Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

HONDA シャリイ のエンジン破損

2018-07-20 11:12:25 | HONDA
 7月6日の西日本で起こった大水害の数日後にかつての職場が被災したという情報でとにかく長靴と水を持って駆けつけようとした。道は至る所で寸断しているし多分大渋滞かと思ったのでバイクで行くことにしてどのバイクにしようかと(まともに動くのが少ないので)迷ったがシャリイで行くことに決めて保険を確認すると7月3日で切れている。。コンビニで手続きして荷台にポリタンク積んで前のカゴに長靴括り付けて早速出かけた。
 当日はうって変わっての晴天だったが高温で目的地まで15kmくらいの10kmあたりで停止してしまった。その時の状況からオーバーヒートで焼きついたかと思われJAFに連絡すると災害の関係で今日中に行けるかわからないとのこと。10km押して帰ろうかと覚悟を決めたが少し冷えてから恐る恐るキックすると一応始動する。低速でなんとか帰宅した。
 原因はオイルの劣化(交換した気になっていたが)で状況からエンジンは完全にオシャカかと思われた。早速降ろして分解してみる。
 

  

 

 

 

 オイルフィルターは真っ黒でやっぱり悲惨な内部で深く反省した(ウソ)。分解は初めてなのとwebで調べても腰下はなかなか大変そう、肝心のピストン、シリンダーも決定的なダメージは無さそう(ホントか!)なので内部を清掃して再度組み立てることにした。ピストンのクリップを飛ばして紛失、カムカバーを破折してしまったがとりあえずクリップとガスケットを注文した。到着するまで掃除とこびりついたガスケットをスクレーバーで剥いでおきます。

 届きました。早速組んでみると
  


 なんとピストンがガスケットに当たる!改めて新旧比べて見ると

 ボアが全く異なっていて唖然。。49ccではなかったと今頃になって気づいた。ピストン形状もハイコンプっぽいし。。傷のあるピストンを諦めてシリンダーごと取り換える事も考えたがとりあえず同じ形状のガスケットを探して注文した。ボアは50mmで81ccになるがガスケットは88cc用。これでいいのか、、?

 届いたのはやはり同じサイズのようです。早速取り付けてエンジン載せて始動してみると
 
 カムカバーが割れてますのでオイル撒き散らしながら回ります。ボアアップしてたわけなのでオイルポンプの状況も心配だしノーマルキャブで混合気が薄くなる事も。

 トルクレンチも不調。。何回も分解してみるも「カチッ」とならない。おかげで(?)ナット1個ダメにしました。ガソリンもオーバーフローしていたのでキャブレターも分解してフロートバルブなどチェックした。カムカバーの出物を注文したので組み立てながら待つ事にします。
 それにしても暑すぎて玄関での作業は30分がせいぜいです。車のエアコンも最近調子悪い。コンプレッサーの電磁クラッチ(と思うが)が機能しないことがある。生暖かい風しか出ないときはエンジン再始動すると大抵は復活する。コンプレッサーのリレーを入れ替えて見たが症状は変わらず。でもホームセンターで憧れのデジラチェ買って来ました。

 ホントはKCTあたりが欲しいところだがサンデーレストアラーにはなかなか手が出ない上にだいたいホームセンターを2件廻ったが10N・m前後のトルクレンチすら置いてないので選択肢は無かった。

 
 カムカバーとヘッドカバー、キャブレターのパッキンが届いて交換したがキャブは相変わらずオーバーフローする。一夏をその対策に費やしたDaxの悪夢が蘇る。。エンジン本体は異音もなく良好。「49ccではなかった」事を知ったらそれなりの音に聞こえるのも不思議。

 フロートバルブには段付きは見られない。オシリのスプリングも問題なさそう。。なぜオーバーフローするのだろうか?走行中は問題ないのでしばらく様子を見る事にします。

 しばらく走ってみても特に問題は認められない。(と云っても暑すぎて長時間の運転はムリ)
 
