蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

抵抗という文化

2016-11-30 | 社会
韓国の大統領って、日本で言や天皇と首相と最高裁長官と財務相を合わせたぐらい権力の一極集中なんだってね。それを退陣に追い込むんだから、民衆パワーの凄さまざまざ。

光州事件をはじめ、あの国は抵抗抵抗抵抗の連続だね。権力者に対しては右も左もない、軍人出身の全斗煥もリベラルの金大中も左翼の盧武鉉も、最後は容赦なく不幸不名誉な事態に追い込まれてる。

韓国の権力者は、さぞかし気の休まるヒマがないことでしょうなあ。ちょっとしたきっかけで民衆の怒りが大爆発を起こす。朴槿恵サン、いまや集団サディズムの血祭りだもんね。

ひるがえって、この国ではどうだろう。原発再稼働、秘密保護法、普天間移転、安保法制、駆けつけ警護、年金抑制法案……何もかも、政府のやりたい放題。

来日中のノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチさんが、いみじくも述べた。「日本社会には抵抗という文化がないように感じる」

日本の権力者はラクでラクで、毎日ウハウハなんじゃないかね。

民衆も、同じくらい幸せなのかな。
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『ハミルトン』

2016-11-21 | 文化
ミュージカル『ハミルトン』の出演俳優を、トランプがツイッターで「ハラスメントだ」「謝れ」と脅してるんだと。

観劇した次期副大統領に俳優が要望をアピールしたからだそうだが、なんとケツの穴の小さい。相手は、たかが俳優だよ。一国の、というか西側世界のリーダーのやることか。

アピールした俳優が今後、嫌がらせを受けることがなければいいが。

というのも半世紀前、同じアメリカで黒人歌手アーサ・キットの受難があったからだ。

ベトナム戦争中だった当時、アーサはホワイトハウスで時のジョンソン大統領夫人に反戦を訴え、以後10年間、米ショービジネスから閉め出された。

その時の会話がウィキペディアのアーサの項に掲載されているが、別に無礼でもなんでもない常識的な内容だよ。『ハミルトン』の俳優のアピールが、ごく当たり前の要望であるように。

「セ・シ・ボン」を英仏語ちゃんぽんで歌って大ヒットさせたり「ウシュクダラ」をいんちきトルコ語でカバーしたり、果ては「証城寺の狸囃子」まで歌って一人ワールドミュージックをやっていたアーサは、上手くはないが、ケレン味たっぷりのとんがった持ち味がちょっと面白い歌手だった。

フランスは、こういう異端者をもてはやす。で、アーサは活動の主舞台をヨーロッパに移して不遇の10年を切り抜けた。アメリカで不遇だったマイルス・デイヴィスが、フランスで食ってたのと同じ。

要するに、SMAPを公開処刑した日本の芸能界とアメリカのショービジネスは、その前近代性において大差ないわけです。いや、社会の前近代性、と言うべきかな。

トランプ大統領を実現したアメリカ白人のメンタリティをカントリー音楽から論じた川崎大助さんの記事、ディープ・アメリカの前近代性を鮮やかに切り取って読み応えあり。
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ヒョウタンから駒

2016-11-12 | 国際
トランプって、自分でも大統領なんかになるつもりじゃなかったのが見え見えだね。オバーマと会見したときの神妙なツラ、あれ間違いなくこれからドナイショウって、狼狽の顔つきだよ。

金持ちのドラ息子が、カネはもう掃いて捨てるほど儲けたし、テレビで名前も売ったから今度は名誉がほしくなった。で、道楽で出馬して、どうせシロウトが当選するワケないと、いっさいの気兼ねなく放言しまくったらヘンに受けて当選しちまった。

才能の枯渇したセルジュ・ガンズブールが、テレビ出演中に500フラン札を燃やして見せたりホイットニー・ヒューストンに "I want to fuck you" と言ったりオナラをレコーディングしたり、破れかぶれでメチャクチャやって人気を博したのと同じパターンだね。

大統領の重責を担うことになって、今いちばん泡食ってるのはトランプ自身に違いあるまい。

え、貧富の格差拡大? え、中国の攻勢? え、地球温暖化? え、北朝鮮の核ミサイル? 対策って、そんなの知らないよ。どうすりゃいいんだよ。

いざ政権を握ってみれば、選挙中、自分が吹いたホラがどれもこれも実現不可能な大風呂敷だったことを嫌でも思い知らされる。

で就任後、約束したこととやってることが違うじゃないか、てんで頼りの白人保守層からも支持を失い、海千山千の古ダヌキ議員に牛耳られてお神輿のご神体状態に陥り、4年後には政界から放り出される。これがもっともあり得るシナリオだろう。

FBIは多分、民主党政権の継続を断つためにヒラリーのメール問題を投票日直前に蒸し返した。政権が共和党に移ったら、用済みのトランプはお払い箱になる。

世界は4年の辛抱だが、その間に中国がどれだけ勢力を拡大することか。勢いに乗じて尖閣奪取に実力行使、なんて事態が発生しないことをひたすら祈るよ。

商売人のトランプが、というよりアメリカ自体が、巨大マーケットの中国を敵に回して日本の肩を持つワケないから。
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ゲス大統領

2016-11-09 | 国際
え。ウソ。まさか。

イギリスのEU離脱どころの騒ぎじゃない。世界に与える影響の大きさが比べものにならない。って、オレごときが吠えても仕方ないけどさ。

アメリカの社会矛盾は、ここまで煮詰まってたのか。貧富の格差がすさまじい勢いで拡大してるとは聞いていたけど。

一握りの超富裕層の外側で、膨大な数のアメリカ人が指をくわえて彼らのゼイタクざんまいを眺めている。ヒリヒリ肌を焦がすような、その置き去り感が人々をトランプ支持に向かわせたって話だが。

でもそれって、日本でも同じじゃない? 弱者貧者への配慮がエスタブリッシュメントに欠けてる点も含めて。

電通社員が過酷な労働環境に自殺したら、どっかのドアホ大学教授が「月100時間程度の残業で自殺とは情けない」と、耳を疑うような非常識を発信する。狂ってる。

いずれ、日本でも予想を超える大変動が発生するんじゃないかね。大きな社会不安を引き起こすような変動が。

トランプは口先だけだから大統領になっても何もしない、したくても出来ない、という予測もあるらしいが、問題はそういうことじゃない。あそこまで品位も思慮もないゲスが、世界最強国家の最高位に就くことが問題なのだ。

あのバカ、ISに業を煮やしてホントに核兵器発射のボタン押しかねないよ。

ともあれ、アメリカはこれで間違いなく経済でも外交でも国際的存在感でも取り返しのつかないダメージを受け、相対的に中国の株が上がるだろう。パックス・アメリカーナの崩壊が一気に加速する。

どうすんの、アメリカべったりを続けてきた安倍さんと日本外務省。
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