Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

Fairchild 245 248 について

2024-01-30 13:04:00 | オーディオ

 Fairchild 245はFairchild 240の5年後の1959年に米国の同社から発表された。1958年にstereo レコードが登場し各社モノラルからステレオへの対応が急がれていたがMarntz社は有名なステレオプリアンプのmodel 7cを新発売する一方で既に発売されていたmodel1をもう一台追加しmodel6を組み合わせたステレオプリアンプにしたラインアップがあった。Fairchild 248は同様に一体となる金属製のケースに2台のFairchild 245とパッシブなコントロール部を組み込んだもの。245→258への改造サービスがあったかは不明。Marantz製品と比べてFairchild 245 258ともに目にすることは少ない。

 

 

Fairchild 245

 Fairchild 245 は240と異なり端子板は用いずに直接配線している。あまり生産効率は良いとは言えず最初から大量生産は考えていなかったのかもしれない。

その1(sn 20*)

 随分前に最初に入手した245だがボリュームツマミがオリジナルではないのが残念。コの字のカバーは単純な形だが厚い材の表面は細かく溝がある。塗装も凝っていて断面なども色分けされてカバーだけで4色が使われている。シャーシは薄型ということもあって箱状だが形状が複雑なため壁面は底板にねじ止めされている。背面観で露出している真空管シールドケースやトランス、プラグの保護カバー、整流管押さえの金具までも高さを揃えるためにシャーシの形を決めている。フロントパネルは床やカバーから離して設置してある。そしてシャーシの塗装は内面も含めて朱色にされている。

     

 入手した時に整備したがそれからかなりの年数が経過している。バンブルビーも一部そのままになっていたが当時は問題なく使えていた。ブロックコンデンサーを1個廃して青いチューブラーがぶら下がっている。当時はこうするしか思い浮かばなかったらしい。早速通電するとコンデンサーの漏洩はなく奇跡的にそのまま使えるようだがこのツマミは何とかしたい。パーツとして入手することは不可能なのでレプリカを製作することにした。

 レプリカを制作するのはほかのFairchild245から外してきたこのツマミ

 

電源スイッチ付きのボリュームつまみでOFFと1から9までの数字が入っている。よくみると浅く彫刻してあるがここは目を瞑ります。隣は今回初めて購入したシリコン印象材で同量混合する。かなり粘度が低く完全硬化するまで24時間かかるという。どういうものか不明なのでとりあえず混ぜて対象物を沈めてみた。

   

 残念なことに失敗しました。1)印象材の底まで沈んだので底部分の厚みが取れず元型を取り出す時に大事なところが切れた。印象材の厚みが必要。2)外枠から取り出したが印象材が硬化後も柔らかいのでレジン投入後に変形しやすく外型に入れたまま次の作業を行なった方が良い。3)レジンの粘度によっては型の内側の再現のためには硬い型でプレスする必要があるので印象材では賄えない。硬い材料で逆型を作って押し込む必要があり。この辺りは歯科技工の義歯製作に似ています。

 仕方ないのでもう一度印象を採ります。印象材の中央付近に対象物を固定する必要があるのでこのような形になりました。

  

これでまた24時間待つ。流し込むレジンがなくなったのでエポキシ樹脂を使うことにした。こちらも硬化まで1〜2日かかるらしい。手芸の世界でもすでに光重合レジンが主流のようだ。24時間後に取り出したエポキシ樹脂(透明な方)はまだハサミで切れるくらい柔らかいが肝心なところに気泡があった。だが気泡を埋めてこれを採用することにした。即時重合レジンも注文したのだがなかなか届かない。軸への固定方法をどうするか。SERIAで光重合レジンと光照射機を買ってきて試したがあまり相性が良くない様子。

  

軸より少し大きな筒を弾性エポキシ接着剤で固定してその後即時重合レジンで軸と合わせた。ボリューム軸が割れているのを利用して固定したが軸の加工を厭わなければ割れている片方を少しカットした方がより確実かと思う。

 

その2(sn 36*)

 

 

 この個体も音量ボリュームツマミが欠損していて入手当時今回とは異なる方法で複製した。また電源トランスが不良で(欠損だったかもしれない)トライアッドのトランスがほとんど同寸法だったので若干回路を変更して搭載した。カップリングコンデンサーもバンブルビーから一部交換しているし平滑ブロックケミコンも2本とも交換している。またヒーター用のセレンが劣化していたのでセレンの間にブリッジダイオードをパラ接続して押し込んでいるのは見た目にこだわったから(全く覚えていないが)。

