EMT139には無印、EMT139A、EMT139Bがあるそうだが違いはよく分からない(イコライズカーブが異なっているらしいが)。管球式モノラルフォノイコライザーでEMT927、EMT930(st)専用、ECC82とEF804が各々2本づつの4球構成でヘッドフォンアンプまで含んでいた。
EMT155stとEMT927の結線図を参考にするが2種類あるB電源の一方(6b)の接続は省略されている。
拙宅のEMT139B 2台
1台はフロントパネルのシールがないがこの2台はほとんど同じ内容なので多分EMT139B2台だと思われます。
トランスの固定が緩んでいるのでネジを締めようと思うが他のトランスをどかさないとドライバーが届かない。配置がキツキツです。
スクラッチフィルターは大きな2連バリコン!痺れます。。
ボリュームと違ってツマミ回してもノイズが出ないのはいいですね。
フロントパネルの4個のポテンショメータは下2個はハムバランサー(初段専用とその他用と)、あとは出力調整とヘッドフォン出力調整用。ヒーターは前述のように初段用直流(6V、0.6A EMT927の電源を確認するとブリッジ整流、500μFx2、チョーク付きのπ回路)、他は交流点火(6.3V、0.86A)、B電源は終段とヘッドフォン部の1/2ECC82(345V、17mA)、その他(310V、5mA)の2系統。
電源と2台を収めるケースを自作した。
作ったのは数年前。収めたケースはジャンク屋で見つけたもの。適当なケース探しで数ヶ月かかった。電源は中央に配置しコネクターを介して左右に供給している。
久しぶりに通電すると
EMT930から自作したアダプターで直出しすると、、ちゃんと出力されるが結構なハムが載る。左右で4ヶ所のハムバランサーを調節すると1ヶ所が途中で引っかかって回らない。巻線ボリュームのトラブルかと思うがここは後で修理するにしてもやはり治らないハム。フォノイコライザーの電源を落とすとノーハムでしばらく鳴っているところを見ると電源が原因かと思われる。今まで稼働していた期間はないので完成直後に改良もせずに即お蔵入りだったのかもしれないが記憶がない。。今回はなんとか実用レベルにしたいが電源トランスの位置が入力に近いのでトランス類を遠隔しないといけない可能性を考えるとちょっとへこみます。
外は台風が来ています。結構ガタガタ揺れるが夜中に音を出しても多分大丈夫で好都合。まず回らないハムバランサーを分解して取り出す。
一目でかなりの惨状です。抵抗帯が破壊されて摺動子が食い込んでいる。。当然交換かと思うが適当な(100Ω)巻線ボリュームが無い。大きいのはあるのですがフロントから見える細い軸も異なるし。両端子の導通はあるし壊れたところは比較的端の部分だったのでストッパーを設けてそれ以上進まないようにして再使用することにしました。適当な部品が入手できたら取り替えることにします。
一旦バラして組み立ててから適当なストッパーを貼り付けて完成。うまくいきました。ただし残りの3個も含めて寿命が来てしまっている可能性もあります。
さて発生しているハム対策ですが、、結論から言うとなかなか難儀でした。元の設計では初段ヒーターの整流はセレン、電流の関係で左右chは直列繋ぎで6.0Vに調整(これがマチガイの素)、B電源はダイオードによる半波整流(マイブームだった)、電源とアンプの同一ケースで電源トランスと入力トランスが近い、その他諸々、、となっています。一つずつ変更してその都度確認していく。
まずヒーター整流をシリコンブリッジにして左右ヒーターをパラにする。やっぱり電源トランスの6.3V端子では足りないので12.6Vにして抵抗をカットアンドトライでなんとか6Vにして試聴 → 変わらず。
B電源整流をブリッジ整流に(適当なのが無かったのでファストリカバリーダイオード4本繋いで)変更して試聴 → 変わらず。
接続ワイヤーの延長コード作って電源を遠隔してみて試聴 → 変わらず。
常にアースの取り方などを変更しながらだったがやはり根本は変わらずで相当凹む。一晩寝ながら考える。。
そのうち入力を1本外すとかなり治ることを発見し光明が見えてきた。
