Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

NEC 8P-722 について

2021-11-26 23:32:04 | テレビ

 手元にある資料を見ると1965年当時NECからは7種類のテレビが発売されていた。また今では聞かなくなった社名もあるが全国で15社から112機種が出ていてひょっとすると日本の家電の最盛期は1960年代かもしれない。「ポケット型折り畳み式 TV配線図集」(電子技術出版株式会社 定価380円)にはそのほとんどの回路が載っていてあらゆるテレビを相手にする修理マンには重宝されたのだと思う。今回入手した「NEC 8P-722」は残念ながらこの回路図集には含まれておらずもう少し前の時代の製品かもしれない。1965年はSONYからすでにマイクロテレビ末期の7-75が発売されていて時代は真空管からトランジスターへの移行が始まっていた時期だった。「NEC 8P-722」はロッドアンテナを内蔵した真空管式ポータブルタイプだが限られた空間に高密度で部品が詰め込まれている。資料はまったく見当たらず孤高の製品かと思うが同時代のポータブル製品は日米同じような形状をしているものが多く手本のモデルがあったのかもしれない。

          

 相変わらず強烈なホコリだが半世紀以上倉庫で放置されていた電気製品の内部はこんなもんです。通電してもトランスの唸るような音が少し聞こえるだけでヒーターの点灯もなかったのだが開けてみると高圧回路の真空管が外れている。早速軽く掃除してみると幸いにも欠品は少なく内部のネジが1個見当たらなかったくらい。ボディはカバー状で内部のフレームに強度を持たせたしっかりとした造り。IFTが1個斜めになっているので外力で歪んだのだろうと思っていたら最初からそういう設置のシャーシでこれには少し驚いた。真空管の名称は回路を把握するための重要な要素で汚れているのを迂闊に清拭すると肝心な名前が消えてしまう事があって気を遣う。全ての真空管やケミコンにはNECの文字があり自社生産していたのか特注だったのか。NECは米国のWestern Electric社と関係があり同規格の真空管を製造していた事がある。

 

 外れていた真空管を戻すと幸いヒーターは点灯しブラウン管も明るくなって発振、高圧回路は生きている様子。受信はしないがチャンネルを回すと画面に反応がある。ボリュームを回すとAF回路も生きているよう。AC100V入力はヒューズを介して片方はシャーシに落ちているトランスレスだが金属ボディで結構危険のはずで感電対策はどうやっていたのだろう。そして回路図のないテレビの修復はどう進めたら良いのだろうか?

 フレームを分解しながら内部の掃除を続けてみる。

       

昭和36年11月23日と思われるシールがあって1961年だとすると丁度60年前の製品。

真ん中で折れ曲がって前半部分(高電圧、偏向回路)と後半部分(VHFチューナー、IF部、映像増幅、音声増幅)がわかれる構造。またプリント基板ではないのでCR類の接続が分かりやすいがここまで分解しなければ徹底した修理はできなかったことになる。

電源は前述のようにトランスレス倍電圧整流で同じNEC製品で似た回路図を探すと 12-P5というテレビ

 

ただし現品の真空管の名称を書き出して比べると

全く異なる。倍電圧整流後の電圧は回路図では225Vになっているが実測すると242Vで大きなコンデンサーを含めた電源回路は問題ない様子。あらためて高周波SGでアンテナ入力してみるとラッキーな事に少し反応がある。

 ビデオのRF出力を入れてみると音声の反応はあるが次第に途切れるし画面は全く不鮮明。カップリングコンデンサーの不良でバイアスがかからず真空管が正常動作していないのかもしれない。馴染みのある低周波増幅段からチェックしようとするがどの真空管がそうなのかがわからない!仕方ないのでスピーカーから辿ると小さな出力トランスがありトランス1次側はIFTの近くにある5U8のプレートに繋がっている。5U8を調べると3極管と5極管の複合管でそのうちの珍しい事に3極管部に繋がっている。グリッドにボリュームが直結されボリューム入力には0.01μFのペーパーコン。ペーパーコンの前段電圧は44Vだがグリッド電圧を測定すると8V(!)と凄い事になっている。パスコンの10μFと共に交換しよう。

