Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

BMW R26 BINGキャブレター について

2017-05-22 17:07:54 | BMW R26
 古いBINGキャブレターについての情報はちらほらと散見されますが私のような初心者には荷が重い。というのもエンジン不調でキャブレターが原因かと思われた時、設定が悪いのかそれともどこか故障しているのか寿命が終わっているのか(BINGに限らずだが)わかりません。だいいち正常状態をほとんど経験していないしっ!


 これには「ISETTA」とある。R26のと同じかは不明ですが
 

 フロート室への燃料供給もこれらは下からだが上からのもある。「原理はいたって原始的」とは言われるがスクリュー(ネジ)が何を調整しているかは再度確認してみます。
 先日某オークションで同型のキャブレターを入手しました。

 完全ジャンクの激安でしたが欠品は無い模様。早速分解してみる。クッキーの箱の蓋に展開して

 スラッジはかなり溜まっているしフロートバルブはサビがすごい。一晩灯油に浸けておいて真鍮ブラシ攻撃して

 写真にするとまだ結構キタナい。。
 メインジェットは120,スロージェットは35

 残念ながらスロージェットのプラグを受けるボディー側のネジ山が壊れています。 深いところの健全部分を狙って穴の縁を水平に削って浅くして対応。



 
 ではBINGキャブの私への備忘録を書いておきます。
 ・タンクからのガソリンはフロートの下部から入る。最下部のプラグを緩めると沈殿したゴミが溜まる部屋がある。
 ・ガソリンが供給されフロートが上昇するとフロートニードル(ニードルでは無いが)が一緒に上昇し流入を止める。フロートの位置が液面を決定する。フロートニードルには溝が回してあり位置は決まっているが動かせないことはない。ガソリンはメインジェット、スロージェットの下部の部屋と繋がっており同一の液面となる。フロートの位置を上げると液面も上がるが限界を超えるとオーバーフローが止まらなくなる。
 ・フロート室の上葢にはフロートを押し下げるティクラの棒が出ていてフロートを下げることによってガソリンが余剰に供給されて液面が上昇して上部の穴からも溢れ出す。この穴はキャブレターの通路に開口していてガソリン液を供給して始動し易くする。
  
 ・始動時はティクラを押してガソリンをエンジンに送り込んでキックする。スロー時はスロージェットからのガソリンで稼働する。調整はスロージェットの番手(現在は35)か混合気で調節する(これについては後述)
 ・ジェットニードルはスライド(上下する円筒形のもの)に固定されて上下するが固定する位置は4段階

 ・一番下が燃料供給が多くなる。ニードルのテーパー比で出力の傾向を変えることができる。この部分の調節は出力の中〜高にかけてに影響する。
 ・メインジェットの番手は最高出力に影響する。現在は120だがこれ以上はインターネットのカタログには無い。
 ・調整代は メインジェット、スロージェットの番手、ジェットニードルの上下を固定するクリップの位置(4段階)、アイドル調整ネジ、アイドルエアー調整ネジ に加えて正しいかは不明だがフロートの位置調整

 ここで不明なことが出てきます。文中にも書きましたが「エアーレギュレーティングスクリュー」もしくは「アイドルエアースクリュー」ですがこれはスロー時の混合気量を調節すると思われるものですが、R26のキャブと今回入手のキャブとは形状が異なるのです。

 向かって左がR26実装ですがスクリューの内外は内部に穴があって外部からの空気がスクリュー内部に入ってニードル部で調節される。これは名称の通りだが、右側のは今回のもので空気の通路は無い。本体の構造を観察するとスロージェット周辺からの空気の供給路は無い様子。したがってこのニードルスクリューは模型エンジンのニードルバルブのように燃料の供給量を直接コントロールすると思われる。通常のエアー調整であればねじ込んだ状態が一番濃い混合気になるがこれではまるっきし逆になる。この辺りが一番不可解なところでアイドル調整ネジとも相まって益々状態。
 走行中にアイドリングが安定しないと色々と考えます。リンケージも関係しているかもしれないし。

(ここからも自分へのメモです)
 実働時の問題点を揚げると
 1 アイドリングが不安定。信号待ちなどの時に回転が上がりすぎたり、逆に下がってストールしそうになる。
 2 エンジンが高温のような気がする。
 3 エンジンが始動しないことがある。

