蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

『アンパンマン』

2014-02-28 | 社会
のアニメを無断上映していた大阪の父子を逮捕。フィルムを車に積んで、北海道から鹿児島まで回っていたんだと。

これ、間違いなく著作権法違反の犯罪です。悪いことです。分かってます。でもさあ、なぜか憎めないんだよなあ。

いまやDVDだのブルーレイだのが氾濫してる時代だよ。いや、こういうパッケージ・ビデオも時代遅れになって、テレビをネットにつなげば即座に観たい映画が観られる時代だよ。

体育館か公会堂か知らんが、ある程度の人数が入れる会場を借りて、あるいは暗くなってから空き地にスクリーンを張って、フィルムを映写機に掛けて……って、そんな古典的なやり方で上映会やってモトが取れたのかね。

逮捕された父子、カネ目的だけでやってたのかなあ。

オレが小さかったころ、娯楽はラジオと映画しかなかったから、小学校の講堂や校庭で開かれる映画会には大人も子供もぎっしり詰めかけた。使い回しのフィルムはキズだらけで画面には縦縞のノイズがしょっちゅう入り(これを「雨が降る」と呼んだ)、フィルム交換のたびに、つまり約10分おきに上映が中断した。

それでも薄汚れた白布の上でチラチラ人影が動くと、みんなワクワクした。映画とは、それぐらい当時の人々の関心を占め、心を奪っていたものだった。

ウディ・アレンの映画で(『ブロードウェイのダニー・ローズ』だったかな)、ゴム風船を捻って人型を作ってみせる芸人なんかが出てくるのがあった。もちろん、そんな芸にはもはや誰も見向きもしない。そういう時代遅れの売れない芸人に対する慈しみにみちた映画だった。

無断上映の父子、映画という前世紀のメディアに郷愁があったんじゃないか。みじめな境遇には落ちても、かつてのエンタメの王様に対する愛情は失ってない。そんな気がするんだよね。とんだ買いかぶりかも知らんけど。
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「大事なときに必ず転ぶ」

2014-02-25 | 社会
なんか自民の大物がまた、袋叩きに遭ってますなあ。しかしだね、これって日本人が密かに思ってたことなんじゃないの? 思ってたけど、口に出すのは憚られた。それを、あ、言っちゃったあ。

森喜朗なる古ダヌキを弁護するつもりはサラサラないし、アスリートとはいえ20代前半の若い女性に対してあまりに心ない発言、とはオレも思うが、少なくともピストル所持の犯罪者が神になっただの、中国に対抗する軍隊を作るだの、背筋が凍るような発言に比べりゃ無邪気なもんじゃん。

森や古賀誠や野中広務といった自民の長老たちは現役時代、左派メディアからさんざん攻撃された。特に一言居士の森は首相時代、あまりに叩かれるものだから記者のぶら下がり取材にいっさい返事しなかった。首相の動静を伝える新聞のコラムは、いつも「…」の連続だった。

しかし、彼らの言動を振り返ってみると、一定の良識というものがあったんじゃないかと思う。少なくとも長老たちは戦争と戦後の悲惨さをリアルタイムで知っているから、日本が戦前の帝国レジームに逆戻りすることだけは極度に警戒していた。

国家主義体質を隠そうともせず、数の横暴を絵に描いたような国会運営を続け、着々と憲法無視の方向へ突き進む安倍政権を、彼らが批判するのは当然だ。その批判は、おそらく左派のそれよりずっと効き目がある。

メディアも言葉尻に目くじら立てるより、こうした健全保守を援護射撃すべきなんじゃないかね。敵は本能寺にあり。
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代作

2014-02-07 | 社会
障害者を侮辱した、被爆者の心を傷つけた云々と、天を怖れぬ大罪みたいな騒ぎだが、これって、たとえば公共放送の経営委員が特定の候補者を応援したり、極右の犯罪者を賛美したりする以上に有害なこと?

贋作、代作なんて、美術や文学の世界には数え切れないほどある。別にホメられることじゃないけどね。専門家でもだまされたケースは枚挙にいとまがない。シェークスピアなんか、全部が本人の作かどうか、いまだに論議があるぐらいだ。

こういうとき、当事者のバッシングだけじゃ飽き足らなくて、作品を褒めた評論家なんかも叩くヤツが必ず出てくる。やだねえ。まるで、自分だけは初めからインチキが分かってた、みたいに。何様のつもり?