  

数時間かかってまず手持ちのコンデンサーと10数個交換した。しかしやはり映像は出ないし受信はしているようだが音声も出なくなってしまった。。

 音声増幅は5U8の3極管部なのでボリュームから直接信号を入れると一応出力するがやはりゲインは少なく小さな音でこの部分の真空管はホントに5U8でいいのだろうか?映像増幅と思われる6AW8Aに信号を入れると

ぼけぼけの映像が3重に見える。一応真空管を交換してみたが変わらず。水平出力管の文字が消えかけていたがNEC製で探すと12GB3だったらしい。グリッドの波形を見ると

何重かに波形が重なっていてこれが原因?真空管の名前がよく見えないのもあるが水平偏向の発振は6CG7、垂直偏向は6CS7と思われた。その周囲のコンデンサーをできるだけ交換して

 

波形を見ると若干改善している様子。これで再度映像と音声を直接入れてみると

 

音声は小さいままだが映像は無事出力した。映像入力の端子をシャーシに立てて前段と切り離して適当な負荷抵抗を入れて入力コードを引き出した。カチカチになっていたACコードも交換した。

この時代のコンデンサーは電解コンデンサーよりもオイルペーパーコンデンサーがダメになっているようでカップリングコンデンサーとして使われている場合はDCの漏れからプラスバイアスとなり動作不良になる様子。ボディは錆も多く今回は塗装する事にした。なるべく避けたい全塗装だが致し方ない。

 外装を整えながら視聴していたが突然ヒーターが点灯しなくなった。ヒーター回路はトランスレスの全直列接続だと思うが途切れているところがわからない。電解コンデンサーが直列に入っているようでますます??そのうちヒーターは復旧したがソケットの接触不良なのか別の問題なのかいまだに確信が持てず真空管ソケットの信頼性は重要だ。次に画面が上下2分割で安定してしまうトラブル。垂直偏向の6CS7の接続を調べて発振部の周波数を測定するとやはり半分の30Hz前後になっている。グリッド抵抗は水平偏向調整ボリュームと直列な高抵抗なのだがここをずいぶん減らさないと60Hzをカバーできない。数分の1の抵抗に置き換えたが真空管自体のトラブルかもしれない。次に画面が出なくなった。これは6AW8A映像増幅管の接触不良だったが気がつくまでしばらくあたふたした。やはり回路図がないとブロッキング発振かマルチバイブレーター発振かなど把握するまでも時間がかかってしまう。そしてコンパクトにまとめるために水平配置された真空管の固定が不十分で特に大型で重量のあるものはそれなりのスプリング固定などが欲しい。貧弱なソケットだけで支えているのはトラブルの原因になる。メンテのしずらさなどからもあらためてポータブルテレビのハードルの高さを感じる。

 MT管ソケットもウェハースでここも時代を感じるが真空管には優しい部品ではある。裏側から足を挟み込む金具の間隔をそっと狭めて何とか調整した。

フレームを支える3本の梁はケースや取手が固定される構造なのだがACラインから絶縁されていて金属製品にもかかわらず感電防止に配慮されている。調整中は絶縁トランスを介することは必須で油断は禁物と自分に言い聞かせている。

  

真空管固定スプリングを検討したがシャーシ加工が必要になるので諦めた。映像と音声の入力端子をアンテナ端子と付け替えた。

  

    

 例によってかなりすったもんだしたがようやく終了した。コンデンサーは電源以外は極力交換したが古い製品の安定度、完成度を上げるにはまだまだ修行が必要でオーディオアンプと共通点もあるが異なる点もあると感じる。コンパクトにまとめる工夫が興味深く先人のご苦労が伺われます。

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

後日談1

 トランスレスということを忘れていて(普段はアイソレーショントランスは使わないわけで)外部入力のアースは直接シャーシに落とすのは危険だった。とりあえずコンデンサーを入れたが値は試行錯誤した。


