Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

キッチン水栓が壊れました。

2021-07-18 17:34:17 | 日記

 我が家は築30年以上なのですが今まであまり手をかけていません。住宅のメンテナンスが重要なのは人間と一緒だが随分前に一度防音工事を行なったくらいでほとんどプロフェッショナルによる作業をサボっています。建てたのは大手の住宅会社で今でも定期的に様子伺いがあって30年以上経つのに流石のアフターケア体制だと感心する。

 今までトイレや浴室の混合栓など細かなトラブルはいろいろあったが今回はキッチン水栓のレバーの付け根が割れてしまって数回の補修の甲斐もなくいよいよダメなようです。(古い水栓なので補修パーツの入手は諦めていたが先ほどホームセンターに行ったら汎用のハンドルが売っているではないか!これが適合するかはわからないよ、、と自分を落ち着かせたが少し気持ちが沈んだ)

 webカタログで適当なものを探して安売り店を探してついでにオークションまで覗いて定価のほぼ半額で新品を入手することができました。

 訳あり品みたいだが幸い欠品も無く早速作業にかかる。まず古い水栓をはずすと、、

 

 2穴(!)実は注文してから気がつきました。現在もこの2穴タイプの水栓は入手できるようですが穴の大きさ、距離が規格化されているかは不明、何にしても返品不可の荷物はすでに届いていてもう遅い。。今までは水栓のハンドル付け根から浄水器に分岐していたのでホースが煩わしく今回は浄水器内蔵1穴式の水栓を選択していた。施工図を見ると必要な1穴は直径37±2mmで新たに開け直すか今の穴を拡大するか。

 

大シンク側の穴を拡大することにしたがステンレス板はとても厚くてリューター+激安ダイヤモンドバーではなかなか切削できない。結局シャーシ加工よろしくドリルで多数の穴を開けて繋ぎその下の木材加工も必要で結構時間がかかった。残ったもう1穴をどうする?

 

 何とか完了した。この水栓はフィルターが柄に内蔵されていて結構大きい。穴の位置をなるべく離れる方向に拡大したのだがそれでも取り付け位置が左に寄っていて慣れるまではちょっと違和感があるかもしれない。残った穴には新たに水栓を設けて水路を分岐して今までの浄水器も使えるようにした。

 この浄水器は2代目で電池内蔵、フィルター交換時に付属している電池も同時に交換すると使用水量の積算計がリセットされ次回の交換時期を表示するようになっている。最近フィルターを替えたばっかりなのでもったいないし新たな内蔵フィルターは小さく交換は頻繁らしいのでなるべくこちらを使うようにしよう。作業はまさかステンレス流し台を削ることになるとは思わず結構手間取った。webによると専門業者に頼むと工賃は1万円程度らしいが決して高いとは思わない。プロは水栓の選択は間違えないし新築時から30年以上トラブル無しで当たり前に水漏れは皆無、木部の腐りもなかった。素人としてはしばらくは台所が漏水で水浸しにならないことを祈っています。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

その後

 幸い問題なく使えています。この水栓は浄水器だけでなくホースが内蔵されていてシンクの端まで伸びるようになっている。予想通り内蔵浄水器の出番は殆どなく多分このホースもめったに使うことはなさそうでこれなら小さくてシンプルな混合栓で十分だったとまた少し後悔したり、、する。しかし新しい水栓は快適で水流がスパッと切れて気持ちが良い。この先キッチンの大改装がなければ一生ものかもしれない。違和感はすぐに消えると思う。

 

その後2

 鍋やポットに給水する時は今までの浄水器を使って、野菜や茹でた素麺を洗ったりする時は内蔵浄水器の方が具合が良くて結構出番があることがわかった。また原水、今までの浄水器、内蔵浄水器の「水の味」を家族でブラインドテストした。さすがに原水と浄水の違いはすぐにわかるが、2種類の浄水器については、違いは感じるが当てるのは難しい。また味の違いを言葉にするのも語彙力が不足していて「美味しんぼ」のような表現には遠く及ばない。「美味しんぼの第一話みたい」とちょっとだけ盛り上がった。

 

その後3

 1週間くらいしてカミさんが「汚水桝の周りが濡れている」と。下水が詰まったのかと蓋を開けて見ると桝の周りから中に水が流れ込んでいる!これは上水の漏水だ!!早速掘り返してみると水道メーターから中に引き込む水路から。塩ビ管に外力が加わったらしく凹んでいる側面からジャージャー漏れ。まいったな。。

 修理会社のマグネット広告が冷蔵庫に貼ってあったので電話してみると(この広告は有効だ。だれのアイディアだろう?)訪問は明後日(!)とのこと(ダメじゃん)。他を調べると有名なクラ◯アンが目に止まった。担当者より折り返しの電話があって明日朝の訪問となりマグネットCM会社にはキャンセルを入れた。今夜のためにとりあえずビニールテープをグルグルに巻く。

 悲しいかな素人はこんなことしかできない。カミさんが気が付いたのは2日前(!)で次第に酷くなってきたらしい。周囲の土は結構流れていてこれは馬鹿にならないと感じた。これでも漏れは止まらない。メーターにある水栓を限界まで絞って今晩のトイレ、お風呂、食事は何とか乗り切ろう。自分で修理できないか、、とも思ったがここは潔くプロフェッフョナルにお願いして安心を買うことにします。

 翌日無事修理工事は完了した。見積り額に驚き、修理時間の短さに(多分12分くらい)また驚き、塩ビパイプのつぶれは過去の工事が原因だという(塩ビパイプを潰して止水する方法があり終了後に形態を回復しなくてはならないが行われていなかったとの事。工事の記憶はない。)説明にまた驚いた。いろんな情報が手に入る時代なので今後はもうすこし賢く対処したいと思う。今回は災害時のライフラインについても考えさせられた。

 

その後4

 なんと風呂の混合水栓から水漏れが発生した。ここは以前に自分で交換したところ。

 最初は水栓のどこから漏れているかよくわからず闇雲に分解したが

パッキンが切れているので2ヶ所交換するも漏れは止まらず原因はここではないらしい。ならば2ヶ所の接続部分からかと考えてシールを巻き直して接続したがやはりダメ。改めてnetで作業方法を学習してから何度目かの作業してようやく解決した。作業には細かな注意点があり特に取り付ける前の清掃やシールテープの巻き方、接続のための締め込みの厳密な扱いなど基本的な項目は事前学習が欠かせない。壁の汚れを見ると以前から漏水はあったと思われ今回の屋外の漏水の修理作業後に水道メーターの元栓を全開にしたため水圧が高まって漏れが目立ったと考えられる。(今までは結構絞った状態で事が足りていた)応急だったパッキンもホームセンターで購入して交換した。