 3 エンジンの始動についてはバッテリーの管理が重要なようで時々しか乗らないライダーは肝に命じます。
 2 エンジンが高温ではないかについてはまずプラグを交換して焼け具合を冷静に判断する。ジェットニードルの位置を変更した。
 1 アイドリングが不安定なことについては
   ・高回転に陥った時にエンジンを止めて燃料コックを閉めてからフロート室の蓋を外して液面を観察する。予想はオーバーフロー気味で上部の穴からもマニホールドへ流れ出ている。
   ・高回転になった時にエンジンをさらに吹かすと回転が下がるように思う。液面が下がってオーバーフローが無くなるからではないか。
   ・液面が高すぎるのが原因であればフロートを本来の位置に戻す。
   ・低回転でストールしそうになる時、アイドリングスクリューではなくスロージェットからの空気量もしくはガソリン量の調整で対応してみる。
   ・アイドリング時の負圧はかなり大きい。スロージェットの番手は35でかなり小さな穴。ゴミ詰まりなどは常にチェックが必要(ネジ穴が潰れているのは痛い)ここからかなりの速度で供給されていると思われる。

 整備したキャブに灯油を供給するとオーバーフローする!っと思ったらフロートの位置が違っていて直すとまあ及第か。このキャブに限らず古いものは走行後の燃料コックは必ず閉めた方がよろしい。
 このキャブはこのままストックすることにしました。

 NGKのBP6Hを新規購入してしばらく乗って焼け具合を確認した。予想はリーンバーンだったが実際はススで汚れていて混合気は濃い。方針変更だ。
   ・フロートの液面は標準位置に戻す。
   ・アイドルエアーはアイドリング時に高回転になるように調整(その後アイドルスクリューで調整する)
   ・点火系統に不具合がありそうで充電が機能していないのかバッテリーが寿命なのか。一応激安バッテリーを注文した。6Vはバイク専門大型店ですら置いてない。

 アイドルエアーを1.5回転緩めたところがアイドリング回転が上がるトコなのでこれで走ってみると、、快調です。走行後の低回転が安定する。実はアイドル不安定な時にティクラを押してみたことがあるが混合気が薄くて不安定ならこれで少し安定に向かうかと思われるが実際はエンストすることが多かったわけで。
 一般に言われていることを忠実に行うことが近道だと改めて感じた。なかなか「ど素人」域から脱出できない。


 先週の土曜夜に京セラドームに「ゆず」コンサートに行ってきました。
 
 スマホで撮影可です。(iphone 7 plusで撮影)
 凄い声量と音楽性、充実したステージで満喫した。小さい子から私より年上の方までみんなで踊って(リハーサルあり)。
 (BUMP OF CHICKENのコンサートでは私が最年長なのが確実であります。)
 

 晴天に誘われてあまり暑くならないうちにミニツーリング  矢掛本陣前にて

 ここはコスプレ撮影やバイクツーリングで寄ったりで休日は結構賑わうと聞いています。今日は平日なので静かな街並みでした。ゆっくりと二周。

 岡山県 玉野市にある由加山蓮代寺に参拝 初めて行きました。初詣の参拝者で大混雑するところですが平日はほとんど人影はない。
 

 帰宅したら豪雨。梅雨も近い。

 エンジンは安定して走行できました。帰ってプラグの焼け具合を見ると(カーボンは付いているが以前のものかもしれないし)いい感じのような気がする。
 何よりあまり不安なく遠出できるのが嬉しい。
 バッテリーが充電されているかちょっと心配だったが一応されている様子。イグニッションを切った時には電流は流れない(確認した)。キーの向きでスモールライトとヘッドライトの点灯する。この辺りがいまいちな感覚なのでなんとかしたい。




 
 

第65回岡山旧車会春のミーティング に参加して

2017-05-14 19:27:44 | BMW R26
 今日は2017年5月14日。毎年恒例の上記のイベントに「BMW R26」で参加してきました。私は初の参加ですが会は30年以上の長い歴史がありこのイベントも第65回を数えます。


 岡山県を流れる吉井川の河川敷で午後1時から
 

 

 

 

 

 



 とても珍しい車種も 
 NSU(独逸)FOX オーナーはTriumph T15の方で会場で唯一の知り合い。

 HONDA ジュノオ  初めて見た。水平対向2気筒エンジン。


 JAPエンジンを積んだCEDOS(英国)
 
 メグロ(日本)愛好家が多かった。
  

 一応エントリーがあって一台ずつ登場してインタビューと記念撮影。エントリー料は500円。キーホルダーと特大注射器の記念品とワンドリンク付き!