SONY 5-55 について

2021-11-24 18:03:59 | テレビ

 SONY 5-55は5.5inchのマイクロテレビだが(正面にmicroTVとある)それまでの製品とは大きく異なっていてボディの形状、内部の基板に全く共通点はない。資料もほとんど見当たらず最初は輸出品かとも思ったが背面のラベルには50, 60 c/s(サイクル、Hzと同じ)100Vとあり国内で販売された製品らしい。

       

 内部の構造も全く異なる。取手や脚のメカニズムは立派で本格的、お金がかかっていて全体に高級感が漂う。ブラックと金属トリムの2トーンで「microTV」のラベルだけが赤の差し色でジウジアーロデザインのNIKON F3を思わせる。取手と脚をたたむと「四角い箱」になるという懲りよう。サイズは今までの5.5inchシリーズより少し大きいが40Ωのスピーカーも円形から楕円形になって音も良いのだと思う。

 側板のステンレストリムが片側欠損している。接着が剥がれたらしい。ホームセンターでステンレス材を探すと

 

多分ステンレス流し台に使うのであろう接着シートのついた0.1mm厚のものがあった。ついでにハサミも買ってきて加工してみる。0.1mmはカッターでも切れないことはなく頻繁に刃を交換してようやく切り出した。

 

ただ0.1mmとはいえ堅いステンレスの角は鋭く手を切りそうでちょっと危険。もうすこし薄いテープ状のものを探してみます。アルミテープはあるのだが光沢が全く異なる。珍しくロッドアンテナは無事で(90%以上が破損している)破損していたチャンネルダイヤルや切れていたアンテナ線を修復して内外部を掃除して通電すると

アンテナから信号を入れると一応受信する。ただ音声はちょっと歪みがあり映像との同調がずれているのかもしれない。

    

5-55はボディが4分割されまたサイズも若干大きいのでメンテナンス性は良好。金属飾り板は角が危険なのでやり替えたい。また底のゴム脚は固定ねじが旧JISなのでねじが入手できたら取り付ける予定です。そして高周波回路の調整方法を勉強しなくては。

 

 

 

 お読みいただきありがとうございました。


SONY 5-205 について

2021-11-21 22:52:09 | テレビ

 SONYマイクロテレビシリーズは4inch、5.5inch、7inchとあるが5.5inchが最も多く作られた(と思います)。5-303から始まる一連の製品群は5−205までは大きな変化はなくデザインや電源仕様の違いとなっている。5.5inchの海外向け製品にはVHFのほか UHFも搭載したものがありこれはボディの形態も異なっているのだが日本では未発売。5−205はフロントパネルが木目調になっている以外は5-202とほぼ同一ではないかと思われるが1964年のカタログを見ると価格はわずかに低く抑えられている。後発のこの製品は他の機種と比べると生産数も少ないと思われオークションでもあまり見かけることはなく5.5inchシリーズの終焉が近かったのかもしれない。その後のマイクロテレビのカタログには4-302,5-205,5-206のみになっていて5−202は姿を消している。

    

 この個体はハンドルが根本から失われてアンテナも途中で折れていて外観は荒れているが内部は修理や改造がされておらずオリジナルが保たれている。通電すると横一線だけで音声からも受信はしていない。取り外しができる内部の2枚のプリント基板はシリーズを通して互換がありこれは最初から完成度が高かったことが窺える。マイクロテレビの回路図は同じ5-303で回路、定数は若干異なっている2種類が手元にある。プリント基板も規格は同じだが内容の異なるものが最低2種類あるようで途中の変更があった様子。

 電源電圧は12Vが確保されていて珍しくセレンも機能している。横一線の状態なので垂直偏向が出力されておらずオシロスコープでも波形が出ていない。この回路は3段構成で波形を探ると初段のブロッキング発振は確認されるがなぜか2段目には入力されていない。低周波発振器で60Hzを2段目のベースに入れてみると

