蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

DSDレコーダー

2013-04-24 | 音楽
DVDレコーダーじゃないよ。SACDの規格で録音できるオーディオ・レコーダーだよ。サンプリング周波数をSACDの倍の5.6MHzまで設定できるから、理論上はSACDよりもっといい音で録音できる。

教えてくれたのは、先々月のレコード芸術に載った新忠篤氏の記事だ。新(あたらし)さんはオレの知るかぎり、SPやモノラルLPなど古い音源のCDトランスファーでもっとも確かな技術とセンスを持った人である。

新さんの復刻CD(正確にはCD-Rだが)は、歌手の顔が見えるんじゃないかと思うぐらい生々しくヴォーカルが目の前に浮かび上がる。なのに、耳障りな刺激音はいっさい出ない。SP音源だから当然ノイズはあるが、楽音とすっきり分離しているので邪魔にならない。

要するに、磨り減っていない良質のSPをクレデンザなど最高級の蓄音機で掛けたときの音なのだ。ノイズを削りまくったあげく人工的に倍音を加えてギスギスのヒステリックな音にしてしまったメーカー製の復刻CDとは、まったく次元の異なる音である。

その新さんがCD規格のPCM録音に愛想を尽かして、SP復刻をDSD録音で全部やり直すことにしたというのだから、オレは心穏やかではなくなった。

実はオレもCDの音が嫌いで、CDレコーダーとADコンバーターを使って手持ちのLPをせっせとCD-Rに焼いたりハードディスクにコピーしたりしていたのだが、やっぱりPCMには不満があった。メーカー製の復刻CDよりはマシといっても、元のLPと比べると、どうしても音が痩せてしまう。ような気がする。

それがDSD録音だと、ディジタルでありながらアナログと変わりないというんだから、これは買わずにいられないじゃありませんか。で、買いましたよコルグMR-2000S。



プロユースのスタジオ機器だから、アマにはちょっと使いにくい。リモコンはないし、録音レベルの設定に一々メニュー画面を呼び出さなきゃなんないし(LPって、音量レベルが1枚1枚違うのだ)、曲のファイルサイズが1GBを超えると自動的に分割されるので繋ぎ直す必要があるし、まー辛抱がかなり要る。

しかし、音はさすが。辛抱の甲斐がある。LPの潤いが全然失われない。ような気がする。

以来ひと月あまりダビングに熱中しているが、全部やり終えるまでに一体何年かかるかねえ。プレーヤーやアンプの寿命がもつかどうか。いや、そんなのは買い直しがきくからいいが、オレの寿命がもつかどうか。
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金融緩和

2013-04-20 | ステージ
浜矩子って経済学者は「ムーミン」のリトルミーみたいな仏頂面のオバハンで、も一つ取っつきにくいが、昨夜の報道ステーションでは日銀の金融緩和政策を遠慮なくぶった切って痛快だったね。

「バブルという毒をもってデフレの毒を制そうとする危険な賭け」
「律儀な市民を危ない賭場に誘う詐欺」
「所得が増える保証は何もなく、あわよくばの話」

歯に衣着せないとは、このことだ。日銀批判が即、安倍内閣批判になっている。内閣の高支持率(明らかに分不相応な)を全然こわがってない。今いちばん歯切れのいいモノ書きの青木るえかでも、ここまではズケズケ言えないんじゃないか。彼女はエコノミストじゃないけどさ。

株高、円安で儲かるのは企業だけ。その企業は、儲けをほとんど内部留保で貯め込んで経済の活性化に生かさない。

いつだったか、老人の貯金に課税してカネを遣わせろと橋下ヒトラーが主張していたが、バカ言うんじゃないよ。葬式用に取ってあるトシ寄りの虎の子をむしり取る前に、300兆に達するとかいう企業の内部留保にこそ課税すべきだろ。

公共投資乱発、国の借金ウナギ登り。これが通称アベノミクスなる手品のネタだ。かつて十数年前、オブツだのオダブツだのと呼ばれた小渕政権が採って財政不健全化の原因を作った金融政策のデッドコピーだ。

そのツケがいま、社会保障の行き詰まり、消費増税という形で国民に回ってきている。安倍政権のバブル政策のツケは、これからの若い世代が支払うことになる。その若い世代がのんきに安倍支持なんだから、滑稽というか哀れというか。