 エントリー数は多分70数台。私はオシリの方。全て終わってから各賞と全員の投票によるグランプリの発表!
 栄えあるグランプリに輝いたのは

 岡山市のSさんの「BMW R50」とても美しく愛情と熱意を感じました。帰り道の途中で後ろから来たSさんに声をかけられ道端でBMW談義に花が咲きました。情報も多くいただき良い出会いでした。

 今日は快晴、微風で素晴らしい二輪日和、一年の内ごく短いベストシーズンです。満喫しました。

 おまけ 1
  家から数百メートルのとこでエンスト。初爆はするがなかなかかからない。またティクラ押すといつまでもガソリンが滴る。
 エンストの原因は混合気が薄いとみた。エンジンのダメージが心配だが結構スピードが出ていたのでそれなりの冷却があったと思いたい。市街地になってオーバーヒートでエンストしたか。エンスト後にティクラを押すと溢れるまでしばらく(数秒)時間がかかる。。ということはフロート室の液面が低いのではないか。
 早速分解してみましょう。久しぶりのBINGキャブ
 
 フロートバルブは底についてる。忘れていた。。ティクラに当たらない程度にフロートの位置を持ち上げて液面を高くした。これで様子みます。バルブ軸にはフロートを固定するための溝が廻してある。この溝を切らないとフロートの位置が定まらないかもしれない。
 フロート室の底にはタンクからのゴミが溜まる。今回はキレイだった。
 、、、とフロートの液面調整はやっぱり的はずれだった気がする。メインジェットの番手を上げるべきか。またスローのミクスチャーの調整をもう少ししてみます。

 おまけ 2
 実は前輪が横方向にガタがあります。以前からの懸案だったので昨日分解してみた。大型ワッシャーの穴を広げて即席のシム作って入れたのだがほとんど効果は認めず。やはりシャフトベアリングを根本的に検討しなくては。結構苦労したのに残念です。
 今回は往復で100kmほどだったがやはりご近所をウロウロするのとは違うトラブルが出る。しっかり乗ってダメ出しをしてロングツーリングに備えます。


 お読みいただきありがとうございました。

 後日談
 しっかり刺激を受けて帰ってからちょっと手を入れました。まず前輪のガタですがシムを作り直してまた入れる場所を検討して今はかなり軽減しています。フェールホースとフィルターの交換、ジェットニードルを一番上(一番もちあげ)に変更、やっぱりフロートは一番上にして液面を上げるなど。日曜早朝のドライブは快調。メインジェットの番手は120で一番大きい。

Ortofon KS601 について(2)

2017-05-07 08:21:16 | Ortofon

 100V通電して出力段周りを測定してみます。このアンプは固定バイアスになってるのでこの部位に不具合があると6973がお陀仏になる。

 バイアス電圧は回路図ではちょっと分かりづらいが基盤には「-28V」とある。回路図ではこうなっているが通電してしばらくすると急速にマイナス電圧が下がってしまいます。。これはどうしたことか? 
 だいたいこの回路ですが、、恥ずかしながら初めて見ました。原理も不明。ラインに入っているコンデンサーの容量を増すと電圧が増加する。最初はこのコンデンサー、整流ダイオード、ツェナーダイオードが不良になったかと疑ったり、平滑コンデンサーにパラに増量したりしたが電圧降下は解消せず。。あるプロの方に聞いたら電解コンデンサーの不良!と即座の回答。不良パターンとして容量が抜ける以外でもショート状態になることもあるのだ!確かに。。なぜ気づかなかったのだろう。連休ボケか? 生まれて初めてのGW9連休で。

 このJENSENのコンデンサーはデンマーク製。国産部品使用。日本でも流通しています。出力管の近くでかなり厳しい環境で致し方ない。交換してとりあえず終段は安全になりました。信号を入れてみると前段の6BL8が機能していない。。電圧が来ていない。

 前後のパネルも簡単に外れてメンテし易い。大きなプリント基板を金属フレームで囲っているので安心してひっくり返すことができます。「メンテし易い」とは書いたがプリント基板の箔の剥がれには常に気を使う。剥がれを補修しつつの作業で。
 やっぱり箔が切れてました。信号を入れて確認。ドライバー段(ドライバーとは言わないかもしれない)まで稼働するようになりました