 

サイズが偶然に合って電源トランスの置換がうまくいったのは本当にラッキーだった。真空管プリアンプ専用の電源トランスの種類は少ない。Fairchildのメインアンプとプリアンプのトランスは大きさの異なる同型でこだわりを感じる。今回久しぶりに通電したがコンデンサーの漏洩もなく正常動作した。

 

その3(sn ***)

 

 トーンコントロールツマミがチキンヘッドになっているがもちろんオリジナルではない。内部はあまり手付かずのようだがバンブルビーが割れているところもあるのでこのままでは稼働しないと思われる。まず欠損のツマミを何とかしましょう。その1と同じように印象採ってエポキシレジンを流し込む。

 

 

その4(sn 34*)

 

 この個体も内部はほとんど手が入っていない。外装はパイロットランプのジュエルが欠品だったので同色のプラスチックを加工し装着した(実は接着してはいけない。このジュエルの裏にネジ頭があって着脱が必要)。ヒーター電圧は低かったが半固定抵抗の調節代がかなりあるのでセレンはくたびれているがもうしばらくは使えそう。バンブルビーのカップリングコンデンサーはやはり不良な箇所があって注文した。

 

 その1、その3のツマミの複製がなかなかうまくいかない。印象材もレジンも初めて使う製品ということもあるが硬化に時間がかかるためなかなか作業が先に進まず。。不満はあるがとにかく完成まで作業して余力があれば再製しよう。

 

音量調整とトーンコントロールツマミの3個を複製したが不満多い。この際だからもう少しスキルを向上したいものだ。

エポキシ樹脂は硬化するのにとても時間がかかるので新たに即時重合レジンを入手しシリコン印象はそのままで作ってみた。しかし先端の大事なところに流れずプラリペアで補修して何とか形にする。

 エポキシ樹脂はミッチャクロンを吹いたのだが今ひとつ塗料の乗りが悪かった。今回はパテ埋めしてミッチャクロン後にプライマー処理をきちんと行う事にしよう。インレタは非常に高価なのだがしょうがないのでまた注文した。貼り方も工夫する。

 

ところがインレタを固定するのにクリアーを乗せたら地が溶けてレタリングが沈んでしまいあえなく失敗した。クリアに含まれていた溶剤が地の黒ラッカーを溶かしたため。カバーのクリア塗料は当たり前に水性だろうが!、、またやり直し。そういえば昔はインレタ固定するための専用スプレーまで売っていた。

 インレタの数字は大小一組ずつしかない。再度入手したインレタの数字の小さい方が失敗したので大きな方を貼った。オリジナルは両者の中間くらい。インレタは鉄道車両の模型用にいくつか出ているがオーディオ用は本当に少ない。数字だけなのでオーディオでなくても良いのだがもう少し潤沢に入手できないものか。水張りのためのプリンター専用紙もあるようだがインクジェットプリンターでは透明な背景に白の印字はできない。白インクを搭載したプリンターが以前あったように思うが現在はどうなっているのだろうか。

 水性のマットクリアを吹いて2週間以上格闘したツマミの複製(向かって左)はようやく終了した。内部の不良コンデンサーはすべてオレンジドロップと交換した。

 今回修復した4台とFairchild 240

  横幅は240が奥行きは245の方が長い。245は何の変哲もない回路だと思うが面白いのは240は半導体(セレン)、後発の245は真空管整流だということ。240はあらゆる面で時代の最先端を狙った設計だったか。Marantz 1とMarantz7c の違いと共通するものを感じて興味深い。

 

Fairchild 248

 Fairchild 248は前述の通り245を2台重ねてその横にパッシブなコントロール部を追加し一体化したもの。

その1

 

コントロール部は電源のON,OFF(しかし各アンプの電源プラグを挿しただけ)、モノラルとステレオの切り替えと各々のラウドネススイッチ、音量コントロールボリュームとなっている。

 

   

内蔵の2台のアンプはシリアルナンバーも別々にあって当然電源トランスを含めた電源部も各々にある。最初から248を見据えて245を設計したのかは不明だが信号の引き出しコネクターはあるのでそうだったのかもしれない。248は2台の245をL型のサブシャーシで支える構造でこのサブシャーシで2台のアンプの繋ぎ目が前面から見えないようになっている。