しかし浜さん、顔に似合わぬド派手なオシャレが笑わせてくれるね。志茂田景樹を思い出すよ。あれほど下品じゃないにせよ、やはりある種の効果を狙ったものだろう。
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三國連太郎

2013-04-16 | ステージ
訃報以上に、佐藤浩市の記者会見の弁がすごかったね。録画しときたかったよ。

「ひどかった。世間の父親のような会話は出来ない。僕と彼のあいだにあったのは、役者ということだけだったんで、世間一般の人に理解してもらえるような父親像は語れないです」

これ、人間・佐藤浩市が精いっぱい誠実に絞り出した言葉じゃなかろうか。通り一遍の追悼談話なんかより、よほど胸を打たれた。

役者は、役を演じ切ろうとすればエゴに徹さざるを得ない。三國もそうだが、田中絹代も老人を演じるために健康な歯を抜いた。大滝秀治は役にふさわしい服を着ている人物を見かけると、だれかれ構わずその服を譲ってくれと迫るので、追い剥ぎ秀治と呼ばれていた。

香川照之は3歳の時に家族を捨てた父の先代・猿之助に会いに行ったら、何しに来た、おれを父親とは思うな、と追い払われたそうだ。家族のしがらみが芸の邪魔になる、と猿之助は考えていたらしい。

三國は、相手役の女優が恐怖するぐらい役にのめり込む俳優だった。当然、芸以外の配慮はゼロに等しかっただろう。家族を顧みない、どころか母親と離婚してはるか年下の女へ走った父・三國に、佐藤は香川同様、強いわだかまりがあったはずだ。時々顔をゆがめながら懸命に実のある言葉を語ろうとする姿が、内心の葛藤を如実に物語っていた。

佐藤の会見を見ていたら、普通と次元の違う極限状況で命をすり減らすプロの業(ごう)、みたいなものを垣間見た気がしたね。父子ともに、並みじゃない。
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消費税還元セール禁止

2013-04-13 | 消費税
ほうら始まった。

自民党はもともと、袈裟の下に鎧がチラチラ透けて見える政党だった。防衛庁を省に格上げしたのは現首相だったよね。あのときは病気で降板したと言い張ってるが、タカ派体質が国民に嫌われたことを忘れちゃいけない。

セールに「消費税還元」を謳い文句にするのを法律で禁止するって、どういう神経だよ。日本は北朝鮮かよ。

昨日の東京新聞によれば、一票の格差訴訟で相次いだ違憲判決に対して、司法は選挙制度に口出すな、格差があるからけしからんという声は聞いたことがない、とも言ってるそうだ。中谷元とか土屋正忠とか、どれも自民の代議士だよ。

「けしからんという声」があるからこそ、全国で違憲訴訟が起こされてるのではないか。何を言っているのだ。開き直りもここまで来ると、言葉を失うね。

参院選の争点は「憲法改正」だって? 冗談じゃない。「言論の自由」だよ。
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農業対策費

2013-04-10 | 自公政権
自民が参院選公約で、TPP交渉参加の見返りに農家の所得5割増だって? マジかよ。

いまオレの住んでる関東中部の田舎町には、本瓦の屋根に手入れの行き届いた庭木のお屋敷がズラーッと並んでるが、みんな農家だよ。その上、また補助かよ。

経済学者の大前研一が、日本は農業・米への影響を騒ぎすぎだとニュースレターに書いているが、同感だね。

それによれば、ガット・ウルグァイ・ラウンドの補償に投じられた農業対策費は、1986~94年の8年間で6兆あまりにのぼったそうだ。そういえばあの当時、海外へ行くと、どこでも観光ツアーの農協団体がのし歩いていたもんだ。

かつて自民党政府が大票田の農家に投じた6兆あまりの税金はゼイタク三昧に消費されて、日本農業の国際的競争力強化には使われなかった。農家がTPP反対と騒ぎ立てるのはカネが欲しいからとしか思えない、と大前さんが言うのはもっともだね。

農家の皆さんと一緒になって、オレもTPPに反対しましょ。彼らのゴネ得を許さないために。参加しなきゃ、補償も必要ないじゃん。
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