HoI3AAR、前回分からの続き。
前回分 → ドイツプレイ(7) - ヴェーゼル演習
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イギリス軍のマチルダII戦車は重装甲で知られており、ドイツ軍の3.7cm対戦車砲では貫徹することができなかった。 しかし機転を利かせたエルヴィン・ロンメル将軍は、8.8cm高射砲の水平射撃によってこれの撃破に成功した。 イギリス兵捕虜は漏らした。 「対空砲で戦車を撃つのは邪道ですな。」 ドイツ兵は言い返した。 「対空砲でしか撃破できない戦車のほうが邪道だ。」 ──ロンメル将軍の副官、シュミット中尉の手記より |
スペインが盟邦となったことにより、ジブラルタル海峡は枢軸軍によって閉じられた。
これにより地中海の戦いにおいての優位を確立した枢軸軍は、次なる手として、
連合軍によるアフリカからの南欧上陸作戦の脅威を取り除くべくアフリカ方面軍の創設を決定した。
こうして編成されたエルヴィン・ロンメル将軍を司令としたDAK(ドイツアフリカ軍団=Deutsches Afrikakorps)は、
2個装甲師団と5個歩兵師団から編成され、9月2日よりリビア-エジプトでの作戦行動を開始する。
英軍は最低限の防備兵力しかおらず、3日間の攻防戦の末に10月6日、エジプトの重要都市アレキサンドリアを攻略。
アレキサンドリアには北アフリカでも随一の港湾施設と空港があり、
海軍と空軍の支援を厚くする上でこの拠点を奪えた意味は大きい。
地中海では英海軍空母艦隊の活動が活発であり、その艦載機によって頭上を押さえられた状態だったからだ。
今後はクレタ島に加えてアレキサンドリアの空港からも戦闘機を発進できるようになり、航空優勢をものにすることができるだろう。
ロンメル将軍は砂漠での戦いをよく理解していた。
砂漠は大海と同じで、遮蔽物もなく見晴らしが良く、空からの襲撃に対して脆弱である。
軍港以外の拠点を取ることに意味はなく、いくら防備されていても簡単に迂回することができた。
そして砂の大地を占領してもなんの戦術的アドバンテージも存在しない。
このような戦いの中では、拠点を占領することよりも敵部隊の殲滅に重きをおくことである。
このような考えから、10月13日、ロンメル将軍は機動戦力による迅速な迂回・包囲作戦、ピラミッデ作戦 を実行する。
機動戦力による迂回でナイル川流域に篭る英軍部隊を拘束・包囲下に置きながら、
そのまま迂回部隊はスエズ運河を渡ってシナイ半島へ雪崩れ込む。
これにより戦争は中東へも飛び火していくことになる。
ナイル川流域での戦闘は沖合からの英空母より発艦した艦載機による空襲が激しく、
一時は攻撃部隊が足止めを食うも、クレタ島より発進したスツーカ攻撃隊が空母艦隊を攻撃。
これにより艦載機を引きつけた上で、英軍2個師団の一斉降伏を以て、10月20日に完全にナイル川流域は制圧された。
エジプト北部のイギリス軍が殲滅されたことにより、ロンメル将軍率いるDAKはシナイ半島・中東攻略作戦を本格化させる。
アフリカでの戦いは、リビア-エジプトから、パレスチナ-ヨルダン-シリア-イラクへと舞台を移していく。
またこの一連の戦いでの功績から、10月25日付でロンメル将軍は上級大将へ昇進され、
その驚異的な戦功から英独両軍から「砂漠の狐」とあだ名された。
DAKが北アフリカ-中東で快進撃を続けている頃、北欧の戦いでは・・・
10月8日に第二次ノルウェー上陸作戦が開始される。
前回は「クイーン・エリザベス」艦隊に妨害され、敵戦艦を撃沈するも上陸部隊が海に沈められるという痛み分けに終わったが、
今回も作戦実施を嗅ぎつけた英艦隊が迎撃に出てきたのだ。
戦艦「ウォースパイト」を中心とした艦隊であり、空母「アドラー」やビスマルク級戦艦2隻により敵の重巡2隻と駆逐艦3個戦隊を撃沈せしめるも、
またもや護衛されていた輸送艦が撃沈され第3海軍歩兵師団 が海の藻屑と消えた。
しかも戦艦「ウォースパイト」には逃げられ・・・
第一次世界大戦に従軍した「ウォースパイト」は「オールド・レディ」の異名を持つ老朽艦だが、
高速戦艦として設計されたその速力はまだまだ健在らしい。
輸送艦1個が沈められたとはいえ、他の上陸部隊が生き残っており、第一段階で1個師団が、
その後の輸送により合計5個師団がノルウェーへの上陸を果たした。
しかし・・・これで創設された上陸戦専門部隊である海軍歩兵師団3個の内2個が消滅させられ、
また度重なる消耗により、輸送艦部隊もわずかにしか残っていない。
これらの上陸戦力でブリテン島上陸作戦であるあしか作戦 を決行するのは自殺行為だ。
時間はかかるが、やむをえない。
十分に再編成と補充が完了するまであしか作戦は延期せざるを得ない。
これにより、ヒトラー総統は10月14日付の総統指令の中で、当面のあしか作戦の断念と延期を全軍に発表した。
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