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蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

映画『パリタクシー』

2025-03-03 | 映画

映画 パリタクシー (2022) - allcinema

 「戦場のアリア」「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」のクリスチャン・カリオン監督が、ともに国民的スターのリーヌ・ルノーとダニー・ブーンを主演に迎え、本国フ...

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アマゾン・プライムで偶然拾った映画。何気に見始め、出演者紹介の字幕で目をこすった。

Line Renaudって、あのリーヌ・ルノー? カジノ・ド・パリの看板スターだった、「カナダの私の小屋」の、「針仕事に精をお出し」の、「トワ・マ・プティット・フォリー」の?

半信半疑でネット情報を漁ってみたら、やっぱりそうだよ。あのリーヌ・ルノーだよ。よくよく見れば、グリーンの陶器みたいな瞳は昔のまま。それにしても、若い。

映画の中の彼女は、さすがに足取りにはちょっと頼りないところも見られたが、長ゼリフを淀みなくしゃべり、舌がもつれるようなことは全くない。

この人、1928年生まれだから、映画の撮影当時、92か3だよ。タマげるね。ノーベル平和賞受賞でオスロまで出かけて行って演説した被団協の田中熙巳さん (92) にもタマげたけど。

グレコとかバルバラとか、歌はヘタだが持ち味で聞かせるタイプが多いフランスの女性歌手の中で、ルノーは際立って歌がうまい歌手だった。といってもピアフのようにたくましい歌唱力があるわけではなく、ジャクリーヌ・フランソワのようにうまいがよそよそしいわけでもなく、どちらかと言うと若いころのドリス・デイやパティ・ペイジのようなキュートな魅力のある歌手だった。

大先輩の蘆原英了さんは「トリモチのような声」と、よく分からない比喩で讃えておられたが、一度聴いたら後を引く、という意味だったのかも。

映画は毒を抜いた女性版『最強のふたり』といったところ。肩の凝らないエンターテインメントであり、感動を覚えるような深みこそなかったが、懐かしい人の活躍もあって、いっとき幸せな気分にひたらせてくれた。

落穽下石 2

2025-03-01 | 国際
ゼレンスキーはどうやら、ハメられたみたいだね。

トランプは第一次政権の頃から、奇怪な親近感をプーチンに示していた。中ロ間にくさびを打ち込むためだという説もあるが、トランプにそんな才覚があるとは思えない。単に、独裁者の体質が好きなだけだろう。

ともあれ、ゼレンスキーがいきり立ったために、アメリカは誰に遠慮する必要もなく手を引くことが可能になった。ロシア寄りの和平を工作できるようになった。

会談前からプーチンはレアアース権益の50%をよこせ等々、ゼレンスキーが到底呑めないような無理難題をふっかけていたが、実はウクライナのレアアース採掘には途方もないコストがかかり、採算が取れないのだという。

つまり、プーチンの真の狙いはレアアースではなく、これもゼレンスキーを怒らせるワナの一つだった。

こうしたプロットを単細胞のトランプが考えつけるはずはないので、大方ヴァンスあたりが書いたシナリオだろう。そして副大統領は、ゼレンスキーにケンカを売るチャンスを虎視眈々と待っていた。

挑発にやすやすと乗ってしまったゼレンスキーは、確かに愚かだった。しかし、誰が彼を責められるだろう。オバマもバイデンもトランプもプーチンを止められなかったのは事実。アメリカの外交に疑問を呈するのは当然だ。

国家間のパワーゲームの前で、モラルだの正義だのといった美しい概念はいかに無力なことか。その事実をこれほど具体的に突きつけた事件は、ナチスのポーランド侵攻以来ではなかろうか。

落穽下石

2025-03-01 | 国際
強盗に入られ、重傷を負った被害者に、助けて欲しけりゃ家の権利書を出せ⎯ ⎯ここ数日来、トランプがゼレンスキーに要求してきたのは、そういうことではないのか。足元を見る、なんて生やさしいものではない。すでに瀕死の相手を、ここを先途と攻めまくる。

ゼレンスキーがどれほど短気な愚か者だったとしても、アメリカの助けがなければウクライナは立ちいかないことぐらいは骨の髄まで分かっているはずだ。それでもなお、彼はトランプの要求を拒否せざるをえなかった。こうした前提が、会談決裂の事態を招いたのだろう。

トランプはおそらく、非常識なぐらい自国に有利な条件で、日米地位協定よりももっとひどい不平等条件で、レアアースをよこせと迫った。そして、安全保障の見返りは与えなかった。

数日前の記者会見で、トランプはウクライナの安全保障に口を濁している。アメリカの存在自体が安全保障になる、などと意味不明のごまかしを言っていた。プーチンの機嫌を損ねたくないのだろう。

ロシアはすでにブダペスト覚書に違反してウクライナに侵攻している。ゼレンスキーが、プーチンは信用できない、あなた方はどんな外交をしているのかと訴えるのは当然であろう。それに対してヴァンスは、お前の言うことはアメリカに対して非常に無礼だ、などと非難したそうだね。

殿の御馬前とばかりに、トランプの前でゴマをする様子が目に見えるようだ。吐き気がする。

これが、日本もすり寄る世界最強の大国のリーダーたちなのだ。あー見苦しい、と高みの見物で笑ってられないのが辛い。いや、恐ろしい。