ちゃんと垂直方向にも広がるのでこれ以降は機能しているらしい。何処で途切れているのだろう?基板を追って波形の途切れているところを探ると1段目出力の50μFが怪しい、、。

 

見た目ではわからなかったが外してみると液漏れがある。測定するとほぼ断線状態で早速取り替えると幸い垂直偏向出力の波形が出た。

 

 これでブラウン管は光るようになったがやっぱりラスターは出ておらずアンテナからの信号は何処かで途切れている。仕方ないのでできることを進めておきましょう。ドナーから取手を移植、ロッドアンテナを交換、錆が出ているフレームの一部を外して下地を整えて滅多にしない再塗装した。

   

 ゴールドの缶スプレー塗料は今まで使ったことがなかったがミッチャクロン吹いて塗装してとても発色が良いのに感心した。ホームセンターのオリジナル塗料で安くて助かる。

 結局ビデオ信号と音声信号を直接入力するという安易な対応になった。また電源コードがないので本体直付けにして内部のDC電源用のヒューズをACライン用に改造し信号線と共にコード引き出しにした。狭い本体内部に太いコードを収めるのは面倒でこの改造は思いの外時間がかかった。単に押し込めれば事は足りるのだがメンテナンスがし難くなってしまう。

     

 画面はピントが合っていて非常に良好で内部の状態は良さそうなのはやはり後発の製品だからだろうか?focus調整ボリュームがちゃんと機能しているのに感動した。。この画質はメンテナンス目標になりそうです。フロントの木目パネルを見ているとサニーカリフォルニアの外装ウッドガーニッシュを思い出す。ゴールドとクリーム色の枠もアメ車っぽい。太陽族?石原兄弟?過去サーフィンブームは何回かあるようなので丁度そんな時期だったのかもしれない。シリーズ最後の製品かどうかははっきりしないがキミは流行にすり寄って延命したか?いや失礼、意地悪な妄想でした。なかなかカッコいいです!ごめんなさい。すみませんでした。

 

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

 


屋根と基礎と外壁を塗ろう!(2)

2021-11-18 16:53:47 | 日記

 前回このタイトルで投稿してから2年半経過した。素人塗装で小屋根だけ行った事は前回の記事の通りだが大屋根は十分に安全を確保してから行う計画でザイルを入手してどう張りめぐらすかなど考えているうちに随分と時間が経過してしまった。久しぶりに大屋根に立ってみると足が竦んで素人の対策では安全は確保できないと感じ自分で塗る事は諦めた。塗料やタスペーサーなどは準備していて残念だがここは潔く撤退しよう。業者にお願いする場合は足場を組んで作業することになるので外壁の塗装も一緒に行ってもらうことにした。業者の選択は紹介サイトがにぎやかで登録して相見積もりをして貰いやすくなっている。しかし料金の差よりも作業実績や評判などを重要視したほうが良いと考えて前から目星をつけておいた市内の業者さんにお願いすることにして見積もりを依頼した。検分後10日ほどして3種類の細かな見積もりが届いたが内訳は塗料の違いでそれなりの価格差がある。築30年超のスレート瓦屋根は結構傷んでいるのが素人目にもわかるがそれに比べて外壁は業者さんも仰っていたが年数の割にはあまり傷んではないらしい。そこで屋根は高いグレード塗料でなんとか延命することにして外壁は中位のグレードの塗料とした。結構面積があるのでグレードによる料金差は大きい。また小屋根は前回自分で塗ったわけだが今回の見積もりには入っておらず再塗替えの必要を宣告されなくて良かった。高所作業以外の自分で行える部分については見積もりから除外してもらった。作業開始は1ヶ月程度先になる予定なので自分でできることはそれまでに済ませておくことにした。

 足場の設置のためにカーポートのポリカーボネートの屋根を何枚か脱着する事になりまたカーポートにある不動の車も2台移動しなくてはならずそのための駐車場の確保も必要。工事の期間は2-3週間なのだが近所の駐車場を借りる必要がある。ポリカの屋根の脱着は結構な費用でおまけに古くて破損の恐れもありその場合は別に費用がかかる。。この作業は自分でも行うことはできそうだったが足場をどこに置くかによって外す部位も異なるので工事の進捗に迷惑がかかることを考えてここはお任せした。