 おっと煙が上がっています。この赤いコンデンサーから

 またJENSENです。この電解コンデンサーはスクリーングリッドにつながっている。スクリーングリッドはツェナーダイオードで定電圧化されてるのですが、ツェナーダイオード。

 立っている2枚の基板に大量に(17個)。適当な電圧のが無かったのだと思います。気合を感じる。美しさは別として。
 、、やっぱりバイアス電圧がおかしい。1本の6973のバイアス電圧が低い。これには正直参りました。回路にあるパーツを全て取り去って
 

 もちろんカップリングコンデンサーの漏洩も疑ったが全て取り去ってもアースに高抵抗だがわずかな導通がある!こうなったらパターンそのものを疑うしかない。

 パターンを切って導通の有無を穴1個づつ確認するとカップリングコンデンサーの穴にわずかだが導通がありこれが原因だった。ここに到るまでパーツを外した後のパターンや穴は掃除したつもりだったのだが、、。

 原因が分かるまで数時間かかってしまった。

 プリント基板で回路の流れを追うのは(慣れてないので)とても時間がかかるし、また我が身のアタマも悪さを呪う。ライトですかして結線を確認するのだがすぐに忘れてしまって前回確認したとこの復習から始まるので非効率この上ない。いろいろ考えてやっぱり回路をパターンに書く事にした。直接はかけないのでパターンをコピーして

 紙にプリントして回路を書き込んでいく。結線は色分けして回路図にも記入する。とりあえずトーンコントロール以降を記入してみた。



 オーディオジェネレータ出力を順に遡って入れていくとこの段までは問題なさそう。ところがトーンコントロールから上流で反応が無い。。ふと気付いたのは基盤上にパイロットランプがあるのだが消えている。このランプは前段のヒーターと共通らしい。。やっと分かったのは前段のヒーターが点灯していなかったというオソマツ。(原因はわかってしまえばこんなもんです。)
 基盤上にハムバランサーがあるのだがここまでの配線(パターンとリード線のハイブリッド)にトラブルがあったようす。箔が途切れていた。新たにリード線で配線

 これでパイロットランプは光って音も出力されるようになりました。しかし一見して破損しているコンデンサー

 高音質で評判の「マスタード」だと思いますが。手持ちのテキトーなのと交換して

 ようやく完成。


 考えてみればパターン面から回路を追うよりパーツ面で追って行ったほうが楽だったかと思う。パーツ情報も書いてあるし。。
 やはりプリント基板は苦手です。手を入れても入れただけ汚くなる。基板の寿命もあるかと思う。
 それとあまりエラそーに言いたくは無いがパターンの設計に問題があると思う。ステレオだがシンメトリーさは薄いし部品配置にも一貫性がない。延々と伸びるパターン。
 出力管とドライバー管のヒーターは共通で(左右に別れてはいるがかなりの電力)パターンで供給される。ジャンパー線も多いし驚いたのはブロックコンデンサーの固定金具までジャンパー線としている。ワンボードでトランス以外のほとんど全ての部品を搭載したのは大変だったとは思う。大きな部品を配置して細かな部品をその間に詰め込んで。パターンは細く経年変化と真空管の発熱で劣化して導通不良となっているのも多いと思います。この集積度を見るとステレオ管球プリメインアンプがいかに大変だったかと思う。プリント基板そのものを採用したこと自体が先進の技術だったのかもしれない。。
 子供の頃に故障した真空管テレビの修理の様子を覗き込んでいた。複雑極まりないシャーシの裏側を修理するテレビ屋さんには心底感心、尊敬して「将来は電気屋さんになる!」と誓ったことを思い出します。

 これで完了かと思ったらどうも入力がおかしい。左右の信号がうまくコントロールされていない、、と思ってロータリースイッチを点検するが

 頭がこんがらがる。。接点がよく見えないし、、と思っていたがこのスイッチをブラックボックスと考えて入出力を確認すると特に問題はない。。原因は自作のDIN→RCAアダプターの配線が違っていた。同じOrtofonのアンプと共通だと思っていたら現物はとにかく違っている。またアダプターを作らなくてはならなくなった。
 
