Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

Ortofon mono について

2019-04-09 19:06:07 | Ortofon

 ortofon社(デンマーク)の前身のElectrical Fonofilms Campany A/S(エレクトリカル・フォノフィルムズ・カンパニー)は1918年10月9日にAxel Petersen(アクセル・ピーターセン 1887〜1971)とArnold Poulsen(アーノルド・ポールセン 1889〜1952.6)によってトーキーシステムの会社として設立された。1931年にはレコード制作用のカッティングシステムの開発、1946年に社名をFonofilm Industri(フォノフィルム・インダストリー)に変更した。

 1948年モノラルMCピックアップの生産開始。

 1951年にオルトフォン社がフォノフィルム・インダストリー・A/S傘下の商社として設立される。

 1953年トーンアームの生産を開始する。その後1965年までの間に主だった製品が開発される。この間にEMTへのOEM供給、JS社の昇圧トランスの採用など。

 1959年には革命的なステレオカートリッジ「SPU」が発売になる。ステレオレコードの登場は1958年でその後も78SPレコード、モノラルLPレコードの需要はあり製品は供給されていた。

 

 ここでは魅力的な初期のfonofilm,ortofon製品を調べてみようと思います。まず基礎知識のおさらいを、、。

 1948年にはHolger Christian Arentzen(ホルガー・クリスティアン・アレンツェン)が高いクオリティのSP/LP盤ラッカーディスク再生用モノラルMC型ピックアップを3種類開発した。基本構造は共通(インピーダンス 2Ω、自重30g)で振動系の実効質量が異なる。

  type A:スタンダードタイプ      4mg(針圧 7〜15g)

  type B:ブロードキャスティングタイプ  3mg(同  5〜15g)

  type C:スペシャルタイプ       1.5mg(同  3〜10g)

 またそれぞれ曲率半径の違いで白(95μm) 灰(85μm) 紫(75μm) 青(65μm) 緑(55μm) 黄(45μm) 橙(30/75μm楕円) 赤(25μm)に分類され色別にマーキングされていた。

 

 後にtype Aとtype Cの2種類となり各々のGシェル版のtype AG、type CGが加わった。1989年まで長期にわたって発売されていたモノラルカートリッジ CA25D CG25D CA65D CG65D はこのType Cの発展形で最後の「D」はダイヤモンドを表し(だと思う)Aシェル、Gシェル X LP用、78SP用となる。

 

 mono(モノーラル)信号は一つなので接続端子は2pin、後発のステレオ信号は4pin必要になる。ortofonからOEM製品の供給を受けていたEMTはモノラル時代の水平2pin配置に垂直にもう2pinを追加することで(十字配置)モノラルとステレオを両立させた。しかしこの十字配置を採用したメーカーは少なくortofonも自社製品の互換性を捨ててSME配置を選択した。type ADを除いて全てのOrtofon(Fonofilm)2pinカートリッジはEMTアーム(EMT997,EMT929)に取り付けることができる。これは非常に幸運な事でNeumann DSTもそうだが色々と作法があるにしてもとりあえず聴くことができるのはEMT機器を使用している者としてはありがたかった。SMEアームも最初期のプロトタイプと呼ばれる製品はOrtofon monoやEMT製品までも対応できたがこの機能は引き継がれなかった。

 

 最初期のトーンアーム (手持ちの資料から)

   

 いずれも2pin用で数字はレコードのセンターとアーム起点の距離を表していていわゆるショートアーム群とロングアーム群。

 

 Ortofon A212とBシェルカートリッジ

 唯一の樹脂製のtype A 212が1953年にortofon最初のアームとして発売された。適応するカートリッジはtype B  type AB  type CB type ADなどでいずれもBシェル。これはアームとシェルの形状を合わせたためでもちろんAシェルも取り付けることはできるが不格好になる。それよりも特筆事項はこのアームが世にも奇妙なコンパチブルカートリッジのtype AD専用アーム(このアームでしか使えない)ということ。LP/78SP両方に対応する関係で針圧も5g〜15gで調整できる。色はblackとcreamでカートリッジも同色を組み合わせたかと思う。さすがに北欧デザインの国デンマーク製品か。

 

(出典 https://www.lencoheaven.net/forum/index.php?topic=10676.0) 