その後5

 水道料金の請求額を見てまたまた驚いた。2ヶ月ごとの請求で上下水道合わせて普段は6〜7,000円程度なのだが今回は30,000円以上(!)。漏水が原因なのは分かっているが同時算定される下水料金まで支払うのは解せない。早速問い合わせると減額請求制度があるという。工事業者に書類を作ってもらって提出するようにという説明を受けて早速手続きした。どれくらい減額されるのかは不明だが合計すると結構な損害だった。

 後日市の水道局から上下水道料金の減額について返事があった。内容は2/3が免除されて11,000円程度の納付となって少しホッとした。


RCA MI-9701-B fader について

2021-07-09 20:22:15 | オーディオ

 faderといえばミキシング卓にいっぱい並んでいるスライドボリュームだが個人的には音量の調節機として機械と人間をつなぐ昔の大きなfaderに何か惹かれるものを感じる。劇場の音響システムでは機材の距離が離れていることもあって伝送時のロスや外部からのノイズを減らすために200〜600Ω程度の低インピーダンスで機器が接続されていた。faderは水道管のバルブのようにライン上に置かれていて水量を絞るように音量をコントロールする。

 トーキーが導入された映画館の音響システムはWestern Electricやその後のALTECが大きなシェアを占めていたがそれ以外の他社システムも存在した。RCA社は「フォトホン」というシステムを供給していて当時の米国のシェアはWEの半分くらいだったらしい。

 

 photoという名前の通り光学式の再生システムでそれまでのトーキーが映像フィルムに合わせて円盤レコードを再生していたシステムに比べて同期や音質で画期的なメリットがあった。MI-9701-B faderはフィルムから光電管を用いて取り出した音響信号を最初にコントロールするもので(多分)入力は3系統、内蔵されているアッテネータはDAVEN製でインピーダンスは500Ω。

       

 横に飛び出している棒はダイヤル軸をベベルギアによって水平方向に変えたものでメカニカルに複数を連動させることができる機構。(このあたりのギミックがカッコよくて意味もなく回してしまう。)

 入手した時は配線材がそのまま繋がっていたり水平軸が切断されていたりと映画館の映写室から取り外したままの状態だった。不要の線材を除去して内部の溜まった埃を掃除をして錆の出ていたケースのお化粧直しなどやギア部のグリスアップをした。

 

RCAのエンブレムは1個欠損だったのでレジンで複製した。オリジナルのように金属で作りたかったがまた今度の課題に。

 DAVENアッテネーター

 

通常のボリュームと同様に3端子にin,outを繋ぐ。当初は端子板を設置しようかと思ったがいたるところに空いている穴(メクラ板で塞がれている)からコード出しにした。

 

 底にヒンジがあって自立しずらい。もともと壁かアンプラックに固定されていたのだと思う。このままでは不便なので廃材で台を作った。

  

 軸の連結はカプラーのイモネジで接続、解除ができる。

  

 早速接続して聴いてみましょう。

  

 隣は現在主に使っているフェーダーで内部は同じDAVEN製だが大きさや規格が異なる。MI-9701-B faderは高感度のアンプだと絞った位置での操作となりアンプ側に入力ボリュームがない場合にはもう一段の半固定アッテネータが欲しくなる。3段の入力切替スイッチがあるのでこれを利用するのが具合がよさそう。今回のアッテネータは未整備だがガリも無く機能的な問題はない。

 フェーダーの音の評価は難しい。一聴異なるようにも感じるが製品の差では無く個体の状態の差の可能性が高い(もしくは気のせい)。隣のDAVENはH型、今回のは多分T型という違いもある。「お金をもらって聞かせる音」を扱う業務機は信頼性がなにより優先するがそのあたりの音味を味わいたいと思う。識者には大笑いされること必至です。

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

その後

 欠品だった大きなメクラ板を作った。材料は化粧品の瓶の蓋で整形、塗装して接着した。

 


ALTECとWE 755シリーズ について(2)

2021-07-03 21:26:55 | Western Electric

 前回ALTECとWestern Electric 755 シリーズ(1)を投稿してから5年近く経過した。755シリーズの始祖はWE 755Aで最末裔のALTEC 755EまでKS,ALTEC A,B,C,Eと存在している(なぜかDは欠番)。WE〜ALTEC 755BまでがアルニコでC,Eがフェライト、またB,C,Eはフリーエッジ、その他はフィックスドエッジでセンターキャップが一体のコーン紙の形状や質感も微妙に異なっている。また同名称の製品でも生産時期で細部が異なっている場合がある。

 シリーズを通じて評価は高く製造が終了してかなりの年数が経過しているが人気は衰えていないように思える。ユニット単体以外でもALTEC、AR製品でスピーカーボックスに組み込んで販売していたモデルがあった。前回はKSとALTEC 755Cが未聴だったが幸運にも今回はじめて自宅で試聴することができた。

 

1  KS 14703

  インピーダンス4Ω 70〜13kHz 最大入力8W

   

 WE製品だが製造はALTEC社で社外品という型式のKSが付いている。製造は1950年頃かららしくWE755Aより数年後で丁度LPレコードが発表された時期になる。インピーダンスはWE 755Aと同じ4Ωで両者の音色の違いについては様々な記述があるが周波数特性を広げてソースに対応させたというのが一般的な解説のよう。WE 755Aはもともと列車に設置されたスピーカーらしいが1948年10月当時のCMペーパーを見ると「ラジオ局、有線放送、一般家庭のラジオやレコード再生で他社製品よりすぐれている」とあり口径の異なるシリーズ3機種(755A:8 3/8"、756A:10 1/4"、728A:12 11/32")のうちのいちばん小さいものだった。KS 14703はWE製品だが1954年にはALTEC 755Aが発表されWEからALTECへの移行が完了しているのでKS 14703は最後のWEのスピーカーだったか?(自信無し)。ところでALTEC755Aのカタログにはインピーダンス8Ωとあるが実測DCRからこれは4Ωのまちがいもしくは途中で仕様変更があったと思われる。

 入手以來ALTEC 618Cという前面バッフルが傾斜している銀箱に入れている。

  

 この箱の板厚はバッフルが15mm、その他は9mmという極薄で軽い。また密閉箱ではなく後面には持ち運ぶために指を入れる(多分そうだと思うが)穴が空いている。大した補強もなく当然箱鳴りがする。しかしユニット口径が20cmということもあってそれほどパワーは入らず(WE 755A、KS 14703の最大入力は8W)箱鳴りするほど大音量の再生をしなければが問題が出にくい。それよりも小口径を補う低域の増強に重きを置いているのだと思っている。同じ形状の618Bという口径が30cm用の箱があるのだがさすがにちょっと役不足かもしれないと感じて内部に桟をいれて使っていたことがある。

 WE 755Aが入っているレプリカランドセル箱と比較しながら聴いてみた。アンプはWE 91Bレプリカ、ソースはCDでEMT 918のステレオ再生

   

 久しぶりのステレオ再生は残響がスピーカーの外から聞こえたりして慣れるまでちょっと違和感があった。箱が異なるユニットの比較は正直なところかなり様相が異なっていてあたりまえに難しい。全体のバランスは銀箱の方が好ましいがこれは今まで大型のシステムを長く聴いていたことが大きいと思う。ランドセルは前に飛び出すような音だがちょっとうるさい感じもある。しばらく聴いてみましょう。

 

  

Bon Appetitti!  竹内まりや (2001年)

 竹内まりや9年ぶり9枚目のオリジナルアルバム。ほとんどがタイアップ曲で聞き慣れたものだがこのCDを最後に聴いたのは多分15年以上前。近年SNS時代になって同氏の楽曲は世界的に評価され注目を集めるようになった。曲や編曲演奏が良いのはもちろんだがAメロ、Bメロがあって展開部があって、、というオーソドックスな構成はかつての歌謡曲みたいでおじさん世代にも安心感があり若者が注目している、、と聞けば昔からのファンはちょっといい気分になる。インフルエンサーの感覚にマッチすれば有名無名、新旧関係なく拾われ拡散する時代になった。サブスクが一般的になって今までなら思いもしなかったジャンルの楽曲に触れる機会も多くなった。

 

 途中WE 755Aランドセルを懐かしの「逆オルソン方式」にしてみた。

 故江川三郎氏の提唱していたスピーカーの設置方法で「左右を近づけて外側に向ける」というもの。数十年前に自作のボックス+ダイヤトーン六半で聞いていた時にこの方式にしていてそれ以來かもしれない。ちょっと不自然な感じがしたがビジュアルも手伝って慣れてないだけかもしれない。音場は確かに変化したがユニットの素性の判定にはならないと早々に元に戻したがセパレーションが悪かったアナログソースにマッチしていたのかも、、などと考えた。

 しばらく聴いてWE 755Aの素晴らしさが目立ってしまった。手塚治虫や鳥山明のような線の美しい漫画やモノクロブロマイドの美人を見た時のような感覚。情報量が多いのに音に品があって可愛らしくまとまる。レプリカランドセルは小型の改造密閉箱で重低音は最初から諦めている(?)のだが618C銀箱に入れる時には細かなチューニングを行わないと不満が残ると思われた。膨らませた低音はいらない。

 KS 14703+618C銀箱は拙宅の標準機だったがもう少し手を入れる必要性を感じた。やっぱりユニットの比較は同一条件もしくは最適チューニング後でないと難しい。

 「季刊ステレオサウンド別冊 魅力のフルレンジスピーカーその選び方使い方」(1979年3月31日刊)

 

 42年前の刊行、内外37機種のフルレンジユニット(すべて当時の現行機)を特注した2.1m x 2.1mの平面バッフル2枚に取り付け、岡俊雄、瀬川冬樹、菅野沖彦ら三氏が試聴し(すべて実測データ付き)意見をかわすという内容。また若者50人が詰め掛けた瀬川氏司会の公開試聴会の様子も掲載されていた。2,500円のダイヤトーンP-610Bから100,000円のTANNOY PHD385Aまで同一条件で鳴らしていて当時持っていたP-610B(これしか買えなかった)の健闘ぶりに嬉しくなった。ALTEC 755Eは21,000円、JBL LE8Tは30,000円でこのあたりの入手を夢見ていたが手が届かず中古LE8Tの詐欺にあったことは以前書いた。JBLの人気が高かったのは高性能はもちろんだがその美しさが大きな要素で実際に聴き比べできる環境もなく雑誌の論評を読んで妄想を膨らませていた。当時この記事の影響で平面バッフルを作った人は多かったのではないかと思わせるほど熱気のある内容だった。ユニットの能力がほぼ100%発揮されたというこのバッフルの行く末は不明だが今となっては古(いにしえ)のユニットの試聴もしてみたいものだと思います。

 

2  ALTEC 755C

 鮮やかなグリーンハンマートーンの塗装はこの時期のALTEC製品に共通していて「アルテックグリーン」などと呼ばれる。フェライト磁石になった関係で高さが低く(平たく)なって「パンケーキ」という愛称はこの製品からだと確信する。スピーカー端子はBまではハンダ付け、Eはワンタッチターミナルだったが(ネジ止めも一部あったらしい)その中間なのかネジ止め。ボイスコイルへの連絡線はBと同様に細くこれはフリーエッジになった関係かもしれない。Bと異なるのはエッジ部全周に渡ってビスコロイドが厚く塗布されている事でこれはサウンドに大きな影響を与えそう。しかしビスコロイドを塗布していないものも見たことはあるのでいろいろな仕様を受けていたのかもしれない。フリーエッジ(コーン紙にエッジが接着されている)は薄い布製だが755C前期は755Bと同じ茶色で後期になると755Eのような黒となるらしい(未確認)。

インピーダンス8Ω 40〜15kHz 95.5dB/w/1.2m 最大入力15W f52Hz(シリーズ中最低)

  

 618C銀箱に1個だけ組込んで左はKS14604、右はALTEC 755Cにして比較試聴した。能率がかなり異なるのはインピーダンスが4Ωと8Ωで異なっているから。KS 14703と比べて平面的で抑揚が少ない、全体に薄いベールがかかっているような曇天、高域の伸びが足りない、低域の弾み方や質感など、聴き比べるとかなり異なっている。個体差もあるだろうしチューニングもしていないのでこれが製品の特徴と言いきれないが今のところ世間の評判の序列を乱すことはなかった。

 618C銀箱の左右ともALTEC 755Cにして試聴するとやはり左右ユニットの個体差が少しある様子だが年代物の製品なのでこれは致し方ない。アンプや接続を変えてなるべく目立たないようにして試聴を繰り返す。

  オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 第三楽章 J.S.BACH

 

 iPhone 7手持ちで撮影。この曲は以前所属していた室内オーケストラの最初の定期演奏会の曲で本当に懐かしい。緊張でガチガチになっていた思い出が。

 オリジナルの楽譜は消失したらしいが自身の編曲した2台のチェンバロ版から復元された。

 

 同じ演奏をWE 755A+ランドセル型密閉箱で再生

 

 ALTEC 755CとWE 755Aを聞き比べてみるとALTEC 755Cは箱のチューニングが不足しているためかオーボエが不自然だったりオーケストラが沈んだりしているがよく雰囲気は出ているように思う。WE 755Aはエア録音ではちょっとうるさいと聞こえるかもしれないが音が外に溢れ出すように鳴っている。パワーが入るとこの傾向はより顕著になって聴き手を圧倒して身構えてしまうくらい。ALTEC 755Cの健闘ぶりが目立ちます。


パラグライダー日記(2021年 後期)

2021-07-03 20:22:15 | パラグライダー

2021年7月3日(sat)

 この時期の天気予報は目まぐるしく変わる。ネット時代は最新の予報がリアルタイムで入手でき直近の天候はかなり正確に把握できるようになった。考えてみればかつて情報は新聞か天気予報というテレビ番組かラジオ、電話(!)でしか得ることはできなかった。観測機器やコンピュータ予報が進歩した現代でもこんなに頻繁に変更されることに推移の予想の難しさがわかる一方でスマホでリアルタイムで見ることができる雨雲レーダーやピンポイント予報に未来の到達を感じる。これからも朝ドラで話題の気象予報士の出番はあるのだろうか?正確な予報だけならコンピュータに任せておけば良いと思うが予測される災害への備えなどの説得力のある訴えはやはり人間にしかできないように思う。

 今日(土曜日)は降水予報がどんどん夕方に移動して昼は晴天高温となった。しかし風向は良かったが弱風のぶっ飛び数回でこのままクローズかと思われた。すると15時過ぎから良好な風が吹き始めて朝から待ち構えていた方々が次々に離陸していった。私も1時間近く楽しんでいたら無線で次第に強風になっていると注意があり(飛んでいると風速の把握は正確にできにくい)一斉に2.5km離れた渋川海岸(新型コロナの影響で2年連続海開きが中止された)に向かう。高度は十分に到達したが強風でなかなか降下しない。海上で高度処理するのが基本なのだがうっかりするとすぐに風下の内陸方向に流され駐車場に不時着したという最近のN氏のアクシデントが頭をよぎる。対向する風に逆らって前方に滑空するためにパラグライダーには「アクセル」という機能がある。アクセルを踏むことで横から見た翼の迎角が小さくなり直進性が増す。この時は両足で最大限踏み込んでとにかく前進するようにして(それでも殆ど静止していた)なんとか安全に着陸することができた。不思議なことに地上の風速はさほど強くなく少し上空は強い風が吹き抜けていたことになる。先にランディングしたベテランが無線で上空に向かって細かな指示を出していた。その後は雨も降り出したが天候が変わる間際の短い時間の出来事で全員アクシデントが無くて良かった。

 夕方帰宅すると静岡県で土石流が市街地を襲って甚大な被害が発生していた。梅雨末期の災害が今年も発生してしまった。毎年の事だが何とかならんものか?

 

2021年7月10日(sat)

 一日中はっきりしない天候が続いた。朝から弱風で待機しているとちょっといい風が入ってきてさあ行こうか!と準備すると雨が降り出す。雨が止むとまた無風になる、、。この繰り返しが数回。それでもわずかにトップアウト(離陸地点より上昇すること)はできてまあよかった。

 明日は今日よりはコンディションは良くなりそうで期待している。

 

2021年7月11日(sun)

 快晴、風向も良好で絶好の1日となった。少し強めの風になることもあったが夕方には穏やかになり待っていた講習生も飛ぶことができた。

私は2回目の飛行中に強風となり早々に着陸地点の渋川海岸に向かった。着陸時に思ったより前に進んでしまって砂浜の西端が迫る。なるべく前進しないようにブレークを引きながら下降していたのだが1メートルくらいの高さでいきなりストール(失速)してハードランディングになってしまった。高さが低かったのと砂浜だった事、ストールするかもしれないと身構えていたのも幸いして何事もなかったが初めての経験だった。前触れもなくいきなりの発生でブレークを引き続けることの危険を痛感した。このアクシデントによる怪我は非常に多いらしいので安全な場所での経験はよかったと思いたい。

梅雨明けかと思わせる素晴らしい空と雲だった。海も綺麗でとてもいい環境だと思う。海開きは今年もなかったが砂浜は結構な人出でした。

 

 ハードランディングにおいて靴の大切さは思っている以上かもしれない。今回のような砂地と固い地面では体への負担はかなり異なる事は容易に予想できる。以前から「靴にはクッション性の高い中敷を入れておいた方が良い」と言われていて銘柄まで指定があったのだがお店で見当たらなかったので適当なものを入れていた。今回のこともあって最近よくCMで見かける高性能中敷を注文することにした。

 購入価格は約4,000円。特大サイズを選択したがさすがに大きすぎてガイドに沿ってすこし切り詰めてから取り替えた。今までのももったいないので他のトレッキングシューズに入れた。

 ハードランディングでも足から接地することが多くその後に転倒してヘルメットのお世話になる。この製品で足へのダメージがワンランク少なくなってほしいと願ってます。ケツラン(尻もち接地)する場合に備えてハーネスにもクッションが仕込まれている。ムースタイプ、エアークッションタイプ、ハイブリッドタイプなどがあって容量との関係で耐衝撃能にも差がある。現在使っているハーネスはハイブリッドタイプで初心者用ということもあって結構大きくて安全重視に振っている。技量の無さを補ってくれる装備に感謝しています。

 当地は梅雨も明けたが1日1回は雷雨に見舞われている。また風向も宜しくないので当分の間飛ぶことは難しそう。。

 

2021年7月27日(tue)

 平日だが久しぶりに飛ぶことができた。風は結構吹いているが気温が高くパワーがない。3回飛んでいずれもトップアウトしたのだが結局渋川海岸には行くことができなかった。

   

 今日も教訓を実体験した(言い方が微妙)。離陸してスタンディングポジション、数秒後に座るのだが今回はなぜか座りにくい。変だな、、と確認するとなんとハーネスの2つあるロックのうちの1つが外れているのが見える。JHFレポートでも死亡事故の多くがこの部分のロックし忘れによる落下でこれは大変なことになったと青くなった。その後もう1ヶ所はロックされていたのを確認してちょっと安心したが一刻も早く着陸した方が良いと判断し(今から思えばなぜ外れていたのを再度ロックし直さなかったのだろう。しかし両手を離して作業するのは無理かもしれないとも思う)翼端折りして高度を下げてもしもの時を考えてケツランしようかと思ったが慎重に通常の姿勢で着陸した。飛行前の点検は時間をかけて行うことにします。

 夏だから暑いのは当たり前だが今年は衣服の工夫で例年と比べて快適に過ごしている。私は人一倍汗っかきでそれも上半身に集中していた。一つはいまや当たり前になった「空調服」。もう一つは汗を吸収して乾燥させることで気化熱を奪うというハイテクコンプレッションシャツ。特にこの長袖のシャツには感心する。肌と一体感があり汗が玉状にならずその上に着る半袖ポロシャツが貼りつかず快適。下着は網シャツかユニクロのAIRism。山歩きの時は下半身もコンプレッションタイツを履いているが疲れにくいと感じる。これで暑い時も人並みに行動できる気がしてきた。

 明日も飛べそうだ。

 

2021年7月28日(wed)

 今日も素晴らしい快晴というか酷暑の35度超え。コンディションもまあまあで堪能した。

 

 久しぶりに渋川海岸までたどり着けた。またかなり低い位置から再度上昇して高度を回復することができたことも良かった。着陸した海岸でパラグライダーに触ると熱く感じるくらいの強い日射、当分は雨マークはなくパラコンディションも良好の予報。山の上の離陸地点は海岸と比べて若干気温は低く感じられ木陰では時折爽やかな風が吹いてくる。素晴らしい景色の中で恵まれていると実感する。

 

2021年7月29日(thr)

 今日も快晴。しかし風は弱くあまり上がらず。

 メインランディングからテイクオフを見上げての1枚。全く上昇しなければ5分ほどで着陸する。標高差は210m、気温は-0.649℃/100mなので1.4℃ほど差がある。普段は車で移動するが登山道もあって空荷だと20分くらいで(若者はもっと早い)登ることができる。何回か登ったが途中には山岳信仰の塔などがあって興味深い。「王子が岳」という名前にも由来があって山頂には説明看板が設置されている。

 明日も午後から集まる予定。

 

2021年7月30日(fri)

 今日も飛べて4日連続。試乗機が来ていて購入予定のHK氏などが操縦していた。気に入られたようで良かったです。私は相変わらず高度が取れなくてぶっ飛び3回。。何とかならぬものか?理論と練習方法は?

EN-Bクラスは激戦区で多くの機体がある。どのメーカーの何を選ぶかは迷うところだが自分の力量を超えた高性能機でなければ指導者からのダメ出しはほとんどない。翼面積が全装備重量にぴったりと合うことも大きな要素で適応する重量範囲の下限と上限では特性は大きく異なる。

 

2021年7月31日(sat)

 予想より上昇したらしい。らしいというのは絶好時にLDに居たためで私がTOした時はすでにピークを過ぎていて残念でした。それでもトップアウトして短時間のソアリング、そして現在の最大の目標である渋川海岸まで到達できた。

 この5日間は快晴で同じような気象に思えたが今日が一番コンディションが良かった。ただし良かったのは開始から11:00までの1時間。これをどう解釈するか?ベテランの解説では「朝は夜間の気温低下の影響で山部斜面の地表温度が下がっている。日照で最初に低地の平野部が熱せられて低温の上空に向かって上昇気流が発生して(これを「ブロー」と呼んでいたが気象用語ではないらしい)パラグライダーは高く上昇することができた。日照で山部斜面も温まると気流が弱くなって上昇しなくなった。」というもの。

 明日日曜日は久しぶりに遠征(といってもここ王子が岳から見える)する予定。

 

2021年8月1日(sun)

 香川県坂出市の王越エリアに遠征した。瀬戸中央自動車道坂出北インターから下道を数キロ走ると讃岐パラグライダーの管理事務所に到着。ここで受付をして車に乗せてもらい結構な斜面を駆け上がる。途中イノシシよけの柵を開けて稜線に出てなお悪路を進むとしばらくして山道は終わり資材運搬用のモノレールが現れる。荷物をトロッコに載せてエンジンかけて人間は歩いてなお登るとテイクオフに到着する。エリア使用量は1日1000円、車代は1回500円(良いシステムだと思います)。瀬戸内海を眼下に望む北に面している斜面と西方向に面している北嶺と呼ばれる斜面の2面を有する。スクールがありクラブの運営もしっかりされているが構成人数は王子が岳同様に最盛期の数分の一とのこと。前回は見学だけだったが今回はフライト目的で同乗させてもらった。早島の集合地点から往復100kmほど、軽自動車での高速料金は往復で3660円を4人で割った。

 海の向こうの山は王子が岳。目の良い人は飛んでいるグライダーが見える。

 一日中絶好のコンディションで高く上昇できた人もいた。私の1回目は右のブレークコードが絡まって短くなっていて早々に着陸地点に向かった。私の前に着陸した方は事前の説明と反対の方向からのアプローチだったので進入方向を無線で確認して同じ方向で進入した。しかし高度が高く思いの外伸びてエリアの端に降りてしまい背の高い雑草と野ばらのに苦労したが今回も駆けつけてくれたY氏に助けられた。後で確認したら進入方向は私の聞き違いらしく反対の指示だったらしい。再度上がって絡まったラインを解いて昼食後に2回目の離陸をした。今度は良好なソアリングができて四国の空から見る瀬戸内海を満喫した。王子が岳では山の斜面を上ってくるリッジ風を利用することが殆どなのだがこのエリアではそれに加えてサーマル(地表が日照で熱せられて起こる上昇気流)が多く発生していて無線でアドバイスを受けながらサーマルソアリングの練習も行うことができた。リッジソアリングに比べて不規則な風の流れを掴むのは難しく機体の揺れに姿勢を対応させるなど結構異なった操縦が必要とされる。ランディングは地上のS氏に誘導してもらい安全に行うことができた。海方向から水路に沿って進入しながら必要に応じて細かな高度処理を行う。地上付近でもサーマルがありエリア内への着陸が難しい場合は隣接している広い産廃埋立地に降りることもできる。接地直前に機首を海方向(風上)に向けて着陸する。やはり1回でも経験することはとても有効で安全な着陸コースのイメージができた。

 王子が岳以外では大雄山、高岡(高知県)に次ぐ3番目のエリア訪問となった。まだNPなのでパイロットの同行指導が必要だが今後も機会があればエリアの難易度を見ながら遠征部隊に混ぜていただきたいと思います。

 

2021年8月31日(tue)

 今日で8月も終わる。当地では緊急事態宣言が発令中だが王子が岳では(それに合わせたのか)9/12までイノシシ駆除のため入山禁止となっている。最近では夕方になると駐車場にまで大きなイノシシが平気な顔で(?)現れていて人的な被害は発生していないがちょっとマズイなと思っていた。今月は帰省や諸事情で多人数が集まる王子が岳で飛ぶことを控えていた。暑い時期という理由で山歩きもせずで運動不足でちょっと心穏やかではないのだが「山は逃げないし!」と自分に言い聞かせている。来週は白内障の手術も控えていてよく見えるようになったら色々とやりたい事で夢が膨らむがさてどうなるか、、。免許の更新に支障が出ない事は最低限クリアしたいところ。予定では9月も飛ぶのは難しそう。

 もうしばらく飛べない日々が続きます。

 

 

2021年9月22日(wed)

 当地の緊急事態宣言は解除になったが蔓延防止地域の解除はされていない。今日は久しぶりの王子が岳だった。今月は白内障の眼内レンズ手術を両眼受けたが経過は良好で日常生活に支障が出ない程度に視力は回復した。今日は夏の名残で日差しが強くサングラスが大活躍した。

 タンデムフライトの条件も良く満喫されたと思う。視力が回復して初めての飛行はやはり快適で地上の景色が違って見えて新鮮だった。一方で最近は治っていた「パラ酔い」が起こりそうで静かに旋回していたのだが慣れるまでしばらくかかるかもしれない。暑くも寒くもないベストシーズンで久々に1時間半飛んで秋の瀬戸内海を満喫した。2週間入山を禁止してイノシシ駆除を行って14頭の成果と聞いた。ところが帰りの駐車場には大きなイノシシがいて尻尾を振りながら観光客から餌をもらっていた。。やっぱり危ない(と思う)。

 明日も出かける予定だがちょっと風が強そう。

2021年9月22日(thu)

 予報通り朝から強風だったがベテランが飛び出していく。

 その後は屋外で強風の中夕方まで談笑が続く。かなり陽も傾きかけた頃ようやく治ってきて待っていたタンデムフライトも行われたがやっぱりベテランタイムかと思う。私は今日の飛行は見合わせた。

 

2021年9月25日(sat)

 香川県に遠征した。遠征といっても王子が岳から瀬戸内海を挟んだ対岸にある王越エリアで飛ぶのは2回目。前回は反対方向からのランディングで薮に降りてしまい背丈もある草とイバラに格闘した。

 児島インター近くで待ち合わせし立派なモーターホームに乗り換えて瀬戸大橋を渡る。到着の事務所で手続きして車でテイクオフ近くのモノレール乗り場まで。このモノレールは荷物専用だが急勾配なので非常に助かる。ところが今日は調子が悪く途中で止まってしまった。

 単気筒2cyエンジンでこのアプト式ローラーを回すのだがレールが歪んで穴にかからない。今日は使用不能になってしまったが地元の人にとっては日常らしい。

 快晴で白内障手術のおかげで対岸の王子が岳も良く見える。この日は75分ほどの飛行で王子が岳では味わえないサーマル飛行ができて高度もそこそこで満喫した。体力を使うのとやっぱり目が回るので1回で終了、帰路に着いた。

 

2021年9月26日(sun)

 午後から百間川河川敷でグラハン練習した。この川は江戸時代に作られた運河で数チームで競わせて工事した名残の地名が残っている。私は2時頃から参加したがすでに10名以上のクラブ員が集まって賑やかに行われていた。

 ちょっと風が強く講習生の練習にはキツかったようだが川原を走り回ってストレス解消、鬱退散。

 

2021年10月2日(sat)

 今日は1日絶好のコンディションだったが残念ながらアクシデントが発生してしまった。1年ほどの経験の講習生Mさんが渋川海岸ランディングで負傷して救急搬送された。詳細は不明だが初めての渋川で不慣れなこともあったと思う。昔の練習機で主に離陸と着陸を繰り返して練習していたが最近は誘導なしの飛行もできるようになっていた矢先だった。今日は性能の劣る練習機でもソアリングができるほどの好条件だったがやはり旋回性能は低く沈下も早い。一昔前は2.5km離れた渋川ランディングに行くのは上級者になってからだったという話をベテランから聴いた直後だった。そのほかでもビジターさんが建物の屋上に不時着したり(こちらは無傷だったらしい)穏やかな1日だったが危険と隣り合わせのスポーツはやはり油断は禁物だ。改めて肝に命じます。

 私はあまり上昇しなかったが少し気温が下がった安定した風に助けられて1時間超の飛行を2本行う事ができた。最近HK氏の購入したskywalk「CHILI 5」が絶好調で常に最高度の位置にいた。今日はCHILI 3,4,5と3機種が揃って飛んでいたがいずれも良好な飛行をしていていい機体なんだと思う。自分の腕の悪さを棚に上げて食指が動いてしまいそうになる。

 

2021年10月6日(wed)

 11時からのopenだったが受診した病院の待ち時間が長くて到着したのは昼を過ぎていた。良好な気象条件はすでに終わっていてぶっ飛び1回。でも週末の遠征が決まった。

 

2021年10月9日(sat)

 約1年ぶりに高知県高岡エリアに4名で遠征した。片道180km  高速出口まで2時間超 高速料金片道5400円 

 コンディションは絶好で大きなサーマルが湧いていて海抜1000m近くまで上昇したがサーマルを外れると沈下が激しくあっという間に下がってツリーランするのではないかと何回も恐れた。上下の挙動が激しくて(±2.7m/s)かなり気分が悪くなってしまった。それでも80分程度は飛行して仁淀川LDに無事着陸した。ハング、パラの多くのフライヤーが訪れていて1300mほどの雲底まで到達したという無線も聞かれた。

 着陸したのは14:00過ぎだったのだがその後15:00くらいには激しい気流は治ってエリア全体広い範囲の穏やかな上昇気流に包まれたと聞いた。斜面から随分離れた平野部でも多くが飛行していて着陸した河原の木陰で眺めていた。

 普段の王子が岳とあまりにも異なる飛行でやはり色々なエリアでの経験は必要だと思える。しかしグラグラ揺れるサーマルの中を気分が悪いのを我慢してグリグリ回すのはかなりしんどい。「こういった経験を重ねないと上手くならないノダ」と理屈では分かっているつもりだが。。

 

 

 2021年10月16日(sat)

 予報では午後からが良さそうでゆっくり出かけたら到着した直後から絶好のコンディションとなった。早速準備するも割り込みを咎められて恥ずかしい思いをする。朝から待っていた方々を差し置いて出ようとしたことに反省。そういうのが一番嫌いな自分だったはずなのだが気が急いたか。あまり高く上がらなかったしニアミスらしきこともあったのだが楽しく飛ぶことができた。

 

 20歳台の新人の方が入会して練習していたが若者はさすがに動きが違う!ジジィもがんばろう。次は火曜日に飛べるかもしれない。

 

 2021年10月19日(tue)

 午後から平日にもかかわらず10名ほど集まった。

 天候は晴れで絶好。それほど上がらなかったが暑くも寒くもパラ酔いもなく堪能した。涼しくて春以来のフライトスーツを着たのだが秋になったと思う。今日は良かったがしばらくは王子が岳で飛べそうもない天候が続く。

 

 2021年10月24日(sun)

 今日は讃岐メンバーの車に便乗させてもらい香川県坂出市の王越エリアに遠征した。コンディションは絶好で1300mまで上げたH氏、O氏、T氏がクロスカントリーで(エリアを離れて遠方まで飛行すること。着陸は河原や稲刈りの終わった水田などで帰りは仲間に迎えに来てもらったり交通機関を利用して自分で何とかする)長い間の目標だった金比羅山まで到達し、H氏はさらにその先の愛媛県まで進んで王子が岳メンバーが車で回収に向かった。これは快挙で気象条件やパイロットの能力が高くなければ達成することはできず改めてベテランとの力量差を見せつけられた。着陸地点からLINEで位置情報を送ると受けた側は即ナビが使えるシステムに感心。

 

 飛行中は結構荒れていて時々翼をローターで叩かれたが心配していたパラ酔いもなく楽しむことができた。下降気流で激しくロスするのはサーマルヒット時にしっかり上げきっていないからと教えられた。サーマル中の360度旋回がもっと抵抗なくできるようにしたいと思う。

 

 2021年10月27日(wed)

 昨日、今日と王子が岳にはいい風が吹いている。今日はお昼過ぎの私が離陸してしばらくたったころから良好になって一度は高度を下げたのだが復活して1時間半の飛行となった。

 タンデムのお客さんも満喫できたと思う。

 

 2021年10月28日(thr)

 大雄山に集合したのは4名。最初は弱風だったが次第に強くなってH氏は1200mの雲底まで到達した。

   

 離陸場所は「アサギ平」と名付けられアサギマダラの保護観察が大勢のボランティアの方々によって行われている。アサギマダラは海を越えて移動するとされ沖縄の研究者が始めた生態調査が各地に広まったらしい。蝶を捕獲し日付などのデータを書き込んで再度放蝶する生態の観察がされている。

 私は弱風の時にハンググライダーのカタパルト脇から離陸しようとしてスタ沈してしまった。急角度の斜面なのに足が離れたところから沈まで結構距離があってその間全く浮かなかった事になる。以前もこの場所でギリギリのことがあったのだがベテランによると「ここはなぜか浮きにくい、、」とのことでちょっと狭いがカタパルト上もしくは手前でライズアップして離陸はカタパルトからするのが良さそう。斜面からの吹上げで機体は暴れて安定しにくいがうまくいかなければ何回でも繰り返せば良い。このスタ沈で気持ちが折れて今日は飛行はやめてサポートに廻った。。

 

 2021年11月2日(tue)

 JHFの会員に「JHFレポート」という小冊子が定期的に送られてくる。JHFとは日本ハング・パラグライディング連盟の略で先日届いたのは第235号。毎回事故報告がされるが今回は詳細な分析がされていた。それによるとパラグライダーの直近10年間の年平均死亡事故は4件、また死亡と重傷を合わせると年平均12人で人口比(数千人と言われる)に対してやはり多いと思う。特徴的なのは 「5月が多い」「PとNP証で80%」「経験16年以上が最多」で重大事故は初心者よりベテランの方が多いというデータ。発生要因別では「失速34%」「目測誤り26%」「旋回操作ミス14%」「潰れ14%」など。ハーネスの装着ミスが見当たらないが「その他3%」に含まれるのだろうか?ちょっと意外なところ。自然を相手にするスポーツは一定の危険は避ける事ができないが意識と技量でかなり回避できるのではないかと感じる。とかく軽視されがちだが「基本に忠実」は最重要かと思う。準備体操、無線やレスキューパラシュートなど機材のチェック、装着時の指差し確認、気象の確認、危険な飛行区域の認識、吹き流しの確認、ランディング時のイメージアップなど。初心者の事故の回避はすべてに優先する絶対条件であり周囲のサポートが欠かせない。また長年にわたってピンチを回避し事故なく飛ばれている方のノウハウを学びたいと思う。

  

 2021年11月3日(wed)

 文化の日は晴天でコンディションも絶好、大勢の観光客、タンデムで大賑わいだった。

 

 私はパラ酔いもなく長時間の飛行を2回行ったが1回目の時360°旋回でブレークコードを引きすぎてスパイラル状態となり急降下して斜面の木の枝に足が触れた。幸い離脱したが勢いでハーネスが前方へ振られその後のピッチングの大きな揺れ戻しで前縁が下を向いた時に前方からの風を受けて翼の右側が大きく潰れた。すぐに回復して高度ロスもなく墜落は免れたがかなり危険な状態だった。高度が低かったにもかかわらず墜落しなかったのは安全で高性能な翼のおかげで全く運が良かったとしかいいようがない。360°旋回はもう少しマイルドに行うようにコントロールが必要。

 その後インストラクターからスパイラルについてのアドバイスがあった。今回は予期せぬ経験だったが意識的に行う時は  1 旋回方向にしっかり体重を入れて 2 カラビナより約10cm程度下まで引くと半周から1周でスパイラルとなる 3 入ったら必ずこぶし半分(5cmくらい)もどす。きついようならさらに戻すが絶対に一気にはもどさない。 4 離脱は2周くらいかけてその際に失速の恐れがあるため反対のブレークコードは引かない。 

 スパイラル離脱のためには徐々に回転を弱めるわけだが今回は斜面が近いためもう一周は回るのは危険で回転を緊急停止せざるを得ない状況下で大きくピッチングして右翼が潰れた。緊急に安全にスパイラルを止めなくてはならない場面などは滅多にないと思うが上記の説明から回転方向の左ブレークをゆっくりもどしてそれ以上回らないように最小限の右ブレークかと思うが左右のブレークが引かれるとストール(失速)する可能性がある。オーバーピッチして翼を叩かれて落ちるか、もう1周して斜面に突き刺さるか、ストールして落ちるか、、どれも勘弁してほしいと思う。スパイラルは気象の急激な変化など緊急の高度処理には欠かせないテクニックなので安全に確実にマスターしておきたいし予期せぬスパイラルに陥らないようにしたい。

 

 2021年11月5日(fri)

 今日も絶好のコンディションで8名ほど集まった。

 

 あまり上がらなかったが穏やかな気候でゆっくり楽しめてシーズンの到来を感じる。平日にもかかわらずタンデム希望の方も飛び込み入れて5名でタンデムパイロットは大忙しだったが淡々と安全に運行されていた。飛行時間は公称20分なので時間になったら安全に素早く下降することが必要で着陸に時間がかかると多くの人を飛ばすことはできない。離陸地点近辺の飛行が10分間、そこから2.5km離れた着陸地点まで移動して高度処理して着陸するまで10分間程度だろうか。私は着陸はまだまだ緊張して思ったようにはいかないのだがいずれは行いたいトップラン(離陸地点に着陸すること)の練習を兼ねてピンポイントに降りる練習が必要に思う。なるべく前進せずに下降するのは一歩間違うと失速の恐れがある。少しでも安全な砂浜で練習しておきたい。

 

 2021年11月14日(sun)

 昨日は予報どおり次第に風が強くなってopen時刻を早めた朝一番のみ飛ぶ事ができた。私は準備にもたついている間に午前10時30分くらいから急に風速が増して結局飛行を断念して早々に帰宅した。翌日の日曜日も同様の予報で昨日のリベンジのつもりで準備していたが今日はなかなか風速が上がらずぶっ飛び1回後は風待ちしていた。2回目は良いタイミングで出て1時間ほどの飛行でちょっと風が強くなりかけのころ無事着陸した。

 

 

 HK氏は待望のP証ライセンス合格で本当におめでとうございます。私は今日の2回の飛行で224回の高高度飛行となったがグライダーを手足のように自由にコントロールできている気がせずライセンス獲得はまだまだ先の気がする。タンデム希望の方が夕方から大勢来られて片付けが済んだ頃は真っ暗になっていたが時計を見ると17時前で夏ならまだまだ飛べる時刻。今日は暖かかったが季節は着実に冬に向かっている。

 

 2021年11月16日(tue)

 昨日も良かったようだが玉葱の苗植えで不参加、今日も11時集合で私を含めて6名参加したが絶好だった。しばらく良好なコンディションが続くがなぜか週末は良くないらしい。昨年に続いて通信制高校の課外授業で数名の生徒さんが来ていたが楽しんでくれたと思う。

