Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

Western Electric WE91A レプリカ(12)

2015-01-30 01:26:02 | Western Electric


中央のメーター KS7646 と読めます。目盛りはper centで0~150(%)で100(%)が赤字です。
針の形状からWESTON製ではないかと思う(実はそれ以外知らない)。2段目の310Aと300Aのカソード電流を切り替えて表示します。100(%)ならOKでここから外れてたら期限内でも交換という意味だったのでしょう。
Marantzのように固定バイアスではないのでメーター見ながら電流を設定できるわけではありません。
これはレプリカシャーシを供給している台湾製のメーター

KS7646はシャーシ外側からはめ込んで固定されますがレプリカメーターは内側から両面テープとソケットの固定ネジを延長したスペシャル金具で固定されます。親切にも3箇所に両面テープが貼ってあります。ホントによく行き届いていて感心する。
それ以外にオリジナルと異なっていて気になるところは
 文字盤がレプリカは青っぽい(写真では)
 目盛りの形状と位置(オリジナルは上方にある)
 針の形状(オリジナルは悪魔の尻尾)
 100の表示が赤ではない
 文字のロゴ
さてどうするかな。。


WE300Aのカソード電流は80mA、0.64Ωなので0.08X0.64=0.0512V
WE310Aのカソード電流は回路図に記入してある数値から2.4mA、23.1Ωなので0.0024X23.1=0.05544V
なのでKS7646は0.051~0.055Vで100を指していたと思われます。
レプリカメーターを信用しないわけではないのですが一応チェックしてみます。まず0.05Vをどうやって作るか?

電源はアナログテスターでDCRレンジにします。適当な可変抵抗器を介してデジタルテスターとメーターをパラに接続してみました。結果は目盛り100に可変抵抗器を合わせると0.059VだったのでほぼOKのようです。

手描きでスケールを描いてみた。やっぱりこっちの方が雰囲気はあるような気がします。

適当なソフトが無いのでかなりテキトウに作ってしまった。試作品。

完成しました。目盛りが少ないのは目を瞑ります。
目盛り100の電圧を測定すると0.051Vと0.055Vでした。この値を設定値とします。


メーターの固定方法が巧みです。


それっぽくなってきました。
両CH配線しました。

しかし電流表示は回路図の抵抗値では低い位置にあります。やはり回路に電流計が入るとメーターの抵抗値が低いので分流されて予定の表示にはなりませんでした。正常動作を確認して後はカットアンドトライになりそうです。
パイロットランプの無いアンプですがこの電流計の表示はとても有効だと思います。WE300Bの暴走の監視ももちろんですが2段目のWE310Aのカソード電流の監視は。。実は次第に針が振れてきましてしばらく観察すると音も歪んできました。電圧を測るとプレート電圧が極端に低い値に。グリッドの接触不良で0バイアスになったと思われます。このキャップは金具が貧弱であまり品質が良ろしくない。



Western Electric WE91A レプリカ(11)

2015-01-29 15:19:55 | Western Electric

フィールドコイルの代わりのチョーク+抵抗器をケースに組みました。このコネクターからはスピーカー出力も出てるのでこのケースにスピーカー端子を設置してます。出力インピーダンスは実ははっきりわからない。


WE274Aは刻印とプリントを持っています(随分前に入手した。当時も高かったがもちろん今ほどではありません)電圧が異なりますがスルー。メタルクラッド抵抗は500Ωです。電解コンデンサーが不足した時に組み込めることを考えて少し大きめのケースです。
チョークコイルは奮発して(1個は中古ですが、、)Hashimotoの25H150mAです。したがって合計のDCRは約700Ωということになりました。
肝心のWE300Bは90年代に完実電気が発売した本家の復刻です。あれから20年近くたったのですね。
実は久しぶりに見るとガラスとベースが離れてぐらついています。以前は瞬間接着剤を使ったりしたのですが今回は

車のマフラーや煙突修理などで使う「耐火パテ」をカッターの刃先で押し込んでみました。今の所快調です。
しばらくこの状態で音出ししてみます。WE310Aが1本足りないのでステレオで聴けない。測定も電圧以外は何もしていないし、、。

Western Electric WE91A レプリカ(10)