 Ortofon最初期のものと思われるパンフレット。すでにOrtofon設立後と思われる製品だがFonofilm Industri A/S」となっている。「PIC-UP HEAD TYPE B」は「Broadcasting Type」のことで、B25(red 25μ)はモノラルLP用、 B30/75(orenge 30/75μ)は楕円針だがこれを含めてそのほかは全て78SPレコード用。

    

 type Bだと思うが確証はありません。またアーム取り付け軸の部分が緑なのでgreen 55μ かと思うが実際は青(blue 65μ)なのかもしれない。カンチレバーはtype Aのような幅広のものだが実際の実効質量はtype Aに比べて1mg少ない。厳密な聴き比べはしたことがないが、個体差が大きいのであまり意味がないかもしれない。

 

 type ADは「TOGA ターンテーブル」の項で紹介した。

      

  カートリッジを捻って(傾けて)LPと78SPを切り替える。アームの付け根にあるレバーで針圧を調節する。2本の針は両方ともにサファイア針。

 type Bの後にtype Aとtype CをベースにBシェルに組み込まれたものが現れた(多分そうだと思うが自信なし)。各々type ABとtype CB

 

 type AB

 

 軸の色は45/33(LP用)は赤(red 25μ)だが78(78SP用)は黒になっている。軸だけ取り替えたのかは不明。ところで修理などで内部を取り出すには本体裏に打ってある鋲を引き抜くとプラスチックの軸がリード棒を残して外れるので本体をムーブメントを止めてあるネジ1本を外して取り外す。

 type CBはtype CをBシェルに組み込んだものだと推測するが

 

 type Cのカンチレバーは標準的な太さ。しかし前出のtype ABと比べると赤いドットが彫り込んであったり前方が方形に欠かれていたりで少し異なる。シリアルNoを見るとちょっと古いのかもしれない。

 

 

 

 

 Ortofon S212

  

  

 S212トーンアームはOrtofon史上一番の簡素なトーンアーム。Aシェル専用で針圧調整機能もない。カートリッジの取り付けもジョイントリングは無く押し込むだけで固定される。端子は当然2pinでスプリングが組み込まれている。カートリッジの重量は30gに統一されているのでどのカートリッジも同じ針圧がかかるようになっているが針圧12gということで78SP用。78SP専用のトーンアームはFonofilm Industri(Ortofon)ではこれのみ。

 

 Ortofon RF 297

 

        

 ロングアームのRF 297だが拙宅ではずっと出番が無かった。ずいぶん前にEMT927にmono専用アームとして取り付けるつもりで購入したのだがEMT927に穴を開ける勇気がなくて現在に至る。穴を開ける場所は左上の角なのだが直下には電源トランスがありノイズに悩まされるかもしれない、、というのも理由付けになっている。RFアームの特徴の針圧調整スプリングを引っ張る機構のつまみの代わりにマイナスネジになっていて詳しい人に尋ねたりしたがこのタイプもあったらしい。またカートリッジ固定リングの幅は写真のように小さくカタログ写真のようにこれもあったらしい。ウェイトを固定するイモネジは二重になっていて外側の短いのを外しただけでは前後に動かすことはできず内部のネジを緩めて行う。

 カートリッジはシリーズ全て30gなので針圧調整のメモリが0の時に水平になるようにウェイトを前後に動かして調整してその後に後ろのネジを回して加圧する。水平になった時にスプリングのテンションが抜けて尚且つ遊びが無い位置に調整しておく必要がありメモリは30gまで書いてある。そうするとこの位置は必然的にスプリングの長さに規定される。ところが実際にこの作業をしてもカートリッジ側が下がってしまい水平に釣り合わせることができない。ウェイト側に重りを積むかスプリングを伸ばして(!)重りをより外側に移動させてバランスをとるか、、だと思うが追加の重りもかなりの重量となるしスプリングを引っ張って伸ばす勇気もない。これには困ってしまった。


 しばらく考えて結局メインウェイト側の軸に重りを埋め込んで少々のスプリング調整を行なった。

 

 