 止まった時の状況からピストンリングの破折を含んだ重篤な状況かと思っていた。ピストンには結構な傷はあったが見て見ぬ振りでスルー。カムカバーとフィンを欠けてしまうというオマケは付いたがガスケット、パッキンの入れ替えと真っ黒だった内部の掃除のみというしょぼい対応となった。その際に鉄粉などの有無の確認をしたが特に認められなかったことも理由の一つ。
 、、ということは結果的にはオイル交換などの非分解の対応とあまり変わらなかったのかもしれない。今回の対応で良かったのかはしばらく乗ってみないとはっきりしたことは言えない。Triumph T15のように素人作業のボロが出ることも十分考えられます。保険を継続したこともあってしばらく乗ってみましょう。
 HONDAの原付エンジンを開けたのは初めてだったのですがとても作業がしやすくて快適だった。腰上だけなので偉そうなことは言えないがパーツの供給も問題ないしアフターマーケットも充実していてとても良い環境かと思います。マニュアルも入手していなかったがwebでは充実した解説記事が多数あって助かりました。



 お読みいただきありがとうございました。




 後日談1
 西に向かって移動する珍しい台風は当地を通過していったが大して影響は出なかった。台風一過の晴天になったので数キロ離れた本屋にシャリイで出かけた。買い物済ませて帰ろうとスタンド起こしたらリアタイヤがパンクしている。一瞬イタズラされたか、、と思ったが往来の多いトコだしシャリイにそれはないだろうと思い直す。今度こそ意を決して1時間ほどかけて自宅まで押して帰ってきた。タイヤは前後共とうに寿命は尽きている。これを機会に新しいタイヤにしようと思ったが10inchでも色々種類があって値段も数倍違う。バイクショップにも行って眺めてみたがますます訳がわからなくなってしまってとりあえずパンク修理することにした。
 
 合わせホイールは分解すればいいので楽です。お風呂場で穴の位置を確認して例によって自転車用パンク修理キットで塞いだ。
 修理後にいったい何キロ引きずって帰ってきたかもう一度走ってみて距離を測ってみた。
 故障したのを押して帰る途中の公園で休憩した時のスナップ

 距離は意外にも2.5km。炎天下の体感距離(?)は4km以上だったのだが。。このベンチに座って休憩していたがいい風が(台風の)吹いていて気持ち良かった。

ホンダ シャリイ が来た!

2017-06-26 19:04:19 | HONDA

 高校生の頃、白とピンクのツートン初期型が実家にあって毎日のように乗り回していた。当時はヘルメットなどという無粋な(石が飛んでくる、、)ものは法令上は必要なく好きなように乗ってた。とにかく鈍足で走らないというイメージとプラグホールのネジ山を潰してしまってヘッドを交換するハメになってオヤに怒られたなど思い出はいっぱいだ。
 最近はほとんど見かけないと思っていたがDax HONDA同様に改造原チャリのベース車としての地位を確立して(?)いるらしい。
 近くの古いバイクショップの店頭で見かけて以来気になって仕方がない。最近ではオークション以外で4輪、2輪を購入していない。思い切って店主に声をかけてみたら思ってたよりリーズナブルだったので1日迷ってから購入した。エンジン不動だが送料がかからないのがありがたいし軽トラで即日の配達。登録もやってくれる!(当たり前かもしれないがちょっと新鮮)

 ホンダ シャリイは1972年に発表されたファミリーバイクで特に女性をターゲットにしていた。女性用といえば1976年にはCMに天下の大女優ソフィア・ローレンを起用した「HONDA ロードパル」通称「ラッタッタ」が59800円で発表されている。1972年当時の価格は50ccで72000円〜73000円。数度のモデルチェンジを経て1997年までの4半世紀に渡って発売されてて十分すぎるロングセラー。



 

 

 

 



 程度は悪くない。お店で買ったがエンジン不動の蔵出し荒売り状態。。もちろん承知だが珍しいとは思います。。塗装の劣化した部分は涙ぐましいタッチアップ。走行距離は7000余km。ホントに倉庫で眠ってたらしく腐ったガソリンが一杯入ったまま。(これが夜中にオーバーフローしてちょっと慌てた。家の中の家族が「ちょっとシンナー臭い!」バイクは小屋の中なのに家の中まで臭ってきた!慌てて燃料コックを閉めた)
 
 いつ頃の車両だろう?

