ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

シンクロニシティ

2010-07-20 07:25:27 | Weblog
意識上では好きと思っていることが、本当は嫌いというややこしい脳の働き
のようです。そして、同時に違う所で同じ事を思う、考える人間。それは
人だけではなく、動物にも起こる不思議な現象は、知る人ぞ知るものです。

大分県の猿山の猿が、ある日サツマイモを洗って食べ始めました。
新しい事に挑戦するのは、子猿、若いオス猿、メス猿だそうです。
徐々に広がったその行為。100匹辺りになる頃、日本のあちこちにある
猿山で一斉に同じ現象が起きたのです。

心(頭)の中で、歌っていると、その続きを一緒にいる人が続きを歌う。
電話をかけると話中、後でその人もこちらを呼び出し中だったなど等。
シンクロニシティ現象です。いわゆる偶然の一致、共時性と言います。
これは意味のある偶然ですが、意識ではわからないものです。
そこに至るまでは、気の遠くなる私達ホモサピエンスの長く重要な歴史が
あります。

生物が、水の中から誕生して、進化を遂げた事が裏にあるのです。
魚・両生類・爬虫類・哺乳類・猿・人。
この過程で得て(体験して)きた知識が、あのらせん状形態のDNAの中に、
共通して納められ、全人類が持っているものです。

そこに、同じ思考、行動が異なる場所で起きても、何の不思議はない事に
驚きます、事実として。ニュートン、ワット、ベル、他、彼等の発見
発明は、タッチの差で他の人も発表していた事を知りません。
およそ、発明や新案は、ほぼ同時に複数の人が考えることが、このDNAの
働きで知ることが出来るのです。まさにシンクロニシティです。
太古から始まった記憶は、現代の人にも受け継がれ、ここに至るまでの長い歴史で
得られたものは又、子々孫々へ繋がっていく、なんて壮大な、ロマン
溢れる人類の歩みでしょう。

幾多の困難を乗り越え、少しでも快適な生活を送れるように、私達の祖先は
汗を流し、完成を目指して、夢の実現へ、苦しくとも充実の時間を過ごして
きたことは間違いのないことでしょう。
その結果が、その集大成が、今の人類に他ならないのですから、なんだか
胸がキュンとする、過去の祖先達に思わず感謝したくなるような気持ちに
なるあたくしです。想像を絶する魚から始まる祖先達の困難の末に今の私達が
いるのです。
「お互いに頑張って来たね」って、肩を叩きたくなるような、共通の歴史を
持つのです。

そして、不思議な事に、各分野で成果を残す人に共通するものに、
「この上ない幸福感を味わう瞬間がある」とアブラハム・アズローが言う、
宇宙との一体感を感じる時があった、もっと違う言い方なら、至高経験
(ピークモーメント)の体感があるのです。ひらめきの瞬間=空白の瞬間。
宗教では、神の思し召し、神の導きーーー他者からの働き、生かされている。
心理学では、あくまでも個人の無意識(共通意識=集合的無意識)から起こる現象
と捉えます。他者からの働きかけではなく、個人の内側から湧き出るものと。
そのアズローは、自分の主張(心理学上の)を、常に肯定しながら乗り越えて
新しい理論を構築した人です。

好き?そう思いたいのかもしれません。
無意識の自分、古い大脳皮質がストレスに悲鳴をあげていることに気付かないで
いるのかもしれません。そこにはいつも他者の目を気にしている自分、固定観念に
縛られている自分がいるのかもしれません。
ちょっと解放させたいですね。大事な、多くの祖先から受け継ぐ人生ですもの。