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ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

アマゾン・キンドル本「邪馬台国探偵団―卑弥呼の墓を掘ろう」 の内容紹介

2014-09-19 11:42:32 | 歴史小説
 本書は古代史に関わりのある7人が、ネットミーティングで邪馬台国の所在地を突き止める、デスクトップ・ディテクティブの歴史推理小説です。
 2009年に『スサノオ・大国主の日国 霊の国の古代史』(梓書院)を出版したのち、ブログ「霊の国:スサノオ・大国主命の研究」(YAHOO)、「霊(ひ)の国の古事記論」(FC2)、「帆人の古代史メモ」(livedoor)、「神話探偵団」(gooブログ)、「邪馬台国探偵団」(Seesaa)を書いてきましたが、「邪馬台国探偵団」を加筆・訂正し、他のブログの神話論、宗教論、スサノオ・大国主建国論、神社祭神論などを加えて、新たに書き直しました。
 これまで、邪馬台国論争はもっぱら魏書東夷伝倭人条(通称:魏志倭人伝)をもとに論じられてきましたが、本書は、魏書東夷伝倭人条と古事記・風土記のトータルな分析により、霊(ひ)信仰による王位継承と祖先霊の祀り、王名襲名論と妻問い婚名論、地名論と地名起源人名論から、紀元1~3世紀のスサノオ・大国主一族による建国史を解明し、卑弥呼の正体とその都と墓の位置を解明しています。もちろん、このような方法は、初めての試みです。

 本書において、初めて明らかにした点は、次の通りです。
①三国で覇権を争った魏国と100余国の1/3の30国をまとめた邪馬壹国の類似説
②「魏」(委+鬼)と「倭」(人+委)の「委」(い)の同一性説
③「鬼道」=祖先の「霊(ひ)」信仰説
④「南北市糴(てき)」の「糴」字分析(入+米+翟)からの「鳥」をトーテムとする部族の米鉄交易説
⑤海の「壱岐=一大国=天一柱」から分かれた山の「邪馬壹国」説(壱=一=壹)
⑥「8倭人、9天鄙」からの100余国の「い国」と「ひ国」「ひな国」への分裂説
⑦倭人による「邪馬壹国」から「邪馬臺国」への変更説
⑧方位・距離正確説からの「奴国吉武」説
⑨呼子からの「正使陸行・副使水行」説
⑩版本校閲者による邪馬壹国の最終行程の陸行水行の誤った統合説
⑪アマテラス神話の「筑紫の日向」=「甘木の蜷(ひな)城」説
⑫「高天原」は甘木の背後の高台(矢野竹)説
⑬「天照(アマテル)大霊留女」=「卑弥呼」をモデルにした4人のアマテラス説(スサノオの姉アマテラス、岩屋戸での再生アマテラス、国譲り事件アマテラス、天下りアマテラス)
⑮「漢委奴(いな、ひな)国王」スサノオ説と「倭国王師升(スイショウ)」淤美豆奴(オミズヌ)神説
⑯「倭国大乱」大国主=大国主の後継者争い(国譲り)説
⑰「卑弥呼」=筑紫の日向の大国主命10代目説
これらの新たな視点により、本書は邪馬台国論の所在地を突き止め、筑紫王の卑弥呼の墓のある候補地を3カ所に絞り込むとともに、古事記の作者を推理しています。

 なお、この『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう [Kindle版]』はアマゾンで販売(307円)しており、ホームページでアマゾンに入って題名を入れて検索すれば購入できます。ただ、スマートフォンかタブレット、アマゾンキンドル・ペーパー・ホワイトでしか読めませんので(パソコンでも読む方法はがあるのですが、私自身、まだ成功していません)、馴染みのない方は本の出版までしばらくお待ちいただきたいと思います。

2014年9月19日                     日向 勤(ひな つとむ)

「邪馬台国探偵団―卑弥呼の墓を掘ろう」 目次


第1章 邪馬台国探偵団の誕生
1「とりかへばや探偵団」/2九州説3人対畿内説3人/3論争のルールを決めよう/4論争開始

第2章 「魏」と「委」と「鬼」
5卑弥呼の墓を見つけよう/6「魏」は「委+鬼」の国/7曹操は「姫氏周王朝」の後継者?/8「日巫女」か「霊(ひ)御子」か?

第3章 太陽信仰か霊(ひ)信仰か
9縄文人は太陽信仰か祖先霊信仰か?/10卑弥呼は縄文人か、弥生人か?/11「黄泉帰り宗教」から「霊(ひ)信仰」へ/12霊(ひ)の「昇天降地」思想へ/13「鬼神信仰」と卑弥呼の「鬼道」/14霊巫女の「鬼道」が祀った祖先王

第4章 邪馬壹国の全体像
15「倭」は、「わ」か、「い」か?/16「イナ国」か「ヒナ国」か?/17「邪馬壹(一)国」か「邪馬臺(台)国」か?/18「百余国」と「三十国」問題

第5章 韓国と倭国
19「七千余里対万二千余里」問題/20「周施五千余里」問題

第6章 対海国と一大国
21対海国・一大国:「南北市糴」の海人族/22米鉄交易による稲作革命/23対海国か対馬国か、一大国か一支国か/24委(一)国の中心はどこか/25委国の第1次展開と第2次展開/26「五十猛神」と「御中主神」「阿斬訶備比古遅神」/27「卜部氏」のルーツは壱岐・対馬/28「月読命」「天照」のルーツは壱岐・対馬

第7章 末盧国・伊都国・奴国
29末盧国:どこに船を泊めたか/30伊都国:郡使の常に駐まる所/31「拝仮」「伝送」の意味/32 陸行と渡海の距離/33短里の時代/34奴国:その中心は春日丘陵か?/35奴国吉武説へ

第8章 正使陸行・副使水行
36投馬国・邪馬臺国へ/37梯儁・張政・陳寿の方位誤謬説/38「正使陸行・副使水行」の出港地は呼子/39呼子起点の南への水行/40陳寿への2つの報告書/41投馬国と邪馬壹国の先後問題

第9章 不彌国から邪馬壹国
42金銀錯嵌珠龍文鉄鏡が決め手/43邪馬壹国へ/44「筑紫の日向」はどこか?/45「日向」は「蜷(ひな)城」/46「阿波岐」は羽白熊鷲の城/47アマテラス神話の「筑紫の日向」/48邪馬台国は東遷したか?/49筑前の神々の信仰中心/50筑紫と出雲に祀られているイヤナギ/51出雲と筑紫のイヤナギ:天(あま)族の移動性

