Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

ロフチン・ホワイト アンプについて

2016-11-15 14:58:13 | オーディオ

 真空管アンプの歴史についての記述には必ず登場するLoftin-White Amp. 古典管をどうやって料理しようと考える時にまず思い浮かぶが回路設計は直結ということもあってハードルが高い。
 真空管アンプのバイブル、浅野 勇著 「魅惑の真空管アンプ その歴史・設計・製作」

 昭和47年7月30日発行 定価1000円
 中学生の身としては大金だった。カラー写真もあってそのカッコ良さに圧倒された。配線の美しさにも。あれから40年以上経ってしまった。
 ロフチン・ホワイトアンプについても詳しい解説と50,2A3での製作記事が載っています。当時2A3は比較的入手がしやすかった古典管で、私も最初に買ったのもこれでした。なんと国産JIMTEC(ジムランとアルテックから戴いた名前!)岡谷製で1本2000円だったと思います。4本あったのですが残念ながら日の目を見ないうちに友人に売却してしまいました。

 ロフチン・ホワイトアンプは1929年エドワード・H・ロフティンとS・ヤング・ホワイトが考案し原回路は電圧増幅管は224、電力増幅管は250が使われていた。

 当時はまだ5極管はなくハムバランサーで貧弱な整流回路で発生したリップルをV1のカソードにフィードしている。高電圧が必要だったので当時の最大規格の81で半波整流していた。

 今から16年前の2000年に新 忠篤氏が「ラジオ技術」誌に浅野 勇氏の回路をアレンジして発表されています。

 新 忠篤氏は「魅惑の、、」の巻末に掲載された「大座談会」にも登場されています。
 製作記事を完コピして(でもないか)作った「ロフチン・ホワイトアンプ」です。13年前の2003年に製作。











 
 前段のプレートと出力段のグリッドが直結されるのでB電圧がとても高くなる。また安定動作するまでの時間がかかるので一工夫が必要。
 スイッチは2個あってまず1をonにしてヒーターを点灯し、しばらくしてから2をonにする。これをしないとよくわからない表現だが「七面鳥」になるらしい。。(往時の呼び名は「七面鳥アンプ」だったとか)
 肝心の2A3は本家RCA製だが一番量産されたヒーター引っ掛けタイプであまり美しくない。75のシールドケースはバケツの持ち手みたいのが付いていてなかなかのカッコ良さで気に入っています。電源トランスは奮発して「タムラ」、チョークは「ハモンド」、出力トランスは「タンゴ U808」このトランスにはお世話になりました。100mA流せてユニバーサル(2kΩ〜5kΩ)で使える。真空管アンプビルダーでこのトランスのお世話にならなかった人は居なかったのではないでしょうか?今見ても美しい形だと思います。シャーシは今は無き鈴蘭堂。タンゴと鈴蘭堂の廃業(!)のニュースを聞いた時改めて時代の流れを感じた。

 久しぶりに聴いてみますと、、きちっと(変な表現だが)鳴ります。今まで気づかなかった音まで聞こえる。それほど強引でもなく優柔不断でもなく過不足ない。ぴったり収まっている感じ。
 真空管をWE422AからWE274B、RCA2A3を同じくスプリング釣りRCA2A3に変更してみると

 まず電流が10mA近く下がってしまいました。WE274Bは電圧低下がある様子。そのせいかは分からないが音は厚い感じになり低域が充実したように聞こえる。

 整流管をWE422Aに戻してちょっとだけ測定してみます。
 
 ダミーロードは積み木の上に組んだセメント抵抗でクリップで4Ωから16Ωまで切り替えできます。「パーツ屋さんのお祭り」で激安で購入。
 オシロが歪まない最大出力は2.0W 最大入力では4.5W 周波数特性は低域ではほとんど減衰せず、高域では7kHzで-0.5dB、9kHzで-1dB、20kHzで-4dBと平凡な値。ロフチン・ホワイトの特徴である入力の増加に応じた出力増を確認した。古いオシロスコープは「HAM」と書いてあるようにアマチュア無線用らしいが40年近く前に中古で購入。単純な一現象オシロだがとてもコンパクトで手軽に使えるのでなかなか引退できない。低周波発信機とミニバルは隣町にある中古の電子機器を専門に扱っているお店で購入した。このお店の測定器の在庫はとても充実しており地方都市なのですがありがたい。歪率計もあるのですが大きいし棚の上にあるし、、ちょっと億劫。でもがんばって勉強することにします。
 


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