ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

「縄文ノート192 ピラミッドは神山天神信仰の人工神山」の紹介

2024-05-08 16:37:44 | ピラミッド

 はてなブログに「縄文ノート192 ピラミッドは神山天神信仰の人工神山」をアップしましたので紹介します。https://hinafkin.hatenablog.com/

 昨年の12月14日のTBSの「ピラミッドの真実!5000年の封印を破る鍵は太陽の船と科学とツタンカーメン」を見て、私は「縄文ノート158 ピラミッド人工神山説:吉村作治氏のピラミッド太陽塔説批判」(230118)を書き、「果敢にエジプトで発掘を続けた吉村作治早大名誉教授は昔から大好きな学者ですが、氏のピラミッド説には『半分賛成、半分批判』」と書きました。

 賛成なのは「ピラミッドは王の墓ではない」「ナイル川中流の『王家の谷』は、ピラミッドに近いような富士山型の山があり、人工のピラミッドを作る力がなくなった王家が集団墓地として選んだ」という点であり、批判点は「ピラミッドが太陽のエネルギーを集め、周辺の墓を守る役割をしていた」という太陽信仰説、ピラミッドパワー説です。

 私は白いクフ王のピラミッドや上が白く下が赤いメンカウラ―王のピラミッドは「母なるナイル」の源流域の万年雪を抱く「月の山」ルウェンゾリ山や「神の山」ケニヤ山、「神の家」キリマンジャロを模した人工の山と考えていたからです。

 今回、連休に4月10日の「NHK:古代王国バラエティー なんだフル!? ピラミッドとミステリーサークル」を見ましたが、吉村さんはピラミッドが王の墓ではないことを再度、詳しく解説しています(NHKオンデマンドで見ることが可能)。

 ただ、「ピラミッド・パワー塔」から「ピラミッドが寺院の五重塔のような宗教施設」との説に変えている点は、「半分賛成、半分異議あり」です。

 わが国には天皇家が仏教を国教とする以前に、スサノオ・大国主一族の全ての死者の霊(ひ)を祀る「八百万神信仰」があり、死者の霊(ひ)は神名火山(神那霊山)や神籬(霊洩木)、神社や住宅の心御柱(心柱:大黒柱=大国柱)から天に昇り、降りてくるという宗教思想が縄文時代からあり、ピラミッド=神名火山(神那霊山)説をまず考えるべきではないでしょうか?

 4600年前頃のクフ王のピラミッドより古い4700~3600年前頃の長野県原村の阿久遺跡の環状列石の中心部の立石からの2列の石列はコニーデ火山の蓼科山を向いており、隣りのさらに古い6000~5500年前頃の茅野市の阿久尻遺跡の巨木方形柱列の建物もまた蓼科山を向いています。この縄文時代からの神名火山(神那霊山)信仰は紀元1・2世紀に百余国を統合したスサノオ・大国主の葦原中国(あしはらのなかつくに:筆者説「委奴国:ふぃなのくに」)に引き継がれ、現代に続いているのです。

 この阿久・阿久尻遺跡にみられる神山天神信仰はエジプトだけでなく、全世界の古代文明に共通しており、ピラミッドはこの神山を人工の神山として築いたのです。

 そして重要な点は、この神山天神信仰はアフリカ東部湖水地方の母なるナイルの源流域にある万年雪を抱く「月の山」ルウェンゾリ山・「神の山」ケニヤ山・「神の家」キリマンジャロをルーツとしているのです。エジプト文明に水と肥沃な土壌をもたらした「母なるナイル」はこれらの神山を水源としているだけでなく、彼らの祖先霊が宿る神山から流れ下っていたのです。

 古代の全世界の神山天神信仰と神山を模したピラミッドは「東アフリカ湖水地方の神山天神信仰」をルーツとしていたのです。縄文文化・文明研究から「神山天神信仰・ピラミッド東アフリカ湖水地方起源説」を世界に向けて明らかにすべきと考えます。

 本ブログの「スサノオ・大国主建国論」としても、八百万神の霊(ひ)信仰の神名火山(神那霊山)崇拝を縄文文化・文明論に遡って位置づけるととも、世界の神山天神信仰とピラミッド信仰の解明に役立て、八百万神信仰の世界遺産登録を目指すべきではないでしょうか? 

 また、若い考古学者にはクフ王墓の発掘に情熱を燃やす吉村作治氏に習い、スサノオ・大国主一族の王墓の発見・発掘を進めることを期待したいと思います。私はスサノオ王墓の場所は解明できませんでしたが、大国主王墓は文献と遺跡からその場所をほぼ絞り込むことができたと自負しています。 雛元昌弘

 

□参考□

<本>

 ・『スサノオ・大国主の日国(ひなのくに)―霊(ひ)の国の古代史―』(日向勤ペンネーム)

 ・『邪馬台国探偵団~卑弥呼の墓を掘ろう~』(アマゾンキンドル本)

 ・『奥の奥読み奥の細道』(アマゾンキンドル本)

<雑誌掲載文>

 2012夏「古事記」が指し示すスサノオ・大国主建国王朝(『季刊 日本主義』18号)

 2014夏「古事記・播磨国風土記が明かす『弥生史観』の虚構」(前同26号)

 2015秋「北東北縄文遺跡群にみる地母神信仰と霊信仰」(前同31号)

 2017冬「ヒョウタンが教える古代アジア”海洋民族像”」(前同40号)

 2017冬「スサノオ・大国主建国論1 記紀に書かれた建国者」(『季刊山陰』38号)

 2018夏「スサノオ・大国主建国論2 「八百万の神々」の時代」(『季刊山陰』39号)

 2018夏「言語構造から見た日本民族の起源」(『季刊 日本主義』42号)

 2018夏「スサノオ・大国主建国論3 航海王・スサノオ」(『季刊山陰』40号)

 2018秋「『龍宮』神話が示す大和政権のルーツ」(『季刊 日本主義』43号)

 2018冬「海洋交易の民として東アジアに向き合う」(前同44号)

 2019春「漂流日本」から「汎日本主義」へ(前同45号)

<ブログ>

 ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート https://blog.goo.ne.jp/konanhina

 帆人の古代史メモ          http://blog.livedoor.jp/hohito/

 ヒナフキンの邪馬台国ノート      http://yamataikokutanteidan.seesaa.net/

 霊(ひ)の国の古事記論       http://hinakoku.blog100.fc2.com/

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする