SONY M-805
SONY M-805は2003年の発売で当時の価格は12,100円。筐体は樹脂製、オートリバース、電源は単4乾電池2本もしくは3Vの外部電源、テープスピードは2段階切り替え、VOR(音声に反応して録音を開始する機能)など。
キャプスタン軸が中央にあり左右1個ずつのオートリバースヘッドある。消去、録音、再生を1ヘッドで行なっているらしい。フリマで入手したのは新品同様の外観で早速単4電池2本を入れて再生ボタンを押すとモーター音は聞こえるがテープは走行せずになぜかハウリングする。開けてみると
モーターからキャプスタン軸へのゴムベルトは溶けて散っていた。もう1本はカウンターベルトでこちらも形はあるが今にも崩れそう。
ベルトはこの2本だけ。カウンターベルトは直径が約20mmと小さく手持ちがなく汎用品を注文した。分解時に透明なパーツが飛び出してきてどこからなのか分からなくなった。また基板からケースに到着されているスピーカーとマイクを繋ぐ極細のワイヤーがあるのだがマイク側が外れてしまった。。全て後回しにしてとりあえず組み立てる。
カウンターは動作しないが一応走行して出音することを確認した。分解組み立ては何回かくりかえしてようやく慣れてきた。幸い出処不明パーツの定位置も確認できてゴムベルトが届くまでしばらく待つことにします。
小径ゴムベルトの詰め合わせで1本あたり40円程度です。これでベルト交換済みました。
リード線が外れたマイクも修復します。ところでこのような細いワイヤーの被覆むきはどうするのだろう?テフロン被覆なのかハンダコテ当てても焦げるだけで溶けず細すぎてワイヤーストリッパーも使えずで結局カッターの刃でこそげるようにして剥いた。良い方法があれば教えていただきたい、、と思っていたが調べてみたら極細ワイヤー用のワイヤーストリッパーが普通に市販されていて注文した。
これでメンテナンス完了しました。
マイクロカセット製品すべての製造が2010年には終了しているのだがこの製品は2003年発売ということでアナログテープレコーダーとしても後期の製品ではないかと思う。実際に録音再生してみるとマイクロカセットの限界を強く感じる。特にS/Nの悪さが気になり会話の記録がせいぜいだっただろう。録音されたデータもテープごとの管理となり当たり前に不便。ICレコーダーになってファイルで管理されデータ一覧がディスプレィ表示され瞬時に頭出しできる便利さとは比較にならない。CDが登場して20年たった頃で音楽再生のメディアとしてはメタルテープやドルビーを注ぎ込んでも不適格との結論がとうに出ていただろう。現在でもレコードやカセットテープのようにマイクロカセットが復権したという話は聞かない。SONY M-805をはじめとするこの時期のマイクロカセット製品は音声録音を目的にモノラル、オートリバース、VORとキュー機能、マイクとスピーカー内蔵など1969年から始まり40年近く続いたマイクロカセットの終焉期の完成形でメーカーとしても枯れた技術で廉価に生産する事が最大の至上命題だったのだと思う。個人的にはマイクロカセットは非オーディオとして最初に買ったPCでデータやプログラム保存媒体としてお世話になりました。
お読みいただきありがとうございました。
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