第10章 卑弥呼とアマテラス
52卑弥呼はアマテラスか?/53「もの姫・もの太郎」神話の謎/544人のアマテラス/55太安万侶の暗号/56スサノオ~大国主7代の王朝/57アマテラス神話の創作者

第11章 高天原を探せ
58「ウケヒ(受け霊)」の主役/59母系制社会の女王国/60高天原はどこか?/61羽白熊鷲伝承が示す高天原/62「城(き、しろ)」だらけ/63麻氐良布神社のアマテラス/64卑弥呼の墓はどこ?/65邪馬壹国発掘団へ


※文章や図、筆者撮影の写真の転載はご自由に(出典記載希望)。
※日向勤著『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)参照
※参考ホームページ:霊(ひ)の国古代史研究室(http://www.geocities.jp/hinatsutomu)
※参考ブログ:邪馬台国探偵団(http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/)
       霊の国:スサノオ・大国主命の研究(http://blogs.yahoo.co.jp/hinafkinn/)
       霊(ひ)の国の古事記論(http://hinakoku.blog100.fc2.com/)
       帆人の古代史メモ(http://blog.livedoor.jp/hohito/)
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季刊『日本主義』№26の小論「古事記・播磨国風土記が明かす『弥生史観』の虚構」のご紹介

2014-07-01 20:57:33 | 歴史小説
学生時代に研究室の大先輩であった助教授から誘われ、ある研究会で講演させていただきました。そのレジュメをもとにまとめたのが、本稿です。
白陽社の季刊『日本主義』№18(2012夏)「いま、歴史を読み直す」の小特集「『古事記』1300年と新たな古代史像の試み」において、私は「『古事記』が指し示すスサノオ・大国主建国王朝」を書かせていただきましたが、今回、その続きとして、『日本主義』№26(2014夏)において「古事記1300年再論」として「古事記・播磨国風土記が明かす『弥生史観』の虚構」を掲載いただきました。
この2年間、ある本の執筆にかかりきりで、古代史研究は休止していましたが、ようやく再開することができました。この神話探偵団は全体を頭に入れ直し、再構築するのに時間がかかりますが、いずれ書き初めていきたいと考えます。
私は前著『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』以後、3年間、5つの古代史ブログを書いてきましたが、スサノオ・大国主王朝の建国については、記紀・風土記分析、考古学、宗教論、戦争論、生産論のあらゆる面からほぼ解明できた、と考えます。
今回は、新たに、スサノオ・大国主一族による「米鉄交易」による「稲作革命」という新たな分析を加えています。
その目次は下記のとおりですので、『日本主義』№26(特集:日本的モノづくりの技と心)をご一読いただければ幸いです。 konanhina(日向 勤)


古事記・播磨国風土記が明かす『弥生史観』の虚構 目次

1 縄文人は「狩人(山幸彦)」か「漁民(海幸彦)」か?
2 チャンバラ時代はあったか?―武器論からみた縄文と青銅器・鉄器時代
3 稲作革命は誰が、何で進めたか?
4 黄泉帰り宗教から、昇天降地宗教へ
5 まとめ

<参考>  帆人の古代史メモ 98 「乗船南北市糴(してき)」が示す米・鉄交易
         同     99  石器稲作から鉄器稲作へ
同   100 「4大文明論」対「ギリシア文明・日本文明論」.

転載・リンクはご自由に(ただし、引用先をご記入下さい)。
参考資料 日向勤著『スサノオ・大国主の日国 霊の国の古代史』(梓書院)
参考ホームページ 霊(ひ)の国古代史研究室(http://www.geocities.jp/hinatsutomu)
参考ブログ 霊の国:スサノオ・大国主命の研究(http://blogs.yahoo.co.jp/hinafkinn/)
霊(ひ)の国の古事記論(http://hinakoku.blog100.fc2.com/)
帆人の古代史メモ(http://blog.livedoor.jp/hohito/ )
神話探偵団(http://blog.goo.ne.jp/konanhina)
邪馬台国探偵団(http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/)

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「霊(ひ)の国」の研究再開

2014-05-01 11:41:38 | 歴史小説
2011年3月11日の東日本大震災と福島原発事故により、古代史に割ける時間が大幅に減少。翌年10月からは25年前に書いた別テーマの本の続編の執筆に入り、古代史に割ける時間は無くなりました。やっとその執筆が終わり、ようやく時間がとれるようになってきました。
 仕事先の青森県東北町で「日本中央」の石碑と八甲田連峰の「雛岳」に出合い、2003年5月連休に「『ひな族(日名族、日本族)』についての考察」を書いたのが古代史への出発点で、10年が過ぎました。
2008年からはブログを書き始め、2009年に『スサノオ・大国主の日国 霊の国の古代史』(梓書院)を出版。2012年夏には季刊『日本主義』№18で「『古事記』が指し示すスサノオ・大国主建国王朝」を書きました。
 「明治維新」ならぬ「明治復古」に次いで、今、「平成復古(戦前回帰)」の動きが見られるなか、拝外・排外主義の2つの歴史観に対し、縄文から始まり、きちんとした歴史観の確立が必要と危機感を持っています。
11年目の連休を迎え、ブログ「霊の国:スサノオ・大国主命の研究」「霊(ひ)の国の古事記論」「神話探偵団」「邪馬台国探偵団」「帆人の古代史メモ」を再開し、今後、「スサノオ・大国主建国論」「霊(ひ)の国の古事記論」「邪馬壹(台)国論」「播磨国風土記論」の4本のテーマで本をまとめたいと考えています。
今後とも、よろしくお願いします。
 なお、個別テーマで「霊の国:スサノオ・大国主命の研究」「帆人の古代史メモ」を先行して再開し、ウォーミングアップした後に、「神話探偵団」「邪馬台国探偵団」「霊の国の古事記論」を開始したいと思います。
 
 
2014年5月1日 日向 勤


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季刊『日本主義』の小論「『古事記』が指し示すスサノオ・大国主建国王朝」のご紹介