入力(プレーヤーからの受け)ジャックのアースは接続していたが回路図では浮いているので切り離し。改めてプレーヤー本体とアース接続すると治ったようです。これは以前も試したことなので何が功を奏したのかはよくわからない。
延長コードを使用しなくても使用に耐えるくらいになりました。
以上を考察すると(備忘録)
1 フォノイコライザー本体に大きな故障がなかったのはラッキーでもしそうだったら余計に混乱していた。
2 Marantz#7を習って半波整流、セレン整流にしたのだがやはり難しい。コンデンサーとチョークコイルを可能な限り入れたのだが結果が芳しくなかったのは脈流が取りきれないというより電源トランスの問題があった可能性が高い。半波整流によるトランスの唸り、入力トランスが近いのに撒き散らした電磁波など。ただし半波整流からブリッジ整流変えた時の音の変化はとても大きく低域がしっかり出てくるのは良いがこの音質の変化はいいのか悪いのかはわからない。
3 ハム対策は経験がモノを言うような気もするが回路図や接続図などを常に再検討する姿勢は必要。検証は変更1項目ごとに行ったが途中で新たなトラブルが起こったりで(違った故障が発生したかと思わせる)古い(いや素人の作った)キカイはやはり厄介だ。
これでしばらく聴いているとかなりトランスの発熱がある。原因は整流したヒーター巻線からと思われ回路図では6V 0.6Aを初段のEF804に供給する。しかし規格表ではEF804のヒーター電流は0.3A。回路図ではハムバランサーとパラに18.7Ω 3Wのブリーダー抵抗が入っていてこの抵抗には0.32Aの電流が流れて約2Wの発熱がある(他のパーツと離されてフロントパネルの裏に設置されている)。電源トランスのヒーター容量が足りないのでここは(涙を飲んで)抵抗の接続を外して電源内に共通のブリーダー抵抗(22Ω)を増設した。また接続もトランスの6.3V端子に戻してドロップ抵抗も外してチョークコイルのみにするなどした。これらの変更で定格内になんとか収まり発熱は気にならなくなった。その後センタータップを利用した両波整流に再変更した。
AC12.5Vは適当なACアダプターを分解して整流回路を取り外して改造した。しかし接続時にAC12.5Vにするにはどうしたらいいのかよくわからない。高い電圧をスライダックを使って実測しながら調整することにします。最終的に抵抗をACに入れるかコネクター7aと7bの間の直流に入れるかはまた検討します。
実際に接続してみるとAC145mAの負荷ではほとんど電圧降下を起こさないことがわかりました。
早速配線して音出ししてみる。
、、、盛大にハムが聞こえる。EMT139Bの経験が役に立ってないぞー。入力ジャックはシャーシアースに接続されているが出力トランスの2次側はアースしてはいけなかった。ピンジャックをフロートするとハムは消えるがうまく処理できるだろうか。。
手直ししてEMT155(st)アダプターは完成しました。
出力トランスの出力は接地していません。今まで使っていたスイッチクラフトのRCAジャック用の絶縁スペーサーもあるらしいのですが残念ながら手元にはないので色々考えた末に2連の端子板付きのジャックとなりました。芸がないなぁ。。また買いに行ったパーツ屋さんにDC7.5Vのアダプターがあったのでトランス2次側のセンタータップ出力だとすると両端で丁度12.5V程度のACが取り出せそう、、と目論んで購入したのだが分解してみるとセンタータップなしのブリッジ整流であえなく却下となった。300円だったからまあいいか。。今まで使っていたアダプター内に電圧ドロップ用のホーロー抵抗を仕込んで両端接続でなんとか14Vにして対応。
これで聴いてみると、、快調です。トランスケースの発熱も問題ない。これでようやくEMT155(st)の整備ができる環境が整った。また単独使用時にもアダプターとして重宝しそう。
EMT155stの回路図を見ていて気づいたことですが途中で変更があったようで後期の回路図の入力トランスの1次側には33μFのコンデンサーが入っている。EMT155には無いモノなので気になっていたのだが初期のEMT155stにもこのコンデンサーは無い。なぜ追加されたのだろうか??
