蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

鉄砲玉

2015-08-28 | 政治
詐欺まがいのカネ集めで週刊誌にバッシングされ、自民から離党した武藤ナントカなる若手議員、民主党政権のころは当時の滋賀県知事の下でダム建設反対とか、リベラルを気取ってたんだったね。

それが、民主の凋落に伴ってコロリ自民に鞍替え。安倍人気に乗って当選し、さらに安倍もしくは日本会議の歓心を買おうと過激なタカ派発言。

なんという節操のないミズテン男かとあきれるが、事情はそれほど単純でもないらしい。

東洋経済によると、もともと出馬予定だった自民の本命候補が政治資金スキャンダルを起こしたので、世間の逆風が吹き止むまで、地盤のしがらみがないよそ者の武藤が埋め草に使われたんだと。

てことはつまり、この男が離党する羽目に追い込まれたのは、埋め草の役目が終わったから放り出されたってこと?

と考えると、つじつまが合うんだよなあ。なんで右派メディアの文春が、安倍チルドレンの一人を叩きまくるのか不思議だったけど。これ、間違いなく自民筋からのリークだろ。

鉄砲玉として若手を使い捨て。哀れだね。10年前の小泉チルドレンの杉村某みたい。無節操なオッチョコチョイの身から出たサビではあるけどさ。
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『海の生き物が発する音だけで音楽を作ったら』

2015-08-21 | 文化
というサイトをグノシーが見つけてきてくれて、これちょっと感動しました。下関の水族館のプロモビデオ。

随分むかしのこと、クジラの歌とかいうLPが発売されたことがある。クジラの鳴き声を録音し、適当なピッチの音をつぎはぎして人間が作ったメロディにはめ込んだものだった。なんの曲だったか忘れたが、だれでも知ってる既存の曲を、あら~、クジラが歌ってるよ、てんでビックリさせる趣向だった。

つまり、クジラの親子や仲間同士のコミュニケーション行動に敬意を表したものではない。いかにもアメリカのエコ原理主義者が思いつきそうなゲテモノで、だから聴いて面白くもなんともなかった。

上記のビデオも、動物の出す音を人間が自分の都合で利用してるのには違いないが、しかしここにはなんか自然への敬意が感じられるんだよね。動物たちの生命力への讃歌っていうか。

なにより、既存の曲に当てはめるんじゃなくて新しい曲を作り出していることに意義がある。生命の活動=創造。その事実を端的に物語る作品、と言えるんじゃないか。

細かいカット割りの映像も、生き物の無垢な行動の美しさをよく表している。

ところで、競技場建設白紙撤回に続いて公式エンブレムのデザイナーに盗作疑惑がゾロゾロ。これぐらいケチのついたオリンピックも珍しいよな。恥だよ。返上した方がええんちゃう?

いっぽう安倍の戦後70年談話、オレは意外と否定してないんだよね。安保法案にはぜったい反対で街頭署名しまくってるが。

なぜかというと、以下の文言があるから。

「百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました」

イギリスがインド、パキスタンで、フランスがカンボジア、ベトナムで、オランダがインドネシアで何をやったか、これまで誰も指摘しなかったじゃん。うんと遠回しの当てこすりにせよ、日本の首相が公式談話で西欧を批判したのは初めてだよ。

韓国への謝罪が足りない? ある程度しょうがないよ。世界遺産登録時の約束反故で日本じゅうを激怒させちまったもん。あれは、ない。
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『南の島に雨が降る』

2015-08-13 | ステージ
故・加東大介の不朽の書に基づく芝居がこの夏、3劇団によって上演されている。その内、端役の隅々まで演技に安定感のある前進座の舞台を観た(12日、三越劇場)。第2次大戦中ニューギニアに駐屯した兵士たちが、戦場で人情芝居を上演する話だ。

結論から言うと、ソツなくまとまっている感じ。補給路を断たれた兵士たちの悲惨さを強調する一方ではなく、軍隊組織の非人間性を強調するばかりでもなく、適度に滑稽な味付けをしてメッセージ性とエンタメ性のバランスを取っている。

たとえば、節劇(って、地方歌舞伎みたいなもん? 浪曲に合わせて演じられたらしいが)出身の兵士が、どうしてもクサい演技から抜け出せないシーン。女形の兵士が着物の上にスカートを巻き、日本舞踊とフラメンコのごちゃ混ぜで「酋長の娘」(私のラバさん 酋長の娘/色は黒いが 南洋じゃ美人……)を踊るシーン。この幕切れは特に秀逸だった。

といっても、そこは前進座だから、どこかカミシモを脱ぎきれない雰囲気は残るが。

飢えと熱病と敵軍の空襲が続く過酷な環境で、兵士たちは砂漠で水を求めるように、ささやかな娯楽、というより癒しを素人芝居に求める。ジャングルを越え、ワニの河を泳ぎ、4日間歩きづめで観劇にやってくる。

その切ない心情がより切実に伝わってきたら、並のレベルを突き抜けた舞台になっていたと思う。しかし正直なところ、もう一つ物足りない。この辺の事情がすべて、セリフで説明されるだけだからだろう。

その点は、先日亡くなった加藤武さんのプログラムに寄せた文章(遺筆?)が胸を打つ。加藤さん自身も出演したテレビドラマ版では、視力を失った兵士が手を伸ばして舞台に降る紙の雪をまさぐったそうだ。兵士は雪国出身だった。こういう細かい演出は、舞台では物理的に無理ではあるんだけどね。

話変わって、マスコミOB会が出した安保法案のアンケートに対し、自民以外の首相経験者中、野田佳彦だけが無回答。やっぱりね。自民系が無回答なのは不思議でも何でもないが。

民主党政権の息の根を止め、安倍自民圧勝の地均しをしたこの男、間違いなく霞が関から永田町に送り込まれたトロイの木馬だった。
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