 業者による塗装施工前に自分で行う事一覧(✅は済みの印 見積額も記す)

    ✅・換気扇フード塗装  13000円 内部の換気扇本体の取り替え、フード室内側の清掃と改装を外部の塗装と共に行った。浴室換気扇フードも清掃、塗装した。 

    ✅・基礎部分の塗装      17000円 2年前行ったが剥離していた部分の再塗装

    ✅・庇屋根鉄部               13000円 2年前の塗装部分の再塗装3ヶ所。(結果的にこの部分もサービスで塗装していただいた!)

    ✅・樹木の剪定と周囲の掃除

 ✅・カーポートの掃除と雨樋整備

    ✅・車の整備(押して移動できるように)2台は隣接の借駐車場に移動予定。自走はできないので業者さんに手伝ってもらう(見積にはなくサービス)。 

    ✅・常用車の駐車場を探して(幸い近所で見つかった)1ヶ月のみの賃貸契約を行なった。

       ・外塀の剥離部分、ひび割れ部分の修復、塗装は今回の作業には入っておらず母家が済んでから自分で行うことにします(かなり前に一度塗り替えているので2回目)。

 

 施工開始は契約してから約1ヶ月後と言われていたが昨日連絡があり来週からの開始となった。今週中に車の移動とカーポートの屋根の撤去にかかる。放置車両はドラムブレーキの張り付きがあって転がして移動できるまでの整備に結構時間がかかってしまった。

2021年11月11日(tue)

 ご迷惑をかけるのでご近所様の挨拶回りを業者の方と行なった。

 

2021年11月13日(sat)

 朝一番で2名の方がこられて懸案の不動車の移動を行なった。117クーペはパワーウインドで窓を開けて外からハンドルを操作した方が良いので転がっていた怪しいバッテリーを2日前から(!)充電しておいて無事窓を開けての移動が完了した。バンプラもブレーキの張り付きがあったので解除してこちらも移動が無事完了した。その後久しぶりに車のない(2台は残っているが)カーポートの床、屋根、樋を時間をかけて掃除した。特に樋は道路に面しているので土が堆積してドブ川状態。樋の補修も必要なのだがとりあえず明日行われる予定のポリカーボネート屋根外しに備える。あまり汚いと作業する方々に申し訳ないし外した後でもう少し掃除をする予定。母家と共にカーポートもちょっとでも綺麗にしたいところ。

 

2021年11月14日(sun)

 朝一番で2ヶ所あるカーポートの屋根外しにこられた。作業する人は1人でちょっと驚いたが家にいたカミさんによると短時間で終わったという。

 

 外したのは全てではなく予定通り必要なところだけの10数枚だが流石にプロは手際が良い。樋は傾斜の関係で全く雨水が流れない状況だったので再び屋根を戻すまでの間にカーポート全体の掃除と樋の修理をしておきたい。細い樋は測ってみると⌀42mmの規格品でnetで探して注文した。市販品以外の不足しているパーツは汎用品ではなさそうで(すでに入手が難しいと思われ)自作することにします。

 

2021年11月17日(wed)

 今日は足場を組む予定だったが朝8時から夜8時過ぎまで12時間以上かかって行なっていた。作業したのは3名だろうか?日没後の高所作業は危険でその日の工程は確実にこなさなくてはならないプロの厳しさを感じる。

        

 綿密な設計図があるのだろうか?さすがにプロの仕事は見事でたとえ材料があったとしても素人には到底できそうもなく足場の費用(150,000円)は安いと思う。逆に言えばここまで設置してもらえれば多少時間がかかっても自分で安全に屋根と外壁の塗装ができるような気がしてくるし(後にそれは甘い考えだったとわかる)実際に実行している人もいるかもしれない。