TSD15用の昇圧トランス STX 20
中には昇圧トランス T890/1 が(このトランスも大きさの異なる2種類あるようだがこちらは小さい方)また1次側にはシリーズに33μFのタンタルコンデンサーが、2次側には26.5kΩの抵抗器がパラに入っている。これらは後期型EMT155stの入力部分と同様の回路。またプリント基板上に出ている突起(写真)は1次側と2次側のアースを接続している部分で現在は導通しているがここを切断して切り離すこともできる(という仕様かと思う)実際にEMT930stからのカートリッジ引き出し線を接続するとハムが発生していてEMT155stの場合と同様にここを切り離す必要があった。
ここまで来てこれはやはりEMt930st本体の接続がおかしいのでは無いか、、という気がして来た。信号ラインのアースとモーター関係のアースが混じってしまってハムが載るのでは無いか、、と。回路図と比べると接地を切り離す箇所もあるし。早速実行してみるも目立った変化はなく今後の課題となりました。
EMT155(st)は一連のアナログレコード再生システムの一つのパーツであるわけですがその完成度には改めて感心することが多かった。EMT155とまったく同じ基板2枚を同一のケースに収めてステレオにしていること、仕様変更のあった新旧のプレーヤーに対応していること、内部にトランス以外の電源回路を装備していること、イコライザー回路の他にラインアンプが内蔵されていて出力調整もあることから単独で使用できるくらいの実力もあることなど。EMT155stの後継機のEMT153stはオペアンプを使用しておりスクラッチフィルターとイコライザーカーブ切り替えが廃止され(プレーヤー本体からの操作ができなくなった)性能も飛躍的に向上している(だと思う)。同じ筐体の中に真空管からオペアンプまでのオーディオの歴史の流れを見ているようで妙に納得する。しかし重厚から軽薄に移行したわけでは決してないとは思うが有難味が薄れたように感じるのも事実でこれは自分が技術者ではなくタダのアマチュアオーディオ愛好家だからだと思います。一点EMT各々の機器に共通しているのは増幅素子やプレーヤーのメカニズムは変化しても入出力にはトランスを用いていることでここは譲れなかったEMTのこだわりを感じる。
しばらく聴いていても特に問題は感じないので測定はまた今度にします(測定機器は棚に仕舞ってしまったので)。
EMT155(モノラル)に交換してみる。
電源や引き出しは共通に使えます。モノラルなので当然片chしか出力しない。っと出力はされるが「バリバリ」というすごいノイズが入る。EMT155stに比べるとゲインが低い、、。出力調節の半固定ボリュームをドライバーで回すとさらに特大「バリバリ」でどうやら原因は此処のよう。ゲインが低いのは内部の結線がそうなっているからだった(EMT155(st)について(1)をご参照ください)。
もう一機のEMT155と交換すると
先ほどでは無いがやはりボリュームを回すとガリオーム状態。こちらのゲインはEMT155stと同じで先ほどのと結線が異なっている。
ゲインの確認ができたところでカートリッジをOFD15と交換してみる。
このアームのメインウェイトでは適正針圧はかけることができない(カートリッジが重すぎてカバーできない)。。やはり高ゲインEMT155では歪みます。通常のEMT155stではOFシリーズの再生は無理なようです。
1/10ゲインのEMT155では良好に再生します。しばらく聴いてみる。
シューベルト 死と乙女(Death and the Maiden) Vienna Konzerthaus Quartet (Westminster 国内復刻版)
しばらくTSDを聴いていたが久しぶりのOFDはやはり「強い音」、もしくは「きつい音」かもしれない。これに慣れてからTSDに戻すときっと「腑抜けの音」になってしまうのだと思う。モノラル復刻版なのでOFD15あたりがぴったりかと思います。EMT155stを装着している場合にOFDカートリッジでうまく再生するにはイコライザーをパスして信号を引っ張り出してなんとかするか、EMT155stの内部結線を変更するか、モノラル用にEMT155を用意しておき、取り替えるかする必要がある。なかなか面倒だしTSDに戻す時はまた変更しなくてはならない。。アームの調整(メインウェイトの交換やラテラルバランスウェイトの追加など)もいるしいっそのことモノラル専用のアームを別に設けるのも方法かと思う。EMT930st用に外付けブロックでこれを達成した写真を見たことがあります。EMT927stの場合はボードに穴を開ける必要があってなかなか勇気がいる。(EMT927Fのようにもともとダブルアーム用だった機器には穴が空いています)また新たなアームを取り付ける付近には電源があってノイズ対策が必要になる。現場ではOFシリーズはステレオレコードが主流になってからはあまり使われなかったのではないかと思います。しかしOFD25をはじめ実際に再生してみると圧倒的な魅力に溢れているのも事実でアマチュアとしてはなんとか両立させたいところではある。
EMT155stはソリッドステート構成のEMT155をステレオ対応したもの。両者の回路は同一で電源基板は共通。異なるのは増幅率だが基板上の結線で切り替え可能。
(出典 http://www.audiosharing.com/archive/german_audio/emt/)
入力トランス「T890」は1:10の昇圧だが2次側出力は2つのゲインの選択ができる。回路図では「c」の結線先が「d(1mV)」か「e(10mV)」になっていて基板図ではジャンパー線で選択するようになっている。
手持ちの2台のEMT155で確認すると右下に各々「T890」入力トランスがあり(基板図はパーツ面からなので裏面)緑色と茶色のジャンパー線があって「緑がd」に「茶色がe」に繋がっていて10倍のゲイン差がある設定。d接続だとOFシリーズのカートリッジでは入力オーバーで歪んでしまう。ではEMT155stではどうだろうか?
やはりEMT155と同じ基板(と思われる)2枚。ジャンパー線(茶色)は当然「d」に接続されている。ケースを外すと2枚の基板が上下面に現れてジャンパー線の変更も容易。EMT155と並べて内部を比べると
4連と2連のボリューム、ロータリースイッチの違いが目立つがそれよりもEMT155の下部の空間と電源基板の電解コンデンサーと出力トランスの位置関係が目につく。トランスを避けてコンデンサーを配置している所などから開発の段階で既に将来のステレオ対応を考慮したのは確実。狭い空間にうまく収めていてメインテナンスもやりやすい。フォノイコライザーをモジュールと考えて何か不具合があればモジュールの交換で緊急対応したのだろうと思うがとても美しくて合理的。大したもんだと改めて思います。
回路は信号路に6個の電解コンデンサーがあってトランスの1次側にも入っている。(ここだけ異なるのだが)EMT155stでは入力トランスにも電解コンデンサーが入っているのはなぜだろうか?メンテナンスする場合はイコライズカーブのチェックとともにコンデンサの良否の判定、交換がメインイベントになりそう。TMD,TNDなどのモノラルカートリッジを使用しRIAAカーブで再生する場合は表示「NAB RIAA DIN33,45」にすればステレオ時とカーブは変わらずモノラルで両ch出力される。
通常EMT155stの表示板にはステレオ表記はあるのだが拙宅の表示板には無い。
どうもこれはEMT155用の表示板と思われる。ステレオは5段、モノラルは4段の切り替えで当然ステレオポジションは無いわけでフォノイコライザーユニットの種類が変わっても表示板の交換で対応したわけだがステレオポジション以外は共通。
またEMT153stは持ってないがプレーヤーデッキ上の切り替えはなくなり表示板を取り去った後の「穴」を塞ぐためのメクラ板が供給されている。本体にモノ、ステレオ切り替えと出力ゲイン調整ツマミが付いていてスクラッチフィルターは省略されている。入力のゲイン切り替えは入力トランスの1次側をパスすることで行なっているが「パス時には2次側の負荷抵抗を18kΩから68KΩに変更せよ」と書いてあるのでこれはMMカートリッジなどの高出力ハイインピーダンスカートリッジ対応の指示かと思います。OFシリースを入力トランスに入れてももはや歪まなかったのでは無いだろうか?信号路のコンデンサーも少ないし(それでも電解コンは入っているが!)真空管からオペアンプまで同じ本体で対応していたわけで。EMT928の内蔵EQとの違いは初段がオペアンプになったこと、オプションだったtreble adj.が無いことだが入力トランスは同じ、LINEアンプ部はほぼ共通の回路だが供給電圧が異なる。EMT153sは安定化電源まで搭載している。
電子機器が推移していく一方で肝心のメカ部分は全く(と思うけど)変化していない。匠による機械の設計と製作技術は最初から完成されていたわけで。
EMT930は業務機なので設置される場所に収まる。調整卓に穴を開けて落とし込むことが多かったと思います。こんな穴を開けるべし
それ以外でもEMTはキャビネットを提供していた。
EMT930-900という防振台だが現場ではどういった所で使われていたかは知りません。移動用にはフライトバッグもあった様に記憶するが定かではない。この無骨な防振台は故瀬川冬樹氏が絶賛していたこともあってEMTプレーヤーでは930だけでなくEMT927にも同構造の製品があるがEMT927にはEMTは供給しておらず他社製品。また純正のEMT930-900も数が少ないのか流通しているものの多くがよくできたレプリカ製品となっている。重量は28kg。
移動時に可動部をロックする機能も忠実に再現されているがレプリカでも30万円近くでこの辺りは家庭用には不要なのでこの部分を省いてもう少し廉価で供給できないのかと思います。(ところでEMTカタログの写真にはロック機能は付いておらず(!)後に付加された機能なのかもしれない)上部の枠がプレーヤーと一体となって質量や剛性のアップになっていて、それより下(防振台のほとんどを占める)はそれらを受け止めるベースとなっている。4点で水平の調整ができ、バーチカルに重量を受けてかつ周囲にめぐらせた太いゴム紐でラテラルの動きを制限している。
効果はやはり絶大で以前装着した時にはオーディオ的快感を十分に体験できました。EMT930のデッキは樹脂製でこの部分の質量を増加させることが音質向上に繋がったと考えています。デッキの下部周囲にはごく少量のゴムが渡してあるが、調整卓などに落とし込む時はこのゴムだけが防振材だが実際は「隙間埋め」程度だったと思う。また裸の状態で床置きした場合は極華奢な構造体のみとなり防振材はない。この状態でも質の高い再生をしてくれるEMT930には感心するがやはり全体の質量をデッキで受け止める様なキャビネットは必要だと思っています。EMT930は単体ではとてもコンパクトで美しい形なのだがEMT930-900に組み込む事で音質の向上は誰もが認める反面どうしても無骨で美しさが失われる。特にこの「高さ」は果たして必要だったのだろうか、、などと思う。なんとかカッコ良く、効果があって、(安く)自作できないだろうか。。と今までに何回考えただろうか。。
くり抜くのは設備的に大変そうなので周囲の囲い状の台をとにかく作ってみることにした。板のサイズは上記の図の内法として角では三角材で挟み込むというもの。これは角を切り落として曲面にしたいためでここだけ木目を縦にした。作業は例によってホームセンターで材料を切ってもらって組み立てる。材は軽く一応選別したのだがソリもあってやはりMDFの様にはいかない。小釘なども駆使してなんとか形にしてプレーヤーを落とし込んでみると、、寸法は合っているのにまさかの入らず。角に貼り付けてあるパーツを剥がしてようやくギリ収った。
材の厚みは18mm、高さ(幅)は184mmでカットしていない。寸法的にも15mmほどは余裕あるので底板は内部にはめ込んだ方が審美的にも良さそう。ケーブル類の引き出し穴は開ける必要があるし、防振はどうするかはこれから考えます。
座卓の角に裸のEMT930st(TSD15,EMT155st)を設置して試聴
「SWING」 ハイ・ファイ・セット 1978年
約40年前の盤ですがいまだによく聴いています。曲、編曲、歌唱、録音ともに秀逸で未だに色褪せていない。ユーミンが切り開いた「豊かな時代だった」を感じる。A面2曲目の「少しだけまわり道」(作曲 井上忠夫 作詞 竜 真知子 中里 綴)は故井上忠夫氏の傑作だと思うし、A面3曲目の「火の鳥」(作曲 ミシェル・ルグラン 作詞 谷川俊太郎)の山本潤子さんの歌唱はこれからも語り継がれると信じてます。
同じ場所でガワだけできた台で聴き比べてみる。
節が多くて苦労した。随分高さがあるように見えるが実際は座卓から内部のフレームまでは15mm程度の隙間しかなく壁の威圧感が大きいよう。額縁部(周囲のはみ出し)をなるべく少なくしつつ剛性を確保するには内寸ギリギリで作るしかないが「Braunのスピーカー」をイメージした。しかし一聴では裸との違いはよく分からない。。重たい材が入手できればいいのだが南洋材では致し方ないかもしれない。
気を取り直して防振機構を考えてみる。防振台で検索すると色々と表示される。工業的にも需要はあって大規模なものも作られているらしい。大昔に発売していたオーディオ用の空気バネ式の防振台も発見して懐かしかった。
EMT155フォノイコライザーと直出しアダプターなどを取り替えるのでハッチが必要。角から切り込んで窓を開ける。底板は落とし込む構造にした。12mm厚でギリ。
