Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

TOTOウォシュレットが壊れました

2019-12-26 10:50:09 | 日記

 リモコンが効きません。クリスマスも過ぎて穏やかな年の瀬かと思っていたら突然です。思い出したのは数年前にMacが突然起動しなくなった事、不調になってからバックアップHDを探して師走の街を走りました。今回リモコンが効かないと年末年始いろいろ困ります。本体横にあるボタンでお尻洗いくらいはできるのですが細かな設定や便座の開け閉めはできません(人を感知して蓋は開きます)

 便器の画は私も苦手です。赤外線の受信はこの部分。

 

 リモコンの送信機と受信部、どちらが問題なのか?調べてみると赤外線は見えないがスマホのカメラでは確認できるとのこと。早速液晶モニタで確認すると送信機は問題なさそう(少なくともLEDは発光している)。これは覚悟を決めてウォシュレット便座を開けなければならない。。このウォシュレットは3代目ですが2代目、3代目は自分で取り付けて(交換して)います。3代目はアプリコットという最上位機種で結構高価なのですがお風呂場の混合水栓と一緒で実売価格は結構安く入手できました。しかし設置してから5年以上は経過しています。このまま廃棄になったら30年に3台としてウォシュレットの寿命は平均10年という事になります。30年も経てばそろそろリフォームで便器ごとごっそり交換かもしれないが今の所全く不自由なく快適なトイレなのでできればこのままもうしばらくは使いたい。

 コンセント抜いて水栓締めて後ろにあるネジ1本外せば開きます。この機種はワンタッチで便器から外れて掃除しやすくなっています。便器は30年以上前の新築時からの古い物ですが規格は変わってないようです。

 赤外線受信基板を外してみると

 

 受信IC(フォトTrではない)は金属ケースに収められていますがウォシュレット便座の中は温水を作る関係で湿度が高く真っ赤に錆びている。3本しかないICの足も同様でちょっと触るとぼろっと崩れてどうもここが原因らしい。なかなかハンダが載らずに苦労したがモールド部分を削ったりして、、、

  

 なんとか繋いで本体に戻したら復帰しました。

 再び故障するのは時間の問題なので適当な(あまり選択肢はなさそう)赤外線受信ICを注文します。なんとか年末年始を乗り越えることを祈りつつ。

 

 実は購入後しばらくして不調になったことがありますがTOTOの故障修理受付に連絡したら早々に業者さんが来て対応してくれました。料金も保証書紛失にもかかわらず発売直後だったのか無料で大いに感心したことがあります。古い機種でも自分で無謀な分解などせずにまず相談するのが得策なようです。今回開けてわかったことですが受信IC基板は本体についているドーム状のキャップを開けて外部から非分解でアクセスできそうです。コネクターによる接続なので基板交換は簡単ですが個人には基板のみの供給は難しいのではないかと思っています。プロの仕事は再修理は許されず中身のごっそり交換はいたしかたないとも言えます。アマチュアの遊びとお金をもらうプロの仕事は厳しさにおいて比較にならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

追記1

 半日も経ってないのにまた不動になりました。

 先ほどの経験から外からカバーを外して、、やっぱりてんぷらハンダがとれてます。再ハンダして組み付け完了。先ほどは3時間もかかったのに今回は10分くらいで。

 「赤外線リモコン受信モジュール(38kHz)シールド付き」翌日には届きました。110円。

 送料は600円です。。今の所ちゃんと動いているので今度故障したら交換する事にします。

 

 年が明けて2020年になりました。帰省先から帰宅すると先に帰宅していたカミさん「トイレが動かない」。。やっぱりか〜。

 すぐに外して再ハンダするも復旧せず。よく見ると電解コンデンサーが液漏れしていてこれは交換するもダメです!(Y製作所のマネ)

 基板の接続を何回も確認したがやはり変わらず。この受信ICは諦めました。購入していた「PL-IRM0101-3」に交換してみた。電解コンデンサーも交換してます。

 期待に反して動かず。。改めて基板から回路図を起こして資料と比べてみると

http://akizukidenshi.com/download/ds/paralight/DS-27-01-0001%20PL-IRM0101-3%20B1.pdf

 なんと接続が異なっている!規格の統一はされていない様子でこれで壊してしまったかもしれない、、。電源5Vとオシロスコープを接続してリモコンのボタンを押すと

  

 しっかり反応して大丈夫なようでほっとしました。接続を変えて配線して

 念のためにこの状態でも電源とオシロをつないでリモコンで動作確認して本体に接続してテストしてみる。。がやはりダメです!(、、、)。

 本体から電源は来ているが信号線にも電圧(+5V)がかかっています。信号は直にLSIに接続されていると思われるのでこれは??です。

 素人のできる事は此処までのようです。受信基板を交換しても多分ダメな可能性が高い気がしますしこのウォシュレットは諦める事にしました。現行品を探して交換する事にします。

 

 注文して翌日には届いた。

 TOTO ウォシュレット TCF4833AKRという最上位機種で定価は20万円以上だがもう当たり前になったがかなり安く入手できました。今までの機種とほとんど一緒だが取り付けるアダプターの形状は異なっているようで此処だけ交換が必要だがほとんど15分もあれば完了でとりあえず現状復帰しました。リモコンも共通で旧リモコンでも操作できるが今回は便器洗浄ユニットも取り付けるつもりなのでスイッチを取り付けた新しい方を使います。ところが付属していた便器洗浄ユニットは設置できるタンクが決まっていて我家のS518Bという品番のタンクには取り付けできない事が分かりました。手動レバーをモータードライブ兼用にするだけなので原理は単純なのだがユニットと蓋が干渉して(蓋が)完全には閉じない。またユニットから排水弁を引き上げるジョイントが異なっており調べてみても見当たらない。さてどうするかな、、?

 我家の便器は密結タイプというものでそれ用のTOTO 便器洗浄ユニットもあるらしいが新たに購入すると10,000円くらいかかるのでなんとかこのユニットが使えないだろうか。

 

 ユニットをそのまま取り付けると上方向に飛び出してしまって蓋が閉じなくなる。最初はレバーが通る穴を削ろうかと考えたが漏水の心配もあり90度傾けてなんとか取り付けた。

 

 そしてモータードライブの軸だがもともとの手動アームは接続できない。適応しているタンク付属のパーツを使うらしいが単品で入手できるかわからないので家にあった真鍮パイプを組み合わせてハンダ付けて製作した。

 

 直接水は当たらないが湿度が高いので塗装して結束バンドで取り付けた。ユニットと便座はプラグ付きコードで接続されリモコン送信機のボタンの大、小、ecoの3段階が選択できる。ところがこのタイプのタンクはそれには対応していない。しかしアームの位置の調整でそれらしい動きができるようになってようやく完成した。

 

 拙宅のトイレはカミさんの趣味のミニギャラリーとなっている。

 今までのアプリコットと外観はほぼ一緒でリモコンは共通。さまざまなオート機構もそうだが今回のユニット追加で自動で水が流れるようになった。これが必要かはちょっと考えてしまうが年取ってくると流し忘れが(!)おこるらしい。また近づく人を感知して蓋が持ち上がる機構は以前からだがこれも腰痛持ちにはありがたいのだそう。あらたな機能として自動で蓋が上がるときにはじめて便座への通電がされ速攻で温めてくれる。暖房便座の場合は蓋を閉めないと消費電力が増加しCO2が多く発生するのでecoに反するということで「蓋を閉めましょう」という張り紙をよく目にする。この機能で年間数千円の電気料金が削減されるらしいので製品を償却するまでにかなりの節電になりそう。やっぱり毎日活躍する電気製品は新製品ほど便利でお得だと再認識した。ecoといえば便器も最新のものは水量が少なくて年間1万円以上の水道代の節約になるらしい。価格も便座に比べると安く結構苦労した作業だったが便器ごと交換するのが一番だったというオチがついた。でもいずれバリアフリー対応に改装する時期があまり先ではなくやって来る。そのときにでも考えましょう。

 

 拙宅の2階にあるトイレは温水便座ではないので取り外した旧アプリコットを設置しようと思います。まず徹底的に掃除してから再度(何回目かわからんが)リモコンの復旧をめざす。便座は便器に設置されたアタッチメントと接続されて運転モードになる。

 本体に接続した状態で信号線だけ切り離してオシロスコープを接続して送信機を操作するとやはり反応がある。ところが本体からのラインには電位があってやっぱり解せない。この信号ラインは

 メイン基板にコネクターで接続されている。基板は写真のように防水加工がされており内部を見ることはできない(見てもどうせ分からんだろうが)。リモコンは諦めました。リモコンなしでも本体横のボタンでお尻洗浄とビデは機能する。ただ便座の暖房の調整など細かな設定はできない。それでもなんとかして取り付けようかと考えていたら

 これは内部の湿気を排出する役割と思われる小さなブロアでこの様子ではかなり以前から動いていなかったらしい。今までも人感センサーが鈍くなったりセンサー窓が結露した事があり今回の赤外線ICの足のトラブルもどうもこのブロアの故障に端を発していると思われます。やはり熱源を持ち水を扱う製品はとてもデリケートだと感じるし素人が改造するのは危険だと判断して移植計画は撤回することにしました。廃棄にあたり分解して内部を確認しましたが長年蓄積されたノウハウの塊のような製品で日本ならではといった感じです。アイディアもさることながら長期運用に耐える安定性の確保やデリケートな部分への細かな調整機能などは大変な苦労があったのだろうと想像するし日本を代表する工業製品なのはまちがいない。結局今回は自分の技術と判断の未熟さゆえ廃棄という最悪の事態となってしまいました。最初から専門の方にみてもらったらどうだったかを想像するが受光基板とブロアの交換だけで済んだかそれ以外でも不具合を発見して買い替えを勧められたか、、。もっと遡って人感センサーが鈍くなった時に修理依頼をしたらブロアの交換だけで済んで製品寿命も長くなったかもしれない、、など後悔することは多い。快適な生活の追求と趣味の領域の棲み分けが必要だと思いますが生来のケチなのでつい手が出てしまいます。

 

後日談

 「赤外線リモコン受信モジュール(38kHz)シールド付き」は1個110円だが2個注文していて1個余っていた。送料は600円だったのでそちらの方が何倍も高い。王子が岳パラグライダーのベテランH氏所有のTVは前からリモコンが不調だと聞いていた。そこで「TV本体の受光器ユニットの赤外線リモコン受信モジュールを交換しませんか?」ともちかけて本体価格+送料1/2=400円 でまんまと売りつけた。肝心の私の置換は失敗に終わったがH氏の作業は成功し「完全復活した!」との連絡があった。。ちょっとくやしいなぁ、、とにかくおめでとうございます。役に立って良かったです。

 

 

雑記

 年末に生れ故郷に帰省してこのソノシートを持って帰った。

 今は絶滅したペラペラのレコードでよく雑誌の付録などで見た。この曲は故郷の十日町織物のCMソングだったらしいが巷で流れているのを聴いた記憶は無い。なぜか実家にはこのソノシートがあり子供の頃はレコードの数も少なかったのでよく聞いていた。いまでも歌詞を見ずにフルコーラスで歌える(!)数少ない曲で歌っているのはボニー・ジャックスと朝丘雪路。ただし片面に2曲入っていて(ソノシートは片面再生だった)各々が独立したアレンジになっていてボニー・ジャックスはコーラスを生かしたアップテンポの明るい曲調、一転朝丘雪路バージョンは大人の社交場といったムード。作詞作曲は三木鶏郎。

 実はこの音源はずっと探し続けていた。故郷の誰に尋ねても(といっても大した数ではないが)存在そのものを知っている人がいない。webで検索しても一度織物組合の年表で見たような気がするが殆どヒットしない。探していることを公言していたら親から「物置から出て来た!」と連絡があり喜び勇んで持ち帰った次第。ただし一部欠けてしまっていてボニー・ジャックス版のイントロは聞く事ができない。まさかEMTでソノシートを聞く事になるとは思わなかった

 このEMT928は年末にお嫁に行ったのですが嫁ぎ先での折合いが悪かったらしく実家に戻されて来ました。LPレコードを聴いてみても問題なく久しぶりに素晴らしい演奏に聴き入りました。しばらくThorensが多かったのですがやっぱりEMTはちょっと格が違う。危うさを感じないどっしりとした音味。虎の子のTSD12を傷めないようにソノシートを再生すると、、懐かしい歌声で思わず涙が出た(ウソです)。子供の頃の記憶とほぼ一緒でしたが昔の卓上レコードプレーヤーからは聞こえなかった音(ボンゴなど)が新鮮でした。三木鶏郎、ボニー・ジャックス、朝丘雪路など当時の有名スターのCMソングで豊かな時代だったのでしょう。

 

 

雑記の追記

 なんとYAHOO!オークションに「きみを待ち待ち十日町」が出品されています。これは奇跡だと判断して入手しました。当然私以外の入札はない。

   

 盤質は最高、ジャケットも付いています。これは、、ミュージアムクォリティ。

 これでイントロから聴ける。

 

 アレンジとバックバンドは当時流行ってたマンボで歌詞は3回繰り返し(!)だったのに少し驚いた。。1960年代の録音と思うがどんな設備だったのだろうか。ミキサーは真空管?レコーダーは電音? AMPEX?

 私の実家は十日町市にあり織物工場の代表だった父親は亡くなる3年前の83歳まで母親と一緒に苦労しながら小さな町工場を運営していました。朝8時の始業ベルから夕方5時過ぎまで動いていた織機の音を聞きながら私と妹、弟3人は育ちました。この曲が流れていたころは両親も若くて私達も幼かった。今は3人とも故郷を離れていて母親一人が実家で暮らしています。

 

 

 

 


Thorens モーターのメンテナンスについて

2019-12-25 18:49:16 | Thorens

 Thorens TD124 TD224 TD134 TD135 TD184のモーターを見ると細部では異なっている所もあるが基本的には同じではないかと思っています。(違いをご存知の方はぜひ教えてください)。以前入手したTD134

 通電してもモーターが(ターンテーブルではなくモーターが)回らない(!)。しばらく見てると100Vでゆっくり動きだしたが今まで触ってきた中でもいちばん酷い状態。。早速分解してみましょう。

    

 ネジは綺麗で多分一度も開けられた事はなさそうです。軸受けはカバーに覆われていてハトメで固定されています。ドリルで揉んではずす。

 

 底(ボトム)の部分の構造と溜まったどろどろのオイル。

  

 モーターが回転しづらいのはこの古いオイルが硬化してしまって抵抗が増すためで古いオイルを除去してフェルトを含めて全体を洗浄します。

メタルの軸受けは大きな傷はなさそうですが無理をすると欠けます。

  

 内部は当然汚れているので綿棒で拭き取って洗浄して金属磨きで少し磨いてまた洗浄して、フェルトに新たなオイルを染み込ませてハトメではなく2.6mmX6mmのステンレスネジ(ぴったり)で組み立て。

 ボトムのテフロン(?)板はモーター軸にあるボールベアリングで凹んでいるので裏返して使用。このボールベアリングは

 直径2mmで汎用品が入手できるが再使用します。問題は2枚のフェルトで軸受けを分解する前に軸受けメタルをゆすってみるとかなり硬くて動きにくい。メタルは2枚のフェルトによって押さえられていてある程度の動きは必要かと思われますが2本のネジで強く締め付けるとフェルトが劣化しているためか動きが渋くなってしまう。フェルトの厚みを調整するなど加工が必要かもしれないがその前にカバーをワッシャーで浮かせて取り付けてみました。

 

 フェルトには大量のオイルが染み込ませてあってパッキンはないがこのケースで一定漏れ出ないように保たれています。注油についてTD135のマニュアルを抜粋すると

このモーターの底のプレートには横穴はないので「first series」ということになります。注油するときは底に空いている穴から。さらにオイルについては

 ワッシャーで軸受けメタルは少し動きやすくなった反面どれくらいオイルが維持されるかわからないがこの状態で測定してみましょう。使用したオイルはホームセンターで一番安いミシンオイル。またフェルトはピアノのハンマーの調整みたいに針(画鋲だが)で刺して柔らかくして(実効かどうかは不明)

  

 プーリーを装着して回転数、電源OFF後に回転停止するまでの秒数、最低回転電圧を測定。配慮せずに組み立てた状態では

回転数:1697rpm   電源OFF後に回転停止するまでの秒数:6.5s  最低回転電圧:22V

 という冴えない値です。その後いろいろと条件を変えてネジを締めてみると

回転数:1718rpm   電源OFF後に回転停止するまでの秒数:15.4s  最低回転電圧:21V

 で少し改善しました。上下のプレートの位置関係は少し遊びがあって組み立てる時によって数値も変化する。何か治具に繋がる要素がないか考えるがまだ思いつかない。回転させながらネジを締め込むと回転音が変化するのでなるべく無音になるようにすこしづつ動かす事でようやくこの数字に到達した。他のthorensのモーターと比較してもさほど優れた値ではないのでワッシャーによるメタルの可動の向上はあまり意味がないように思われます。さてどうしよう?次の一手は??