 これでなんとか0g〜の針圧調整ができるようになった。アーム組み込みのゲージの指す値とほぼ一致するがやはり針圧計は必要。ただ写真のそれは5gまでしか測れない。




 映画「ボヘミアンラプソディ」は最近まで市内の映画館で上映されていた。アカデミー主演男優賞を獲得して異例のロングランで私もその間2回ほど観に行った。英国のバンド「QUEEN」を聴き始めたのは2枚目のアルバム「QUEEN Ⅱ」からだったが田舎の純真な少年はびっくりしてしまってLPレコード抱えてせっせと友人宅周りをして無理やり聴かせた記憶がある。数枚のLP購入後はいつしか離れてしまったしライブエイドはTVで観ていたのだが残念ながらQUEENは見逃していた。

 久しぶりのQUEENがまた脚光を浴びたことに同時期のファンだった人たちは多いに盛り上がった。映画の出来も文句なくフレディの短かった人生を思うとこみ上げてくるものがあった。そして映画のヒットに便乗して様々な商品が発売された。これは「DeAXXXXXXX」の「クイーン・LPレコード・コレクション」シリーズ。25回配布されるらしいが書店でもVol,3くらいまでは大量に平積みされていた。QUEENのLPレコードは結構持っている、、と思っていたがそんなに多くが発売されていた事に驚く。せっかくの180g重量盤アナログだからとシリーズ購入する事にしてこの「MADE IN HEAVEN」が第4回目の配布。

 私だけ運が悪かったのかもしれないがこのシリーズの盤質にはちょっと問題があった。Vol,2の「QUEEN 1」を購入、開封すると盤が僅かに反っている。。交換しようかと少し迷ったが許容範囲かもしれないと思ってそのままにしていた。ところが次のVol,3の「QUEEN Ⅱ」の反り方は尋常ではなく横から見るとまるで煎餅(!)のようで当然全くトレースしない。本屋の展示は縦置きだったがどう扱ったらこんな極端な事になるのか。。これは当然返品交換になった。今回のVol,4も前の事があるのですぐに開封すると2枚組の1枚は僅かに反りあり、、ただしギリで許容範囲。もう一枚には反りはなかったのでやれやれと思ったがかけてみるとレーベルの中心が数ミリずれていて(!)見ていると目が回りそうになる。セットの注意書きを見るとレーベルシールのズレは交換対象にならない(!)などと書いてある。

 改めてアナログレコードの扱いの難しさを感じた。品質管理が進んだと思われる現代社会でもこういうことがある。今まで新譜にはこういったトラブルはあまりなかったが単に運が良かっただけかそれとも扱いに特別のノウハウやレコード愛があっての品質維持だったのだろうか。。デジタル時代になってソースの取り扱いに気を使う事は殆ど無くなった。盤や針を掃除したり、温度管理に気を使ったり、、やはりアナログは面倒だと思う。それが今マニア以外からも見直されているのはなぜだろう?データからモノへの回帰はバーチャルからリアルへの流れに通じているのか?(だいたいそんな流れなんてリアルか?)

  

 

 

出典 https://www.ortofon.com/hifi/cartridges-ranges/true-mono

 Ortofonモノカートリッジの系譜は前述の通りだがいざ現物を目にした時の判断材料を考察(ちょっとオーバー)してみると

   

 まず端子が2pinだというのが大原則。この接続端子はユニット直結なので4pinというのは途中で切り詰めて改造したか異なるユニットということ(だと思うが)。対応するアームも限られる。通常のSME接線のアームの他にモノラル専用アームが必要になる。EMTアームはそのまま接続することができる。ただし補助ウェイトが必要になるかもしれない。

 次にType AかType Cかだがこれはカンチレバーを見ればすぐに判断できる。通常の太さであればType C、板のように幅広であればType A。この2つは周波数特性も異なっていて

 Type A:  20-14,000Hz

 Type C:  20-20,000Hz

 またType Aはその重針圧ゆえ自動停止、オートチェンジャーに向いているとのこと。肝心な音の違いだが聴き比べれば一聴瞭然で全く異なる。同じ系列なのが不思議なくらいに。ただし個体差が大きいらしいのでひょっとすると故障した音をきいているだけかもしれない。。ついEMTと比較してしまうがやはり自分はEMTが好きなんだなと思います。安心のEMT。


 次に裏金属板に書かれている社名とシリアルNo,だが

   