 結構手こずりましたが完了しました。
 
 結構男前なアンプだと思います。このデザインセンスは1960年代ということを考慮してもかなり先進的。現在の感覚からしても斬新だと思わせるのは上面が湾曲しているのと側面が斜面だという事に加え、フロントパネルが前後に段差があってパネル周囲の額縁が上下湾曲で前後差があって側方のラインが逆テーパーしていることなど。やはり凝りまくり。デザインの国の面目躍如か。入出力はDINコネクターのみで面倒なことはしないというヨーロッパの気質?
 肝心な音味はS/Nは良好(交換コンデンサーの容量は増加している)、トーンコントロールはとてもよく効くし家庭用としてなんの不満もない。当時の価格は不明だが多分贅沢品。現代では手頃な価格で入手できそうなのでしっかり整備して肩肘張らない普段使いのアンプとして使いこなしたい。センスの良い部屋によく似合いそうです。



 お読みいただきありがとうございました。



 


Ortofon KS601 について(1)

2017-05-05 14:16:54 | Ortofon

 Ortofonは北欧デンマークのオーディオメーカーで特にカートリッジ、アームなどが有名ですがかつてはアンプも作っていました。「Ortofon KS601」は1960年発売のプリメインアンプで5年という比較的長期間作られた。デンマークといえば家具やパイプなどの木工製品、アンデルセンの故郷、OrtofonやB&Oをはじめとする精密機器、著名なデザイナーのヤコブ・イェンセン、、とヨーロッパの中でも(私にとっては)魅力的でいずれは訪れてみたい国の一つです。
 Ortofon社の歴史は古く創業は約100年前の1918年、アクセル・ピーターセンとアーノルド・ポールセンが映画のトーキーシステムを世界に先駆けて開発したエレクトリカル・フォノフィルム・カンパニー(のちにフォノフィルム・インダストリーA/Sに改称)が源。その傘下として1951年にオルトフォンA/Sが設立された。


 

 

 




 この回路図には「フォノフィルム・インダストリーA/S」とある。Dateは1960年9月27日で1958年にステレオレコードが出てから2年後のステレオプリメインアンプとなる。日本では1961年にはLUXからSQ5Aが登場している。プリメインアンプはピュアオーディオ(死語)から見れば傍流の気がするしオーディオ史に残ると思われる真空管アンプは少ない。しかしプリメインアンプにさらにFM、AMチューナーまで詰め込んだ「総合アンプ」は安物オーディオとされていたが技術者から見たらかなりの難物だったろうと思います。管球式の単体総合アンプが存在していたかは知りませんが多分国産ステレオセットではあったと思う。余談ですがカミさんの実家にはMFB(モーションフィードバック)機能が付いた「ナショナル」のステレオセットがあってびっくりした。物持ちの良さに。。当時のナショナルオーディオの技術水準は世界的なレベルだったと聞いています。

 今日は五月五日で端午の節句 晴天だし外に出よう。BMW R26に乗って。
 
 
 原付ママチャリも元気です。

 抜けてた空気入れたらあとは何もしなくても快調。さすが世界で700万台売れたバイクで手間いらず。ダダダッとエンジンかかってペダルがすうっと軽くなる。このアバウトさは快感〜!


 拙宅の「Ortofon KS601」ですが
 

 
 なぜか出力管が2本無い。。またプリント基板も結構傷んでいる。

 このキチャない補修をしたのは「私」です。割れたプリント基板を綺麗にリペアーする技は、、? あったらご教授願いますっ! 出力管のソケットまで基板上にあるが発熱は大丈夫だろうか??、、まあそういうアンプなのでしょう。鬼気迫る再生が目的では無い、、と思います。
 構造はとてもユニークでぐるっと取り囲んだ腹巻のようなメッシュ板を外すとメンテし易い。脚も筐体の一部で今見ればレトロ調だが当時はどういった印象を持たれたのだろうか。


 スピーカー出力はDINから通常の端子に、また電源は3Pインレットに改造されている。ヨーロッパ製品は220Vですが回路図では110Vへ改造できそうだがリアパネルには「220V 〜AC 50-60c/s」FUSEは「0.4ASB」としか書いてないので安易な改造は事故を招く(経験済み)。このまま行きましょう。入力もDINなのだが不便なので以前変換コードを作ってます。

 出力管は6973というビーム管
 

 

 

 2本足りないのは他から捥いできて恐る恐る100Vから通電してみる。電圧測定すると、、なんと規定値付近。110V仕様でした。。表示の変更していなかった。

 110V仕様の結線の様子です。回路図には電源トランスの引き出し線の色の記入がない。1次がパラ接続だと思います。もともとこの状態でやって来た事になる。
 また基板が破折している所は太いワイヤーを使って補強しうまくいきました。これで真空管の抜き差しでもゆさゆさ動かなくなりました。