2012-06-20 14:39:21 | 歴史小説
 昨年末、『蘇れ古代出雲』著者の石飛仁氏から、国際縄文学会での講演会のお誘いを受けて参加し、その2次会で白陽社の山岸修氏にお会いした。氏が『現代の眼』の編集長だった時から実に40年ぶりである。
 そんなご縁で、今回、氏が編集長を務める季刊『日本主義』№18(2012夏)の「いま、歴史を読み直す」の小特集「『古事記』1300年と新たな古代史像の試み」において、私は「『古事記』が指し示すスサノオ・大国主建国王朝」を書かせていただき、石飛仁氏は「縄文の大王のあかし-琴と稲の話」を書かれた。
 石飛氏はすでに本誌で「古代出雲の原像を求めて」を連載されていたのであるが、石飛氏が主に出雲からスサノオ・大国主の建国を追究されているのに対し、私は筑紫や播磨、大和、関東、東北など、もっぱら出雲の外からスサノオ・大国主の建国を追究してきた違いや、氏が大国主を縄文の最後の王という視点からとらえられているのに対し、私は弥生の建国王としてとらえている違いがある。
 しかしながら、出雲出身者の氏は全国をルポライターとして歩かれ、吉備・播磨出身の私はコンサルタントとして全国を歩いてきたという現場主義の共通点がある。共に、古代史については門外漢であるが、文献や考古学資料の単なる解釈とは異なる面白い問題提起ができるものと思っている。
 私などは出雲を詳しく知らないし、もっぱら縄文から弥生への転換に興味があって、その連続性への意識が薄かったので、教えられたことは多かった。お互いに意見交換しながら、スサノオ・大国主王朝の建国史を解明していきたいと考えている。

 連載の方は、まだしばらくは再開は難しいが、播磨は帰省のたびに何度も歩いてきているので、不定期にでも書いていきたい。                                                日南虎男(日向 勤)

『古事記』が指し示すスサノオ・大国主建国王朝 目次

  『古事記』が伝えるスサノオ・大国主の建国物語
  「皇国史観」←→「反皇国史観」の二つのフィクション
  「大和中心史観(天皇家建国史観)」から「スサノオ・大国主王朝建国史観」へ
  「霊(ひ)信仰」こそが「古事記」を読み解く鍵
  「欠史16代」と「スサノオ・大国主16代」
  数理統計的分析は「スサノオ・大国主建国」を示している
  「鬼道」=「霊(ひ)信仰」の見直しからの建国史の再構築を


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休筆のおわび

2012-03-30 12:36:09 | 歴史小説
 3・11は多くの人々の運命を変えました。まちづくりを仕事としてきた私は、現地へすぐにでも支援に行きたいと思いましたが、足手まといになることを恐れ、各地で地域防災計画づくりなどに携わってきた経験から、次の巨大地震に備えるための提案をブログで行ってきました。
 また、福島第1原発事故は、私自身の人生を揺るがす大事件でした。
個人的なことで恐縮ですが、ひとり暮らしの母の実家の片づけを行うなかで、父が整理していた父母の年表や家系図、父母や祖父母、曾祖父母の写真などを見つけ、父母それぞれの生涯を示す写真集をつくり、親戚関係にも配りました。その時、びっくりしたことに、叔父・叔母や私の妹夫婦は父が広島に救援にでかけ、2次被曝したことを知らされていなかったのです。
 剛健そのものであった父は、この被曝により、長い間、雨の日などには、「体がだるい」「えろうておえん」といい、仕事を休んでいました。これは、雨が降ると、体がえらくて授業ができないと、授業をやめて広島での被爆体験をトツトツと語ってくれていた高校教師の症状と同じでした。典型的な「ブラブラ病」です。
 私は終戦の年に生まれたので放射能の影響は受けなかったのですが、父母はその後に生まれた妹に影響がでないか、ずっと、心配していました。そして、被曝の事実を周辺には隠し続けていたのです。
 幸い、父は健康には人一倍気を使い、何万人に一人という難病にはかかりましたが、長生きしました。その父の苦しみや苦悩が福島第1原発事故で蘇ってきたのです。同じことが、福島や関東の子どもたち(3人の孫も含まれます)におきる、と心配になりました。
 これは大変だと、3月12日よりブログを書き始め、13~15日には2人の孫を連れて田舎に避難しました。5月から集会・デモに出かけるようになりましたが、たまたま、国際縄文学協会で先輩の上田篤元阪大教授の講演会があり、その時に『原発』国民投票の事務局長の今井一氏の講演もありました。
 そこで、この会の賛同人になり、カンパだけでもと思っていましたが、12月に東京で『原発』都民投票の取組みが始まってからは都内に出かけるついでに少しだけ手伝い、2月から埼玉県内の講演会などの集会に参加し、今は、6月6日までの埼玉県内8万人署名(有権者の1%)のために、最低、週3日は街頭に立って署名活動を行っています。

 このようなわけで、読者の方には申し訳ありませんが、古代史の方は、しばらく、休止させていただきます。今、私の頭の中にあることを書いておかなければ、と気が気ではないのですが、子どもや若者たちの未来の健康や生命のことを優先したいと思います。
 もし、「『原発』国民投票」にご関心がおありでしたら、是非、ホームページをご覧になり、ご署名をいただくとともに、賛同人になっていただければ幸いです。
今後とも、よろしくお願いします。            日南虎男(日向 勤)

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神話探偵団127 養久山古墳群の甕棺や壺棺に葬られた王

2012-02-26 18:27:56 | 歴史小説
養久山古墳第5号墓:中方双方墳(径7m)で、中央に甕棺(直径75㎝×高さ75㎝)、その左右に箱式石棺のような配石墓があった

