SONY 5-202は1963年のグッドデザイン賞('63年から公募制になって応募は100品を超えた)受賞の5-303に続くマイクロテレビ第2弾で価格は48,800円で当時の大卒初任給の2.5ヶ月分。5-303は52,000円で5-202の上級機の位置づけ。両者は外観の違いがあるが内容はほとんど同じ。5-303は外部バッテリーの充電機能がありそのための専用のコードが用意されていた。電源部は一緒なのだがDC電源を外部に引き出す機能があって専用電源コネクターを差し込むこと切り替わった。5-202はこの機能が廃止されて専用充電器「VBC-1」(価格2,000円)が用意された。
その1
かなり外観が荒れていていかにも状態がよろしくなさそうに見える。恐る恐る通電してRF入力すると一応受信していてわずかに出画するし音声も出る。
早速分解すると
中身もかなりくたびれている。。特にこのサビはいったい、、どういう環境だったのだろう。真っ赤にさびているこのケースは
中には真空管3本とフライバックトランスなどが詰まっている。このスペースにスマートに収まっているのだがケースの上の面が一番錆びている。またブラウン管は
「課税済」とありブラウン管税があったのだろうか?('89年に廃止された贅沢品に課税される「物品税」と思われるが部品に課税とは。)ここ以外でもサビは結構あるので旧車のレストアでもないのにまずサビ落としから始めます。
今までサビ落としはサンドペーパー、サンドブラスト、化学薬品などいろいろ試したが今回使ったのは「ネジザウルスリキッド」でネジのサビ落としに特化したもの。普段あまり行かないホームセンターで珍しいものを発見して思わず買ってしまった。今回は(ネジでないからか)そんなに落ちなかった気がするが中性なのはすばらしい。塗料は「染めQ」から出ている「サビたまんまで塗れるカラー」。耐候性も良好とのことで塗った感じも手についた感じも「POR15」みたいな感じがある。なによりハンマートーン的な塗料はなかなかいいものがなかったように思うがこれはそれらしく仕上がる。乾燥までの時間は結構かかるし塗膜は厚いのでちょっとぼてっとした感じになるのだが逆に肉盛りには都合が良くてハンマートーンの補修には筆でタッチアップして便利に使っている。
不足のネジを調達、樹脂部品をレジン修復、前回修理時と思われる気になった所を補修、掃除してもう一度組み立てて動作が悪化してないかを確認する。
手持ちの電解コンデンサー、フィルムコンデンサーと交換していった。不足分は改めて注文して到着待ち
チャンネル表示の照明がついていないことに気がついた。このネオンランプに直列に接続されている高抵抗が断線していて交換した。抵抗器の断線もありうるトラブル。ここまで行ってみての画面
やはりシールド線のホットとアースが逆だったりしたが画面の幅は改善は認めるが狭いまま。部品の到着を待って残りの交換を進めます。
届きました。早速残りの電解コンデンサーをすべて交換してみるがやはり垂直の振幅が不安定で不足している。5−202の基板は5-303の基板と共通のようで交換してみることにした。
入れ替えてみると正常動作して「もしかしたらブラウン管自体の故障かもしれない」という疑いが晴れてホッとした。電源の電圧が1V程度異なるが2つの基板の電圧の比較をしてみよう。パターンを写真撮影、プリントして各々の電圧を記入する。
青が5-303,赤が5-202で回路図に記入すればいいのだがパターンとの照らし合わせができていないのでまずパターンに記入してから改めて書き写すことにした。この辺りは技術と知識をもたない私のようなアマチュアにはとりあえず正常に動く個体があると非常にありがたい。ステレオの場合にはch毎の比較が可能なこともある。
まず偏向基板のNPN型ゲルマニュウムTrの2SD65が不良になっていた。
真っ黒なのはなぜか分からないがゲルマニウムTrで熱に弱い関係か足を長く残している。調べてみるとCE間が導通していてご臨終。代替えはちょっとhfeが大きいのだが手持ちの2SC458を取り付けた。次に偏向基板にあるfocus半固定VRが導通なく不良。一応はずして復活しないか試みたがこちらもダメ。手持ちはないので高抵抗2本で仮接続した。この半固定抵抗には300V近くがかかっていてネオン管抵抗が切れていたのも関係あるかもしれない。
ここまで行っても垂直の振幅は改善しない。2台並べての無手勝流の素人修理、次の一手は?