 

2021年11月18日(thu)

 今日は屋根、樋、外壁の高圧洗浄を行なったがこの行程が大切なことは素人なりに理解している。2名の方で4時間ほどの作業で思いの外短時間だった。家庭用の電動高圧洗浄機と比べてエンジン式は強力。北側は道路に面している関係で土が堆積し日当たりが悪いため苔が生えるし雨樋にも泥がたまっている。作業が終わって話を聞くと壁の凹凸に入り込んだ汚れはやはり落ちづらいとのこと。あまり強くしつこく洗浄すると表面にダメージを与えてしまう恐れもある。家人が不在な時の配慮でその日の作業内容の報告書(簡単なメモ)が毎日残されている。

 

2021年11月19日(fri)

 今日は洗浄と同じ方2名がこられて養生(マスキングなど)行なっていた。今日だけでは終わらず明日もかかるらしい。時間に余裕があれば塗装を一部開始するとのこと。

 

 

2021年11月20日(sat)

 壁の下塗り(中塗り、仕上げと3回塗る予定)が始まった。

 

3人での作業で今日1日で終わったらしい。明日は日曜日だが次の日(月曜日)が雨の予報なので作業するとのこと。良い条件で塗装してもらいたいしやはり天候が気になる。幸い火曜日以降は晴天が続く予報。

 

2021年11月21日(sun)

 昨日の下塗りの続きと中塗り(2回行う上塗りの1回目)が始まった。

 最初は下塗りの色を見てこれが最終的な色だったらどうしよう、、と思って質問したらプライマーの色との事で少し恥ずかしい思いをした。。上塗りは今までと同色でこれならOK。作業は昼には終了したので午後からホームセンターから掃除用具を買ってきてカーポートの残っている屋根と樋の掃除をした。なかなかの重労働だったが高圧洗浄機は泥が飛んで作業の邪魔になるので今は使えない。洗剤も使ったが隙間に残った苔は後日部分的にポリカの屋根を浮かせて掻き出すつもり。明日は雨なので露駐となった2台にカーカバーをかけた。

 

2021年11月23日(tue)

 昨日は一日中雨でやっぱり工事は中止。今日は晴れたが冷たい風が強い。中塗りの続きと一部上塗り開始。

 

2021年11月24日(wed)

 気温は低いが幸い晴天が続く。今日は上塗りの続きと屋根塗装にかかるとの事。担当は固定されているようで男女2名の方が来られているが朝8:30から夕方までで野外の作業は大変かと思う。少しでも気持ちよく作業をしてもらいたいので朝来られる前に家の周りの掃除と落ち葉を片付けておく。夕方までには壁の上塗り、屋根と樋の下塗りが終了した。降水確率0%だったのに途中雨が少しパラついたのは残念。

   

 シャッターの収納部は塗装するがそのものは塗装しない。これは塗膜の関係かその後のトラブルが発生する事が多いかららしい。樋は塗装することになっているが外面だけのようだ。最初は交換するつもりだったのだがかなり高額の見積もりになってしまい今回は見合わせた。足場を登って見ると小屋根の樋ほどではないが泥がたまっている。普段大屋根の樋にアクセスするのは結構大変なので安全に行える足場がある間にこっそりと掃除だけしておこう。

 

2021年11月25日(thu)

 細かな部分(シャッターボックス、樋、板風など)の塗装

2021年11月26日(fri)

 朝作業前に大屋根の樋の掃除を行なった。すでに樋の上塗りは終わっている。屋根の下塗りの塗料が泥と混じっている部分もあるし乾燥した泥が固く堆積している所もある。樋の形状にあわせたビンのフタを使って掻き出したがかなりの量を取り出す事ができた。知人で作業中に屋根からの転落で亡くなった方がいるのだがやはり足場は最重要で信頼がなければ身体を預けて十分作業することはできない。将来樋を掛け替える場合はどうするのだろう?高所作業車を使うのだろうか?