「記紀や播磨風土記に登場してくる、筑紫ゆかりの王は5名います」
 ヒナちゃんは説明を始めた。
「1人目は、スサノオの子のイタケル(壱武)で、五十猛、射楯とも呼ばれていますが、壱岐生まれの可能性が高いと思います。今日、彼と大国主を祀っている播磨国総社、彼とスサノオを祀っている広峯神社に行きましたが、他には、射楯兵主神社、高岳神社などにも祀られています。
2人目は、大国主の妻の奥津島比売命が、この播磨の西脇市の「袁布(をふ)山」で産んだ阿治志貴高日子根神(あじすきたかひこね:迦毛大御神)と、宍粟市の播磨国一宮の伊和神社に大国主と一緒に祀られている下照姫の一族の可能性です。この下照姫は阿治志貴高日子根神の妹で、天若日子の妃です。奥津島比売命は、沖の島に祀られた宗像一族です。
3人目は、大国主と船でやってきたと播磨国風土記に書かれている火明命の一族です。この養久山のすぐ北の日山の麓の粒坐天照(いいぼにますあまてらす)神社には、天照国照彦火明命が祀られていますが、この火明命の出身地は、対馬の阿麻氐留(アマテル)神社の可能性が高いと思います。記紀などはこの火明命をニニギの兄又は子どもとしているが、私は播磨国風土記の記載の大国主の子どもと思います。
4人目は、大国主に国譲りをさせた天穂日命・天日名鳥命親子の子孫です。記紀は天穂日命をアマテラスの子としていますが、大国主が筑紫でもうけた子どもと考えています。
この天日名鳥命、別名、武日照(たけひなてる)命のずっと後の子孫の野見宿禰が、出雲に帰る途中にこの龍野の日下部里で亡くなり、この地に葬られたとされていますが、この一族は古墳の造営に携わった土師氏で、養久山のすぐ西にも土師の地名が残っています。野見宿禰は同族が住むこの地に立ち寄り、亡くなったと私は考えています。
なお、播磨国風土記では、日下部里は人の姓によって名づけられたとしており、出雲市に日下部の地名があり、出雲国風土記に登場する久佐加神社がありますから、この地に出雲から日下部一族が来たと考えられます。
5人目は、養久山のすぐ北側にある式内社の祝田(はふりだ)神社に祀られている、播磨国風土記に登場する大国主の子の石龍比古命・石龍売命の一族の可能性です。これは、単に神社が近くにあるというだけで、根拠は薄いのですが、可能性として挙げて置きたいと思います」

ヒナちゃんは、やはり答えを用意していた。
「すごい。ゾクゾクしてきたわ。播磨の王達は、出雲と筑紫に深い繋がりがあるのね。明日、養久山に行くのなら、私もご一緒させていただけません?」
 ヒメと同じで、母上も行動力・決断力は抜群のようである。
「是非、地元からも参加して欲しいですね。大歓迎です」
 カントクは女性はいつもウエルカムである。
「明日、養久山から南に下った雛山にも行きますが、ピンク色の阿蘇の凝灰岩で作られた石棺が見つかっています。この地と九州の王達には婚姻関係があり、阿蘇の石を取り寄せたと思います」
 ヒナちゃんは、養久山古墳群だけでなく、「雛山」の古墳にも目をつけていたようだ。
「明日の予定がでてきたところで、そろそろお開きにします?」
 マルちゃんは、ヒメの母上を気遣っているようだ。
「せっかく、盛り上がってきたんだから、もう少し、やりましょうよ。実は、私、あることを思いついたんです」
 ヒメが謎を解いた時にみせるのとそっくりの、キラキラした瞳で母上は皆を見渡した。
「前方後円墳の円墳の部分って、妊娠した女性のお腹の形じゃあないのかしら? その中に、血色に塗られた甕や壺、石棺の中に入れて死者を葬るというのは、女性の胎内に戻す、ということだと思うけど」
 ヒメと同じで、母上の発想は空高く飛んでいる。

※文章や図、筆者撮影の写真の転載はご自由に(出典記載希望)。
※日向勤著『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)参照
※参考ホームページ:霊(ひ)の国古代史研究室(http://www.geocities.jp/hinatsutomu)
※参考ブログ:邪馬台国探偵団(http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/)
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神話探偵団126 縄文人やアイヌは、死んだ子どもを壺に入れて家の入口に埋めた

2012-02-22 23:08:15 | 歴史小説
円墳上に四角に配置された壺と円形に取り囲む丹後型円筒埴輪(作山2号墳:京都府与謝野町)

「縄文時代に、壺に子どもの死体を逆さにして入れ、家の入り口においたこととの関係はどうなのかしら? 梅原猛先生は、あの世から帰ってきた祖先の霊に再び母の胎内に帰って次の子になって生まれて来いという願い、と述べておられますよね」
 マルちゃんが縄文にまで遡ってくるとは、高木は考えてもみなかった。
「縄文人が壺に子どもの死体を逆さにして埋めた、となると、やはり、壺は子宮と考えられていた、ということになるわね」
 ヒメの母上の子宮説には、強力な裏付けができてきた。
「そういえば、梅原猛先生は、アイヌの人たちも、縄文人と同じように、壺に亡くなった子どもを壺に入れ、家の入り口に埋めた、と講演でおっしゃっていましたね」
 ヒナちゃんも同調してきた。
「縄文人はノーパンだったから、女性がその上をまたぐと、子どもの霊(ひ)が、大地から女性の『ヒナ』に再び帰ってくる、と考えられたのかも知れないなあ?」
 カントクもすっかりその気になってきた。
「霊(ひ)が母なる大地の子宮に帰り、再び黄泉帰って女性の子宮=霊那(ひな)に宿るという自然宗教の段階では、壺を子宮に見立てて死体を入れて大地に返していた。しかし、その後、死者の霊(ひ)が神那霊山から昇天・降地するという首長霊信仰の時代になると、壺は地上と天を繋ぐ霊(ひ)の通路として、墓の上に並べられた、という可能性は高いかもしれない」
 長老も納得したようだ。
「そうすると、古墳の上に置かれた壺と特殊器台、円筒埴輪、人物などの形象埴輪は、それぞれ役割が異なる、ということになりますよね?」
 高木は前から気になっていたことを述べた。
「壺は霊(ひ)を天に送り、迎え入れる出入り口、特殊器台は酒を入れた壺や食べ物を死者の霊(ひ)に捧げるテーブル、円筒埴輪は古墳上面の協会を示すもの、形象埴輪は葬送の儀式を表したもの、ということになるかな」
 長老の答えはよどみない。
「それって、どこが発祥の地なのかしら?」
 ヒメの質問はいつも、高木よりワンテンポ早い。
「子どもの死体を壺に入れるのは縄文時代から全国各地にあり、大型の甕棺(かめかん)に入れて大人の死体を葬るのは福岡県の平原遺跡や佐賀県の吉野ヶ里遺跡など北部九州の墓制。特殊器台は吉備型、出雲型、伯耆型、播磨型、伊与型、大和型などがあり、記紀の野見宿禰の記述から見て、形象埴輪は出雲がルーツではないかな」
 長老は教科書的に答えた。
「補足しますと、この播磨のたつの市揖保川町の養久山古墳群からは、甕棺や壺棺が発見されています」
 ヒナちゃんの事前調査は、高木の及ぶところではなかった。
「養久山って、私の実家のすぐ南じゃあない。面白くなってきたわよね」
 ヒメの母上も乗ってきた。
「じゃあ、養久山古墳に葬られている王は、筑紫生まれ、ということになるわね」
 ヒメの質問は止まらない。
「おそらく、母親が筑紫生まれと思います」
 ヒナちゃんはいつも次の答えを用意している。
「ということは、ヒナちゃんは、心当たりがあるということなのね」
 ヒメの推理はいつも鋭い。