 

 調整したいところは2点で1上下の可動メタルの垂直性 2回転子が磁場の中心にあること。

1について ワッシャーをはずすとメタルの動きは硬い。あらかじめ軸が垂直になる状態で組立てたい。四隅からの距離で調整した。

 ネジ穴に物差しの角を落とし込んで4ヶ所から軸先までの距離が同一になるように軸の角度を調整しそっと軸を抜いた。これを上下おこなった。

2について コイルからの距離が同一になるように回転子を厚紙で仮固定して

 

 その状態で一方のプレートをそっと戻して4面をマーキングする。その後一旦はずして反対側も同様にマーキングする。

 

 マーキングを合わせて組み立てる。

 これで軸に負荷がかからず磁場の中心に位置したことになる。早速測定すると

回転数:1691rpm   電源OFF後に回転停止するまでの秒数:13.0s

 と残念ながらあまり変わらない。。考え方は間違ってないように思うが実際に行うと精密な作業は難しい。違う方法を考えたいがこの状態で実装するとなぜか快調。横方向にはベルトによるテンションがかかるので状況は当然変化する。季節による気温、湿度の変化、長時間稼働による発熱など日常の使用にあたっては多くの要素があり神経質な装置では日常の使用には耐えられない。これは音味以前の問題で定格性能に達しない時点で機械としての体をなさない事になり困った事です。ベンチテストで最高性能が瞬間的に現れても長期間維持できなければ使えない。定速に達しない(!)というのはあまりにわかりやすいトラブルでEMTのように余裕を持った設計でなければ業務の現場では使えない。

 「100V使用でもしっかりとエディカレントブレーキを効かせた状態で定速回転する」にはどうすればいいのか?そのためにもモーターの基本性能をしっかり引き出す重要さ。ここを改善しなくてはその先はない。 

 再度取り外してACコードを仮配線しスライダックをつないでついでにAC電圧を計れるようにした(スライダックのメーターは不正確なため)。一応メンテナンスは済ませていたが改めて測定すると劣悪なデータ。そこで組み立てた状態で測定しながら上下プレート(軸受け)の位置とネジの締め込みの調整を行ってみた。方法は

1ネジを緩めて上下プレートが横に動く状態にして電圧を徐々に下げながらで回転する限界点を探っていく。この時発する回転音も参考にする。軸の抵抗が大きいと雑音が混じる。

2最良点で仮にネジを締めて固定するがこの時点で回転が止まるようなら位置を変えてやり直す。これをくりかえす。

3その都度回転数と電源OFF後に停止するまでの時間を測定する。

早速行うと最低電圧は16.8V 回転数1688rpm 7.8S という値。そのまましばらく運転させると回転数1705rpm 9.8S まで上昇した。しかしそれ以上なかなか改善しない。やはりピーナッツ軸受けを交換しないとダメかも知れない。。ところでふと横倒しにしてみると

 最低電圧がさらに2Vほど下がったがその他の項目はほとんど変化は無かった。やはりボトムのスラスト軸受けの抵抗は当たり前にありそう。現在はテフロン板(だと思うが)をひっくり返して直径2mmのボールベアリングはそのまま継続で使っている。テフロン板にはベアリングが食い込んだ跡が付いていてこの深さで使用された時間がわかるかも知れない。なんの疑問もなくひっくり返して使っている。しばらく100Vで運転を続けると1730rpmになったが他の値はさほど変化しなかった。

 

 これは別の個体。

 

 モーター不動、ネオンも光らなず原因をさぐるがなかなか判らない。配電基板をはずしてスイッチのDCRを見ると150Ω位ある、、?端子のネジなどをチェックしていたら回復した。心配していたモーターコイルの断線もなく軸受け部は非分解で注油して組んでみた。

 前述の方法で行なったが1745/1800rpmと良い値になった。やはり軸受けの劣化度で差が出るように感じる。どうやっても改善しなかったらやはり軸受け交換が必要かもしれないが入手したことはない。このくらいの値だと100VでもTD124の速度調節は十分に余裕を持って行うことができる。ネオン球には直列に33kΩが入っているが200Vだと十分に明るいが100Vでは判読はきびしい。この抵抗値を少なくすればちょっとへたった球でもいけるのかもしれないということでこの個体でも33kΩにパラに抵抗がつながっていたがちょっと理解不能な接続になっていた。なかなか入手は難しそうなので代替品やLEDを使って発光させても面白いかもしれない。