 このType C(と思われる)には「ORTOFON」でシリアルNo,073997、上記のType CBは「FONOFILM」でシリアルNo,073989。1948年(社名FONOFILM)に一群のモノラルカートリッジが開発され1951年に社名がORTOFONに変更されたので多少のズレはあるかと思うが「FONOFILM」記載のものはこの3年間に製造された。またシリアルNo,073989とNo,073997の間に社名と記述が変更になった。さらに

   

 このカートリッジは2pinなのだが裏金属板には「TYPORADIO」となっていてシリアルNoも4桁。バッジはORTOFONなのでOEMかと思うが「TYPORADIO」については不明。どなたかご教授をお願い致します。OEMといえば

 ESL(Electro Sonic Lab)は、Ortofonの米国向けブランドで無骨なトーンアームもEMT接線だった。DECCAとLONDONのような関係かと思うが詳しくありません。JSで作っていてORTOFONに納入されていた昇圧トランスもそのままの上にESLのシールを貼って(!)売ってました。No,384トランスとESL-201は同じ製品。以前にNo,384は再販されたのを購入しましたがなぜか冴えない音ですぐに手放しました。やはり評価は低いらしく売却時には買い叩かれましたがその後の市場では混ざっているかもしれない。その点ESL製品の素性は確かだと思ってます。

 


 最後に魅力的なORTOFONのケースですが2個入りのもの。

 何が入っていたかは不明ですがLP用と78SP用か?また

 

 これらそっけないプラ製もありました。業務現場への供給に使われたのかもしれない。

 不確実な記述が多いことをお詫びいたします。間違いなどご指摘いただければ幸いです。




 お読みいただきありがとうございました。





 

 

 

  


屋根と基礎を塗ろう!

2019-04-05 21:03:21 | 日記

 我が家は1987年竣工なので今年で築32年ということになる。この間手を入れたのは1階の防音工事(2重サッシ、天井の防音)だけで外壁と屋根は全くというほどメンテしていない。特に角地で2面を道路に面している関係で屋根に吹き上げられて堆積した土に苔が付きやすく極くたまに(10年に一度くらい)自分でブラッシを使って苔落としをした程度。先日「パラグライダー日記」にも書いたが偶然見た我が家の屋根の航空写真にびっくりした。一部トタンなのだが上空からはっきり分かるくらいに茶色になっている。

  

 慌ててホームセンターで梯子買ってきて確認するとこの有様でとりあえずワイヤーブラシでサビ落として脱脂、塗装したがスレート瓦も結構痛んでいて素人目にもそろそろ手を入れないとまずいと思われた。

 

   

 

 

 webで調べると色々な情報があるが総じて業者さんのCMが多く自分で行った記事は意外に少ない。これは危険を伴う高所作業が必要になること、塗装は素人とプロの差が歴然と出ること、塗装作業が新たな雨漏りを誘発してしまうことなどが考えられる。特に屋根の作業で事故を起こした年齢分布は高齢者ほど多いらしく身のこなしの衰えが大きい要素らしい。しかし「自分の家は自分で手を入れる」という甘い囁きは頭の中でぐるぐる回っている。自分では勝手に「スイス方式」と呼んでいるのだがスイス旅行した時に現地では家のメンテナンスはほとんどその家の主人(男性)が行う、ついでに言えば毎週窓ガラスを磨く日があって家族総出で行う。これは不幸は汚れた窓からやってくるから! ガイドさんの言葉がやたらと印象的だった。毎週の窓ガラス磨きすら実現していないがあまり年取らないうちに自分でできることをしておきたいと思うのは身勝手な欲望か。。

 自分で作業するにあたっての基本的な考え方だが、、

・安全第一に考える。webでは自分でレンタルの足場を組んで行ってた猛者もいたがこれはさすがに無理だと思う。その代わり細かくブロック分けてブロック毎の保安対策を十分に練る。

・施工後に雨漏りを起こした場合は早急に業者さんに丸投げする。実は随分前にカバー工法を勧められたことがあった。尋常でない見積もり金額に驚いたがいざとなったらこのお世話になることも覚悟しなくてはならない。

・いきなり大屋根からの作業は避けて比較的安全な小屋根から行う。作業工程を見直すなどしながら。

・命綱をどう張り巡らすかをしっかりと計画、実施してから作業に入る。また装着するハーネスも手抜きをしない。ヘルメットも必須、靴も検討。

・塗料については近くの塗料専門店に相談する。

・作業の時期、天候を選ぶ。先日はたった3畳ほどのトタン塗装でも6時間もかかってしまった。勾配が緩いところだったので比較的危険は少なかったが長時間の作業は集中力が下がって危険性は増すし夏は作業はできない。

