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蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

お・も・て・な・し

2013-09-23 | スポーツ
マンガ家って、ほんとに凄い能力の持ち主だなあと思う。特に、ギャグマンガ家。

彼はまず、画家である。
作家である。
コメディアンである。
ジャーナリストである。

どれもその分野で、一流の器量でなければならない。でないと売れない。なんせマンガ界は圧倒的な買い手市場だもんね。たとえ売れても、日々成長していく感度と能力がなければ、すぐに見捨てられる。

これだけの多重才能の持ち主だもの、優れたマンガ家の観察能力、批評能力は並みの評論家を大きく超える。その1例を、先日たまたま見かけた。とり・みきさんの「いや、勝ったのは我々ではない。」という記事。前置きが長すぎて少々閉口するが、そこはこらえて読み進んでいくと、ハッとする指摘に出会う。

IOC総会における滝川クリステルの、あのプレゼン。いまさらながらだが、墓参りじゃあるまいし、日本人が挨拶で合掌したりするか、っつーの。ホントだよな。オレだって70年生きてきて人に合掌されたの、某新興宗教の人と会ったときの一回きりだよ。早く墓に入れ、と言われてるのかと思った。

ただまあ、ここまでなら誰でもあのプレゼン見て思うわな。しかし、これが「外国人にウケる“理想的な日本人像”の」全力トレースと指摘するのが、とり・みきさんの鋭いところだ。

さらに、最後の決めゼリフが超鋭い。

「そして7年後、きっと我々は街中で見るような気がする。
 それまで、そんなことはしなかった日本人達が、外国人の観戦ツアーや取材メディアに対して、喜んであの平仮名5文字を口にしながら手を合わせて拝んでいる姿を。」

日本人の迎合性、付和雷同性、思考停止型協調性をこれぐらい的確に指摘した文章って、滅多にないんじゃないか。

五輪招致

2013-09-07 | スポーツ
100年以上の歴史を持つ英科学誌Natureが、フクシマの汚染水漏洩に強い懸念を訴えているそうだ。東電と安倍政権の対応を強く批判しているという。

海洋汚染は止めどなく世界に広がるんだから、当然の批判だろう。イギリスや水産物禁輸の韓国に限らず、あらゆる国が原発事故発生以来の不安に駆り立てられているはずだ。

そのさなかにJOCの竹田委員長は、「東京は福島から250キロ離れてるから大丈夫」と能天気丸出しの答弁をやって各国の記者をア然とさせた。空気が読めないとは、この人のことだね。

ウィキによれば、こいつ旧華族出身のセレブだそうだが、むかし志村けんがやっていたバカ殿様を地で行ってるのと違うか。

東京の五輪招致はこれで落選と決まったようなものだが、その元凶はバカ殿様よりも、やっぱり汚染水対策を後回しにした政府と隠蔽体質の東電だろうな。責任者はハラを切れ。

それにしても、ひとたび事故が起きれば、原発は後始末に天文学的数字の時間と労力と費用が掛かると判明したのに、なおも再稼働と原発輸出に励む安倍って、どういう神経してんのかね。インドなんか、原発事故の対策は輸出国の全額費用負担を条件にしてるんだよ。

4000本

2013-08-23 | スポーツ
昨日は、何年に1回もないような一日だったよなあ。イチローの4000本に藤圭子の飛び降り。

五木寛之が言ってるとおり、藤の恨み節はショッキングだった。あんなに荒んだ、出刃を逆手に握って迫ってくるような歌は他にあんまり聴いたことがなかった。アマーリア・ロドリゲスの「暗いはしけ」を初めて聴いたときも仰天したが、それは暗さに驚くというより、歌のうまさに驚いたのだった。

ンなわけで驚くには驚いたが、藤圭子を聴き続けたいとは思わなかったねえ。取り立てて、うまい歌手じゃなかったし。なんせ当時は、ちあきなおみに青江三奈、超絶うまい歌手の全盛期だ。藤は何度か聴くと、猛々しさがハナについた。なんかワザとらしい。

彼女のプロデューサーだかマネジャーだかが「放っとくと、どんどん明るくなってしまう」とこぼした、とかいう話をどこかで読んで、決定的に冷めてしまった。でもまあ、一世を風靡したことは事実だし、一時代を画した歌手であることは間違いないと思うよ。

彼女が活躍した1970年前後といえば、全共闘へのシンパシーが次第に冷めつつある時代だった。新左翼への幻想は極左だけじゃなく、一般市民も共有していたのだ。それが内ゲバの頻発その他で、次々裏切られていった。

その失望感(五木じゃないから、ルサンチマンなんて実感の湧かない言葉は使いません)を藤圭子が掬い取っていたのもまた、間違いないだろう。だから、あさま山荘事件というトドメ以後、彼女はほとんど聴かれなくなった。