 細かな部分(シャッターボックス、樋、板風など)の塗装だが丁寧に作業されていた。広い面積をローラーを使って作業するのに比べてより熟練が必要と思う。

2021年11月27日(sat)

 今日は3名来られて屋根の中塗り。気温は低いが快晴。

2021年11月28日(sun)

 屋根上塗りと細かな修正の予定。すでに養生(マスキングなど)は外した所もある。玄関灯をはずして自分で整備してミッチャクロンとストーン調スプレーで塗装しておいたのだが

 

壁はもう大丈夫とのことなので取り付けた。

 これは新築時からのものだが「陳さんの帽子」と呼んで気に入っている。外壁はチョーク化してぼろぼろ落ちて触ると手が白くなっていたのだがしっかり厚くて堅い塗膜に覆われている。少しは外断熱の効果もあるかもしれない。

 外出から帰宅すると塗装作業は今日で終了したらしいと家人から告げられた。足場は別の業者のようで後日解体に訪れるとのこと。その後カーポートの屋根を再設置して終了となる。足場のあるうちに周囲や屋根を見て周った。

樋の内部の掃除をもう一回して(雑巾掛けなど)普段家の中からアクセスできない所も掃除した。今後は年齢的にも屋根に上がる機会は少なくなりそうだ。後は外してあるカーポートのポリカの屋根を綺麗にしておくつもり。作業開始してから(足場を含む)12日間経過している。途中雨で中断が1日あったが比較的に天候に恵まれた。

2021年11月30日(tue)

 塗装作業が終わって2日経つがまだ足場の解体業者は来ない。と夕方から土砂降りになった。屋根の塗装が終わってから48時間以上は経っているので大丈夫だと思うが危ない所だった(と素人は思う)。少しでも安く上げるために自分で行った金属部分も同色で塗ってくれていた。

 塀には庭木が太くなった関係でひび割れが出ている部分がある。何回か幹を切っているのだが引き抜くのは素人では無理で重機を使って塀も壊さなくてはならないと思う。もうしばらくこのまま延命をはかります。ひび割れた部分をできるだけ掃除して「塗装ができる」というシリコンコーキング材で埋めた。

 その後たまたまお隣に来ている植木職人さんを紹介してもらって檜をどうするか相談した。やはり抜根は費用が相当かかるし(切断の4倍くらいというから16万円くらいか)塀もやりかえになる。おすすめは根元で切って台を置いて植木鉢を並べるというもの。費用は40000円(税別)程度。工法は上から何回かに分けて水平断していく。毎年落葉には苦労しているので検討させていただきます。

 

2021年12月1日(wed)

 大雨の翌朝業者の方(始めての方)が来られて大屋根のひび割れ補修をするとのこと。まだ作業は終わっていなかった。ところが雨の後なのでやっぱりできないという事で早々に引き上げて行った。『まだ作業は残っているの?』と尋ねたが担当ではないのでよくわからない様子。今回作業しなかった小屋根には足場の脚が載っていて瓦のひびわれなどが起こっていないか気になっていてはやく撤去しないかな、、と思う。

 雨が上がってしばらくして午後から作業が始まった。今日はコーキングだけで塗装は明日とのこと。余った屋根塗料を置いていったのかと思ったがこれは早とちりでまだ使うらしい。台風並みの強風だったので高所作業は危険だが無事済んだようだ。その間に玄関横のカーポートの洗浄を行った。汚いままで再組み付けは避けたい。重ねてあるポリカの屋根も地上で洗っておきたいのだが今日は寒くて風も強いのでまた今度行うつもり。

 

2021年12月2日(thu)

 朝から足場の撤去に来られた。しかし「屋根のタッチアップ(塗装の補修)が残っているようだが、、」と伝えると同時並行で行うとのこと。足場は別会社だが小柄でキビキビ動く若者が夕方までに撤収を完了した。途中私は不在だったが「小型トラックに整然と積み込まれた足場と仕事に誇りを持っている若者の言葉に感心した」と隣の奥さん。

 

2021年12月3日(fri)