 そんな全く非合理的なステレオプリアンプは最初からオーディオ機器としての実用性などは考えられてなかったのかもしれない。だがその存在感、品格の高さに圧倒される。Fairchild 245単体も独特な気配を感じるが248は別格なオーラを放つ。

この個体はほとんど(全く)手が入っていない。ヒーター電圧は問題ないがバンブルビーのカップリングコンデンサーが漏れているところがあって交換した。そして上段の245を外して下段をみると、、

 

 、、電源トランスからピッチが溢れ出て電解コンデンサーのあんかけ状態になっていた。。トランスの2次側B巻線の短絡らしい。そういえば背面から見たトランスの色がかなり異なっていて随分発熱したのだと思う。この個体は入手してから稼働させたことはない。245でトランスを入れ替えたのが1台あったが多分こういうことだったのだろう。これは困った事になった。以前から巻き替えをお願いしているC電器さんに写真と回路図を添えてお伺いを立ててみる。返事待ちの間に整備した245と交換して248の蓋を閉じた。

 トランスを送ってすぐに状況報告のメールが届いた。内部のコイルは炭化状態で詳しい巻き数が測定できない状態で2次側の電圧を教えてほしいという内容だった。他の245の真空管を抜いて電圧を測定してレポートしたが納期は2週間ほどらしい。

 その間に平滑回路のコンデンサーが機能しているか確認する事にします。

  

 まず整流直後の高圧がかかる電解コンデンサーの容量を回路を切り離して測定するとほとんど抜けていてDCRも下がって完全に不良。ここに過電流が流れてトランスが故障したのだろうか。そうであれば整流管も道連れになっているかもしれない。このブロックコンデンサーは紙筒に覆われているのでヒートガンで固定しているピッチを溶かして取り外して

   

 金属缶をダイヤモンドディスクで切断して必要があればヒートガンで加熱して内部を取り出し切り口を整形する。内蔵コンデンサーのリード線は端子への内部でのハンダ付けは難しい(アルミなので)ので小さな穴を開けて表に出してハンダつけ。接着剤でコンデンサーの固定と筒を組み立てて完了。ブロックコンデンサーが入手しずらく価格も高騰しているので最近では当たり前にこの方法だが特に不具合は出ていない。

 しばらくして修理完了で帰ってきました。

 コイルが炭化するほど傷んでいたので出力線も交換です。ピッチを溶かして中身を取り出して清掃して巻き数を数えて(今回は一部炭になってたのでムリ)コアを整えて巻き直してまた組み立てる、、。ホントに大変な作業です。

 早速取り付けて配線した。

 意外だったのはトランスのB電圧が少し低かったこと。これは私の測定方法に不備があったのかもしれない。しかし動作には問題はない。

 

その2

 

 

 

 こちらも内部を見たのは入手以来初めてだがかなり手が入っていた。平滑の電解コンデンサーはチューブラーが大量にパラに入っているということはオリジナルは全滅らしい、カップリングだけでなくトーンコントロールのバンブルビーも交換されているところが多い。B電圧が未交換機よりも10%ほど高いので他の平滑コンデンサーは劣化しているかもしれない。機能的には問題なさそうなのでこのままとするか見た目を重視してもう少し整理するか。パイロットランプが1個切れていたがこのソケット形態の6V球の製品はまだ流通していて入手可能。パイロットランプの下半分を黒塗料で塗りつぶしてあり光が上方にだけ当たるようになっている。

 

 この製品の最終チェックは十数年前というシールが貼ってあった。シールドされたコンデンサーのボディはしっかりアースされている。作業された方への敬意を表してこのままにしておくことにします(ちょっとエラソーだな)。

 修理(巻き替え)したトランスと複製したツマミをまとめて取り付けて修復が完了したFairchild 245

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

雑記1

 鳥山明氏が逝去されました。享年68歳とのことでかの手塚治虫氏は60歳で亡くなりやはり漫画家は体への負担が大きいのではないかと思います。数十年前の学生時代に私は中京地区に住んでいました。東海ラジオのローカル深夜放送で笑福亭鶴瓶氏の番組があった。リスナーのお便りコーナーで鶴瓶氏「この人漫画家みたいやから電話したろ」繋がった相手は新人の鳥山氏でこれから雑誌で連載が始まるのだという。多分Drスランプ アラレちゃんのことだと思うが懐かしい思い出です。鳥山氏の画力の素晴らしさは万人が語るところですでに芸術の域に達していると思っています。ご冥福をお祈りいたします。