※文章や図、筆者撮影の写真の転載はご自由に(出典記載希望)。
※日向勤著『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)参照
※参考ホームページ:霊(ひ)の国古代史研究室(http://www.geocities.jp/hinatsutomu)
※参考ブログ:邪馬台国探偵団(http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/)
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       帆人の古代史メモ(http://blog.livedoor.jp/hohito/)
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2011年 播磨国風土記から大国主一族の建国を解明

2011-12-26 10:47:10 | 歴史小説
 読者の皆様には申し訳ありませんが、今年はこれでクローズさせていただきます。
 今年は、東日本大震災と福島第1原発事故に時間を取られ、遅々たる歩みになってきましたが、着実に「霊(ひ)の国」の解明は進んできています。

 2008年11月より、「スサノオ・大国主一族の建国」をテーマにこのブログを開始しましたが、播磨国風土記を読み進めるうちに、古事記とほぼ同時期に書かれ、江戸時代の末まで秘匿されていた播磨国風土記は、古事記と合わせて、神話時代の古代史解明の鍵となる書であることに気づきました。
 播磨国風土記は、私の「霊(ひ)の国史観」にとって、強力な裏付けとなる書です。
 特に、今年に入り、「ヒメ」の家での酒や肉食、丹を巡っての霊(ひ)信仰についての探偵団の皆さんの議論は、筆者の思惑を超えて、面白くなってきました。今後は、播磨国風土記で、火明命、伊勢都比古、丹生都比売らが大国主の子とされ、コノハナサクヤ比売が大国主の妻とされていること、尾張連の上祖の長日子の墓が飾磨郡にあることなど、ワクワクする謎解きを行っていきたいと思います。
 また、飾磨郡の大野里に「恵多」なる人物を発見したことから、「帆人の古代史メモ」では、差別の起源論を展開するという、思わぬ展開もありました。

 来年も7人の神話探偵団は、この国の真の建国史の解明を続けますので、よろしくご愛読をお願いたします。

2012年の皆様のご多幸をお祈りいたします。         konanhina(日向勤)

※文章や図、筆者撮影の写真の転載はご自由に(出典記載希望)。
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神話探偵団125 「霊(ひ)」を継ぐ「棺(ひつぎ)」と子宮回帰の宗教思想

2011-12-05 20:36:21 | 歴史小説
内部を丹で塗った吉野ヶ里の甕棺

「それじゃあ、古代人がお棺の中を赤く染めたというのは、お棺を子宮として考えていたということになるわね」
ヒメの母親の発想は飛んでいる。
「死者を入れるお棺のことを『ひつぎ』というのは、『霊(ひ)を継ぐ入れ物』だからと考えていましたけど、『子宮』までは考えていませんでした」
 ヒナちゃんは率直に認めた。
「人は女性の子宮から生まれて、子宮に帰っていく、ということはありうるなあ」
 カントクは、やはりすぐに同調する。
「確かに、吉野ヶ里遺跡から大量に見つかった甕棺(かめかん)は子宮を思わせる。しかし、割竹型木棺や、割竹形や長持形、舟形、家形などの石棺をみると、死体を収めたのは、霊(ひ)宿ると考えられた巨木や霊(ひ)を運ぶ長持ちや船、霊(ひ)が宿る家などに変わってきたのかも知れないな」
 長老の解釈に高木は納得できた。
「しかし、血を表す丹が棺の内部に撒かれていたということは、やはり、棺を子宮と考えた名残ではないのかな」
マルちゃんは子宮説にこだわっている。
「前方後円墳は、壺の形を模したものである、という説もあったな」
カントクも同調する。
「甕棺に葬った時代は、人が大地に帰り、大地から再生すると考えられていた黄泉帰り宗教の段階で、甕棺の内部を朱に塗って子宮に見立てたと思います。しかし、霊(ひ)が天にのぼり、再び地上に降りてくる、という宗教思想が生まれると、遺体を霊(ひ)が降臨する山上の巨木や巨石に入れる思想に変わり、甕棺から木棺や石棺に代わったと思います。その棺(ひつぎ)の形は、最初は巨木を割った割竹形とし、石棺になってから長持形や舟形にしたのは、霊(ひ)を運ぶものと考え、家形にしたのは、霊(ひ)が帰ってくる場所と考えたと思います。
従って、この段階では、墳墓の形を子宮型にするということは思想的にありえないと思います」
ヒナちゃんの考えはブレない。
「しかし、霊(ひ)継ぎの場面を再現した埴輪群のある八幡塚古墳は、保渡田(ほとだ)といったわよね。女性の性器の『ホト』が付いた地名が残っているということは、お墓を子宮と考える子宮回帰の宗教思想が残っていたんじゃない?」
マルちゃんの話は、全国どこにでも飛んでいく。
「子宮回帰思想は前方後円墳よりずっと前の宗教思想だから、子宮回帰思想から壺型の前方後円墳ができた、というのは考えにくいね。墓の上での霊(ひ)継ぎ儀式の場と、前王の埋葬場所を分離した、ということだと思うよ」
長老の考えは無理がない。
「墓の上に、壺をずらっと並べる、というのは、天に昇った祖先の霊(ひ)を壺の形の子宮に回帰させようとした、ということは考えられません?」
マルちゃんは食い下がる。
「それは、ありうるんじゃない。底が抜けた壺を並べているのは、天から壺に霊を受け止め、棺に導くという考え方は成り立つね」
カントクは面白い発想に同調しやすい。
「しかし、元々は、祖先霊に捧げるお供え物を置く台や、水を捧げる壺だった、ということはありません? 現在のお墓だって、墓の前に水を置きますよね」
 高木としては、いろんな可能性を検討しておきたかった。
「壺を並べている古墳があるし、壺の底が抜けているというのはどうなの?」
 マルちゃんはネバる。
「雨水が溜まって腐らないように壺の底を抜いた、ということも考えられますよね」
 高木も負けてはおれなかった。