 

 

 

 

 

 


YAMAHA CR1000 について

2019-12-19 17:36:25 | オーディオ

 YAMAHA CR1000は1974年発表のYAMAHAレシーバーシリーズの最上位機で当時の価格で180,000円という超高級機。

 (引用:https://audio-heritage.jp/YAMAHA/amp/cr-1000.html)

 日本国内ではレシーバーはピュアオーディオ(こんな呼び方をしてた)からは外れたカテゴリーで日本人的拘りにはあまりアピールしなかった。今回縁あってやってきたCR600とCR1000共に外観は極上でとても市中に出てから45年も経過しているという事が信じ難いくらい。海外オークションを覗いてみるとかなり酷使されたボロボロの個体が結構な値段で出品されている。

 回転するツマミはチューニングダイヤルと音量調整の2つのみであとはスライドボリュームとスイッチが多用され、当時のトレンドとも言えるデザインになっている。一見複雑そうなパネルだが実際は整理されていてわかり易い。重量は19kgで寸法も大きいにもかかわらずパネルいっぱいにツマミが並んでいる。このデザインの評判はあまり芳しくなかったのか次の世代のフラッグシップモデルは回転ボリュームを多用した通常のものになった。

引用:https://www.manualslib.com/manual/871290/Yamaha-Cr-1000.html

            

 

 この回路図は当時のYAMAHA CA1000プリメインアンプの一部だがCR1000とほぼ同じ構成。ただし電源部の電解コンデンサーはCA1000の18000μFに対しCR1000は10000μF、またCA1000はclassAとclassBの切り替えができたがCR1000はclassB固定。

   

   (引用:https://audiokarma.org/forums/index.php?threads/yamaha-ca-1000-repair-my-first-yammy.754511/page-3) 

 チューナー部分は多分YAMAHA TC800からAM部分を除いたものと思われます。

 

 

 がんばって磨いて通電すると全く問題なく音は出た。スライドボリュームは少し硬い感じだがマイクボリューム以外はガリもなくトグルスイッチのノイズも出ない。チューナーも機能しているがチューニングメーターのランプは消えている。

 しばらくCDを聴いてみたが最初は固かった音が次第にほぐれた感じになっていき2時間くらいで落ち着いた。CR600と比べるとちょっと厚く重い感じで出力差なのか電源の差なのかわからないがとにかく見た目に見合った重厚感がある。しばらく聴いてみましょう。

 CR600と並べると大きさは別にしても同じシリーズとは思えないデザイン。しばらくCDを聴いてみたがやはりかなり異なる。ゆったり雄大で「JBL メヌエットがフロアスピーカーになったみたい」はちょっとオーバー。反面真空管アナログ音楽を聴きなれた耳からだとちょっと鈍い感じもあるし分解能もさほど高くない様子。このアンプの特性なのか単に劣化しているのかは不明。CR600に比べるとゴージャスでお金がかかっている音だと思う。カミさんに「どっちのデザインがお気に入り?」と振るとメンドくさそうな顔で「左」(CR600)ですと。やっぱりそうかな。。

 キャビネットを外して内部の点検をします。重量があるので気をつけないと外装に傷がつき易いしスイッチ類を痛めかねない。またメーターの照明が一部切れている様子でその修理も兼ねる。メーター部を見ると照明は3個のムギ球でその内の2個が点灯していない。配線コードは近くのボードからでパネルを外さないとアクセスできない。重量物なのに結構入り組んでいる構造なのでサービスマニュアルでは分解については写真で結構なページを費やして説明していてできれば分解したくない。ところがムギ球の断線と思い込んでたので球の部分で切り離して電圧を測定すると、、0V!ちなみに点灯している所は9Vだったのでそれ用の換えのムギ球は用意していた。

 

 回路図で探すがパイロットランプは1個しかなく??さっさと分解すれば良かったのだが隙間から覗くと、、原因は配線間違い(!)まさか新品時からとは思われないので球が切れた時か(でも光らないのだから直ぐに気づいたはずだが組み立てが複雑すぎて再修理を断念したか?) これにはちょっと驚きました。

 