 

 合計で5名の体験フライトの合間にベテランH氏は大会目指してターゲットの練習を繰り返していた。使用するのは古いEN-A機でこれくらいが具合が良いらしい。手足のように操る様子は自分には永久にできそうもないとすら思える。HK氏は3時間近く一人で飛んでいたがチェックポイント上空を通過するパイロン競技の練習をしていたらしい。こちらはもう少し余裕ができたら参加してみたいものだと思う。目が良くなったおかげで枝の揺れが見えるようになり飛行の参考になると感じる。当たり前に枝の揺れているエリアは上昇風がある。また着陸地点の砂浜は穏やかな風だったのでなるべく前進しないようにハーフストールを何回か入れて下降する練習をした。

 

 2021年11月17日(wed)

 3日連続のopen、集合時刻の10分前にはすでに上がって誰もおらず皆さん一刻も早く飛びたいらしい。私はぶっ飛び1本で今日は早々に帰宅した。渋い状況でもレベルキープできるベテランとの違いはなにか?テクニックの差はもちろんだが荷重重量も気になる。重量に対して翼が小さいのか?改めて全備重量をしっかり測定しようと思う。風速がある時の飛びには満足しているのだが。

  

山々は紅葉が盛りで飛んでいても美しいのだが自宅の横にある楷の木。毎年楽しませてくれます。

 

 2021年11月28日(sun)

 今日は条件があまり良くないが午後から少し改善するかもしれない、、と思っていたら朝一番から好調の連絡ありでいそいそ出かけた。最初に飛んだベテランは海抜900m以上到達したらしいが私が到着した頃はフォロー風になっていた。それでもしばらく待っているうちに改善し飛び出した。

   

 西に向かうと即高度が下がる。それでも粘っていたら「東の岩場に行け!」の指示が。風向が南ということだが煙突の煙を見ると西から吹いていて??高度によって風向が変わるらしくコンバージェンスを捉えたベテランはまた1200m越えだったらしい。混み合っているのが苦手な私は40分ほどで着陸したが見上げると普段はあまり飛ばない空域に多数飛んでいる。渋川海岸手前の斜面なのだが着陸するのが惜しくて皆さん楽しんでいる様子。この状況を見たのは初めてでやはり今日の風は珍しいということかもしれない。

 

 2021年12月2日(thu)

 予報に反して強い風。しかしテイクオフで風速測定すると5m/sを超えることはなくベテラン4人悠々と飛んでかなり西まで行っていた。高度は上がらずちょっとピンチの場面もあったそうだが無事帰って来た。

   

 私は恐れをなしてお昼食べて帰宅した。

パラグライダー全日本選手権大会(正式名称を確認します)アキュラシー女子の部で王子が岳エリア常連さんのOさんが優勝しました!

 11/27,28に静岡県で行われた大会にはクラブのメンバーや常連さんなど数名が参加したのだが上記の結果となりました。アキュラシーとはいかにターゲット近くに着陸するかを競う競技で今回は40数名の参加うち女性は10数名で2日間に3回の試技で競われた。最上位の大会初参加者には豪華賞品が出るとのことで今までは知られていなかった猛者が現れたりで盛り上がったらしい。とにかくおめでとうございます!

 

 

 2021年12月5日(sun)

 昨日の土曜日午前中は多くの団体からの参加でエリアの清掃作業が行われた。これは定期的に行われて美しい景観を守っている。翌日の日曜日は王子が岳パラグライダークラブの忘年会を兼ねたBBQでクラブ以外からも大勢が参加された。時節柄ちょっと地味な場所で行われたが皆さん満足されたと思う。

  

ゴールデンレトリバーの「だいちゃん(9歳)」とオーストリアンシェパードの「おーちゃん(2歳)」

リパック大会と先週行われた全日本パラグライダー選手権大会の優勝者の大西さん。

 

 

 2021年12月7日(tue)

 11時集合の瀬戸内市にある大雄山麓に向かったが側道を間違えて遅れてしまい飛んでいる姿もないので一人で上がった。ところが荷物を出そうとするとグライダーが無い。。そういえば先週クラブハウスに預けたままなのを忘れていた。駐車場からテイクオフに向かうと何やら賑わっている。。

 

 アサギマダラの保護活動をされている方々やハンググライダーの愛好家が鍋の準備をしている。肉はイノシシでジビエうどん!で美味しくいただきました。イノシシ食べるのはいつ以来だろう、、?

ハンググライダーのランチャーも整備されて広くなっていた。次回は木曜日か?

 

 2021年12月11日(sat)

 予報に反して一日中弱い風で2回の飛行とも直下のメインランディングに10数分で着陸した。相変わらず360°旋回が苦手で緊張する。

 

 サンタも飛んだ。いつも楽しませてくれるコスプレフライヤーK氏。

    

明日は強風の予報。すっかり忘れていたのだが今日と明日、和歌山県の紀の川エリアで毎年開れるパラグライダー展示飛行会に数名の方が参加する(している)。様々な機体に試乗できるらしいので上手くなったら行ってみたい。

 

 2021年12月12日(sun)

 天気図は北日本に5つの低気圧があり今晩にはそれが合体して西高東低の冬型になるらしい。今日は強風の予報だが前日は予報より弱かったので強風前と思われる8:45集合で出かけた。集まったのは日曜日にしては少ない数名で、上がってみると幸いにまだ弱い風だがいつ強くなるかわからず早々に準備して離陸した、、がやっぱりぶっ飛びの5名。2回目もほとんど上昇せずどんどん高度が下がる。2回目飛んで上がってくる頃から今度は徐々に風が強くなり早々に飛行は諦めてエリア整備となったが2週間前に整備したばかりなのであまりすることがない。

 

 海面を見ると細波がこちらに向かってくるのが見えてそれに伴って次第に風が強くなっていく。煙突の煙や波、木々の揺れ、トンビなどが風の様子を知らせてくれる。

 

 2021年12月14日(tue)

 平日に飛んだのは8名。風速、風向は良好だがあまり浮かずぶっ飛び2本(他の人はそんなに悪くなかったらしい)。日がかたむき始めた頃にもう1本飛んだが今度は良かった。最近は高く上げることができず2.5km離れた渋川海岸LDに行くことが目標になっている始末で寂しい限り。。

 

 

 

 年末は大寒波襲来で気温も低いが風速も強く今年の飛行は終了の模様。いろいろあった一年だったがなんとか無事に年が越せそうだ。最近は釣りで磯を歩いていてもバランス感覚が衰えている事を自覚するようになり踏ん張る筋力を意識して鍛えなくてはならない年齢になった。新型コロナを理由にここ2年は外出する機会が少なくなった。来年はもっとアウトドアを楽しみたいと思う。

 みなさま良いお年をお迎えください。