 朝塗装会社から訪問があって「カーポート屋根の再組み立てと車の移動は来週になります」という。『そうですか』とは言ったが駐車場の期限がギリギリなのが少し気になっていた。ところがお昼過ぎに電話があり「今日の2:30から4:30まで手配ができたので作業したい」。あと1時間半しかないのであわてて外してある14枚のポリカ屋根の汚れ落としをした。長年の汚れはこびり付いているのでなかなか落ちない。洗剤やブラッシ、雑巾など駆使して一心不乱に続ける。3人が時間ぴったしにやって来た時は2ヶ所のカーポートのうち1ヶ所分しか終わってなかったがそちらから始めてもらいながらもう1ヶ所分の汚れ落としを行なってなんとか間に合った。古い屋根なので材が脆くなっていると思われたが結構しっかりしていてポリカーボネート材は優秀。カーポートそのものの掃除はもう少し行いたい部分が残っているがそこは後からでも大丈夫。あとはカーポート用の雨樋の整備を早く行なわないと。今日も予報が外れて雨が降って来た。

 職人さんたちの仕事の時間管理は会社の重要な業務だと改めて思う。仕事量を把握して人数と材料などの手配をする。実はこの会社の投げ込みビラがときどきポストに入っている。受注が少なくてどうしても仕事の割り当てができず手が空いている時はハケをビラに持ち替えて配っているのかもしれない(間違っていたらごめんなさい)。私はほんの短い間の汚れ落としだったが結構腰に来てやはり屋外の仕事は大変だ。

 後はカーポートから退避させていた車の移動で全て完了だがそれは電話での説明で後日にさせてほしいと。4:30までの予定の仕事が済んだらすぐに帰社させてついでの残業はさせないという姿勢にも感心した。

2021年12月4日(sat)

 午前中のエリア掃除から帰宅して懸案だったカーポートの樋の補修をした。すでに入手が難しい(と思われる)端のパーツは型をとって合板から切り出してコーキングとネジ止めした。ネット通販で入手したパーツ(送料が高い)を組み合わせて無事完了した。

   

自分で塗った小屋根と大屋根は同色だが表面の性状が若干異なるが塗料が違うのだから当たり前。

2021年12月7日(tue)

 出先で電話があり2時間後の3時に車の移動のために訪問したいと連絡があって大急ぎで帰宅した。もともとこの作業は見積りには含まれておらず完全なサービスだと思っている。夕方なので朝からの作業がひと段落しての帰り道でお疲れのところ申し訳ないと思う。せめて移動がスムーズにできるようにブレーキの固着がないことやパワーウインドを開けてハンドル操作ができるようにしておいたが無事に完了した。これで予定の作業はすべて終了した事になり営業の方からの作業完了の知らせを待って残金の支払いとなる。

 

 数日後に最初に来られた営業の方が訪問されて作業が完了したことの報告があった。今後はメンテナンスが大切だから気になることがあったらいつでも連絡してほしいとのことでこの報告を待って残金の入金を行った。今回思い切って外注して良かったと思っている。プロの仕事の厳しさ、正確さ、確実さはアマチュアのDIYとはレベルが違うことを改めて認識した。外観が綺麗になればそれを維持しようとしていままで疎かだった掃除などが行き届くのではないかと自分に期待(!)している。住居以外でも車や自身の身体も専門家の手を借りてメンテを行う事は大切でQOLを向上させる。そして加齢に伴ってDIYとの比率が変わっていく。

 寒くなったのでDIY予定の外塀の塗装は来春行うことにしたがその時に気力と体力が失せていたらまたお願いする事にします。

 

 

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 後日談1

  保証書と作業アルバムが届けられた。細かな免責事項はあるが保証期間はプランに応じて屋根は5年、外壁は6年となっていた。住み続けるには定期的な塗替えは必要で丁寧な生活の基本として住居に不安がないことは最重要だと感じる。頂いたアルバムのプロの作業を見ながら普段はあまり考えなかった家の大切さを今回は再認識した。