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連載中断のおわび

2011-11-24 09:28:24 | 歴史小説
皆様へ
 最後の残り仕事の報告書作成に集中するため、1~2週間、ブログを休ませていただきます。
 なお、ようやく「霊(ひ)の国史観」の全体像が固まってきたので、「霊(ひ)の国古代史研究所」というホームページを立ち上げ、これまでバラバラに書いてきた5つのブログの目次の掲載を進めています。
 現在、「霊の国:スサノオ・大国主命の研究」「霊(ひ)の国の古事記論」「神話探偵団」の3つをアップし、残りも数日中に完成したいと思っています。
前著『スサノオ・大国主の日国 霊の国の古代史』や、ブログ相互に矛盾するところが出てきていますが、真実に到達するためには、いくつもの仮説を立てて検証しなければならない、と考えております。
 そして、最後に日中の文献、考古学の成果、神社伝承などの全体を矛盾なく説明できる統一仮説によって、古代史の全体を解明したいと考えています。

2011年11月24日
                                日南虎男(日向勤)
<「霊(ひ)の国古代史研究所」のアドレス>
http://www.geocities.jp/hinatsutomu/

<「霊(ひ)の国古代史研究所」の序文>
 高天原神話を絶対視した戦前の「皇国史観」、記紀の神話編を全て無視した戦後の「反皇国史観」に対し、第3の古代史フレーム(パラダイム)として「霊(ひ)の国史観」に基づく「スサノオ=大国主一族による建国」を研究するホームページです。
 2009年3月に『スサノオ・大国主の日国 霊の国の古代史』(梓書院)を上梓し、その頃から、並行して5つの古代史ブログを書いてきましたが、ようやく全体像に迫ってきましたので、このHPを開設し、次の5つの古代史ブログの目次を紹介したいと思います。

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神話探偵団124 「ひな」は「霊(ひ)」が留まるところ

2011-11-22 00:10:42 | 歴史小説
稲を鹿の血に撒いた玉津日女命の話が出てくる讃容郡(現佐用市)の日名倉山

「しかし、生理が流産と同じで、霊(ひ)が流れる、霊(ひ)=血って考えた古代人は、ずいぶん科学的よね」
 ヒメの母上は、やっぱり発想がヒメと同じで、時空を超えて考えている。
「私もそう思います。ヒメとお母様と親子がそっくりなのは、今だと、DNAが受け継がれた、と説明できますが、古代人は霊(ひ)が受け継がれる、と考えたんだと思います」
 若いヒナちゃんも大胆になってきた。
「だけど、男親に似る子と、女親に似る子がそれぞれいるというのはどう考えたのかしら。女性のあそこだけが『ひ』『ひな』というのもおかしいわよね。『血=霊(ひ)』というなら、男性の霊(ひ)はどうなるのかしら?」
 ヒメはいつもながら、容易に納得はしない。
「男の精液も血=霊(ひ)と考えられていたのではないかな? 男女の霊(ひ)が合体する、というように考えたと思うよ」
 長老はさらりと返した。
「そうだと、女性のあそこだけが『ひ』『ひな』というのは、おかしいんじゃない?」
 ヒメは引き下がらない。
「そこまで考えてはいなかったけど、女性のあそこは、もともとは『ひ』じゃあなくて、『ひな』だったんではないかな?『霊(ひ)』が合体して留まる場所、ということで、『ひな』だと思うな」
 長老が話すとエロチックな話も自然になってくる。
「沖縄や鹿児島が『ひー』で、熊本や栃木・茨城が『ひーな』『ひな』だと、『ひー』の方が先にあった言葉と思うけどな」
 邪馬台国九州説バリバリのカントクは、文化は西から東へ進むと思いこんでいる。
「そもそも『な』って、どういう意味なの?」
 ヒメの質問は高木の疑問と同じであった。
「大国主の別名が『おおなむち』と呼ばれ、博多の古名が『那津(なのつ)』であったことや、『奈良』の地名、『鼻(はな)』『彼方(かなた)』『此方(こなた)』『那返(なへん)』の言い方などからみて、『な』は『場所、土地、ところ、国』などの意味があったのではないでしょうか?」
 どうやら、ヒナちゃんはそこまで考え抜いていたようだ。
「霊(ひ)がとどまる場所だから、女性のあそこを『ひな』というのは当然よね。しかし、生理中の女性を遠ざけた、というのはけしからんことよね」
 ヒメの母上は、半分は納得したようだ。
「古代人、縄文人と言ってもいいと思いますが、女性は妊娠して子どもを産むから、尊敬されていたのだと思います。ところが、霊(ひ)が合体しても、子どもが生まれない、霊(ひ)が流れてしまった生理というのは、流産と同じで不吉なこととされたのではないでしょうか?」
 ヒナちゃんはぶれない。
「要するに、霊(ひ)=血は神聖だけど、流れてしまった霊(ひ)は不浄とみなされた、と言うことよね」
 マルちゃんがまとめに入ってきた。
「動物の血で稲を発芽させる、田に血を播いて稲を育てるってことは、女性の子宮に精液=血を撒く、ということと同じだった、ということなね」
 ヒメの母上は、ヒメの推理、類推よりも鋭い。高木は親子の霊(ひ)の法則を強く感じたのであった。
「それって、縄文なのかしら、それとも、弥生時代に中国から入ってきた考えなのかしら?」
 ヒメは母親を超えて、疑問を持つ領域幅が大きい。
「縄文人の霊(ひ)思想があって、そこに稲作が入ってきた時に、田んぼを子宮と同じように考えたので、動物の血を播く、という発想になったのだと思います」
 ヒナちゃんがそこまで考えていたとは、高木は脱帽する他なかった。