BMW X1 E84 トラブル(3.1) まだまだ続くよオイル漏れ

2024-01-13 02:05:39 | BMW E84 X1

 オイル交換時にディーラーで指摘された問題点の一つ、オイルフィルターハウジングからのオイル漏れ。2022年12月に2ヶ所のガスケットを交換したが治らず思い切りボルトを締めたら1本を捩じ切ってしまった。その後も完全には止まらず少し滲んでいたが翌年2023年10月に漏れていた1ヶ所のガスケットを再び交換した。ガスケットはいずれも非純正だが両者は異なるメーカーで厚みが違っていた。その時はオイル漏れは厚みの薄いガスケットが修理失敗の原因だと思っていた。交換後はしばらくは良かったのだが長距離走った後でいきなりオイル不足のアラートが出てまたオイル漏れが再発していた。オイルフィルターハウジングは3本のボルトで固定されているのだが折れた時に交換しなかったボルトも伸びてしまっていることが判明し交換した。しかしオイル漏れは相変わらず続いていた。

 ここからのオイル漏れはBMWの定番のトラブルらしく多くの記事がヒットする。比較的簡単な作業と思われるガスケットの交換だがこれだけ記事が多いということは特別の作業のノウハウがあるのかもしれない。少なくともパーツは純正部品を使った方が良さそうだが探しきれなくて3度目の非純正品を注文した。届くまで間に前から考えていた取り出したゴムガスケットに液体ガスケットを塗ってみることにした。

 オイルフィルターを取り外すのに手持ちの工具ではインテークカバーにあたって嵌まらない。工具を削って対処する。

 

 

 ガスケットや各部を脱脂後に液体ガスケットをシリンジに詰めて盛り上げた。溝は狭くガスケットも細いのでシリンジは多分必需。これでエンジンをかけると、、全く改善されていないではないか!、、下にある前回交換したオルタネーターにオイルが盛大にかかっていた。オイルフィルターハウジングにはもう1ヶ所オイルクーラーのガスケットがあるのだがよくみるとここからも漏れていた。再びオイルハウジングをはずして両方のガスケットを取り出してみると1年前に取り付けたオイルクーラーの方はすでに劣化が進んでで硬化し当り面が平らになっている。やはり最初の製品の品質が良くなかったのではないだろうか。塗ったばかりの液体ガスケットは除去して溝は綿棒で掃除、また脱脂して今度は2ヶ所のガスケット両方に盛り上げて再装着した。

 幸いこれでオイル漏れは治っている。新たなガスケット(3個目)も届いたので今度漏れたらまた液体ガスケットなしで交換してみようと思う。はみ出した液体ガスケットは美しくないので使用を躊躇するがここまでこじれると贅沢は言ってられない。でも万事窮すでディーラーにお願いする時はみっともないのできれいに拭き取ってからにしよう。。前回交換したオルタネーターのトラブルはオイルを浴びたのが原因の可能性もある。もしそうであれば素人が問題を拡大したということになってますます落ち込む。

 

 1週間ほど経過したが大丈夫なようです。漏れは認められない。このまま使い続けることにします。

 

 交換して10日目。この間毎日観察していて調子が良かったのだが今日はオイル漏れを発見した。オイルクーラー側と思われるが交換するにはオイルフィルターハウジングごと外さないとだめで結局このミッションは失敗に終わった。ゴムガスケット+液体ガスケットは相性が悪いのだろうか?この冬最強の寒波がやってきてるので屋外の作業は後日にしよう。

 2日後取り付けました。液ガスは硬化して除去は簡単にできます。1昨年に初めてガスケットを交換したのと同じ状態になりました。エンジンをかけると、、オイルクーラー側からは漏れはないがオイルフィルターハウジングの本体ガスケットから漏れがあります。この様子も最初のと一緒で結局何も解決していないことになる。

 

 なぜうまくいかないのか、、振り出しに戻ったわけですが不思議です。まず締め付けトルクがわかりません。いろいろと検索すると22Nmという記事がありましたがオリジナルのM6取り付けボルトがアルミ合金ということもありこれは違うのではないか。。記事の中に「取り付けボルトの締めすぎ」というものがあったが残念ながら肝心の数値がありません。また投稿欄で何回もガスケットを交換してもオイル漏れが解決しないというものもあって同じ悩みの人もいるらしい。通常のレンチで少し締め込んでもボルトが捩じ切れたということはかなりトルクは低い値なのかもしれない。そこで一旦緩めて4.0Nmで締めてみるとやはり漏れはあるが様子は少し変わって少なくなったようにも感じる。エンジンをかけたままでボルトを触るともれが少なくなるポイントがあるので一応その状態で様子を見ることにした。