わたしゃどっちかというと、iPS細胞詐欺の森口某と同じ人間の哀れを覚えたね。エラそうに、上から目線で非難する度胸などはございません。

耳が聞こえない作曲家、なんて見え見えの売り込み方はオレも浅ましいとは思うけど、格好のネタだってんで飛びついたマスコミも、かなり心根が卑しいんちゃう? 話題の人に祭り上げといて、そのあげくにネタばらしのスキャンダルでまた稼ぐ。いつものパターン。

ユゴーの『レ・ミゼラブル』を読んだ人は知ってると思うが、17~18世紀のパリには「奇蹟小路 Cour des Miracles」と呼ばれる一角があった。街頭で物乞いをする貧民たちの住んでいた地区だ。

目を病み、足の不自由な物乞いたちがこのスラムに戻ってくると、アーラ不思議、ケロリと目が見えるようになり、杖を捨ててスタスタ歩き出すので「奇蹟」の名がついた。

今度の騒ぎは、要するにこの程度の問題だろ。
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孤立

2014-02-06 | 自公政権
NHKの新会長が、秘密保護法は通っちゃったから言っても仕方がない、従軍慰安婦問題は解決済みだ、云々と言えば、経営委員は新聞社に乗り込んで拳銃自殺した極右を賛美し(日本は拳銃所持自体、犯罪なんじゃなかったかね)、あるいは街頭でヘイトスピーチを展開する。

この連中、安倍の「お友だち」なんだそうだけど、安倍がNHKを牛耳ろうとしてるのが、いよいよ露骨になってきたね。狙いは無論、言論統制。国民のマインド・コントロール。

昨夜のニュースウォッチ9は、新会長の失言記者会見に続いて経営委員の問題も見事にスルーした。国民の受信料で運営されてる自覚あんのかよ。

安倍の国家主義体質も、昨年暮れまでは中韓が非難するだけに留まっていた。それが靖国参拝でアメリカ政府が「失望」を表明し、安倍カラー人事でBBCが警鐘を鳴らした。“アメリカの産経” FOXニュースまでが、靖国とアーリントンを一緒にするなと怒った。

次々馬脚を現すにつれ、安倍政権は世界から孤立しだしている。これって、第2次大戦前夜の国際情勢とそっくりじゃん。安倍の言う第1次大戦前じゃなくてさ。

安倍さん、アンタが世界中から嫌われるのはアンタの勝手だが、われわれ国民を巻き添えにするのだけはやめてくれよな。

ところで、田母神応援の百田とかいうNHK経営委員が「人間のクズ」と罵倒した対立候補には当然、自民が推す舛添も含まれるんだろうが、安倍支持の都民有権者、どっちへ投票するんだろうね。困ったね。
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キスでお目覚め

2014-02-02 | 文化
これ、今朝の朝日の見出しだよ。「お姫様細胞」だってよ。天下の朝日が。STAP細胞関連の続報がこの始末。

日本にはゴシップ新聞しかないのかって書き込みがネットにあるが、言われてみればその通りだよなあ。

あのニュースはヨーロッパや中国、韓国でも報道されたが、いずれも発見の科学的意義の説明に重点が置かれていて、発見者が若い女性であることなどは二の次だそうだ。もちろん、割烹着を話題にしている記事なんか1件もなし。

そんなこと言いながらオマエ自身、おととい浮き浮きしてるとか書いたばかりじゃないか、って叱られてしまいますが、あれ過ちですね。なんかヘン、と思いながら、めでたい報せに水を差すのが嫌で「悪いと言うんじゃなくて」などと書いてしまった。

でもやっぱり、あれはいかん。特に「あの人美人です」はいかん。反省してます。

ただまあ、リケジョなどという身の毛のよだつほど軽薄なセクハラ用語を使わなかった節度だけは汲んでやってよ。

今後マスコミが小保方先生の研究の邪魔をしないことを切に祈ってます。
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