 調べてみるとシャリイは長く製造されたので数々のバージョンがある。名前も最初の「シャリイ」から「シャリィ」、「シャリー」と3種類もあるらしい。
 1972年の初代の「シャリイ」

 (出典 HONDA HP https://www.honda.co.jp/news/1972/2720718.html)
 ヘッドライトがDaxみたいに上部にある。全体のバランスが美しくこの形には魅かれるものがあるがカゴを取り付けるには不便。

 1979年には樹脂フェンダーに3本スポークとなってライトの位置も下がりカゴがつくようになる。


 この写真は同時代の70ccのものらしいがどういう事情か拙宅のとほぼ一緒の格好で鉄フェンダー、4本スポークで初期型と同じ、ライトの位置だけ違う。
 
 個人的には歴代シャリイの中で一番好みのフォルム。シャリイとカゴはやっぱり切り離せないしライトは丸に限る(!)と堅く信じてるので(ジジイの思い込み)。

 1985年の最終型。ライトが四角になって全体の雰囲気も随分と異なっている。

 このころは名前も「シャリー」(カタログより)

 エンジンも初期の3.2psから4.0ps(50cc)になりトルクも向上したが価格も最終型は179.000円と2倍半のアップ。70ccは途中から廃止になったのかもしれない。
 
 実家では「ホンダ スーパーカブ」が昔からあった。現在では大人気のカブだが子供の目から見ても若い女性には似合わないカッコ悪いバイクだと思った。足を閉じて乗る国産スクーターはまだ出てなかったがラビットはあって内科の往診のイメージは映画「三丁目の夕日」のアクマ先生そのものだった。近所にこの強制空冷エンジンを使ってゴーカートを作ったお兄さんたちがいて乗せてもらったことがある。みんな誇らしげだったし輝いて見えた。
 その影響からか中学時代に部活(なんと工芸部!)で数人の仲間とゴーカートを作った。ネタは「模型とラジオ」誌でフレームは木製、ステアリングは1点支持の足で押してカーブするというもの。ハンドルは自転車で(固定してある)アクセルはハンドルについてたブレーキレバー、肝心のエンジンはカブ。。というなんとも中坊らしい内容。貰って来たカブから(当時はあちこちに残骸が捨ててあった)エンジンを取り出して近くのスタンドからガソリンを1升瓶で買って来て、、しかしいくらキックしてもかからない。「エンジンの発電から高圧コイルを経てプラグに行く」位は知ってのだが高圧コイルをアースしなくてはダメだとわかるまでしばらくかかった。クズ屋さん(こう呼んでた)でタダでもらった一輪車のホイールにギアを固定するのに街の鉄工所に持ち込んで溶接をやってもらったり(これもタダだったかもしれない)。文化祭に校庭で走行を披露することにしたのだが当時の部活の担任には呆れた。そもそもゴーカート製作の案を持って行ったら「そんなことはできるわけがない!」いざ完成して校庭で乗りたいと言ったら「免許がないのに乗っていいわけがない!」結局警察まで尋ねに行って「校庭なら問題ないよぉ」などと言われて実行した。(ブレーキは一応ついてはいたのだが)サッカーゴールに突っ込んだりした(!)けど、、とにかく楽しかった。学校嫌いだったので中学の時の思い出として真っ先に浮かぶ。