 少し走ってみるが完全には治らない。エンジンをかけたままパーツクリーナーでオイルを流すと漏れているところは少し泡立つ。この泡立ちを見ながらトルクを増減してみる。

 最初に無理なトルクをかけたので平面が歪んだ可能性もあるかもしれない。オイルストーンを少し当ててみることにして入手した。

 

 ところがオイルストーンを当てる前にトルクを3本とも弱くして走ってみるとオイル漏れはあるにはあるがとても少ない。車にトルクレンチを常に積んでおいて締め付けトルクを変化させながら漏れの様子を観察してみると

 締め過ぎたものを緩めていくのはやはり不自然なので弱いトルクから徐々に強めていってみる。まず3.0Nmから、さすがにゆる過ぎだろうと思ったが思いの外漏れは少ない。これでいいかも、、と様子を見ていたがやはり少し滲むので3.5Nmに上げてみた。

 

 これでほとんど漏れは治った、、と思っていたら今日は少し漏れている。トルクを確認すると一ヶ所2Nmくらいまで緩んでいた。ステンレスボルトは硬くて変形が少ないので一定以上のトルクをかけないと緩みが出てしまうのかもしれない。3本とも4.0Nmとして観察を継続する。

 ボルトの適正締め付けトルクを調べてみるとM6の場合は 最大締め付けトルク 7.45Nm で適正締め付けトルクはその69%の 5.2Nm     これは鉄の場合なのでALの場合はその半分の2.6Nm とのこと。そしてステンレスボルトは引張り強さは鉄より勝るが耐力が引張り強さの1/2程度なので鉄よりも弱い力で締め付ける とある。元のボルトはアルミ合金なのでそうすると2.6Nmだったのか?

 

 

車の様子をみるのと身体のリハビリのために近場の山を歩くようにしている。

 

 今日から2月になったが日差しは暖かで梅の蕾も随分綻んできた。足への負担を少なくするためにトレッキングシューズの中敷きを衝撃吸収性の高いものに交換して使用している。カルシウムの吸収を良くするために妻と始めたMBPだが

定期購入で3ヶ月毎にすると割引があるというので注文したら(わかっていたことだが)これだけ送られてきた。1日1本で3ヶ月分の2人分、合計180本で初回のおまけが加わって210本が来た。味はブルーベリーとライチ。せっせと飲むことにしよう。

 

 ・その後もほぼ毎日オイル漏れとボルトの締め付けトルク(緩んでいないか)を確認している。トルクレンチで緩めてみるとやはり締め付けトルクが下がっている。ボルトがボルト穴に留まるのはボルト自身の変形でボルト穴との摩擦が増えるからだろうか。ステンレスボルトはいかにも硬いので変形が少ないために緩むのか?

 ・次第に締め付けトルクが上がっていって今は4.5Nmになった。現在のところオイル漏れは治まっている。これで安定しているようならこのまま行きたいものだ。4.5Nmは前回の締め付けトルクの1/3の値。

 ・今日は2時間程度走って見るとすこし滲んでいる。これにはかなりガッカリした。トルクは5Nmほど(なぜか辻褄が合わない)が改めて5.5Nmで締めてみながら次の一手を考え始める。

 ・翌日また1時間ほど走行しチェックするがが漏れなし。ところがもう1時間ほど走ったところで再度チェックすると漏れあり。エンジンかけながらパーツクリーナーで洗浄すると接合部が泡立っている。そのまま緩めながら泡立ちを観察すると2Nmくらいで治る。少し締めて2.5Nmとして観察を継続する。

 

 エアーフィルターとエアコンフィルターを交換しました。

 

 久々に洗車してフィルター交換、両方とも思ったよりも汚れてなかった。フィルターケース外しているのでついでにエンジンルーム内も手が届く範囲を掃除。いつかアンダーカバーを外してオイル汚れを掃除したい。オイル漏れが治っているのが前提ですが。