 

 高圧洗浄機は必須らしいのでとりあえず「ケルヒャー」をAmazonに注文した。

 選んだのは「K3 サイレントベランダ」で多分一番の売れ線。高圧洗浄機メーカーは複数あるし迷ったが結局一番の、、という事にした。延長ホースなどが必要になったら再注文になるが部品の供給が潤沢ということも重要な要素かと思う。実際に使ってみると家庭用ということもあってか能力不足は否めない。プロは電源の関係でエンジン式の高圧洗浄機を使っているがやはり水量や勢いが大きく違うのではないだろうか?特に立ち木の下の瓦は落ち葉が残る関係で湿っていて苔も多くヌルヌルしている。このような所にはひたすらワイヤーブラシで掻き落としてから洗浄した。雨樋も酷いことになっていた。

 

 雨樋が変形したり詰まったりでなかなか流れていかない。高圧洗浄すると懐かしいドブの匂い付きですごい勢いで泥水がとばっちる!ドブ川の下で生活していたわけでまず雨樋のおおまかな掃除と勾配の修正(金具の位置の変更など)を行なってとにかく水が流れるようにしてから屋根の掃除にかかった。

   

 

全体にワイヤーブラシをかけた関係で玄関上の小屋根の洗浄だけで4時間かかってしまった。

 塗料は近くの塗料専門店に相談して決めたのが

 水性プロテクトルーフとサフ。洗浄作業の合間に相談して注文したのだが翌朝には届いた。値段も通販ショップと比べてもさほど変わらない。塗料専門店はホームセンターと比較してもサンドペーパーなどもとても安く手に入ります。以前は車の塗料の調色もしてもらったことがある。外装部品を持ち込んでお願いしたのだが普通に取り扱ってくれました。仕様書ではサフ塗って3時間以上乾燥して上塗りを2回(2時間以上あけて)行う。まずサフ塗りを行なった。サフの色はグレーで上塗りも偶然グレーを選択した。

  

 下塗り(サフ塗り)の所要時間は90分ほど。

 乾燥後に重要な作業がある。「下手に屋根を塗ると雨漏りを起こす」そうでこれについては詳しい解説がたくさん見つかる。要は「瓦同士が塗料でくっついてしまうと雨水が下に落ちづらくなって(毛管現象によって隙間から重力と反対方向に流れる)瓦を固定してある釘を伝って天井に侵入する」というもの。これを防ぐには塗装が終わってから刃物で隙間を確保する「縁切り」をするか、もしくは今回採用した「タスペーサー 02」というスペーサーを1枚の瓦板に2枚ずつ入れ込んで瓦を浮かせておく。

 

 「タスペーサー」は下塗りの後に挿入して上塗り後もそのまま撤去はしない。サフ塗り乾燥後に挿入したがすでに貼り付いている場所もあって剥がしながら挿入した。単価は1個あたり18円程度だが500個では足りず上塗り塗料代くらいかかるかもしれない。ただし施主への請求の目明日が説明書に書かれてあったがそれなりの利益にはなりそうな金額だった。タスペーサーの挿入も1時間程度はかかった。

 上塗り1回目

 

 上塗りは2時間程度。天気がイマイチで今日は1回目の上塗りと隣の小屋根の掃除までしかできなかった。今日の作業で気づいた点は

・塗りたて面を踏んでしまい滑って慌てた。一度塗料が靴の裏に着くと乾くまで滑りやすいのが続く。塗料バケツをひっくり返しそうになった。

・高圧洗浄だけでは不十分

・タスペーサーを入れただけで十分なのだろうか?少し心配。

・トタン部分にはサビは見られなかったので一緒に塗ったが良かったのか心配。

・疲れてきたら早めに休憩を

・命綱の確保は最優先に。付け替えは面倒くさがらずにこまめに行った。作業中は体重を預けずに自立して作業することを心がけた。

 

 翌朝もう1ヶ所の小屋根のサフ塗りから。この屋根が一番傾斜があって命綱を解除して梯子から降りるときも足がすくむ。恐怖感もそうだが傾斜の強いところの作業は足への負担が大きい。最初に細かいところを刷毛で拾ってからローラーを使うが途中で腰も痛くなって一気には塗れない。