2015-01-22 11:03:43 | Western Electric

整流管を5Z3からWE274Aに差し替えました。電圧は20V程度下がったので可変抵抗を調整して抵抗値を測ったら230Ωで5Z3とかなり異なります。さすがローバービアンス古典管(?)
しかし音は、、一聴、、違う。荒っぽかった音が一転して滑らかに。やっぱり市場価格の差はしょうがないかもしれない。
入力トランスの2次側にネットラジオを接続して電圧測定しながら様子をみます。スピーカーはALTECの400Bモニター。
音出しまでたどり着いたところで中間総括
・NFBを掛けないと音出しすら困難だった。
・20dBのNFBをかけてもインプットトランスを含めて全体のゲインは高く高感度で使いずらい。
・回路、配置が決まっているアンプのコピーは試行錯誤が無いので無駄がでにくい
・一方予定の部品が揃わないのでアレンジせざるをえなかったのが残念。後日部品が入手できて交換する気力が残っている時のために配線はできるだけオリジナルを踏襲したほうが良い。
・オリジナルの内部写真は少ない。
・古い電解コンデンサーは予想以上に劣化が進んでいて購入はギャンブルに近い。NOSでも同じ。外れたらケース代だったと自分を納得させる。
・キーパーツだったブリーダー抵抗が並ぶ端子盤は残念ながらハンダのノリがイマイチ。
・配線材は20Gの単線を多用したが予想以上に消費した。両CHで数十メートル。単線は表面のエナメルを剥がせばよいので作業が楽。一方古いより線は劣化が目立つので使用は躊躇することが多い。
・単線同様に抵抗器、コンデンサー、端子は手間を惜しまずに磨いてから作業する
あくまでも自分に向けた総括です。

もう一台も配線しました。



これは別のオリジナル機の入力トランス周囲の写真です

これらの抵抗は入力トランスをパスして、減衰と入力負荷抵抗のようで、後付けと思われます。

WE91は2個のスイッチがあります。1個は電源、もう一個は2段目と終段の電流計の切り替え。スイッチは誤動作を防ぐために凹んだ部分にあってノブが出ないようになっている(と思う)。
ノブが短くての先がボールタイプのスイッチが入手できたので早速交換です。






Western Electric WE91A レプリカ(9)

2015-01-19 15:51:16 | Western Electric
 終段まわりのみ配線して通電しました。

AC100Vではヒーター電圧が若干不足します。電源トランスの450V端子を選択しフィールドコイルの代わりに繋いだ可変抵抗器でB電源電圧を440Vにセットします。
WE300Bのカソード抵抗は880Ωで80mAだと両端の電圧は70Vです。実測68Vでしたので正常動作しているようです。
この時点での可変抵抗値は225Ωでした。

ついでに前段も配線しました。実際にやってみていろいろと問題が、、
 複合コンデンサーが揃わないためパスコン3本は露出している。
 ソケットのピンの向きが異なる
 中央の複合コンデンサーのコピーを妥協したためパーツの配置が変わった
などの理由で少々異なった配置となってしまいました。
おそるおそる通電して電圧を測定するも配線図に記入してある数値と結構異なります。カップリングコンデンサーで各段切り離されたオペレーションかと思いきや、、です。
すべての真空管を挿入すると一転、近似値となりました。さてこの状態でスピーカーを繋いでみると、、激しいノイズです。ジャンクのスピーカーユニットが断線しました。
NFBは未配線。ハイゲインアンプだということをひしひしと感じます。

NFBを配線してフィールドコイルの代わりに25Hのチョーク(DCRは205Ω)と可変抵抗633Ω、そしてスピーカーを繋いでiphone音源で聴いてみます。電源は115V。

各ポイントの電圧を測定すると前段のプレート電圧が若干低めですが他はOK。やっぱりハムは盛大にでます。
、、強い音です。スピーカーはWE755Aとレプリカ箱。よく言えば浸透力のある、悪く言えばちょっと荒っぽい音。
でも音出しはできたのでこれから細部を詰めていきます。メーターは未接続だし、、。

Western Electric WE91A レプリカ(8)

2015-01-13 22:46:42 | Western Electric
 電源周りの配線が済んでようやく信号経路にかかります。WE91はラグ板はありません。抵抗ボード以外の抵抗はほとんど中央の集合コンデンサ周りにあります。

結線図ですが8箇所の端子がある中央の複合コンデンサーです。これではどうなってるのかよくわからない。

回路図と照らし合わせてコンデンサーを記入してみる。R3と0.1μFはフォトセルのイコライザー素子と思われますのでカットします。
また今回のレプリカは複合コンデンサの外部にウェスタン繋ぎ用1μFとNF用2μF、また複合部にはカップリングコンの0.04μFと0.01μFを入れることにします。
端子盤を作った方がいいと思う。カップリングコンも交換し易い状態にしておきたい。


入力端子(外部電源出力も兼ねる)から入力トランスまでフレキシブルパイプが走っています。



アースへ接続されています。30Ωのローインピーダンスですが微小入力ですので厳重に扱っているようです。

WE91本体の外部のコードも同じようなフレキシブルチューブが使われています。

このチューブをいろいろと物色してようやく似たものを入手しました。ファイバーケーブルの保護チューブで導通があります。

パイプを止める金具はホームセンターで入手したのを加工しました。

こんな感じで収まりました。このシャーシはこのような小物パーツの取り付け穴も忠実にコピーされています。
中央の複合コンデンサーケースには0.01μFと0.04μFのカップリングコンデンサーC7とC3(一部)を入れています。この辺りはオリジナルと異なる部分です。

ボードに端子を埋め込んでます。ボードの固定は金属ケースととも締め。

これで信号系が配線できます。