 赤と白同色の2本がムギ球に接続された。これでメーターの照明は復活した。

 そのほかは見渡しただけ(!)で内部もとても綺麗。木製キャビネットも修復して完了となった。好みはあるだろうがこんな手の込んだ製品が驚くほどの廉価で取引されている事は残念です。

 

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

 追記

 今年は楽しめた映画が多く自分にとっては豊作の年だった。「蜜蜂と遠雷」以降も話題作が続いたが印象に残ったのは「アナと雪の女王 2」「STAR WARS スカイウォーカーの夜明け」の2本。

  

 (引用:https://www.smt-cinema.com/site/kurashiki/)

 ベタな選択だと思うが期待に違わずといったところ。特に「アナ雪2」は美しい映像と音楽に何回でも観たくなる。それも字幕、吹替えと交互に(ところが今調べたら字幕版は終了していた、、)。イマイチな作品と同じ料金で申しわけないと思うくらいだ。1977年に最初に観た「STAR WARS ep4」は永らく自分のベスト映画だったがいつのまにかシリーズについていけなくなって今に至る。最新作を観る前にyoutubeで一生懸命予習したがあらためて見直そうかと思う。ラストシーンで主人公「レイ」が「ルーク・スカイウォーカー」の住んでいた惑星「タトゥイーン」を訪れ最後のジェダイ「レイ・スカイウォーカー」として生きることを誓うシーン、地平線には2つの太陽が沈んでいく(沈んだら raise of 、、にはならないがやっぱり夕日に見えた)、、大団円。これからの人生、残された時間で映画鑑賞は大きな柱になる予感がする。 May the Force be with you.

 


コーヒーミル について

2019-12-11 01:06:59 | 日記

 コーヒーが好きでほとんど一日中飲んでいる(ちょっと飲み過ぎだと自分でも思っている)。豆は1年くらい前からはご近所の方が経営しているショップから購入しているがこのお店は生豆の状態で店頭にあって注文を受けてから焙煎する。焙煎の待ち時間には様々な種類のコーヒーを飲める(無料)のだが初めて店頭で試飲した時の味には衝撃を受けた。雑味が少なく後味が爽やかで舌触りが良い、豆ごとのデリケートな違いがはっきりわかる。それ以来どうしたらこの味に近づけられるかを思案していた。もちろん点てている様子も盗み見たりドリッパーやフィルターもお店で使っているものに変更した。この効果は大きくてそれまで使っていたパナソニックのコーヒーメーカーはお蔵入りとなった(下手すぎてコーヒーメーカー相手でも敵わなかった)。コーヒーミルが付属した製品だったのでミルだけ新たにお店で扱っているものを購入した。それまで使っていたものと同じ原理の「プロペラ式」と呼ばれる電動のもので多分世間では一番多く使われているかと思う。しかしまだこのお店の味には全く敵わない。

 お店からは焙煎豆のまま購入していたわけだが(一度も挽いてもらったことはなかった)残されたのはミルの違いしか思い浮かばない(今にして思えばなぜ挽いてもらわなかったのか?!だが)。喫茶店の赤い大きなミルは憧れではあったが業務用を家庭に持ち込むのはなかなか大変そうだし中古をオークションで探してみるがやはり刃の摩滅があり交換が必要な事もあるらしい。そこで購入したのは「カリタ コーヒーミル ネクストG」という小型の製品で残念ながらこのお店では扱っていなかった。

 Amazonで35000円程度でそれまで使っていたのに比べると数倍の価格。この製品の大きな特徴として静電気の除去装置がついていて粉がまとわりつかずメンテナンスが楽だという。普段の豆はトアルコ・トラジャが多い。家庭用なので最大5杯分程度だが十分だし謳い文句のように粉が散らばらない。結構時間がかかるのが意外で計量スプーンで1杯あたり10gをきっちりと測るのも久しぶりだった。

 味は、、、違う。もちろん粒の大きさにもよるが全く異なると言って良いほどの差がある。水を有名な名水に変えたのか?と思うほど澄んで雑味が少なくとろっとした舌触りで多少濃い目にしても嫌な味がしない。これは!!、、良い買い物をしたと心から思った。

 webで調べてもミルによる味の差についての記述はもちろんあるがあまりにも少ないのではないかと思う。ようやく人並みのコーヒーが飲めるようになった気がして嬉しくてたまりません。