話は逸れるが5-303の外部アンテナジャックに専用のプラグを差し込んだ時になぜかうまく受信できていなかった。5-202では問題なく5−303もロッドアンテナに直接繋ぐとちゃんと受信する。本流が行き詰まったので今回この部分を外して観察するとどうもジャックの個体差で信号がアースに接続されていることが判明した。プラグがもう少し深く挿入されれば解決しそうなので不本意ではあったがプラグの方を1mmほど削って金属部分を伸ばす改造をした。
これでうまくいってちょっとスッキリした。また5-303と5-202を行ったり来たりの作業で気づいた両者の違いだが
これは5-303で電源コードの接続部にマイクロスイッチがある。DC12V専用の電源コードの場合は横方向に突起があってこのスイッチが押されて切り替わる。この機能は5-202では変更となりコードが変更されスイッチもない。スイッチ部分に低圧用のヒューズが追加された。専用電源コードは「SONY」のロゴ入り
手間のかかった高額商品という事と自社製品への愛情を感じる。
SONY 5-303の基板と比べながら原因を探る。電圧だけではなくアンテナから信号を入れながらオシロスコープで波形を観察する。
垂直方向の振幅が足りないのだから原因はその辺りと思われた。確かに電圧、波形共に異なる。基板図がないのでパターンを模写して記入していったが5-303と5-202のパターンと回路は微妙に異なっていた。発振部の巻線が3ヶ所あるトランスの結線を頼りに進めたが怪しいと睨んだ初段のTrも外してチェックすると問題はない。そのうち垂直振幅が全く出なくなって症状はより悪化してしまった。
このパターンは見覚えあるぞ!昔のテレビの故障はこうなることが多かったが気をつけないとブラウン管が焼ける。チェックするとパーツの根元で断線していた。5μF 10Vで電解コンデンサーではなさそうだが手持ちの電解コンと交換した。波形も出ていたので期待したが復帰はしたが振幅は狭いまま。
垂直偏向回路は5-303の回路図では
X16(2SB51) - X17(2SB51) - X18(2SC140) の構成になっている。発振回路から順に波形を見ると
X16(2SB51)のBとC
X17(2SB51)のBとC
どうもこの段の動作がおかしい。「その2」の5-202の同部位の波形を見ると
そこで2SB51を外してチェックすると2SB51ではなく2SB381になっていてCE間が導通ありでご臨終。
実は5-202の回路図は入手できていない。5-303の回路図は2種類手元にあるが細部が少し異なっていて改良のためのマイナーな回路変更があったと思われる。5-303と5-202もその程度の違いではないかと思っている。
2SB51と2SB381は両者ともGe PNP Trだが2SB381の方が少し耐圧が高く2SB51の上位代替品と思われる。しかし両者とも入手できずたまたま2SB326を入手、交換した。
2SB326 Vcb:30V Veb:15V Ic:0.5A Pc:0,225w hFE mini:70
IF基板を含めて交換したのはTrは3個、電解コンデンサーはすべて、破損していて半固定VRは同形状がなく形が異なるものに。これで通電すると
これはアンテナからのRF入力だが良好。外ケースは結構傷んでいるので部品どりの5-303のケース(色違い)にエンブレムを移植して入れ替えるか迷っている。
「その1」は学習しながら修理したので非常に長期間(3ヶ月以上)かかってしまい完了は「その2」「その3」の後になってしまった。作成した基板図が役に立った。
その2
入手した時はすでにVIDEO入力が設置されていた。小型なのが重宝されたのか改造されているのを見る事がある。なぜか音声入力端子はなく無音で調べてみるとスピーカーが断線していた。インピーダンス70Ωのこのスピーカーの断線は度々遭遇するがボイスコイルが細いことに加えて出力コンデンサーの劣化でDCが漏れていたのかもしれない。音量調整用VRもガリオームとなり抵抗体とスピーカーが損傷する事がある。通電してみると一応ラスターは出るが受信せず当然ザー音も出ない。幸いにVIDEO入力からは不鮮明だが出画される。後付けされた入力端子は固定金具が設置されていてスナップスイッチでRF入力との切り替えができるようになっていてプロの作業かもしれない。整備はAUDIO入力を新設して切り替えスイッチは省略することにした。かなり強烈な喫煙環境にあったらしく掃除が大変で配線材も影響が現れている。
