蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

握手会

2014-05-27 | 社会
どうも納得いかないねえ、AKBの受難。事件が起きてからじゃ遅い、って常識だと思うんだけど。

ひばりに硫酸ぶっかけたり、レノンを射殺したり、ファンの中には凶暴な人間もいるってことぐらい、秋元康はじめAKBをプロデュースしている連中が知らないはずないだろ。

なんでいまさら、青天のヘキレキみたいに。

聞けば、AKBの人気を支える重要なイベントが握手会で、「会いに行けるタレント」が彼女らの売り文句なんだってね。秋葉原事件を起こした通り魔みたいなヤツも、ラクに接触できるわけじゃん。事実、そうなった。

握手会でメンバーと握手をするには、CDに封入された握手券を持っていなければならない。つまり、握手会はCDの売り上げと連動している。

なんか、売り上げ増進のためならメンバーの女の子を危険にさらしても、って感じだね。なんでプロデューサーやレコード会社は批判されないわけ?

それとも、用心ばかりじゃカネ儲けはできんよ、てことかね。原発再稼働と同じで。

女の子の方も、アイドルになれるんなら多少の危険は平気平気、とか思ってたりして。歌で勝負、なんてレベルじゃないことは重々承知してるから。ま、握手やってるのはAKBだけじゃないらしいけどね。

あと、事件が起きたからユーキャンがAKB出演のCMを自粛、てのも分からない。ASKAの事件とは違うんだからさあ。
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『美味しんぼ』

2014-05-19 | 福島原発
がバッシングの集中砲火を浴びたあげく休載だと。版元の小学館いわく、「表現のあり方について今一度見直します」。

この最大手出版社は、掲載号の発売前に問題のエピソードのゲラ刷りを環境省へ送ったというから情けない。ジャーナリズムの権利放棄ではないか。

安倍が「風評防止に全力を挙げる」などと作者への脅しに近い言説をまき散らしているのは、原発再稼働推進の政府方針から見て少なくともスジが通っている(賛成してるわけじゃないが)。しかし、福島県知事を始め、原発事故の犠牲者というべき人々が一斉にマンガを批判しているのが理解に苦しむ。

双葉町の前町長が「実害だ」と断言しているのに、双葉町自体は抗議している。どういうことだ。

「風評被害が増す」「科学的根拠がない」……。だけどさあ、これってクサいものにフタ、と違う? それよりも、福島住民の健康の方が大事なのと違いますか。

もしも被曝によって少しでも体調に変化の表れた住民がいるなら、徹底的に原因を究明すべきだろう。曖昧にしたままでは、住民の不安は決して解消されない。『美味しんぼ』は、そのきっかけを提供した。なのに、なんで寄ってたかって叩きつぶさなきゃならないんだ。

被曝の健康被害はない、と言い張るのはどう考えても不自然だ。国も県も大手メディアも、ムリヤリそう信じ込ませようとしているけどね。福島県の調査でさえ、甲状腺ガンを患う子供たちは50人に達した。

住民の本音とおぼしい声を、19日付けの東京新聞オンライン版が報じている。「表現に配慮がないと憤るよりも、口にできなかった不安が描かれていることに共感が勝った双葉町民がいる」

こういうことを伝えるのが、ジャーナリズムの使命だろう。日本の報道の自由度は今年、世界で59位に下がったそうだが、ジワジワ国家主義体制が強化されていることを嫌でも実感するね。
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於染久松

2014-05-15 | ステージ

かつて6人の俳優が寄ってたかってボブ・ディランを演じる奇抜な映画があったが、歌舞伎には一人の役者が複数の役を演じる趣向がある。通称『お染の七役』で知られる出し物がその一つ。なにしろ、恋人同士のお染と久松まで一人で演じてしまうんだから、ハチャメチャである。『東海道四谷怪談』を書いた鶴屋南北の作。

