2か所にスサノオの痕跡が残されているわよね。

●ボク 080910 22:18
 先程から日本書紀を読み直していますが、一書第2には、スサノオが安芸国の可愛(え)の川上に天下った、という話もありますね。
 この可愛川(えのかわ)は、比婆山から流れる西城川と三次盆地で合流し、江川(ごうのかわ)と漢字が変わります。しかし、同じ「えの川」なので、スサノオが天下ったのは、江川を遡った上流の地ということになりませんか。

●まる 080910 22:24
 私の現地感覚だと、比婆山や船通山のあたりは、斐伊川、江川、日野川、高梁川の4つの川の源流域なのよね。だから、斐伊川上流でもあり、江川上流でもあって、同じことを言っていると思うのよ。
 現在は4県に分かれているけど、スサノオの時代だと同じ出雲の国であり、風土記や日本書紀が書かれた頃には、出雲、岩見、安芸、伯耆、吉備の国に分かれ、それぞれ自分の国のこととして、別の言い伝えになっていったのじゃあないかしら。

●長老 080910 22:29
 僕も同意見だなあ。出雲、吉備、安芸の3つの記録が、同じことを違った表現で述べているということは、スサノオのヤマタノオロチ退治が、歴史的な事実であったことを示している可能性が高いと思うよ。

●ヒメ 080910 22:31
 気持ちよく酔ってながらからむけど、長老の意見って、「可能性が高い」などとまどろっこしいわよね。
 小説家は何でもお見通しの神なのよ。どんどん、言い切っちゃうわよ。作家は、全ての登場人物を神のように自在に動かし、天の上から見渡し、時には登場人物になって書いて行くんだから。もっと、はっきり言ってよ。
 だいたい、皆さん、ボビットさんに影響されて、「どこ」ばかりに目を向けてるけど、もっと他の視点はないの? なぜ記紀がスサノオの「剣」をこれだけ取り上げているのか、スサノオの愛した女性は誰と誰なのか、なんて面白いテーマはいっぱいあるじゃない?

●カントク 080910 22:42
 ヒメは相変わらずだなあ。ヒメの興味はわかるけど、もう少し「どこ」をやってみようよ。

●ガクセイ 080910 22:44
 「ガクセイ」で登場しないと、ヒメ様には満足してもらえないようですね。
 長老としては、「どこ」や「なぜ」「どうして」よりも、「いつ」に一番興味があるようなんだけど、もう少し、続けてみませんか。

●ヒメ 080910 22:46
ごめんごめん。私って、いつも、人の話や授業、講義なんかがまどろっこしくって、先に進みたいのよね。了解しました。どこどこまでも続けましょう。 
                              (日南虎男記)


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