さぞ喫煙家の肺は凄い事になっているのだろうと改めて思う。私も20歳のころ短期間だが吸っていた事があるがここ数十年はちょっと極端な嫌煙家になっている(影の薄い自分のアイデンティを誇示したいだけかもしれない。巷で自然発生している「マスク警察」も似たような人たちだろうと思っている)。
回路はコンデンサーなどの値が5-303と若干異なるがコネクターは共通で互換性がある。プリントパターン、ジャンパー線は若干異なっていて一応5-202のパターン図を作って調整、コンデンサー交換した。ブラウン管の固定方法が異なるものがありこれは途中で仕様変更されたものと思われシャーシの固定穴の位置にも違いがある。アクリル製のブラウン管の保護カバーがひび割れているので部品どりの5-303と交換したのだが形状が異なり偏向コイルはそのままにブラウン管ごと交換することにした。スピーカーもストックと交換し脚部の割れはレジン修復した。ちょっと迷うが色の違いはあまり目立たないので塗装は無しにしよう。
IF段を除いてコンデンサーを交換、音量VRはかなりのガリだったので分解清掃して接点グリスで組み立て、スイッチの穴をリーマーで広げてアースに接地しないAudio端子を取り付けた。
その3
ラスターは出るしチャンネルを回すと少し反応がありザー音はするが出画しない。
IF段に26MHzあたりを入力すると音声の反応はあるがやはり画面は殆ど反応がなく映像ドライブ段にコンポジット信号を接続しても同様。AF段に低周波信号を入れると特に問題なく出音する。とにかく汚れ落としからだがこれだけで数時間はかかる。しかし自分にとっては無心で手を動かすことで心が落ち着く至福の時間。その後改めてRFから信号を入れると一応画面に反応が現れるようになった。
その後IF段以外のコンデンサーの交換を行った。IF段を除いたのはビデオ入力だけにしようと判断したため。
映像と音声信号の入力は背面からのRCA端子で。
音声は赤白でステレオ左右なのだが当然直結モノラルになる。しかし問題が発生、第一に僅かだがハムが出る。アースを浮かせると消失するので何とか押さえ込みたい。第2に画面が不鮮明で階調が荒い。これは映像信号が強すぎて飽和しているのかとも思ったがコントラスト調整VR(500Ω)に抵抗をいれて調整した。
これで随分見易くなった。
その4
外観はまあまあに見えたが開けてみると今までで1、2位争うかという埃の量だが「またか、、」であまり驚かなくなった。引退してからは高額商品だったためか捨てるに捨てられず屋根裏あたりに置かれていたのだと思う。
ケースと基板を外して庭で手ホウキ埃を払い隙間にある綿ぼこりは綿棒で搦めとる。ふと「この作業は本当にやりたい事か?」などと考えるが埃にまみれていたものが輝きを取り戻すのを見るのはそんなに悪い気はしない、いやなかなか楽しい。自分の性(しょう)にあっているのだと思う。
スピーカーのエッジがかなり傷んでいて全周に渡って断裂している。スペアはあるがこのスピーカーは70Ωの特殊なタイプなので修理することにします。ガスケットをはずして残っている残骸を取り除いてみるとフレームに段がある。初めはエッジを作ろうと思ったがストロークは短くなるがこの段部分に周囲を貼り付けることにした。
ガスケットを2重に貼り付けて低周波信号を増幅部に入れると出音した。当たり前に低域は弱いようだがボイスコイルの擦れも無いみたいなのでスピーカーはこれで完了とした。
通電するとガリ音は出るが画面は光らない。水平偏向出力の波形は出ているのでこれはFBT周りのトラブルらしい。早速取り外して開けてみると
中はかなりの惨状で緑青が湧いている。3本の1DK1の1本は空気管になっている。リード線はボロボロでなんとか他の2本を救えないかと外しにかかったが途中で折れてしまって残念。