トルク2.5Nmにしてからは今のところ全く漏れはない。

昨日数十キロ走った後でみると少し滲みあり。翌日エンジン始動してパーツクリーナーを吹きかけると泡がでる。トルクを測ると1ヶ所2.5Nm→1.7Nmに緩んでいた。再度2.5Nmにしてっパーツクリーナーで漏れがないのを確認する。オイル量が少なくなってきている。購入しておこう。

昨日数十キロ走ったら少し滲んでいる。3ヶ所のボルトのうち1ヶ所は1.8Nmまで緩んでいた。3ヶ所とも3.0Nmにしてみる。オイルと水も少なくアラートが出ているので水は規定量、オイルは1L補充せよと出ていたのでとりあえず補充した。

今日は数十キロ走ったが漏れはない。トルクは確認していないが3.0Nmのままで様子見。

オイル漏れは治ったようです。長距離走っても全く滲まなくなった。ボルトの増し締めはしていない。締め付けるとオイル漏れするのはどう説明したらいいのかわからない。結局指定のトルクは不明のままだった。


iPhone 7 Plus バッテリー交換(2)

2024-01-12 22:16:15 | 日記

 相変わらず使い続けているiPhone 7 plusだが最近急にバッテリーが空になるようになった。残量関係なく前触れなしでいきなり落ちるのだが「バッテリーの状態」を見ても特に問題はない表示。充電すると一応復活するがこれでは怖くて使えない。前回バッテリー交換したのは1年半前でその時は欲張って4600mAhという売っている最大容量を選択した。それからは問題なく使えていて今回のトラブルは何が原因かははっきりしないが一番考えられるのはやはりバッテリーの故障。そこでもう一度交換して様子を見ることにした。

 選択したのは前回と同じ製品なのだが考えてみれば欲張ったために無理な設計ゆえのトラブルかも、、と注文してから後悔した。価格は2899円で翌日届いた。前回の交換時は流石に緊張して何回もチュートリアルビデオを見て学習したのだが今回は気が緩んだのと視力がより落ちた関係かトラブルが頻発した。1)バッテリーを固定している接着テープの引き出しに失敗→ドライヤーで温めて無理やり引き剥がす。  2)3ヶ所あるコネクターが元に戻らない→ずいぶん時間がかかったがなんとか押し込む。 3)上下パネルの接着テープがうまく位置に収まらない→なんとかピンセットで修正して など。 それでも30分ほどで完了して幸い上手く動作した。

 これでしばらく様子を見てみます。

 

 1週間ほど経過したが大丈夫でやはりバッテリートラブルだったようです。今のところ全く不自由を感じないのでiPhoneの進化には取り残されています。老体に鞭打ってiPhone 7 plusさんにはもうしばらく働いてもらいます。

 

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 雑記1

 注文していたラックが届いたのだが組み立ててみると、、

 なんと!横幅が足りず予定していたものが収まらない。棚板の横幅で注文していたのだがこのような形状、写真のチェックが甘かった。。

 仕方ないので注文し直そうかと思ったがふと思いついて棚板の鬼目ナットの位置を変更して改造することにした。

  

 ホームセンターに鬼目ナットを買いに行ったが結構高くて1個当たり100円程度する。もったいないので現在のものを付け替えた。柱の間隔が広がるので補強の筋交を新たに作る。

 

すべて手持ちの廃材で対応することができた。何とかリカバリーできてよかった。

 

 雑記2

 カミさんのMacBook Airが15.3inchに更新された。今まで使っていた13inchはバッテリーが終了している。本体はまだ使えそうだったので早速交換した。

格安バッテリーだが工具付きで難易度は低くだれでも交換できる。Youtubeで解説動画も多いが解説というより「素人がやってみた」的なものはあまり参考にならない。あらためて「熊五郎お兄さん」の偉大さがわかる。ところで15.3inchの画面保護ガラスの貼り付けに失敗した。貼り直そうと持ち上げた途端に割れてしまった。そして27inchに慣れている目には13inchは辛くあまり出番はなさそう。


Fairchild 240 について

2024-01-09 18:25:10 | オーディオ

 Fairchild オーディオの民生用プリアンプは240 245 248だけかと思うが(間違っているかもしれない)いずれも目にする事は少ない。240と245はモノラルアンプで248は245を2階建てにしてコントロール部を追加したものでMarantz#1を2台と#6を組み合わせたステレオセットに構成が似ている。デザインはレイモンド・ローウィで当時としては(現在でも)かなり斬新だったと思われる。