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神話探偵団123 「霊(ひ)」と「日」と「火」

2011-11-12 14:29:08 | 歴史小説
たつの市の日山に祀られている天照国照天彦火明命を祭神とする粒坐天照神社

「確かにね。血が再生の力を持っているのに、生理中の女性が遠ざけられた、というのはどういうことかね」
 カントクはいつものように、女性の発言にはすぐにオウム返しで同調する。
「出雲では、女性が妊娠すると『霊(ひ)が留まらしゃった』と言います。一方、生理は、霊(ひ)が流れた、のと同じと考えられ、タブー視されたのではないでしょうか?」
 カントクの「オウム返し」と較べて、ヒナちゃんはいつも見事な「ツッコミ返し」である。
「そういえば、茨城では『ひがえり』と言っていたけど、霊(ひ)が女性のお腹の中に留まらないで天に帰る、ってことになるわよね」
 マルちゃんは、全国各地のことに一番詳しい。
「沖縄や鹿児島では、女性の性器を「ひー」と言うんだな。熊本では「ひーな」だけど、これも霊(ひ)からきているのかもしれないな」
 カントクは九州に詳しい。
「そういえば、栃木県や茨城県では女性のクリトリスを『ひなさき』というよね。『ひな』が女性の性器を指すとしたら、クリトリスは『ひな』の先、先端ということになるわね」
 酔ってきているので、マルちゃんは大胆になってきた。
「平安時代の和名類聚抄では、吉(きち)と舌(した)の漢字で、『ひなさき』と読ませています。他には雛人形の雛と尖端の尖の字や先の字を組み合わせて、『ひなさき』に当てています」
 ヒナちゃんはお酒ですこし赤くなった顔で平然と言ったが、高木はヒナちゃんのヌード姿が思わず浮かんできて、気が気ではなかった。
「角林文雄氏は『アマテラスの原風景』という本で、『霊(ひ)が留まる』から人(ひと)になり、霊(ひ)が留まって生まれた子どもが『霊(ひ)子』であり『霊(ひ)女』である」という説を述べていたけど、『ひー』や『ひーな』、『ひなさき』については知らなかったなあ」
 長老にとっても、新しい発見のようだ。
「これまで、『ヒナちゃん』と気易く言っていたけど、熊本や栃木・茨城ではこれからは呼びかけにくくなるなあ」
 カントクらしいカバーだ。
「いいじゃない。雛人形だって、これからは色っぽくなって楽しいわよね」
 いつもながら、ヒメの発想はゼ~ンゼン論理的ではないが、ツボは外していない。
「竜野の実家から南に少し下った御津町に『雛山』という小さな山があるし、実家のすぐ南にはたつの市のシンボルの『日山』って山があるけど、エロチックでいいわよね」
 ヒメの母上は、ヒメと発想がそっくりで驚いてしまう。
「明日、その『雛山』と、『日山』の麓の天照国照天彦火明命を祀る粒坐天照神社(いいぼにますあまてらすじんじゃ)も訪ねる予定なんですよ」
 高木は明日の予定を紹介した。
「それじゃあ、弟の義輝に案内させますよ。私たちが通った竜野高校の隣ですからね。樹、あとで私からといって、電話しておいてね」
 あまりにもうまく話がつながるので、高木は正直、びっくりしてしまった。
「太陽の『ひ(日)』と燃える『火』の『ひ』、祖先霊の『霊(ひ)』、この3つの関係について、出雲国造家の末裔で出雲大社宮司の千家家は、『日』と『火』は『霊(ひ)』である、と述べているけど、今日のみなさんの話でますます面白くなってきたなあ」
 長老がえらく乗ってきたのは、酒のせいだろうか。


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神話探偵団122 「猿と犬と鶏」は霊(ひ)を運ぶ神の使い

2011-11-01 16:16:25 | 歴史小説
出雲市の西谷3号墓:200年頃に作られた四隅突出方墳の説明文。墓には朱が敷き詰められ、墓上に4本柱の建物を建てて祭祀が行われていた。


「そういえば、日本人は猿や犬を食べないわね。中国や韓国、インドや東南アジアの人々が食べるのに不思議だわね。向こうに旅行にいくとびっくりするわね」
 どうやら、何にでも疑問に持つヒメの遺伝子は、母親譲りのようだ。
「大山咋(オオヤマクイ)神を祀っている、比叡山、元は日枝山の麓の日吉大社では、猿は神の使いよね」
 マルちゃんは大津市の仕事もしたことがあるようだ。
「そういえば、前に、幼名を日吉丸といった豊臣秀吉は、この日吉大社につながりがあることもあって、猿と呼ばれた、というような話があったなあ」
 カントクはよく覚えていた。
「三輪山の麓の大神大社は、『大神(おおかみ)』と書いて、『おおみわ』と読ませるのが不思議だったけど、犬の先祖は『狼(おおかみ)』よね」
奈良を舞台にした推理小説を書いているヒメは奈良をよく知っている。
「山に住む狼は、山頂に降り立った祖先霊=大神を運ぶ動物だから、『大神』と言われるようになった、というのを聞いたことがあるなあ」
 カントクも乗ってきた。
「天理市にある石上神宮では、鶏が神の使いになっていたわよ」
 マルちゃんは全国で仕事をしているので、各地の神社には詳しい。奈良県の葛城生まれであったが、高木は狼や鶏など考えてもいなかった。
「675年、天武天皇は4月から9月の間、牛、馬、犬、サル、鶏を食べることを禁止している。牛と馬は農作業に欠かせないからわかるが、犬とサル、鶏を食べることを禁じているのは、これらの動物が神の使いと考えられていたからではないかな。ヒナちゃんは、当然、知っていたと思うけどね」
 専門家だけあって、長老は詳しい。
「桃太郎の家来が、犬とサルと雉なのも、関係ありそうだわね」
 ヒメの母上は、ヒメと同じで、いろんなものを結びつけてくる。
「強い鬼、祖先霊に守られた王と戦うために、桃太郎は犬とサルと雉に、自分の祖先霊を運ばせて、一緒になって戦った、ということなのね」
 ヒメの推理のテンポは早い。
「神社の入り口に鳥居が置かれているのは、ここに祖先霊を運ぶ鳥が留まる場所と考えられていたからだと思います。問題は、猿がなぜ神の使いになるのか、ずっと謎でしたが、播磨国風土記でその謎が解けたんです」
 ヒナちゃんは出雲生まれだが、播磨国風土記から多くのヒントをえていたようだ。高木は、これまで1地方の播磨国風土記なんて気にも留めていなかったけど、播磨国風土記は古代史の謎を解く鍵になるかも知れない、と思うようになってきた。
「なるほど。猿の顔が赤くなることから、猿が霊(ひ)の世界の動物とされた、というわけなんだな」
 カントクも納得したようだ。
「緋色は火の色ではなく、霊(ひ)の色、霊界の色だったというわけね」
 ヒメの母上にとって、これからはスカーレットは、血の色のイメージになりそうである。
「古墳から丹が大量に発見されるのは、王の死体が血の上に置かれ、血を降りかけられた、ということだと思います」
 ヒナちゃんの推理には無理がない。高木も同じ事を考えていた。
「鹿や猪の血で、稲を発芽させ、育てる、という発想と同じ、赤色は再生の意味があるということね。カグツチの血や死体から多くの神が生まれた、という神話と同じだなあ」
 ヒメは推理小説の新しい発想を考えついた時の、いつもの顔をしている。
「死体を治める棺を『ひつぎ』というのは、『霊(ひ)を継ぐ入れ物』というヒナちゃんの説は、棺の中に丹が撒かれていた、ということで納得できたね」
 カントクはいつも女性の意見には真っ先に同調するが、今回は心底、納得したようだ。
「しかし、そうなると、女性の生理が忌み嫌われた、というのはどうなるのかしら?」
 ヒメの母上は、ヒメと同じで突っ込みが鋭い。