それにしても、なんで飛び降りなんかを。

代わって、こちらは健全そのもの、イチローの4000本。世界で3人しか達成していないってんだから、すごい。元同僚の田口壮が、天文学的数字と言っていたけどね。

悔しいことに報道ステーションのコメンテーターに先に言われてしまったが、イチローの本当のすごさはしかし安打数よりも、石のように硬いボールを打ったり捕ったりするゲームで22年間、大した怪我をしなかったことだろう。きわめて厳格な体調管理を自らに課していることは、あの体脂肪率の低さからも想像できる。

でもイチローがここまで成績を残すことができたのは、意識の上で日の丸を背負ってないからじゃないかな。オリックス時代、彼は日本のスポーツ・ジャーナリズムを毛嫌いしていた。メジャーに移ってからも松井と違って無愛想を貫いた。で散々バッシングされ、スポーツ紙しか読まないアホがいまもケチな嫌味をネットに書き込んでいる。

低俗レポーターの視点は一つだけだ。“日本人”が外国にどれだけアピールしてるか、どれだけ受けてるか。そんなのに一々付き合っていたら、個を潰されてしまう。それをイチローは、はっきり知っている。国民栄誉賞の辞退も、多分それが理由だろう。

イチローといえば、目に焼きついてる光景がある。メジャー初年度のオフ、彼は地元シアトルの小学校を訪問した。歓声を上げる子供たちの中に入っていき、床に腰を下ろした。すると、一人の小学生が座席を跳び出してイチローの首っ玉にかじりついた。イチローは笑ってその子を抱きかかえた。先鞭をつけた勇敢な子はすぐ席に戻ったが、他の子供たちがわれもわれもとイチローにすがりついた。

あの子たちも、いまではいっぱしのビジネスマン、一家の主になっているかも知れない。彼らの胸の中には、いまもイチローに触れた思い出が生きていることだろう。民間外交のお手本。

あれ以上見事に日本のイメージアップをやった外交官て、いるかね。少なくとも、戦後の日本に。

あっ、こういう見方が一番いかんのか。

野球関連でもう一つ、個人的慶事を言わせてもらうと、7月中“逆転のロッテ”から“逆転負けのロッテ”へと化していたチームが、ここんとこ6カード連続勝ち越し。ついには18得点のサンドバグ打撃をやってのけた。今日からの楽天との3連戦で首位奪還も不可能じゃない。

昨日はホント、特別な一日でした。フクシマの汚染水300トン漏れ発覚に比べれば、ものの数にも入らないが。

本田の眼

2013-06-05 | スポーツ
W杯出場が決まっただけで、なにも優勝したわけじゃないんだから喜ぶのはまだ早い気もするが、何はともあれめでたい。始まる前はブルガリア戦の嫌な余韻が残っていて、先制点をとられた時にはアーやっぱり、とか溜息が出たけどね。

それにしても、日本はなんでこうオーストラリアに勝てないんだろうねえ。いくら大男揃いとはいえ、GKなんか40のジイさんだよ。

しかし本田はやっぱりケタ外れのアスリートだね。前日帰ってきたばかりで、ときおり体が重そうに見える瞬間があったが、試合の勘所は絶対に外さない。

最初のフリーを蹴る前だったか、彼が審判と話をしているときの目の光にはのけぞってしまいましたよ。ケンカしてるのかと思った。ギラギラ光る目玉が飛び出しそうな勢いだったもんね。

過去を振り返ってみても、あんな凄い眼ヂカラはマリア・カラスのそれぐらいしか思い浮かばない。カラスは同世代の歌手に対してライバル意識むき出しだったが、本田も香川がイングランド・プレミアに移籍したときは記者会見で嫉妬とライバル意識をむき出しにしていた。

ケタ外れの人間は、言動もケタ外れだ。

諸行無常

2013-06-02 | スポーツ
何が気持ちいいって、巨人入りにこだわって我を張ったピッチャーがガンガン打たれるぐらい気持ちのいいことはない。沢村とか菅野とかね。

開幕当初はぶっちぎりで優勝一直線だった巨人が、ここへ来て4連敗。昨日は菅野で負け。しかも相手は、地味で小粒な選手ばかりのロッテだよ。あー痛快。

菅野って、いいピッチャーだとは認めるが、なんでああ見た目に不愉快なのかね。

開幕前の予想じゃ、せいぜい5位がいいとこだったロッテが6連勝。実際、4月は連敗に次ぐ連敗だったが、いまじゃリーグ首位、交流戦首位だもんね。あー痛快。

もっともロッテは去年もオールスターまでは首位、ペナント終えてみれば5位だったけど。

ところで大谷翔平って、誰かに似てる気がしていたが、昨日思い当たりましたよ。ジョニー黒木。ジョニーはいま日ハムのコーチをしているから、彼がマウンドに行くと親父が息子を指導してるみたい。

しかし騒がれる子ってのは、やはり可愛げがあるよな。菅野と対照的。

騒がれたと言や、かつては斎藤佑樹だが、いま何してんだろ。去年の開幕投手だよ。