 いつか自作のスクーターに乗りたいと授業中も隠れて設計図(落書き)を描いていた。Vespaなどは見たことも聞いたこともないころ。
 ところがある日学校から帰ったらシャリイがあった。多分母親用に買ったのだろうがイメージとはちょっと違ってたが友達にも自慢したくなるようなカッコ良さ。ノーヘルで遠乗りして途中でガス欠も経験した。プラグを無理にねじ込んでしまってプラグホールを傷めてヘッドを交換したのは前述の通りだがそれ以降は工具の使い方に注意を払うことになる。やはり失敗した経験は身についた。
 実家にあったのはヘッドライトが上にある初期型。カブに比べても鈍足で走らなかった。やはり女性がターゲットなオシャレなバイクにパワーは要らないということか。女性がターゲットといえば「ラッタッタ(ロードパル)」だがあれはカッコ悪いと家族の意見も一致してた(オーナーの方すみません)。

 
 今日は朝から猛烈な豪雨です。午後からはちょっと晴れ間があったのでエンジン以外の分解して掃除と注油、メッキ磨きした。ネジを緩めて磨いてまた締め直す。問題点を抽出しながら策を練る。キックは降りるしプラグに火花も飛ぶ。パークリで初爆した。まあ一安心。

 欠品
  ・HiLow切り替えレバー(お店ではあったような気がするが、、)
  ・「Chaly」のエンブレム左右(入手可)
  ・リアブレーキのジョイントパーツ(後で一部発見した)

 エンジン関係
  ・キャブレターの分解掃除(オーバーフロー対策含む)
  ・マフラーの防錆処理と塗装(リプロ品も入手可だがなんとか再使用したい)
  
 ボディ関係
  ・ポツポツサビの補修多数(全塗装はしないで補修する)
  ・前後フェンダーの歪みとサビ
  ・ヘッドライトボックスのサビ
  
 その他 
  ・フロントのカゴは荒く塗装してある。(補修、再々塗装して使おう)

 
 九州北部で豪雨災害の報道が続いています。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 蒸し暑い午後ですができることを進めておきます。ガソリンタンクとキャブレターを外して掃除。
 



 キャブはDaxのとは異なって形式は調べてみるとバタフライ式。構造はシンプル極まりなく「こんなんでいいのか?」と思う。よくキャブレターは「霧吹き」に例えられるがホントに霧吹き状態。横向きのエンジンの上にあるためハッチを開けてのメインテナンスはとても容易。数分で取り外せます。分解、掃除しながら観察してもほとんど問題は無い様子。ガソリン漏れはどこからだったかわからないがフロートバルブの段付きもない。念のためにフロート室のパッキンに液体ガスケットを塗って組み立てた。Daxの時は筐体そのものの劣化でガソリンがフロート室内部に滲み出ていたというトラブルでオーバーフローの原因が判らず一夏費やしてしまった。キャブレターの材質も良好で巣が入るような気配は微塵もない。思い出したのはHONDAスポーツのエンジンの記事で材質の悪さは「鍋釜並み」だったというもの。ホントかどうかはわかりません。
 組み立ててオイル変えて(そんなに劣化してないが量は減っていた)バッテリー無しで始動。、、といきなり全開!チョークとスロットルの取り違えていたというオソマツ。(チョークいっぱいに引いてた)
 
 エンジンは軽快、静か、快調。パワーは出てない(出切ってない)ようだがカゴのついたバイクはこれでいいのではないか、、と思う。多分キャブ変えただけで高出力化できるのだろうがフレームからキャブが飛び出すだろうし(あれは苦手です)。もしフレームに収まってくれるのであれば考えたいと思う。

 ポツポツサビを落としてタッチアップしながら自賠責かけてしばらく乗ってみました。次第に調子良くなって60km/hくらいは出るようです(微妙な言い回し)。とても乗りやすく取り回しも楽でやはりミニバイクはいいですね。原付はいずれEVになってしまうと思うけど電動アシスト付き自転車とうまく棲み分けて生き残って欲しいと思います。
 
 エンブレムは未だ来てません。

 お読みいただきありがとうございました。