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神話探偵団121 丹色は再生の色

2011-10-15 06:16:34 | 歴史小説
天理市柳本の崇神天皇陵近くにある黒塚古墳:木棺の死体部分は丹(水銀朱)で、周辺はベンガラで赤く塗られている

本文が重複して掲載していましたのでカットします。ご迷惑をおかけしました。日南虎男(111201記)

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神話探偵団120 『丹色の研究』

2011-10-12 10:28:29 | 歴史小説
写真は保渡田古墳群の八幡塚古墳の埴輪群(王に巫女が酒を捧げ、兵士や力士が守っている)

「丹を矛や船、服に塗って戦うって、まるで源平合戦の平家みたいだけど、どういう意味なの? 鳥居や神社の柱も赤く塗っているわよね」
 ヒメの母上の質問は、ヒメと似ている。
「コナン・ドイルの『緋色の研究』になってきたわね」
 推理小説家のヒメにとっては、赤は緋色になってしまう。
「緋色って、『風と共に去りぬ』のスカーレットよね。情熱の火の色、火色よね」
発想が飛躍する親子問答になってきた。
「昔、歌声喫茶で、緋色のサラファン縫いながら♪♪♪って歌もよく唄ったわね」
 どんどん、昔話に入ってきた。
「そういえば、『赤』という漢字は、『大』と『火』からできている、『大』の字は両手・両足を開いた『人』の形からできたって習ったなあ」
 カントクの時代の教師って、今と違って、漢字や漢文の素養があったのかもしれない。
「壬申の乱の天武天皇の軍も赤旗です。柿本人麻呂は高市皇子の挽歌で、皇子の旗が野焼きの赤い火のように靡いた、と詠っていましたから赤=火だと思います」
 万葉集に親しんできた高木も一言、付け足すことにした。
「そういえば、各地の火祭りは、火が悪霊を祓う、という考えではなかったかな?」
 カントクは、高木の財団の仕事で、『火祭り』の記録映画を撮っていたことがあったことを思い出した。
「普通、赤=火と考えられていますけど、私は赤=血=霊(ひ)色と考えています。血は祖先霊を表し、赤色の矛や船、服で戦うというのは、祖先霊に守られた『霊(ひ)』の軍ということだと思います」
 ヒナちゃんから、思いがけない説が出されたが、そういわれてみると、霊(ひ)信仰はこの探偵団のメインテーマだったけど、高木はそこまで思いつかなった。
「若御毛沼命、後の神武天皇の皇后のホトタタライスキ比売は、大物主が丹塗りの矢に化けて、便所の水路を流れてきて、大便をしているセヤタタラ比売のホトを突いて生まれた、とされていましたね」
 高木も同じことを考えていたが、マルちゃんの発言の方が早かった。
「それって、処女の血が大物主の矢に付いた、ってことじゃあないかしら。そうすると、丹って血のことになるわよね」
 ヒメの母がいうと自然で、説得力がある。
「大物主=大年神の子の大山咋(オオヤマクイ)神を主人公として、京都の上賀茂神社に同じような丹塗矢伝説がありますね。時代からみて、こちらの伝説から、ホトタタライスキ比売の物語ができたと思います」
 マルちゃんは、京都にも詳しい。
「埴輪に顔を赤く塗っているのがあったけど、それも血を表しているのかしら?」
 小説家のヒメは、一度見た物や写真を忘れないで覚えていて、いつでも文章にして描くことができる。
「埼玉県の保渡田(ほとだ)古墳群の八幡塚古墳の前に、埴輪群が復元されていたけど、王と王に酒を捧げる巫女、兵士や力士は、顔を赤く塗っていたね」
 カントクは、埴輪の映画も撮っているから、全国の埴輪を見ている。
「その場面は、古墳の前方の方壇上で行われた、王の霊(ひ)継ぎの儀式を再現したものだと思います。死んだ先王の霊(ひ)を受け継ぐために、霊(ひ)人として、顔を赤く血の色で染めていたのではないでしょうか」
 ヒナちゃんの霊(ひ)信仰論は首尾一貫している。
「そういえば、清酒(すみざけ)はキリスト教のワインと同じで、スサノオや大国主の霊(ひ)のお酒、という事だったし、鹿の血で稲の苗を育て、猪の血を田に播いて稲を育てるのは、黄泉帰りの再生儀式、という話もあったわね」
 ヒメの母も記憶力はすごい。
「テングの赤いお面も同じなのかしら?」
 ヒメはさらに想像を先へ先へと膨らませている。
「血を顔に塗ることは、霊人()=神になることだと思います。古墳の前方部で、次王は霊人()として先王の霊(ひ)を清酒で体内に取り込み、地上に黄泉帰って王になったのだと思います。その儀式に関わる人たちは、みな、顔を赤く丹で染めたと思います」
 ヒナちゃんは、ここでも、答えを用意していた。
「赤い顔のサルが神の使いとされるのも同じかしら?」
 ヒメの発想はいつも飛んでいる。

※文章や図、筆者撮影の写真の転載はご自由に(出典記載希望)。
※日向勤著『スサノオ・大国主の日国―霊の国の古代史』(梓書院)参照
※参考ブログ:邪馬台国探偵団(http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/)
       霊の国:スサノオ・大国主命の研究(http://blogs.yahoo.co.jp/hinafkinn/)
       霊(ひ)の国の古事記論(http://hinakoku.blog100.fc2.com/)
       帆人の古代史メモ(http://blog.livedoor.jp/hohito/)
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