底板は現物採寸してホームセンターでシナベニアを切ってもらったのだが図面を渡したのは見覚えのあるオジさん。。嫌な予感がしたし開口一番「2〜3ミリはずれますよ!」『3ミリは困ります。頑張ってください』と私。 あっという間に終わったのを受け取って帰宅してから測ってみると2mmは短い。。これは誤差の範囲かもしれないが少なくともこの板は使えない。ホームセンターにこれ以上の加工精度を求めるのは無理かもしれないと思って考えたのは「今の(短くなってしまった板)を参考にもう一度切り出してほしい。ただし材の代金はこちらで負担する」というもの。サービスカウンターでその旨を告げて待っていると店長らしき若い人が来たので再度説明するとあっという間に作業してくれた。2人で測って確認するとまさにぴったりで0.5mmの誤差もない状態。おまけに「こちらのミスなので代金は結構です」 誤差についてごちゃごちゃ言わずにさっと作業してくれたことに感謝した。ホームセンターで働く人は色々の業務を掛け持ちしているわけでそれをわかっている物分かりの良いお客を演じていた自分が取り残された感じ。できる人はいるのだからこれからは「2〜3ミリはずれますよ!」みたいなことを言う人に当たったら「できる人に代わってください!」と言うことにしよう。
サスペンションはどうしよう、、と考える。とりあえず(訳あり)ソフトテニスボールを1ダース購入してお盆に入れてその上にプレーヤーを載っけてみる。
底板をまだ接着していないので一枚板を噛ませてます。この状態だとサスペンションが中心寄りになってしまうのかグラグラ状態であまり感心しない。四隅に配置したらマシになるかと思う。水平はボールの空気量で調節してみよう。
12個のボールをそのまま並べてプレーヤーを載せてみて試聴。やはりグラグラする感じは強くて操作も快適ではない。横方向の制動は必要。EMT930-900では周囲に太いゴムを張って目的を達していた。プレーヤーに近い部分で行なっていたので水平方向に平行移動する感覚。底にあるテニスボールインシュレーターではグラグラ揺れるのは当たり前。
土曜の昼からボール置き台作って各々3回クリアラッカー塗装しました。
インシュレーターは色々試行錯誤して空気を半分抜いたテニスボールを12個並べた。そのままでは本体が転がるかと思われたが安定している。傾きは水準器を見てポンプで空気圧を調節する。回転を止めて針を下ろしてボリュームを上げてハウリングマージンをみるとまあ、、こんなもんかを思う。空気圧を減らしたのでグラグラも少なくなって使いやすくなった。
欠品だったプラッターのフタが届きました。ハンガリーから。
もちろんレプリカだと思いますがよくできていてハンマートーンも素敵です。何の為に必要かも分からない部品だが感謝です。
EMT930のフォノイコライザーはステレオのEMT155stとモノのEMT155
2台のEMT155の1台は無塗装、もう一台は錆びてしまったためか前オーナーがハンマートーンの上からブルーに塗っていた(!)大胆だな〜。。手に入れたハンマートーンのスプレー塗料を塗るつもりなので剥離してみる。
ハンマートーンは塗膜が硬いのかシンナーくらいでは剥離せず残ったままだがどうせ凸凹になる塗装なのでこのまま行きます。スプレーにも「錆びたまんま塗れるカラー」と書いてあるし。。無塗装の方もペーパーかけて足付して脱脂して吹いてみました。
「ハンマートーンは水平にして塗るべし」という情報があったの乾燥後ひっくり返しながら1面ずつ吹いてみる。重ね塗りする時は直後もしくは48時間後とのこと。盛夏なので20時間くらいで大丈夫だろう、、と勝手に判断して1面を重ね塗りしたら
こんな模様になってしまった(!)ちょっと面白いとは思うが他とは調和しないので指につかないくらい硬化してから瓶の底や爪の平らな面で押し込んだ(!)
スプレーしてみて気づいた点は(自分への備忘録)
・吐出量も多く塗りやすい。
・下地はテキトウでもボロが出にくい。
・缶はよく振ること。冬は温めが必要かもしれない。
・異なった塗料が噴出される(缶の中で分離している)様なのでハンマートーンのマーブル模様を綺麗に出すためには黒色っぽい塗料を均一に振りまく様にして終了する。これがないとタダのシルバー塗装みたいになる。ただし徹底的に振り混ぜたらこんな配慮はいらないのかもしれない。
・重ね塗りはヤメておいた方がよさそう。