蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

パイオニア

2019-01-29 | 朝鮮半島
パイオニアが香港ファンドの完全子会社になるんだと。さびしいねえ。山水、ラックスに続いて、オーディオの名門が次々日本から消えていく。

パイオニアは、いまではカーナビ大手などと報道されているが、20世紀後半は高級オーディオの代名詞だった。オレが使っていた同社製のレコードプレーヤーは、40年使用してビクともしなかった。だからもう1台ほしくなったとき、迷わずパイオニア製の中古を選んだ。無論、音がいいからでもある。

社名どおり、同社は進取の気性にも富んでいた。オーディオ・ブームが起きる前すでに高音質のスピーカーやアンプを製品化し、ビデオディスクが一般化する前にレーザーディスクを発売し、薄型テレビが普及する前に高画質のプラズマテレビを発売した。

しかし、新種の商品の開拓には莫大なコストが掛かる。だからパイオニアの商品は、どれもこれも高価だった。レーザーディスク・プレーヤーなんか、初期製品は有機ELテレビの初代機と同じぐらい高かった。当然、売れない。

パイオニアが苦境に陥った主因は、日本の長い不況なんだろうけど、同社の革新性が裏目に出たためとも言える。冒険や賭けは、景気がいいときなら失敗してもダメージを取り戻せる。「失われた20年」には、そういうわけに行かなかった。高度経済成長時代の体質を引きずってしまったことが、パイオニアの不幸だったのかも知れないね。
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#僧衣でできるもん

2019-01-08 | 社会
僧衣を着て運転してはイカンと福井の僧侶が県警に反則切符を切られて、多くの坊さんが逆ギレ。僧衣姿で縄跳びやらボールのリフティングやらドラム演奏やらバック転やら、さまざまな隠し芸をネットに投稿しまくる事態になった。

まあ、坊さんが跳んだりはねたりの事態そのものはなんだか微笑ましくて頬が緩んでしまうが、ここはやっぱり県警の判断の方が正しいと思うよ。オレは一切の公権力に生理的に反発してしまうタチだけど。

大昔、ディズニーの安全運転キャンペーンで、平素は路面を這っているアリを踏んづけないよう気遣うほど心優しいブルートが、車に乗り込んでハンドルを握った途端、悪鬼の形相のオオカミに変身し、歩行者や他の車を蹴散らして無謀運転に突入するという短編アニメがあった。

生身のヒトにはありえない移動スピードを可能にする車は、一種の麻薬だ。スピードの快感に酔い痴れた人間は、理性を失ってしまう。そのことは、高速でのあおり運転が後を絶たないことからも明らかだろう。

車は麻薬にもなれば兇器にもなる。その使用に最大限の制限を掛けるのは当然だ。僧衣を着てても縄跳びできる、なんてのは論点のすり替えに過ぎない。

大体、運転に支障を来していなかったから反則金を払わないって、本来モラルの手本であるべき宗教人のやることかね。それなら「運転に支障を来していないから」酒気帯び運転もいい、という理屈になるではないか。
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