 240のトーンコントロールはグラフィックス表示でトーンコントロールのツマミを周波数特性のグラフに見立てて低域、高域の増減を表示するというもので他に例を見ない。真空管はフォノイコライザーに12AT7が1本、トーンコントロールとラインアンプに12AX7が2本の計3本構成でB電源とヒーターはセレンで整流されている。大きな平滑コンデンサーが採用されるなどかなりHiFi志向の高級アンプと思われる。フォノ入力以外はそれぞれ入力ゲインのコントロールボリュームがあり電源スイッチ付きの音量ボリュームは2連でライン入力と出力に入っている。

 入手した240はかなり改造がされていて3個の入力ボリュームは取り外され音量ボリュームも電源スイッチなしの単連に変更されていた。基板の部品も数ヶ所取り外されている。リアパネルには非オリジナルの入力端子が大きな穴を開けて取り付けられていて修復を困難にしている。コンデンサーはバンブルビーが多用されているがほとんどひび割れがあり交換が必要。修復には時間と努力が必要だがとにかく正確な回路図と部品配置図が欲しい。調べるとFhotofact Folderとして提供されていたので手配したが米国なのに到着に1ヶ月ほどかかるし製品より送料が6倍も高くて??  ペラペラのA4数ページのはずなのだが。

 年を跨いだが注文して18日で届きました。

 欠品の電源スイッチ付きの2連ボリュームだが丹念に探せば見つかるかもしれないが実際にはなかなか困難そう。しかし海外オークションでレプリカが出品されていて注文した。こんなマイナーな製品の部品の提供に感謝したいところだが価格と送料は結構高い。250kΩ+1MΩ 2連が800KΩ2連になっているがまあ大丈夫でしょう。webで写真を集めて修復の参考にするが外観は複数存在するようだ。Fhotofact Folderの写真はシリアルNo,の若い初期型らしくパネルデザインが若干異なっている。

 鮮明な回路図が入手できたのであらためて眺めてみるといろいろと興味深い。ラインアンプ部は12AX7を1 1/2 本使ってトーンコントロールやゲイン調整(?)などをおこなってから音量調整付きのカソードフォロワーで送り出している。入力特にphono入力はどうなっているのだろう。初段の12AT7はSRPP?  μフォロアー? その後の1/2 12AX7の入力のボリュームはphono専用らしいしイコライザー回路はCR型か? セレクタースイッチは1個で入力切り替えとイコライザーカーブ切り替えをおこなっているというのも見たことがない。また選択された入力以外は接地される徹底ぶりでかなり個性的なアンプのようだ。個性的なデザインの筐体に最新の回路を詰め込んだ先進のアンプだったか。(本当は理解不足でよく分かってない)

 

 回路図にないブロック型電解コンデンサーや出力トランスが増設されていた。回路も変更されていると思われるが復元を進めることにします。スイッチ付き2連ボリュームが届いた。抵抗体の変更で対応する受注生産なのかもしれない。

 

 わかるところから始めましょう。切れていたヒューズを取り替えて通電すると幸いにも電源トランスは生きていた。しかしセレン整流後の電圧がA,Bいずれも低すぎる。平滑回路の電解コンデンサーの容量を測ってみるとかなり低下していてそれを補うために新たなブロックコンデンサーが増設されていた。2本あるオリジナルのブロックコンデンサーは両方とも劣化していた。

 出力トランスや増設コンデンサーを撤去するとかなり見晴らしが良くなった。これで回路図と照らし合わせてみると抵抗値が異なっていたり終段のカソードフォロワーのプレートにB電源が供給されていないなど大幅に変更されている。セレンの能力が下がっているのを補うために回路の抵抗値を下げたのかもしれない。セレンの交換はなかなか大変なのでシリコンダイオードのパラ接続になりそう。(実際はセレンの劣化は認められずダイオードは使用しなかった)

 劣化しているリード線引き出しブロック電解コンデンサーだが

  

 紙筒を切り開いて中身を取り出して新たな電解コンデンサーを埋め込むことにした。適当なものがなかったの複数繋いで代用。足りない分は発注した。

 もう一つ大きなリード引き出しのブロックコンデンサーは40μF300V x 4

 

アルミ缶ではなく紙筒なので中身を入れ替えた後に丸めただけではバンド固定のための剛性が足りない。中にフィルムを丸めた筒を入れて形を修復しその中にエポキシ樹脂で固定した。リード線は元々のものをそのまま使っている。