これが前進座の恒例、国立劇場五月公演の舞台に掛かっている(21日まで)。主演は無論、当代最高の女形、河原崎国太郎である。4年前、この人が演じた悪婆(悪女)ものの『切られお富』の面白さといったらなかった。強請に行った帰り、相手が買ったばかりの草履を行き掛けの駄賃に履いて帰るところなど、いま思い出しても笑いがこみ上げる。

一人で何役も演じ分けるカギは、早替わりという歌舞伎のケレンの一つだ。カツラと衣装の素早い交換で、するりと別のキャラに成り代わる。瞬時に替わる衣装のあざやかな色調の対照も見所だ。

もちろん、見掛けだけ替えればいいのではない。異なったキャラの性格的オーラを役者はきちんと演じ分けなければならない。国太郎は開幕早々、おぼこのお染、金も力もない色男の久松、しっかり者の奥女中、色っぽい芸者に次々早替わりする。そのたびに立ち居振る舞いと声音がガラリと変わり、もう客席は大喜びである。

ほんの数十秒の間隔で別人になりきり、ステージの上手や下手や、果ては客席の後ろから出てくるのだから、ほとんどサーカスに近い。舞台裏は、さぞ大変だろう。

しかし、いちばん輝いて見えたのは、やっぱり強請に押しかける悪婆に扮したときだった。2幕で登場する娼婦上がりの大年増、土手のお六である。国太郎は自分の声音でもっと低い音域を使って凄みを出しながら、どこか間の抜けたお六の憎めない悪女ぶりを誇張の嫌味なく表現する。

終盤、恋人たちの逢瀬はさすがに早替わりだけでは物理的に無理で、吹き替えが使われるが、その虚構も観客は承知の上でニヤニヤ笑いながら楽しむ仕掛けだ。

大詰めは、お六と捕り手の様式化された大立ち回り。こういう華やかな幕切れを見ると、プリマドンナの大掛かりなアリアで締めくくるベルカント・オペラと歌舞伎の相似性を認識せずにいられない。

去年の五月公演は生まじめ一方の真山青果で、ちょっとシンドかったが、歌舞伎はやっぱりこういうぶっ飛んだ脱論理、脱倫理じゃないとね。めっちゃ面白いです。
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消費増税1か月

2014-05-02 | テレビ
昨夜のNHKニュースウォッチ9、高級食材を使って味もいいが値段も高い「セレブ」なんとかというメニューがファミレスで大人気、客の大半が注文すると報じていた。百貨店でもブランド・ファッションがバンバン売れて、増税どこ吹く風。消費増税の悪影響などまるでなかったかのような、これでもかの演出だ。

ほう~、不況不況と言いながら皆さんカネがあるんだねえ、と感心していたら、今朝の東京新聞オンライン版は「新車前年割れ 百貨店・家電大幅減」の大見出し。NHKとは逆に、高額品の売り上げの落ち込みが大きかった、と伝えている。自動車業界なんか、非常に厳しい、受注がいつ回復するか分からないと言ってるそうだ。

どうなってるんだと思ったら、朝日のオンライン版に「NHK会長『公平性は番組ごとに』」の記事。どうりで。「(税率が)上がって困ったというだけではニュースにならない」「買いだめは無意味だと伝えるべきだ」などと理事会で発言したそうだ。

「公平性」とは要するに、安倍の施策に反する報道は正反対の意見で毒抜きしろ、てことだろ。

これまでもNW9を見たあと報道ステーションに切り替えたら、そうか、NHKの報道はオブラートにくるまれてたんだと気づくケースが時々あったが、もはやオブラートを使う手間も省いて露骨な世論操作を始めたわけだね。

週刊新潮に認知症ではないかと書かれた籾井会長は、自分の個人的見解を放送に反映させることは断じてないと謝罪放送で発言したが、そのことを早くも忘れているらしい。理事会での発言が報道現場への介入でなくて何だ。やっぱり新潮の言い分は正しい?

受信料を払わずに批判するのは正しいやり方じゃないからオレは当分支払いを続けるが、会長辞任を要求して支払いを凍結する市民が増えてるのは当然だろう。言論の危機だもの。
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