 こちらのサフ塗り、タスペーサー挿入、中塗り、上塗り、そして玄関上の小屋根の上塗りで終了しました。

  小屋根でこの有様ですから毎日この作業をしている方々のご苦労が少し分かった。足がつる。作業していて感じたのは如何に機械のような正確さで作業することの大切さ。動きが身についていれば安全に高い品質で作業が進む。イレギュラーな動きは事故の元。素人はすべての動きが非日常なので危険だし品質も落ちる。

 以下備忘録。

・屋根の歪みがある場合はタスペーサーは必要に応じて増減する。

・タスペーサーを入れていても縁切りは行った方がよい。縁切りにはノコギリが活躍したがあまり深く挿入しないこと。

・梯子をなんとか屋根に固定すると安心感が増す。

 

大屋根をどうするかはしばらく考えます。

 

 ここに来て突然タイトルを変更しました。「屋根を塗ろう!」から「屋根と基礎を塗ろう!」に。

 そのまんまの内容です。大屋根をどうするか考えていてふと足元を見ると

 

 こっ!これはっ!!(小芝居)  結構きてます。。

 コンクリート基礎ですが化粧モルタルのひび割れ、剥がれがある。ひび割れはそんなに深くまでは到達していない事を信じたい。。こちらもそろそろ手を入れないとマズイ気配。例によってwebで情報収集したり塗装専門店で相談してみる。それによると基礎の塗装については「しない方が良い」という意見があって特に湿気が抜けにくいところはわざと無塗装にする場合もあるらしい。しかし拙宅の基礎はすでに塗装してあるし再塗装前提に考えることにします。

 玄関を除いた全周に渡る部分だが劣化具合も場所によって大きく異なっている。特に化粧モルタルが剥がれたりの劣化が激しいのは南側でこちらは湿気はあまり無い所。これは紫外線の影響と考えるのが自然。次は基礎の前にエアコンの室外機や小さい物置を置いた面。こちらは主に塗装が五円ハゲ状に剥がれている。ひび割れは3ヶ所くらい。また表面を叩いてみると化粧モルタルが浮いているところは音が違う。これもいつかボロッと剥がれそう。これは湿気が関係していそう。

 作業工程は 洗浄→補修→塗装 洗浄は主には高圧洗浄機を使うがワイヤーブラシや場所によってはスクレイパーも使う。その前に基礎に沿って土を掘ってなるべく地中部分を露出させてから洗浄を行った。補修は塗料専門店で勧められたコーキング材を用いた。購入したのは1本だったのでひび割れなどで無くなってしまった。ここまでで1日が終わってしまった。塗料も注文したが数日かかるとのこと。作業はGWになりそう。

 購入した塗料はこれ。

 平成が終わるというのになんとも昭和チックな名前の専用塗料。近所の塗料屋さんで相談した時は普通の水性塗料を塗ればいいと言われていたのだがwebで色々と調べてこの塗料を見つけた。お店では扱っていなかった。

 湿気の関係で気密にしてしまうと問題が発生するかもしれないと思っていたし専用品ということもあって選択。色はクリアー、ライトグレー、グレーと3色でグレーを2つ(4kg)Amazonに注文した。

 4日かかって届きました。今日からGW突入です。風速強く風向も悪いのでパラグライダーはできません。昨日の発送通知だったので今日は届くはず、、と考えつつ朝から到着を待っていましたが一向にその気配がない。GW中は荷物の取り扱い量も増えるだろうからどうなるかな、、15:30になってようやく届いたので急いで始めます。基礎の掃除は済んではいるがすでに新しい埃も付いている。布で埃を拭き取ってコンクリート床との境をマスキングして外せるものは極力外して塗装しました。

 所要時間は3時間。1回塗りなのでこれで終わりです。しゃがんだ姿勢の作業はやっぱりくたびれる。。塗料の量は丁度良く刷毛とローラーを使うがローラーはwebでのお勧め通り細いタイプが具合良かった。

    

 これから掘り返した土を戻します。コンクリート床以外はマスキングしなくていいので非常に楽でした。モルタルが剥がれた面はほとんどそのまま塗ってしまった。気楽に塗れることがわかったので不具合が出たらまた考えます。