なんとかブロックコンデンサーの再生が完了した。大きい方はB電源の大容量x1とヒーター用x2 少し小さい方はB電源デカップリング用x4

 Listening level control はパーツ、スイッチへの結線はとりはずされていた。

 

 部品配置の写真と僅かに残る基板裏の配線を参考に部品の配置を検討する。プリント基板と異なり端子板+裏面の配線は度重なる修理にも劣化が少ないし回路変更にも便利。

 コンデンサーを接続し電源スイッチ付きの2連ボリュームを取り付けて通電するとセレンの出力は思ったよりも下がっていない。しかしバンブルビーコンデンサーはMΩメーターで測定するとやはり漏洩が激しくすべて交換になった。

 

 部品が撤去されていたListening level control 部分の修復と切り替えスイッチへの配線、コンデンサーの交換を行なった。

 備忘録

 V2のユニットは配線図と入れ替わっていた。1⇄6など

 ヒーター巻線は70V x2 

 V1のphono入力から2ピン(グリッド)との間に15kΩが挿入されている。

 

AUXとRADIO入力はゲイン調整のボリュームがある。また前述したように全ての入力は選択されたもの以外はアースされる。欠品のボリュームを注文して取り付け。

 

隣の大穴はなんとか塞がないとTAPE出力のボリュームを取り付けることができない。少し小さいワッシャーを叩いて伸ばして適合させて金属板を裏から接着して固定する。

 

 

 これでリアパネルのボリュームは修復できたが途切れている”TAPE OUT"のレタリングはいずれ何とかしたい。

 予定していた修復は完了した。スライダックで徐々に電圧を上げながら回路図に記載してある数値と照らし合わせてみる。心配していたセレンの整流は問題は認められない。各プレートとグリッドの電圧はそれなりに差異はある。早速音出ししてみましょう。

 片chのCD出力をAUXに、出力は浅野PX4アンプからWE756Aにつなく。まずノーハムに感心したが浅野アンプもそうだが新しい電解コンデンサーの威力を感じた。特にFaichild240の平滑、デカップリングのコンデンサーはこれでもか!というくらい入っているのと平滑回路付き直流点火ヒーターだから当然といえばそうなのだが。音も問題なく出力された。最初はトーンコントロールが効きづらいのか?と思ったが一般のカーブよりもかなり緩くグラフィックに合わせている。Lintening position切り替えも動作を確認した。電源電圧の117Vと100Vとの音の差は大きくこれはヒーター点火の関係かと思うが適正な電圧をかけないと十分な性能が発揮されないのは当然なこと。

 phono入力の回路だが文献によると「カスコード回路」ということがわかった。管球王国Vol.3 でK氏のWE300Bsアンプの初段で採用されていたが国内でのオーディオアンプとしての採用例はほとんどないとのこと。米国アンプでは採用されたとあるのでまさにその1台だったと思われる。高周波特性が良いためチューナーのフロントエンドなどで使われることがあったらしい。

 これは当時のCMペーパーだが特徴の一つに太字で「HIGHEST GAIN-LOWEST NOISE」とあり説明には驚いたことに「TV cascode input circuit」としっかり記載がある。1950年台当時TVは時代の最先端でその技術が用いられている進んだアンプという意味かと思う。価格は$98.5とあるが同時期のMarantz#1は$153だったので2/3の価格でお買い得だったかも。

Thorens TD184 GE バリレラ Fairchild240   WE140A(1140A)  WE756A とCD入力を切り替えながら試聴した。

 凝りに凝ったphonoEQ回路のEQカーブは8パターン、ゲインコントロールができる入力とテープ出力、カソードフォロワーの低インピーダンス出力で離れたスピーカーの近くのメインアンプでも大丈夫、フロントパネルはシンメトリーに配置された2個のダイヤルだけ、トーンコントロールは透明アクリルのグラフィック表示でパイロットランプで浮かび上がる、中央の赤いツマミは3段階のゲイン切替えだがひょっとすると機能のためではなくデザインの必然のためにデザイナーからのリクエストで設置されたのはないか、、、などと妄想する。コンパクトでモダンなボディの設計はレイモンド・ローウィで発表は1954年だがやはり米国の黄金期は1950年台ではなかったかと思わせるような豪華で充実した内容でした。

 

 

 

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