FBTは非常にコンパクト。驚いたのは1DK1のヒーター巻線でなんとトランスに1回巻き付けてあるだけ(!)これでヒーター電圧を発生する。実測5Vだったが1DK1の規格は不明。とにかくこのユニットは使えないのでジャンクから移植することにします。
ドナーは一度開いて中を確認したかったが硬くなった高圧コードが引っかかって分解しずらくそのまま取り付けた。ただしコードは緑青が出ている所があったので端子のハンダ付けは丁寧に行った。これで再度通電してアンテナからRF信号を入れると
不明瞭ながら出画するようになった。音声は出ないがとにかく一歩進んだ。出画を確認してから2枚の基板の電解、ペーパーコンデンサーを交換したが画像はやはり不安定で映像信号を直接入力しても変わらず。細かく診ていく必要がある。しばらく動作させてみると電源スイッチを入れた直後に問題が発生し、しばらくすると改善することがわかった。不具合の内容は画面が小さくなる、横のノイズが入るというもの各部の波形は一応出ている。電源電圧を測定すると問題発生の時は9V台、改善すると11V台となる。過電流が流れて電圧が低下するかと思われたがチョークコイル両端の電圧を測定すると電圧が低下した時は電流も下がることがわかり問題は電源にありそう。大容量電解コンデンサーに外部から大容量コンデンサーをパラ接続しても状況は変わらず。セレン整流器にダイオードをパラ接続してみる。
少し電圧は上昇したが変わらず。平滑の大きな電解コンデンサーも交換してみたが変わらずで電源ではなさそう。偏向基板を交換するとやはり変わらずでどうも交換したFBT周りの可能性が高くなった。ユニットを外して分解するも外観では特に問題はない。電源を入れて1分ほど経過すると問題なくなるのでしばらくこのままで稼働させながら様子を見ることにして入力の配線を行った。
画像は結構鮮明だが安定性に欠ける気がする。同期が外れるというより画面が揺れる感じ。また修理したスピーカーの音色がやはり不満。エッジが無くなってリジッドになったのだからこれは当然でこちらもどうするか?
その5
入手したのは喫煙、猛塵環境下と思われるもの。
これはすごい埃で今まで見てきた中でも1、2を争う。これでも通電すると一応出画していて発火しなくて良かった。掃除とヤニとりをせっせと行って
ツマミ類もまっ茶色でマジックリンにつけるとすごい威力で感心した。数時間かけて掃除して通電すると水平同期が取れず掃除前と比べて悪化してしまった。埃でうまくバランスがとれていたのだろうか、、。ガックリだ。
外観問題点はロッドアンテナが純正ではなく直径9mmの太いものが取り付けられていて「アンテナの受け」に入らないこと。最初は受けを改造しようかと思ったがアンテナを加工することにした。
一段細い部分が受けにはまり込むように切り詰めた。掃除が終わって再度動作確認すると
写真では色がついてるように見えるがもちろんカラーテレビではないが良好に動作している。アンテナからのビデオのRF信号入力で映像信号入力と遜色ない画質で同期の安定度は少し弱いようだが諧調などは良好。部品の交換なしで電源電圧も12.5Vと十分な値。今までSONY 5-303と5-202合計で10台近くのメンテをしてきたがほとんどが何らかの手入れが必要だったのでこれは稀有なケースといえる。長期使用では問題が出現するかもしれないがその時に対処しようと思います。意外だったのはきちんと調整が取れていればチューナーからの入力でもそんなに差が出ないこと。映像IFを含めた調整は電気屋さんの腕の見せ所だったのかもしれない。今回この辺りはすべてオミットしてしまった。
SONY 5-202の良いところはプラスチッキーでない所だと思っている。外観は金属がほとんどを占めていてなんとなく高級感がある。前面パネルに対してブラウン管が大きく額縁の幅が狭い。これはテレビに限らずダサいかイケてるか(死語)の重要な要素だと思っている(「単に個人の好みだ」という声が聞こえる。)頻繁な調整が必要だったであろう数多いツマミも控えめに並んでいる。 SONY 5-202は5-303より少し廉価な後発製品だったが両者同時に販売されている時期もありデザインも殆ど同じでちょっと不思議な気がする。中古市場では5-303より見る事が少ないので製造数もそうだったのかもしれない。両者の異なるところは外観ではケースの色がグレィからアイボリーに、フロントパネルが黒のプラスチックからメタルプレートに、電源コードは5-303の時は12V専用品があり(突起がある)マイクロスイッチで切り替わっていたのが廃止された事、基板のパターンが若干異なり回路定数も少々変更されている事くらいかと思う。5-202より後のマイクロテレビはケースがプラスチック製となり基板がワンボードで内部構造が大きく変化した。トランジスタテレビ初代の8-301から5-303,5-202のメタルの質感にはソリッドフィギア的な魅力を感じています。
お読みいただきありがとうございました。
その後いつの間にか8
懲りずに誰にも見向きもされないしょぼくれたマイクロテレビが出品されるとつい拾ってしまうが送料の方が高いことが多い。外観は不良だがうっすらラスターは出る。
これは楽勝かと甘く見てまず外観から整える。ブラウン管枠は錆を落としてツマミと共に塗装、あとは一生懸命磨く。
ブラウン管には1976年の記載があるが交換したのか製品がこの時期まで製造されていたのかは不明。割れていたAC入力端子板やエンブレムはドナーから移植した。画面が暗かったので電圧測定すると整流後10V程度でセレンにブリッジダイオードを付け足した。
これで12V台まで回復ししばらく様子を見るが大きな平滑コンデンサーには発熱など問題はなさそう。いままでこのコンデンサーの短絡は1回経験している。画面が明るくなったが不安定は相変わらずでこの状態で基板上の電解コンデンサーを交換した。
しかし残念ながらコンデンサーを交換しても安定しない。最初は水平同期が取れずあれこれ調整しているといきなり画面が途切れて真っ暗になって煙が!ドライブ段のコレクタ抵抗が焼けていた。水平偏向出力が無くバッファ段の2SD65が問題ではないかと見当をつける。しかし取り外してチェッカーにかけるが故障の判定はない。外す前は発振すらしていなかったので最悪以前経験あるトランスの断線も疑ったのだが2SD65を外した状態では発振は回復し波形は出ていていて一安心。ドライブ段、出力段のTrも無事の様子。以前2SD65の代わりに2SC458を接続していたことがあるが定格には余裕があるはずなのだが短期間で不良になったことがある。いままで経験した5-202,5-303でもこの段の不良はとても多くTr自体も黒く変色しているなどかなり負担がかかっている様子。Trの取付けもここだけリード線が長くしてあり発熱対策のようで電源電圧が上がって耐えきれずに破損したと思われた。対策は発振部とドライブ部はパワーTrの2SC140なのでその中間にあるバッファ部も同じ(互換)Trにして様子を伺ったが発熱も少なく今の所は安定している。
これで解決かと思ったが
今度は垂直同期が安定しない。出力Trは同じく2SC140だがオシロ波形は乱れている。これには原因がなかなかつかめず困ってしまった(修理中は大抵困ってます)。他の正常動作の5-202の基板と交換すると同様の症状が現れるので原因は基板ではなく本体が原因らしい。なにかをゆすったりすると改善することもあるので改めてコネクターを掃除したがだめ。「ジー」という発振音がありFBTユニットをドナーから移植するも変化なく2日ほど考え込んでしまった。
このフィルムコンデンサーは垂直偏向コイルにパラに接続されているのだが以前ショートしていた事があり期待して交換したが変化なし。
ようやく判明したのはFBTを交換した時の自分の作業ミスで高圧コードとブラウン管の接触不具合というなんともお粗末な原因だった。
不具合と対策の時系列があやふやになってしまったがノイズが発生して同期回路に飛び込んだのが原因で症状をよく観察すればもう少し早く解決できたかもしれない。安定し力強い水平、垂直偏向波形を見ているとホッとして嬉しくなる。費やした時間が報われた気がした。
アンテナ修理は汎用ロッドアンテナを改造して取り付けた。
地デジ出力をRF変換しての画質、音質はメンテナンス目標と言って良いくらい良好で結果オーライ、苦労した甲斐があった。解像度の良い白黒映像にはなにか惹きつけるものがある。
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